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新型無人機X-61Aは空中発進、空中回収型の画期的機材を目指す


 無人機で次々に新型機が登場しています。やはり時代の流れですかね。今回ご紹介するX-61は最初から複数形の名称となっており、同時多数を運用する構想であることは明白です。技術がどこまで進むのか、新戦術がどう発展するのか当面目が離せませんね


DARPA(国防高等研究プロジェクト庁)のX-61A「グレムリンズ」空中発射空中回収式再利用可能無人機(GAV)が初のテスト飛行に成功した。実現すれば運用方法を一変しかねない同機の初飛行はダイネティクスDynetics が2019年11月に行っており、このたび記録映像が初公開された。民間所有のC-130輸送機がX-61Aを主翼パイロンから発進させた。無人機はジェット推進式で1時間41分飛行を続けたが、パラシュート回収装備の作動不良のため行方不明となった。フェイズ1で5機が製造されており、今回の不調でテストが止まることはない。

昨夏にカリフォーニアのチャイナレイク海軍航空基地を襲った強力な地震のためテスト本拠地で変更の必要が生じた。そこでユタのダグウェイ実証施設に変更となった。

ダイネティクスの公式発表を伝える。

「テストはソルトレイクシティ近くのダグウェイ実証施設で行われ、TBM社のC-130AがX-61Aを空中発進させ同機は1時間41分にわたり自由飛行した。テストの目的は以下を含んでいた。

  • C-130からのGAV空中発進機能を実証する
  • 空中回収、コールドエンジンスタート、動力飛行への安定した移動を実証する
  • GAVの搭載するサブシステムから作動中のデータを回収する
  • 空中、地上からの指示統制装備の機能を実証する。データリンクの性能を確かめ、地上空中間で制御を移動する
  • GAVドッキングアームを作動させる
  • 飛行完了と地上への回収(パラシュートによる)(ただし実証用装備の場合に限り、実用装備では異なる)
.
X-61Aは異常なく飛行し、テスト目的をすべて達成した。ミッション終了時にエンジンが停止し、ドローグシュートが設計通り作動しフライトは終了した。残念だったのは主シュートが作動せず、機体が行方不明となったことだ」

DARPAの戦術技術室(TTO)率いるグレムリンズの究極の目標は機材多数を空中発進・空中回収する技術開発の加速で、ゆくゆくは低コストで再利用可能な無人航空システム(UASs)の実現を目指す。今回のテストはフェイズ3実証の完了を目指し、次回は最終飛行テストでGAV4機を30分以内に回収するのが目標だ。

「今回のフライトは当社ダイネティクスならびにグレムリンズ事業にとって歴史的な一歩となった。GAVはきれいに飛行し、当社の指揮命令装備が終始GAVを制御していた。機体の喪失だが、GAV5機をフェイズ3で生産する決定をしておいてよかった。まだ4機残っている。これまでの重労働が報われた気がする。この調子で2020年早々に初の空中回収を実施できることに興奮している」とダイネティクスで事業を統括するティム・キーターが述べている。

グレムリンズ開発チームにとって2019年は画期的な年となり、2月にドッキングシステム飛行テストに成功、3月にGAVの飛翔テスト初実施、リアジェットに特殊装備を搭載し11月のテストの予行をした。7月には株主を招きエンジンテストを目の前で披露し、8月に米空軍からX-61Aの制式名称をもらった。

ダイネティクスは他の三社と2016年にフェイズ1契約を獲得、フェイズ2は2017年3月に交付され、この段階で2社に絞られ、2018年1月のフェイズ3ではダイネティクスがトップになていた。

「今回のフライトテストはこれまで実施してきた技術設計、解析、地上テストの集大成だ。性能には多大な自信があり、テレメトリーデータが飛行中に届いたがモデリング予測と内容がきわめて近かった。チームは初飛行に成功するため懸命に働いたが、短時間でここまでこぎつけられ、DoDにこの新機能を手渡す日が待ち遠しい」とX-61A主任エンジニアのブランドン・ヒラーが語っている。

ダイネティクスのグレムリンズ開発チームには各分野の優秀企業が集まった。クレイトス無人機システムウィリアムズインターナショナルプライドシステムズエンジニアリングクッタテクノロジーズムーグInc.、シエラネヴァダコーポレーションシスティマテクノロジーズエアボーンシステムズの各社である。
.
SFの世界だった技術が現実になろうとしており興奮を覚える。グレムリンズのフライトテストが今後進展すれば、新しい情報を紹介できるだろう。■

この記事は以下を参考にしました。

Watch DARPA's Air-Launched And Air-Recovered "Gremlins" Drone Take Its First Flight 
The program aims to demonstrate the ability to launch and recover swarms of jet-powered drones in midair.
BY TYLER ROGOWAYJANUARY 18, 2020


コメント

  1. 「グレムリンズ」とは仮想敵国にとっては正に頭が痛くなるネーミングですね。
    中国人民解放軍の唱える接近阻止・領域拒否(A2/AD)戦略への対抗手段となることを願っています。
    現在は実験機ですが、開発が進み近い将来、ステルス型、電子情報収集任務用、電子戦用等々、応用が考えられますので続報をお願いします。

    返信削除
  2. かつての哨戒飛行船メーコンを想起する。
    回収が上手く行くか気になるが、空自のTACOMの発展型もあるのだろうか?

    返信削除
  3. 空中回収方法は空中給油の口みたいなのをケーブルで繋いでキャッチしてから
    アームでキャッチか!
    C-2使って国産のシステムでのフル国産構築希望です。

    返信削除

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