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1月, 2020の投稿を表示しています

事業名称はF-X、今年中に海外共同開発国を決定したいとする防衛省

  あれ、NGFという名称は何だったのでしょうか。F-Xといういつもどおりの名称になったのでしょうか。それはともあれ、構想では一カ国を想定しているようで、これを米国と読むのが普通でしょう。スコーピオンはすでに多国間協力事業の様相を呈していますので。この件については読者の皆さんのご懸念のとおり、日本が主導権を握るのが条件となります。米国でも第6世代機の開発が簡単に進まない中で日本のF-Xにがぜん注目が集まるだけに事業体制の構築と実現で日本のイニシアチブが試されそうですね。 開発を進めるF-X戦闘機の構想イメージを公表し、「社会の関心を高める」狙いがあると防衛省は述べている。 Source: Japanese Ministry of Defense 日 本の防衛省(MoD)は今年末までに次世代戦闘機での共同開発の海外パートナーとの「枠組み」を作成する。   . MoDは事業の公式名称は「F-X」であるとし、あらたな「構想イメージ」を提示している。同機は航空自衛隊で供用中のF-2戦闘機と2030年代に交代する想定だ。 新型戦闘機の姿を初めて公式に公開すされた。 「航空自衛隊のF-2は2035年頃に用途廃止となる」「F-X開発を急ぎ、試作一号機はF-2退役の開始前に完成させたい」とMoD広報官は述べ、「協力相手の模索は今後も続ける。協力体制の枠組みを決め、12月までに提携先を見つけて2021年度予算案に計上したい」という。 広報官は枠組みの中身を詳しく述べていない。ただし、構想では海外産業協力国を一カ国特定しF-X開発での役割を定めることになりそうだ。 また広報官はF-X開発予算は2020年度で280億円程度になると述べており、この内約6割の169億円を「F-X関連研究」に投じるという。つまり、残る111億円が「日本主導の開発体制の構想設計」に使われる。 広報官は事業の公式名称が2019年12月に将来型戦闘機からF-Xに変更されたと述べている。この変更が今回の構想イメージの公表につながった。■ この記事は以下を参考にしました。 Japan prepares F-X partnership framework Jon Grevatt - Jane's Defence Industry 30 J

NGFにロッキード提案のF-22、F-35ハイブリッド機採用の可能性はあるのか

総合するとロッキード提案は真剣に取り上げられていない気がしますが、逆転劇はありえます。ただし、F-2の痛い経験があり、ロッキード提案は結局日の目を見ないかもしれませんね。 日 本政府はF-22、F-35両機の要素を組み合わせた新型ステルス戦闘機の実現をめざすのか。 米側から極秘技術を日本に提供し、ハイブリッド機の実現を認める動きがある。 日本は1980年代90年代にもロッキード・マーティンのF-16戦闘機を原型にF-2を作った実績がある。だがF-2はひどく高価な機材になってしまった。日本がF-2と交代する機材を新規開発しても同様に高価になる可能性はある。 「米国からF-35が使う極秘技術の一部を日本に公開してもよいとの提案があり、F-2後継機の共同開発を働きかけられている」と読売新聞が報じた。 航空自衛隊にF-35配備が始まった。防衛省に届いた米提案はF-35他を原型に世界最高性能の戦闘機を共同開発しようというものだ。 日本政府筋によれば米国はF-35が搭載するエンジン、ミサイル含む各部制御のソフトウェアの詳細を開示してもよいとの姿勢を見せているという。F-35のソフトウェアは米国以外への公開をしていないが、F-2後継機向けにソースコードを見せてよいという。 . ロッキード・マーティンはF-22の機体にF-35のセンサーや電子装備を搭載するハイブリッド構想を提案している。 2000年代はじめに日本はF-22取得をめざしたが、米国国内法によりロッキードはF-22を輸出できないと判明。ハイブリッド機なら法の縛りを受けないというのだ。 だが日本が求める機材数は少ない。航空自衛隊はF-35のA型B型合計141機を調達し、F-4および最古参のF-15に交代させる。 予定するF-35が全機そろえば、空自は改修版F-15Jの102機、F-2が82機とともに混合編成となる。日本のねらいはハイブリッド新型F-3でF-2に交代させることだが、F-15Jの更改用機材にもなる。 だが新型機を最大で184機分しか調達しないとすれば機体は極端なまでの高価格になるのは目に見えている。F-2で痛い経験をしたはずだ。 F-2はF-16の4倍の機体価格と言われるが、性能が4倍とはいいがたい。

米空軍がMi-24ハインドを訓連に投入中

"> アリゾナ州ライアン上空を飛行するロシア製Mi-24ハインド・ガンシップ。Mi-24は第55救難飛行隊で訓練に使われている。 (U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Jacob T. Stephens) 航 空ショーにMi-24ハインドが登場することは米国ではよくあるが、米空軍が実機を訓練に投入するのは異例だ。 米空軍355航空団広報部が非公式に航空戦闘軍団隷下の第55救難飛行隊が訓練にロシア製Mi-24攻撃ヘリコプター2機をデイヴィス-モンタン基地(アリゾナ州ツーソン)で訓練に使用していると発表した。 同救難飛行隊で供用中のHH-60ペイブホークの敵役にMi-24が投入されている。「ハインド」攻撃ヘリは世界48カ国が使用中で、米軍が世界各地に展開すれば遭遇の可能性が高い機体だ。 航空救難飛行隊はいかなる脅威があっても各地に展開する必要があり、訓練を通じ各種事態に備えている。 ハインドはワシントン州タコマに本社を構えるVTS Aviation LLC (VTSA)、アラバマ州ハンツビルのSystem Studies & Simulation (S3) Inc.がそれぞれ所有する機体だ。ハインドはデイヴィス・モンタン基地でブルガリアを想定した脅威対応訓練に投入された。2機は冷戦時の航空戦力博物館に2017年まで展示されていた。その後米軍と契約し、脅威シミュレーションに使用されている。 Mi-24ハインド攻撃ヘリコプターはソ連のアフガニスタン侵攻で悪名を轟かせた。当時オサマ・ビン・ラディン含むタリバンゲリラ部隊を米CIAが支援していた。米国は携帯型防空装備(MANPADS)のFIM-92スティンガー等を秘密裏にタリバンに供給した。1987年から1988年にかけてのことで、重装備のMi-24は大きな脅威だった。ハインドの威力はその時点から高く評価されていた。■ この記事は以下を参考にしました。 U.S. Air Force Uses Russian Mi-24 Hind Gunships in Training at Davis-Monthan AFB. January 24, 2020 Tom Demerly Helicopters ,

B-21が敵戦闘機を駆逐する日、空対空戦能力の付与を企画中

高性能ステルス戦闘機は大型化する、というのが当方の予測で、以前は重武装機構想もあったのですが、ここに来てあらためてB-21レイダー(B-2よりやや小型程度の大きさとなりそう)で空対空任務に当たらせようという構想が現実のものになりそうで、持論が実現に向かうのではと興奮しています。現実はそんなに簡単ではないようですが、ひょっとすると単座戦闘機という伝統が終わりに近づいているのかもしれませんね。 ハ イテク戦略爆撃機を敵国奥深くまで侵攻させたい米国政府だがこのミッションを実施すれば敵戦闘機を撃破する性能が必要となる。 最近の報道によればB-21レイダーは空対空戦闘任務も実施になるようだ。このまま進めば、航空黎明期の空軍力理論が復活する。B-21が「バトルプレーン」として実用にたえるか、あるいは爆撃機の残存性に疑問がつく中でご都合主義から生まれた発想なのか今は判断できない。 歴史を振り返る 爆撃機に武装を与えると代償が生まれる。まず重量増のため航続距離、速力、ペイロードが犠牲となる。防御兵装から空力学的が不利となり、速度低下、操縦性悪化につながる。にもかかわらず各国の空軍部隊は爆撃機に武装を与えてきた。第一次大戦でロンドンを恐怖に陥れたゴータ爆撃機には試験的に各種武装がつき、英軍戦闘機からの防御を目指した。大きな展開となったのはマーティンB-10で機関銃座3箇所がつき、B-10編隊は理論上は敵機を排除できるはずだった。 大戦間に米国、英国では重武装爆撃機が編隊を組めば敵機の迎撃を排除できるとの理論が生まれた。爆撃機編隊が目標地点に到達し、爆弾を投下しつつ防衛側の戦闘機を消耗させる二重の効果があるとの主張だった。 米空軍はドイツ空襲の初期段階で理論を試したが結果はとても良好と言えなかった。ドイツ戦闘機の高速性能と操縦性と対空砲が加わり、編隊はばらばらにされ単機で狩られていった。さらに爆撃機搭載の機関銃ではドイツ戦闘機の撃退に不十分と判明した。ドイツ機は20ミリ機関砲で遠方から米機を狙った。米空軍はついに援護なしでの昼間空爆を断念し、長距離援護戦闘機のP-51マスタングを随行させた。 衰退 戦後まもなくの爆撃機はまだ自機防御装備を維持していた。B-36ピースメイカーは尾部に20mm機関砲を搭載し、B-47

米空軍の将来に必要な5項目をCSBAが提言、中露同時対応可能な空軍力の整備へ

今回の報告では中露同時対応を求めており、中国、ロシアが結託する可能性への対応を求めています。かなり空軍の現状の思考に近い内容のようです。新しい用語が出ているので原文併記で示しました。  ただし、実現に必要な予算をどう工面するのでしょうか、国の借金を再定義しないとお金が足りません。21世紀になり財政理論の再構築が必要なのかもしれません。でないとシンクタンクの報告書は絵に描いた餅となり、我々の常識と異なる行動を展開している中国は冷笑するだけでしょう。 中 国、ロシアの脅威に対抗すべく、米空軍は戦力増強と近代化を図るべきで、例として高性能長距離無人機の追加や戦闘管理指揮統制 battle management, command and control (BMC2)によるマルチドメイン作戦運用の戦力増強策が必要とシンクタンクの戦略予算評価センター(CSBA)がまとめた。 「将来の空軍戦闘力に求められる優先5項目」の表題でCSBAは現状の難題を2035年までに解決する道筋を示した。難題とは機材老朽化と戦力減少が続いていること、機材の維持か近代化の選択を強いる予算環境だ。 今回の報告に先立つCSBA報告書がある。2018年国防戦略構想(NDS)が想定する大国相手の戦闘に今後の空軍力で勝利をおさめられるかを検討した議会への報告書だ。今回のCSBA提言では空軍に必要なのは有人機無人機の混合編成で二カ国相手でもほぼ同時に対応できる戦力を整備すべきとある。予算、人員双方で追加投入が必要とあるが、試算は示していない。 金額想定を質問された今回の報告書作成に加わったマーク・ガンジンガーは2018年版報告でDoD予算を年3%から5%増額続けると提言しており、空軍予算で言えば年間80億ドル増額に相当と解説している。ただし、その実現可能性は「薄い」と本人は語るものの、空軍装備の充実がないと21世紀型脅威に対応できないと強調している。 「厳しい選択が必要だ」とガンジンガーは空軍に現状の問題に目をつぶることは許されないと述べている。 過去のツケを払わされる これまでの予算削減で空軍の戦闘機、爆撃機の維持が不可能になっているとし、陸軍、海軍より空軍に予算削減のしわ寄せが大きいとある。 「各軍おしなべて予算および規模が縮小されたが、

米軍基地への攻撃でイランは死傷者発生しないように制御できていた(のか)

先日の米軍基地へのミサイル攻撃で死傷者が皆無だったのはイランの巧妙な作戦の結果...との見方です。イランが技術的に遅れていると先入観を持つと実態が見にくくなります。デュアルテクノロジーで今までとは異なる軍事作戦を見せつけられる事態がこれから増えるのでしょうか。 イ ランがイラク国内の米軍基地数カ所を攻撃したが米軍関係者に死傷者がでなかったのは偶然ではない。 イラン軍装備の性能不足や運用が未熟だったから死傷者が出なかったと考えたら大間違いだ。事実は反対である。イラン軍司令官は死者を出さなかったのは意図的と述べており、政策決定層はこの発言を信じるべきだ。 カセム・ソレイマニ司令を殺害した米国へのイランからの初の報復攻撃となったが、その意味を理解するには昨年9月のサウジアラビア石油施設への攻撃を思い起こす必要がある。 イランはサウジ王国最大の国営石油精製施設へ無人機多数、巡航ミサイルを投入した。 この作戦は奇襲攻撃の長距離作戦となった。「復旧が困難な高価値設備」を狙った背景に巧妙な調整と二種類の装備の同時運用が注目される。 サウジを攻撃したイランの行為から軍事立案部門はあらたな視点を得た。元UAE空軍司令官ハレド少将によればイラン初の精密大量投入攻撃は同国が実施してきた新兵器の長距離運用実験の成果が現れた格好だという。更に重要なのは非対称戦闘の考え方だ。 同少将はイランの標的設定が極めて精密だったことに注目している。さらに興味を呼ぶのは暗号が使われていないことだ。各国は民生技術でGPSをさらに正確に運用しており、誤差はセンチメートル単位に向上している。「サウジでイランが加えた攻撃がまさしくこの例だ」(ハレド少将) だが精密度だけでなくイランの狙ったサウジ標的の高さも注目される。イランがどこでも狙えるだけでなく、いかなる高さの標的にも照準を合わせられるということだ。 新しい時代には新しい体制の防衛が必要とハレド少将は述べている。単純な対策では不十分となり、一正面作戦では足りないという。戦場は今や360度で多数の国を一度に巻き込む。同盟国や協力国との共同作戦体制では不十分だ。安全に情報を共有する体制が必要だ。 イランのイラク内米軍基地攻撃で米軍関係者に死傷者が出なかったことでトランプ大統領や安全保障チームに「安堵の反応」があった

新型無人機X-61Aは空中発進、空中回収型の画期的機材を目指す

 無人機で次々に新型機が登場しています。やはり時代の流れですかね。今回ご紹介するX-61は最初から複数形の名称となっており、同時多数を運用する構想であることは明白です。技術がどこまで進むのか、新戦術がどう発展するのか当面目が離せませんね D ARPA(国防高等研究プロジェクト庁)のX-61A「グレムリンズ」空中発射空中回収式再利用可能無人機(GAV)が初のテスト飛行に成功した。実現すれば運用方法を一変しかねない同機の初飛行は ダイネティクス Dynetics が2019年11月に行っており、このたび記録映像が初公開された。民間所有のC-130輸送機がX-61Aを主翼パイロンから発進させた。無人機はジェット推進式で1時間41分飛行を続けたが、パラシュート回収装備の作動不良のため行方不明となった。フェイズ1で5機が製造されており、今回の不調でテストが止まることはない。 昨夏にカリフォーニアのチャイナレイク海軍航空基地を襲った強力な地震のためテスト本拠地で変更の必要が生じた。そこでユタのダグウェイ実証施設に変更となった。 ダイネティクスの公式発表を伝える。 「テストはソルトレイクシティ近くのダグウェイ実証施設で行われ、TBM社のC-130AがX-61Aを空中発進させ同機は1時間41分にわたり自由飛行した。テストの目的は以下を含んでいた。 C-130からのGAV空中発進機能を実証する 空中回収、コールドエンジンスタート、動力飛行への安定した移動を実証する GAVの搭載するサブシステムから作動中のデータを回収する 空中、地上からの指示統制装備の機能を実証する。データリンクの性能を確かめ、地上空中間で制御を移動する GAVドッキングアームを作動させる 飛行完了と地上への回収(パラシュートによる)(ただし実証用装備の場合に限り、実用装備では異なる) . X-61Aは異常なく飛行し、テスト目的をすべて達成した。ミッション終了時にエンジンが停止し、ドローグシュートが設計通り作動しフライトは終了した。残念だったのは主シュートが作動せず、機体が行方不明となったことだ」 DARPAの戦術技術室(TTO)率いるグレムリンズの究極の目標は機材多数を空中発進・空中回収する技術開発の加速で、ゆくゆくは低コストで再利