ラベル 空軍力 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 空軍力 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2016年7月23日土曜日

2030年時点の世界五大空軍国はどこか


上位5位に英国が入るのはF-35を予定通り導入する前提の話ですね。今のところ英国防整備は既定方針通りすすめるようですが、経済情勢により今後どうなるかわかりません。一方、日本の状況に近いのはイスラエルですが、新型機材が登場するまで苦しい運用になりそうですね。F-3でもイスラエルと共同開発になれば面白い展開になりそうですね。

The National Interest


The 5 Most Powerful Air Forces in 2030


July 21, 2016

2030年の世界で最強の空軍部隊はどこか。今と大きくかわらない。リストでは現在も上位の米国、ロシア、英国が見える。この三国は紛争シナリオに沿って準備を怠りなく、非国家勢力への対応から全面戦争まで想定している。三国は迅速に展開可能な大規模かつ近代的航空兵力の維持が安全保障上不可欠との認識を持っている。

中華人民共和国が新たにリストに入ってくる。中国が世界第二位の経済規模に似合った空軍力を整備中であるのは納得できる。だがそうだとしても同国は数々の不合理な態度を南シナ海問題などで示しており、中国の戦力整備の今後を予言しているようだ。

米空軍、海軍、海兵隊 

米国の固定翼機運用部隊は三軍体制で、米空軍、海軍、海兵隊があり、2030年でも世界最大の「空軍力」を維持しているだろう。

2030年時点で米空軍はF-22ラプター187機を運用しているはずだ。また「ゴールデンイーグル」F-15Cも178機ありレーダーと赤外線センサー能力を大幅向上している。その時点でF-35Aが1,763機と大量導入されており、F-16CとA-10に置き換わっている。給油機部隊も100機のKC-46ペガサス導入で若返っているはずだ。第二世代ステルス爆撃機のB-21の生産も始まっており、発注は100機ほどになっているだろう。

米海軍は機材をF-35CとF/A-18E/Fスーパーホーネットに統一しているだろう。MQ-25スティングレイ給油機兼ISR無人機も運用し有人戦闘機の飛行距離を伸ばしているはずだ。V-22オスプレイが陸上基地から補給品や郵便物を空母へ運んでいるだろう。海兵隊はF-35へ機種統一し、垂直離陸式のB型と空母運用のC型になっているはずだ。

中国
人民解放軍空軍(PLAAF)と人民解放軍海軍(PLAN)のそれぞれの航空部隊は一大戦力になっているはずだ。保有機数は減るが機体性能は上がる。戦闘機で中心のSu-30、J-11、J-15、J-10は「第四世代プラス」機材だ。米国等に対抗するため中国が開発中の第五世代機J-10やJ-31はなんとしても実用化しておく必要がある。

戦闘機だけでない。PLAAFは国産長距離輸送機Y-20を運行し、2030年までに世界各地へ飛べるようになる。中国は支援機の拡充をめざし、早期警戒機や空中給油機の整備を重視している。東シナ海、南シナ海で緊張が高まる中、中国はは情報収集関し偵察(ISR)機材も重点整備しており、「神雕Divine Eagle」双胴無人機もある。

ロシア
2030年のロシア空軍の姿は大幅にばらつく可能性がある。最良の場合は経済不況から脱し、原油価格等が上昇し、西側制裁が解除された場合、ロシア空軍は世界第二位の規模になっているはずだ。

ロシア空軍で最重要事業は2つありPAK-FA戦闘機とPAK-DA戦略爆撃機だ。このうちPAK-FAはT-50の呼称でも知られ、F-22ラプターに対抗する意味で必要だ。従来型機体のMiG-29やSu-27/30/34にいつまでも依存することはできない。PAK-DA戦略爆撃機はステルス、亜音速、核搭載爆撃機でTu-160ブラックジャック、Tu-22Mバックファイヤーの旧式化に伴い必要とされる。

これは全てロシア経済が回復する前提だ。だが国防予算がさらに15年間にわたり大きな増額がないままだと、制裁効果、官僚主義、汚職で2030年のロシア空軍はトップ10に残れたら幸運となってしまう。

イスラエル
現在のイスラエル空軍の主力は制空戦闘機F-15AおよびCが58機、F-15I戦闘攻撃機25機、F-16多用途戦闘機312機だ。2030年でも中東最強の空軍部隊のままだろう。

2030年までに制空任務用のF-15は機齢40年と後継機探しが深刻になっているはずだが、残念ながらF-15Cの直系の後継機はF-22ラプターの生産が2011年に終了しており見つからない。そうなるとイスラエルはF-15Cの耐用年数を延長するか、一部任務をF-35に任せる選択に迫られるだろう。これは米国で第六世代機が誕生するまでの措置だ。

イスラエルはF-35飛行隊を2021年までに二個編成する予定で、第三飛行隊は2020年代に生まれる。高性能機体といえど、機数はF-16の四分の一しかない。F-16も200機程度を稼働させているだろう。これを補完する意味で高性能無人機部隊が各種支援任務としてISRや防空、空中給油に投入されているはずだ。

英国
2030年代までに英空軍はかつてない規模の戦力になっているはずだ。ただし高性能ユーロファイター・タイフーンは160機を切る規模だ。当初は制空戦闘機の構想だったRAF向けタイフーンは今ではペイブウェイ系統のレーザー誘導爆弾投下任務を行っており、ブリムストーンミサイル運用の改装も進行中だ。タラニスUAVを原型とした戦闘無人機は2030年頃に飛行している予定で有人機とペア運用されているだろう。

旧式化したパナヴィア・トーネードGR4攻撃ジェット機は退役しており、代わりにF-35Bが138機導入されている。F-35Bは英空軍と英海軍が運用し、新型空母HMSクイーン・エリザベスとHMSプリンス・オブ・ウェールズにも配備される。

2030年には英空軍と英海軍航空隊が運用する戦闘機は300機近くと西欧で最大最強の空軍部隊となっているだろう。■

Kyle Mizokami is a defense and national security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boringand the Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blogJapan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.


2015年6月17日水曜日

★ロシア>Tu-160生産再開は実現性なし



自らは依然として大国だと考えても、経済、産業が対応しないギャップをロシアは直視できないのでしょう。指導部から無理なフライトを命令され、機材を酷使すれば事故につながりますね。


Russia's bomber production plans 'not feasible'

Reuben F Johnson, Kiev - IHS Jane's Defence Weekly
12 June 2015
  
ツポレフTu-160の初飛行は1981年で生産機数は16機のみ。ロシアは生産ライン再開により50機の生産を目論んでいる。 Source: Tupolev

ロシア関係者からツボレフTu-160戦略爆撃機の生産再開について声明が出ているが、その他機材の調達などもあり、これは実現不可能と見る専門家が多い。、ロシア産業界にそれだけ多くの調達事業を同時に進行する人材が不足していること、また予算の裏付けがないことが理由だという。
  1. ロシア国防副大臣(調達)ユーリ・ボリソフ Yury Borisov が報道陣に6月4日Tu-160 を生産再開すれば新装備の搭載で全く新しい機材になると語っている。「新造機はTu-160M2と呼称される」とし、「2023年に稼働開始する」と発言していた。
  2. Tu-160近代化に加え、MiG-31迎撃機130機をMiG-31BM仕様に改装する案もある。改修の中心は新型エイビオニクス装置、最新鋭表示装置を操縦席に搭載し、レーダーもNIIP Zasion-M(受動電子スキャンアレイ(PESA)の改修版)に換装する。このレーダーは幅1.4 mのアレイで同時に追跡補足できる目標を10機になる。有効距離は320 kmで、280 km までなら敵機に射撃が可能だ。
  3. さらにロシア空軍(VVS)参謀総長ヴィクトル・ボンダレフ上級大将Colonel General Viktor BondarevはスホイSu-30MK、Su-35、T-50/PFI第五世代戦闘機、Su-34戦闘爆撃機、またインド輸出用に提案されていたMiG-35の改修版がすべて必要としている。"
  4. 「このような指令を出している人たちはまだソ連の時代にいると錯覚している」と批判するのはモスクワ在住のロシア国防部門のアナリストだ。「政令を出せば、すべての設計局や生産工場が前に進むと考えているが、必要な予算を算出する人はおらず、もっとわるいことにこれだけの事業を実施すればその他の機会がどれだけ失われるか誰も考えていない」
  5. 現在のロシア国防部門ではソ連時代から労働人口が大幅に減少しているのが弱点。さらに国防部門の縮小策の一環として重要な設計部門から人材が退出し、1980年代の全盛期に比べ現在は1割にも満たないと試算する向きもある。■