米 空軍の救難ヘリコプター部隊が2019年11月に強力なソ連時代のミルMi-24ハインド攻撃ヘリコプターを前に模擬戦闘訓練を展開した。 演習はアリゾナのデイヴィス-モンタン空軍基地で展開され、同基地駐留の第55救難飛行隊にヘリコプター同士の戦闘に備える機会となった。 Mi-24の2機が同基地に飛来した。空軍公式写真では大型複座の同機が砂漠上空を低空飛行する様子やハンガー内で第55救難飛行隊のシコースキーHH-60Gぺイヴホーク救難ヘリコプターと肩を並べる姿が写っていた。 ソ連崩壊を受け、米軍は1990年代初め以来ハインドを実際に所有し、借り上げている。うち軍所有のMi-24の2機はネリス空軍基地に配備されている。 さらにVTSエイヴィエーション社が二機所有し、一機はブルガリアが運用していたMi-24Dで、アラバマ州ハンツビルに常駐する。VTS社のハインド各機は一時は博物館展示機だった。 The Aviationistのトム・デメリーによれば今回アリゾナに展開したMi-24はVTS所有機という。デイヴィス-モンタン基地での訓練は同基地部隊には難易度がきわめて高い内容だった。ハインドはじめソ連時代のヘリコプターは対地攻撃、空対空攻撃の双方をこなす。 空対空モードではハインドは機首の機関砲や無誘導、誘導式双方のロケット弾で敵ヘリコプターを排除する。ヘリコプターで敵ヘリコプターを攻撃するのは容易な仕事だ。 このため米空軍ではA-10攻撃機をヘリコプター援護に使い、敵ヘリコプターからの攻撃に備える。F-16よりもA-10の低速飛行性能が適している。しかし、ハインドは対ヘリコプター攻撃に性能を発揮する。 「ネリスのウェポンスクール以外の場所でこの訓練を展開するのは今回が始めて」と55救難隊のカート・ウォーリン大尉がいう。「HH-60G対HH-60Gの訓練しかしていないので今回は大変化だ」「この訓練で他機種が敵の場合にどんな状況になるかわかるので戦術や手順も対応できる」 55救難隊のぺイヴホークはUH-60ブラックホークの派生型だ。HH-60Gには追加センサー、空中給油用プロ...
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