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2016年6月3日金曜日

シャングリラ対話へ向かう機内でカーター長官が語った内容に注目


精彩を欠く末期のオバマ政権でこの人だけが光を出しているように思えてなりません。中国からは冷戦時代の思考だと批判されているようですが、むだに緊張を作り出し結果自らの首を絞めているのは中国でしょう。次期政権にも現行路線が継承されることを強く望みます。

US Won’t Back Off On Korean Missile Defense, South China Sea: SecDef

By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on June 02, 2016 at 10:06 AM

Sydney J. Freedberg Jr. photo
Defense Secretary Ash Carter speaks to reporters en route to Singapore.
ABOARD SECDEF1:  アシュ・カーター国防長官はシンガポールのシャングリラサミットへ移動する専用機内で報道陣に太平洋での連盟づくりに向かう米国を批判する中国に全く動じていないと述べた。
  1. カーター長官は土曜日に行うスピーチで重要点二つに触れるだろう。
  2. まず今月中に韓国と米国はTHAADミサイル防衛装備の韓国配備を発表する公算が大きい。中国がTHAAD配備に反対を表明しているのはTHAADが北朝鮮ミサイルよりも中国領空内での迎撃を行うと危惧しているためだ。カーター長官は報道陣に「これは同盟国同士で決めたこと」と繰り返し発言しており、あくまでも自衛のためと強調、つまり中国政府の関与すべきことではないと述べている。
  3. 7月にはハーグで国連海洋法条約にもとづき南シナ海を巡る中国-フィリピンの意見対立で裁定が出る見込みだ。(これ以前に出る可能性もある) 中国はかねてから裁定に従うつもりはないとしており、逆に防空識別圏(ADIZ)を一方的に設定する可能性を示唆している。一方的に同地区での航空航行の権限を主張すると挑発行為と受け止められかねないが、「仮に宣言があっても東シナ海でのADIZ設定の時と同様に軍の活動に影響は出ないだろう」と国防高官は述べている。
Ryan Lim - Malacañang Photo Bureau (Public Domain) via WikimediaPhilippine president-elect Rodrigo Duterte
フィリピン
  1. 南シナ海情勢を複雑にするのがフィリピンの大統領当選者、大衆迎合主義のロドリゴ・デュテルテで、アメリカとの同盟関係に疑問を投げかけている。現政権は退任間際になり米国との同盟を強化し、強化防衛協力合意(EDCA)によりA-10ウォートホグがフィリピンから南シナ海のパトロール飛行をしているが、あくまでも短期展開で今後の予定は発表されていない。
  2. カーター長官は報道陣に戦略的に重要な位置にありながら軍事的に脆弱な同国との同盟強化に疑問の余地がないと述べ、「EDCAに基づく活動は順調に推移している。方針変更は全く考慮していない。フィリピン新政権ともこれまで同様に共同でことにあたり民主的に成立した同盟国として処遇する」と語っている。
  3. 「フィリピンが『自らの進路を選択する』ことは理解できる」と国防高官がドゥテルテ自身の言い回しを引用して述べている。「フィリピンとの同盟関係すべてでフィリピン自身に選択の余地を残しているのは事実」
  4. カーター長官は今回のシンガポール訪問でフィリピン、中国それぞれの代表と会見する予定はなく、フィリピンの新国防大臣はまだ指名もされておらず、中国国防相はシャングリラに参加しないので、長官に同格の相手はいないことになる。ただし意見交換の機会はたくさんあり、カーターの部下は途中から今週土曜日に北京に飛び、第六回戦略安全保障対話(SSD)に臨む。
  5. SSDは米中高官会議の一環だ。会合に先立ち、関係者はワシントンで5月19日に戦略的安全保障の議論点を整理している。そのひとつに「忌憚のない、建設的な議論を双方が行い戦略的安全保障を論じる。海洋問題も含む」とある。外交的な表現だが米中が向かい合い強硬発言をしてにらみ合う(忌憚がない)様子が南シナ海の航行の自由を巡り想像できるだろう。建設的とは大げさに反対せず今後も会合を継続するが意見一致を見なかった内容を確認書あるいは論点として残すことだ。
  6. いかにも米中の安全保障議論の実態を表す話だ。

Missile Defense Agency photoTHAAD missile launch.
韓国のミサイル防衛
  1. 「中国とは競合の一方で協力の余地は十分ある」とカーター長官は述べ、北朝鮮へ中国が圧力をかけていることを評価する。「北朝鮮の行為には各国が不満を覚えている」
  2. だが記者の一人が尋ねた。(失敗したとはいえ)北朝鮮がミサイル試射を五回連続実施しており脅威対象としての再評価が必要ではないのか。
  3. 「テスト結果に関係なく、同国がミサイルを運用しようとしているのは明らかだ」とカーター長官は答え、「結果に関係なく、挑発行為である。安定を損なう行為であり、国連安全保障理事会決議に違反している」
  4. ミサイル実験を脅威と受け止めた韓国が米THAAD装備の展開を求めてきたのは事実だ。THAADは短距離用のペイトリオットミサイル防衛を補完できる。(ともに米陸軍の装備であり、太平洋で陸上兵力が軽視されがちな中で重要な存在だ) カーター長官はシンガポールで韓国国防相と会い、「当然この話題が出るだろうが、多く議論することにならないだろう。すでに実施に向けて動いているからだ」と述べた。
  5. 「これは同盟国同士で決めることで、米国と韓国間で北朝鮮ミサイル攻撃に対応する動きだ」とカーターは述べ、「同盟国による決定であり、両国が決めることだ」とした。
  6. 「まだ技術的な課題はある」と国防高官が述べている。つまり政治面、戦略面で今やTHAAD配備は実施すべきかの問題ではなく、どう実施するのかの問題だという。「まもなく公表するが、時期をお伝えできる立場ではない」
Navy photoP-8 Poseidon
「節度ある安全保障ネットワーク」
  1. 米国は韓国、フィリピンと正式な同盟関係を長期間にわたり維持し強化しているが、その他条約関係がない国とも軍事的つながりを強化する段階にきている。かつては非同盟を標榜したインドが米国との関係を強化している。かつては米国に敵対したヴィエトナムで米国は人道援助用装備を配備し、強力な武器の輸出でも制限を解除している。
  2. シャングリラ対話を主宰するシンガポールは沿海戦闘艦のローテーション配備を受け入れ、P-8ポセイドン部隊も受け入れた。カーター長官はシンガポール国防相とP-8に搭乗する。P-8は軽武装だが監視装置の性能は高く中国は警戒しており、中国戦闘機が数回にわたり危険な接近飛行を企てている。
  3. 「節度ある安全保障のネットワークが着実に大きな進展を示している」とカーター長官は総括した。「特定の相手は想定していない。特定の相手を孤立化させる意図もない」
  4. 特定国は孤立化させないかもしれないが、中国に圧力をかけることで行動を変えさせ法の支配による国際秩序を受け入れさせようとしているのは明らかだ。■

2015年11月18日水曜日

航行の自由作戦を実施したUSSラッセンに中国はどう対応したのか


オバマ政権がますますレイムダック状態担っていく中でこの人はひとり正論を主張している観がありますね。安全保障の思考ができる人には党派は関係ないという例でしょうか。政権の中で一人だけ浮き上がらないように祈るばかりですが。文中にある中国海軍の対応の実態については大いに関心をそそられますね。

US Defense Chief Jabs at Beijing in South China Sea Visit

Agence France-Presse 3:38 p.m. EST November 5, 2015


Ash Carter visits USS Theodore Roosevelt aircraft carrier
(Photo: Senior Master Sgt. Adrian Cadiz/DoD via AFP)


ABOARD THE USS THEODORE ROOSEVELT — アシュ・カーター国防長官は11月5日、南シナ海で米空母に乗艦し、同地域で緊張を醸し出している中国に一撃を加えた。

  1. カーター長官は、中国が人工島を建設する現場から150から200カイリ地点を遊弋する巨大空母USSローズベルトに乗艦した。
  2. 「中国の行いには大きな懸念が生じている」と長官は艦上で語った。同空母の存在は「アメリカの将来にとって極めて重要なこの地で米軍事力が不可欠な役割を果すことの象徴」と評した。
  3. 中国の建設工事をめぐり米中が対立している。
  4. 中国が島嶼部を拡張し、滑走路、燃料施設を建設するのは将来における中国軍事力のプレゼンスが世界交易上重要な地帯に示すことになる。.
  5. 米国は埋め立て工事の即刻中止を求めるとともに航行の自由は守られるべきと主張。
  6. カーター長官はオスプレイで同艦に到着し、およそ3時間を使い5,500名の乗組員に話しかけた。
  7. 長官は艦名の由来たる大統領に言及し、米国がこの地域に留まることの重要性、中国が「安全保障の仕組みの一部となること、一人歩きしないこと」を強調した。
  8. 「セオドア・ローズベルトのモットーは『ソフトに話すが棍棒は手放さい』だった。ソフトに話すとは相手とどこで合意ができるかを見極めることだ」とカーターは述べた。
  9. 「この地域が享受してきた長い間にわたる安定が損なわれるのなら恥ずかしいことであり、そのような事態が発生しないことを祈る」
  10. 中国が南シナ海のほぼ全域を自国領海と主張することから問題が生じている。マレーシア、フィリピン、ベトナム、ブルネイ、台湾も自国領海を主張しているが、中国ほど広範な主張にはなっていない。
  11. これまでも各国の利害が衝突する可能性が指摘されてきたが、中国の人工島建設は一気にその恐れを現実のものにしてしまった。.
  12. カーター長官の訪問はUSSラッセンがスプラトリー島嶼部での人工島から数カイリ地点を航行してから一週間後のことだ。
  13. 任務の実施で米国は航行の自由原則をあらためて主張した形だが、中国は自国領海と考えており、反発を呼んだ。
  14. 5日にUSSラッセンはUSSロウズベルトの左舷500メートルへ接近し、同艦の艦長ロバート・フランシス中佐はヘリコプターで空母に移動し、記者団に直接話した。
  15. 同艦長はUSSラッセンはスビ環礁から10キロ地点まで接近し、「クレーン数台や艦船を」目視できたという。
  16. USSラッセンは中国駆逐艦1隻に10日ほど追尾され、両艦は「いんぎんな」無線交信を交わしたという。
  17. 「相手側は『貴艦は中国領海内にある。航行の意図は何か。誤解の生じないように確認したい』と問いかけてきた」とフランシス中佐は述べた。
  18. それに対しUSSラッセンは「国際法の範囲内で行動中」と回答したという。
  19. 今週火曜日にカーター長官は中国国防相常万全Chang Wanquan と会談している。
  20. カーターは米国は今後も「飛行、航行、作戦を国際法が許す範囲でいかなる地点でも」継続すると常に伝え、南シナ海も例外ではないと述べたと米政府関係者が明かしている。
  21. 翌日に域内対話の場は終わったが、米国と中国の対立のため共同声明文に南シナ海を言及すべきかで後味の悪い場となった。結局、声明文発表は見送られた。■

2015年5月31日日曜日

シャングリラ対話>カーター発言へ中国が反論した内容とは



論理には論理で対抗するのが国際社会の意見の主張の仕方です。中国は中国の見方をあくまでも主張するでしょうが、だれが見てもおかしい主張であると露呈してしまうでしょうね。ただし既成事実の積み上げというのが中国の狙いであれば、それを阻止しなくてはいけません。そのためには南シナ海での安全保障は日米豪主導で各国が参加する多国間枠組みに今後進展するのではないでしょうか。埋め立て工事は即時に中止してもらうか、今後続けても意味のないようにしていかねばなりませんね。

Carter: China "Out of Step" With Pacific

By Aaron Mehta 10:39 p.m. EDT May 29, 2015
SINGAPORE — アシュ・カーター国防長官は米国には太平洋における自由航行の権利があることを再度主張し、中国の行動を糾弾した。IISS主催シャングリラ対話の基調講演で各国が享受してきた域内バランスにとって中国は脅威になっていると指摘。
  1. 中国が2,000エーカー相当の埋め立てを続けており、中国は土地造成で領有権を主張しているが、米国は全く認めていない。
  2. 「中国は国際ルール規範を踏み外しており、アジア太平洋で守られてきた安全保障の枠組みに反している。また域内各国は外交による解決を優先することで意見は一致しており、力による解決には反対だ」と長官は原稿を読み上げた。
  3. 長官は域内国も監視施設など埋め立て工事で造成を行っている事実を認めつつ、中国による工事は前例のないほどの規模になっていると指摘。
  4. 「南シナ海で領有権を主張する国家のほぼ全部が監視哨を建設してきたのは事実で、スプラトリー諸島ではベトナムは48か所、フィリピンは8か所、マレーシア5か所、台湾も一か所を有する」「だがはるかに大規模かつ迅速に行動している国がある。中国だ」
  5. 講演内容はその前にハワイ真珠湾で行った演説と共通している。ハワイでは「合衆国は国際法が許す限り飛行、航行、作戦を実施する」と確約し、今回も再度言及した。
  6. 狙いが中国に向いているのは明らかだが、中国自身は埋め立て工事で主権主張が国際法で許されると信じている。
  7. 「すべての国家に自由航行の権利、上空飛行の権利があるからこそ世界の通商は中断されることなく維持されている。そのためすべての国家は自国の安全保障、経済活動を力の威圧を受けることなく自国で取捨選択すべきだ」
  8. 「この原則はすべての国家に共通の権利であり、単なる抽象概念ではなく、一国の好き勝手にまかされるものでもない。またある国に与えられた特権でもなく、勝手に解釈できるものでもない」
  9. 講演は明らかに中国を意識したもので、長官は域内連携の強化を謳った。
  10. そのために人道援助策と経済援助が役立っていると機長官は述べた。同時に中国とは軍同士の交流が重要との認識も示した。
  11. 「これこそ将来の安全保障を強化する道へつながる。将来とはすべての国が繁栄を享受できる姿のことだ」
  12. このくだりも中国へのメッセージである。ベトナム、マレーシア、フィリピンの海洋安全保障能力構築を強調するが、各国とも中国の南シナ海でのプレゼンスを警戒している。
  13. カーターはオバマ政権の一部として中国ときわどい線でやりあおうとしている。一方で域内友好国に対してアメリカの太平洋での役割を保証しつつ、他方で中国を追い詰めすぎて対立がエスカレートしないようにしているのだ。カーター発言はこの二項対立を背景にしたものだと専門家は分析している。
  14. 上海交通大学 Jiao Tong Universityで国家戦略研究所の副所長庄建中Zhuang Jianzhongはカーターのハワイ演説を「実に好戦的」としつつ、示威の意味が強いと見る。
  15. 「カーターは国内向けに強いことばを口にし、同盟国友好国も意識している」「美辞麗句だが行動は別。双方ともに行動に移る前にもう一度よく考えるべきだ」
  16. 一方で台湾のROC戦略研究学会の研究員Ching Changからは双方の意思疎通には一貫性が必要であり、飴と鞭を交えて対応する姿勢を見せるカーターはいつかしっぺ返しを食うとみる。米国の信用力が低下するか、米国のほうが問題児に見えてしまうというのだ。
  17. この意思疎通の問題が講演後の質疑応答で明らかになった。長官は中国の南シナ海観についての質問への回答を避け、同地区へ力づくで進出する国への米国がどう対応する方針なのかは回答しなかった。
  18. 会場は司会が中国人民解放軍代表を指名するとざわついた。同代表は「上級大佐」"Senior Colonel Zhao."とのことだった。
  19. は予想通りカーターによる中国の行動への言及を取り上げ、中国が視点を短時間で説明した。
  20. 「これまで同地域が平和安定な状態にあったのは中国の自制があってのことだ。したがって中国による活動はご合法的、合理的かつ正当なものだ」
  21. さらに米国による「厳しい批判」が南シナ海の「対立問題を解決するのに役立つ」はずがないと述べた。
  22. カーターは当然このような質問が出るのを予期し、中国による埋め立て工事は「前例のない」規模であるとし、工事の中止を求める姿勢だ。また長官は南シナ海政策方針に変化はないと繰り返し声明している。
  23. 「米国は南シナ海上空の飛行、航行をこれまで数十年実施しており、いかなるかたちでもこれを継続する。これは従来と何ら変更はない」■


2015年5月29日金曜日

南シナ海>カーター長官が中国へ強い警告を出した


国防長官が中国に対して強いメッセージを出しましたが、中国は無視するでしょう。中国は国際社会のルールをどう考えているのでしょうか。長官はE-4で飛んでいるようですね。

Carter: China Isolating Itself in Pacific

By Aaron Mehta 4:02 p.m. EDT May 27, 2015
Secretary of Defense Ash Carter arrives in Honolulu, Hawaii(Photo: Joint Combat Camera Center)
JOINT BASE PEARL HARBOR, Honolulu – 5月27日、米国防長官アシュ・カーターは南シナ海で影響力拡大を試みる中国に対して結果的に中国自身の孤立につながると警告した。
ペンタゴンは中国の埋立工事の造成面積を2,000エーカー(約8平方キロ)と推定している。うち、1,500エーカーは今年1月以降の造成工事で形成されており工事の加速ぶりが伺える。
「すべての紛争では平和的な解決方法を求める。埋立工事を直ちに中止し今後も再開しないよう求める」とカーターは発言。「また該当地区の軍事基地化にも反対する」
「以上を間違いなく実施を求める。米国は国際法の範囲内で飛行、航行、作戦を実施するが、世界いかなる場所でも同じ扱いだ」(カーター)
最後の部分は中国による主権主張へ対抗する長官として最も強力なコメントだ。
「中国はアジア太平洋の安全保障の枠組みで重要とされてきた国際規範を踏み外した他、力による解決は避けるとの地域内コンセンサスにも反している」とし、米国は「アジア太平洋での安全保障を実現する主要国であり、今後もあり続ける」と加えた。
カーター長官はこのあとシンガポールでシャングリラ対話に参加し、さらにインド、ベトナムを訪問する。各地で長官は同盟国の実力整備に焦点を当てた対応をする。
「中国の行動で域内各国は新しい連帯を始めている。さらに米国の介在を求める勢いが強まっている。要望には応えていく」
ある国防高官は報道陣に対し上記スピーチ前に今回の各国訪問は「開かれた、包括的な域内安全保障の枠組みづくりに焦点を当て、その整備状況ならびに今後の方向性を確認するのが目的」と説明している。
ペンタゴンはすでに域内同盟各国の防衛力整備こそ太平洋の安全の要と理解している。先月は米国と日本が防衛協力の新しい枠組みで合意に達している。さらに国務省はベトナム向け輸出ルールを見直し、海上警備装備を引き渡せるようにした。
カーター発言はハリー・ハリス大将がサミュエル・ロックリア大将に交代し米太平洋司令長官に就任する式典で出た。USSアリゾナ記念館を会場にカーター長官はロックリア大将のこれまでの防衛協力整備の成果を賞賛した。
ハリス新司令官は中国による太平洋での行動は「非常識だ」とコメントしている。■

2015年4月7日火曜日

訪日直前、カーター国防長官が見る太平洋への展望



カーター長官が日本、韓国をまず訪問することの意義を考えたいですね。なんといっても日本と韓国がきくしゃくすることは防衛体制上マイナスなので中を取り持ちたいということでしょうか。またTPPにも言及し、経済も含めた統合的な国力を視野に入れていることがわかります。カーター長官自身は技術の意味を理解できる人のようなので今後が期待できます。

SecDef Carter Reasserts US Pacific Vision

By Aaron Mehta 4:02 p.m. EDT April 6, 2015


Carter speaks at State(Photo: US Department of Defense)

WASHINGTON — アラビア湾岸地区や欧州で現実的な課題が残っているが、それでも太平洋がアメリカの未来を決める場所とアシュトン・カーター国防長官が6日に述べた。
  1. アジア太平洋地区に焦点をあわせた初の政策演説でカーター長官は昨年の中東湾岸地区、欧州での出来事があったがアジアに軸足を移す政策自体に変更はないとアリゾナ州立大に集まった聴衆に述べ、太平洋再重視は長官が直接監督する課題と語った。
  2. カーターはさらに将来の安全保障に影響を与える「場所と出来事を考える」のが課題とし、将来の中心地は太平洋との見方を示した。
  3. 長官の発言は就任後初の太平洋地区歴訪に出発する前のタイミングで出たもの。
  4. 4月8日-9日は日本、その後韓国を2日間訪問する。最後にの米太平洋軍司令部(ホノルル)を4月11日訪問する。
  5. 今回の演説はカーターが太平洋の戦略的課題にペンタゴンを取り組ませるロードマップを示した。
  6. その中には新技術の重視が含まれ、長距離打撃爆撃機や新型対艦巡航ミサイルの開発が典型例となる。両事業ともアジアの地理的条件を考慮し長距離の有効範囲を実現する。また現時点の技術ではF-35共用打撃戦闘機を順調に本格生産することが課題だ。
  7. しかしながらカーターがより重視するのは各国との関係だ。アジア各地で「奇跡のような迅速な発展」が見られたのは「米国の一環したプレゼンスと対米関係」によるものとカーターは説明し、今後も関係維持を図ることが各国歴訪の主要メッセージになるだろう。
  8. 日本との新ガイドラインの準備が進んでおり、協力関係は「全く新しい段階に」入るとカーターは発言し、外遊中は日、米、韓の三カ国情報共有の段取りをつけたいとする。両国とも米国と長く同盟関係にあるが、カーターはあわせてベトナムにも言及し、駐米大使ファン・クアン・ヴィンが聴衆の一人であることを意識していた。
  9. カーターは環太平洋パートナーシップ(TPP)と呼ばれる通商協定にも言及している。TPPを妥結させることは空母建造予算の獲得と同等に「重要」だとし、各国との財政金融上のつながりは「米国の強みを維持する重要な要素であり、我が国の戦略的な影響力のしるし」と表現した。
  10. 長官はあわせて中国との協議にについてはとりあえず積極的に臨むとし、「米国と中国に同盟関係はないが敵対する理由もない」とした。「中国が勝てば、我が国の負け、というゼロサム思考は受け入れられない」とカーターは発言。「双方が勝利できる別のシナリオがある」■