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米海軍、海兵隊、DARPA、USSOCOMの水上機に関する進捗状況の最新情報(Naval News)―太平洋戦線の「距離の暴政」に対応する輸送能力の確保は大きな課題で輸送艦の建造では間に合わないのでこういう発想がでてきたのでしょう

  オーロラ・フライト・サイエンシズによる「リバティ・リフター」翼付き地上効果水上機プログラムのコンセプト。 グラフィック:DARPA 2024年秋、本誌は、米海軍、海兵隊、DARPA、特殊作戦軍に対し、水上機プログラムの進捗状況に関する最新情報を問い合わせた。回答を得るまで数か月を要したが、米国の軍事機関は本誌に以下の情報を回答した 長 年にわたり、本誌は、水上での機動性を高める必要性から、水上で離着陸が可能な新型水上機の導入を目指す米国の取り組みを追ってきた。  中国はすでに世界最大の水陸両用飛行艇を実用化しており、これは民生用であるものの、軍事利用も可能だ。  米軍の水陸両用飛行艇の利点は明らかであり、現在、世界には日本の新明和US-2やカナダのCL-415などの水陸両用飛行艇がある。日本とカナダの水上機は、兵員や戦闘用ゴムボート(CRRC)を輸送することは可能だが、水陸両用車、ジェットスキー、小型ボート、または大型貨物を収容できるほど大きくはない。理論的には、米海軍が各機を必要とする可能性もある。  本誌は、これらの水上機の構想やプログラムについて、以前にも取り上げています。 MC-130Jフロートプレーン(米国特殊作戦軍(USSOCOM) REGENTシーグライダー(米海兵隊のプログラム 「リバティ・リフター」(国防高等研究計画局(DARPA) 米海軍の水上機プログラム 米国特殊作戦軍MC-130Jフロートプレーン  米国特殊作戦軍(USSOCOM)のMC-130J「コマンドーII」フロートプレーンのコンセプトは、最もシンプルなアイデアの1つであるように思える。既存のロッキードMC-130J軍用ターボプロップ輸送機にポンツーンを取り付け、水上に浮くようにする。ポンツーン式着陸装置により、MC-130Jは理論上、海岸や滑走路に自力で乗り入れることができる。水上飛行機型には利点がある一方で、設計上の欠点もある。  2024年10月23日、米特殊作戦軍(USSOCOM)の広報担当は次のようにコメントした。 「過去数年にわたり、米特殊作戦軍は産業界のパートナーと協力し、MC-130J水陸両用能力(MAC)のような先進的な探査エンジニアリングプロジェクトを含め、新技術を運用化する方法に関するデータ主導型のモデルを開発してきました。これは、必要に応じてさらに追...

第二次太平洋戦争を想定し、大型水上機が復権する:DARPAのリバティリフター構想について

第 二次世界大戦の太平洋で水上機が多くの命を救った。米軍の PBY-4 カタリナは、海上に墜落した飛行士を拾い上げ、敵艦の捜索任務や潜水艦を狩る任務をこなした。飛行場が点在し、空中給油の発明前、広大な太平洋では水上発着可能な水上機は欠かせない存在であった。  しかし、水上機は陸上機や艦載機に比べ、重く、扱いにくく、性能も劣りがちだった。冷戦時代にソ連が水陸両用哨戒機 Be-12 を飛ばしたのを除けば、水上機の軍事利用はほぼ行われなくなった。  しかし、水上機が復権しつつある。第二次太平洋戦争が勃発すれば、今回は中国と戦うことになるが、飛行場のない広い海域で戦うことになる。さらに悪いことに、中国の長距離兵器で飛行場が破壊されたり、損傷を受ける可能性もある。日本は US-2 水陸両用機で実績をあげており、航空機乗務員の水上救助などの任務に役立てている。  米軍も水上機がほしいところだ。しかも、装甲車両を運べる大型水上機だ。巨大な水上輸送機がもたらすメリットは非常に大きい。飛行場がないところ、あるいは敵の砲撃で飛行場が破壊されたところに、兵員や装備を運べる。また、水陸両用装甲車を遠隔地に空輸し、奇襲攻撃ができる。 リバティリフター構想  国防総省の研究機関 DARPA がつけた「リバティ・リフター」という名前からして、第二次世界大戦を連想させるようなプロジェクトである。しかし、 DARPA が実際に想定するのは、あくまでも近代的な航空機だ。  問題は、米軍が大量輸送とロジスティクスを海上輸送に頼っていることである。 「大量のペイロードを運ぶには非常に効率的だが、従来型の海上輸送は脅威に弱く、機能する港湾を必要とし、輸送時間が長くなる」と DARPA の公募要項にある。  「従来型の航空輸送は、桁違いに速いが、高価で、海上作戦への支援能力が限られる。さらに、航空機は長い滑走路を必要とし、垂直離着陸機( VTOL )やその他の海上航空機は積載量で制限を受ける」。    解決策として DARPA が求めるのは、水面近くを飛行する際に翼が生み出す揚力を利用する、地面効果を利用した設計だ。最も有名な例は、対艦ミサイルを搭載した 300 トン、全長 242 フィートの巨大な地面効果機で、飛行機というより船だったエクラノプラン(別名「カスピ海の怪物」)だ。  しかし、...

南シナ海での運用をにらんで水上機飛行艇のリバイバルがやってくる(?) 米海軍が中国新型大型飛行艇AG600を意識。しかし、技術は日本が握っている。

  沿岸警備隊のHU-16Eアルバトロス水陸両用機がマサチューセッツ・オーティス空軍基地に配備されていた US Navy 今 年の3月で米軍から水上機が姿を消し38年になった。沿岸警備隊のHU-16Eアルバトロスが最後の水上機だった。 第二次大戦で水上機は海軍の勝利に大きな役割を演じた。冷戦時初期にも投入構想があったが、優位性は消えていた。ところが中国が大型水上機を開発していることで水上機の有用性に注目が改めて集まっている。 2020年7月に中国はAG600水上機クンロンの海上運用テスト開始を発表した。 AG600は世界最大の水上機で山東省の空港を離陸し、青島沖合に着水し、4分間水上移動した後、離水し無事帰還した。 米軍では水上機を過去の遺物とみなしていたが、同機の登場で一気に関心が集まった。 かつては必須装備だった コンソリデーテッドPBY-5Aカタリナ US Navy 水上機はかつては米海軍で必須装備だった。空母が支配の座に就くより前に、水上機母艦が長距離航空作戦に必要な艦種とされた。水上機母艦は大型クレーンで水上機を吊り上げ、機体の補給整備を行った。米海軍初の空母USSラングレーは元は給炭艦で水上機母艦に改装されてから1920年代末に空母になった。 その後、水上機は艦艇が発進させるようになり、長距離型は対潜戦、捜索救難、海上制圧や偵察任務のような重要な役目に投入された。本艦隊から数百マイル先で敵部隊を探知できる能力が特に重宝された。 その中で最も米国で記憶に残る機体がPBYカタリナ飛行艇だ。コンソリデーテッド航空機が製造し、海軍が1936年に制式採用した同機はミッドウェイで日本艦隊の位置をつきとめ、海上を漂う搭乗員や水平数千名を救助したほか、枢軸国潜水艦20隻以上を沈めた。 英国に供与されたカタリナに米人パイロットが登場し、ドイツ戦艦ビスマルクを発見したのは1941年5月で、米国の参戦7カ月前のことだった。 冷戦時の運用構想 水上機補給艦USSサリズベリーサウンドがマーティンP5M-1をクレーンで釣り上げている。1957年サンディエゴ。 US Navy 水上機の役割は第二次大戦終結を契機に弱体化した。枢軸側潜水艦が姿を消し脅威は減り、太平洋で獲得した各地の基地から米海軍は長距離地上運用機材を飛ばした。しかし、海軍は水上機を直ちに放棄しなかった。冷戦初期...