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2025年12月29日月曜日

あなたの善意でのアフガニスタン支援寄付が実はタリバンとさらにイランの支援に回っているという驚くべき裏側

 カブールへの援助資金がイランとタリバンを助ける仕組みはこうだ

The National Interest

2025年12月23日

ナティク・マリクザダ


アフガニスタンへの援助資金は現地の人道状況改善が目的だが、実はタリバンの安定化に寄与し、間接的にイランが国際制裁を回避する手助けとなっている。

リバンは、アフガニスタンにおける責任ある政権移行の枠組みとして位置づけられたドーハ合意に基づき、米国が軍を撤退させる中でアフガニスタンの支配権を掌握した。この合意の条件として、タリバンはアルカイダのような国際ジハード組織との関係を断ち、政治的多様性のための空間を認め、国家建設プロセスに参加することを約束した。しかし4年経った今も、これらの目標は一つも達成されていない。アフガニスタン内戦での勝利で正当性を認められたと見たタリバンは、ドーハ合意の制約に縛られていない。過去4年間、彼らは恐怖と民族分断、そして嫌われる集団への残虐行為によって支配を続け、その一方で、そもそも米国の介入を引き起こしたテロ組織との繋がりを頑なに維持している。

しかし、反乱勢力から支配者となった勢力にとって、全てが順調というわけではない。カンダハルを中心とするタリバン指導部内部の深い亀裂が基本的な意思決定システムを麻痺させ、組織はかつてないほど分裂している。今日のアフガニスタン統治機構は、政府というより旗を掲げた閉鎖的な武装派閥に近く、周辺地域のあらゆる危機(進行中のパキスタンとの対立を含む)を煽る混乱の温床となっている。同時にイランのような国々が国際制裁を回避する機会も生み出している。

イランがアフガニスタンを利用して制裁を回避している

アフガニスタン・イスラム共和国の崩壊以来、毎週数千万ドルの現金がカブール空港を経由して流入し続けている。米国を含む国際社会からの支援だ。表向きはアフガニスタンの崩壊した銀行システムを安定させ、社会の完全崩壊を防ぐためとされる。しかし実際には、そのドルがタリバン支配下の経済圏に入ると、事実上消えてしまう。資金はアフガニスタンの穴だらけの国境を越え素早く移動する。追跡が事実上不可能なハワラネットワークや、誰も本当に追跡できない他の貿易ルートにも流入する。この仕組みの主な受益者はタリバンだが、二次的な受益者はイラン・イスラム共和国だ。イランはアフガニスタン向け資金を、自国の深刻なドル不足解消に利用してきた。

この状況が生まれた背景を理解するには、まずタリバンとパキスタンの関係崩壊を把握することが重要だ。数十年にわたり、パキスタンの安全保障機関はアフガン・タリバンを戦略的資産として扱い、国連がタリバン支援の停止を各国に求めていた時期でさえ、彼らに避難場所、訓練、外交的カバーを提供してきた。イスラマバードは、パキスタンに友好的なタリバンがインドに対する「戦略的深み」を提供し、低コストで地域政治を形作る助けとなることを期待していた。

しかし2021年にタリバンが政権復帰すると、この30年にわたる計画はパキスタンに逆効果となった。この間、パキスタンではパキスタン・タリバン運動(TTP)による攻撃が急増している。イスラマバードはタリバンが同組織を庇護し、取り締まりを拒否していると非難している。タリバンはこれを否定しているが、国連を含む多くの報告が、TTPの指揮官がアフガニスタン領内で移動・勧誘・休息していることを示している。パキスタンは空爆や越境作戦で応酬し、その結果、国境両側で民間人の死傷者が出ている。2024年と2025年には、パキスタン軍が新たな国境検問所の建設を試みた際にも、小規模ながらこうした衝突が繰り返し発生した。

かつてイスラマバードが管理可能な資産と見なした関係は、今や絶え間ない安全保障上での頭痛の種となった。結果としてパキスタンは、アフガン難民の強制送還や国境検問所の閉鎖を交渉材料に利用している。この間、緊張が高まる中、数千組の家族が国境から追い返され、企業は突然市場へのアクセスを失い、トラックは数日間足止めされ、商品は目的地に届く前に腐敗している。今月初め、アフガニスタンからパキスタンへ果物を輸出する事業主に現状を尋ねたところ、国境で待機中に商品が腐ることを懸念しつつこう答えた。「この地域で数十年にわたりジハードを支援してきた国が、自ら育てたネットワークから誤った政策の反動を受けている。自ら代償を払っている格好だ」

カタールやトルコ含む地域の国々が事態の沈静化を試みたが、双方は合意に至っていない。その結果、国境は繰り返し閉鎖され、貿易は武器と化した。安全保障上の紛争として始まった事態は貿易戦争へと発展し、両国のビジネスに深刻な打撃を与えている。

この混乱の最大の受益者はイランだ。パキスタンが国境を閉鎖するたび、タリバン当局や事業者は代替ルートを探す。東へのルートが閉ざされれば、代わりに西、テヘラン方面に向かう。

イランは長年アフガニスタンへ影響力拡大を図ってきた近隣国の一つだ。現状はテヘランがその目標達成を助けている。貿易は今やイランのルートや港湾を経由する方向にシフトしており、イランは自国の孤立緩和につながると歓迎している。米国はアフガニスタンとの物資輸送に限り、イランのチャバハール港利用を制裁免除の対象とした。同時にイラン企業は燃料・電力・食料などをアフガニスタンに輸出し、外貨で支払いを受けている。イラン外相はアフガニスタンとの貿易黒字が欧州との貿易規模に匹敵すると公言している。

タリバン支配下のアフガニスタンは輸出より輸入が多いため巨額の貿易赤字を抱えている。つまり援助で流入した資金の多くは、結局輸入代金の支払いで国外流出する。現状では主要供給国がイランとなったため、人道支援資金の一部がイランの輸出業者、銀行、国家に流れる。ここでの核心的な矛盾は、ワシントンがイランへの制裁を強化し(テヘランを国際金融システムから切り離し、石油収入を制限し、外貨不足を引き起こそうとしている一方で)、同時にイランと深く結びついた経済圏へドルを送り込んでいる点だ。米財務省がイランの銀行送金を逐一追跡するのに膨大な労力を費やす一方で、アフガニスタン国内に流入した現金の非公式な隣国への移動には目をつぶっている。

これら全てが示すのは、タリバン支配下のアフガニスタンが、イランにとって新たな商品販売の場、ドル獲得の手段、政治的影響力拡大の拠点となりつつあるという現実だ。協力の見返りとして、タリバンは代替パートナーを獲得し、制裁下で権力を維持しつつ生き残るための「イラン型モデル」の指針を得たのである。

イランは常にタリバンと妥協を図ってきた

イランとタリバンの複雑な関係は、タリバンが2021年にアフガニスタンを制圧するはるか以前から始まっている。米国が同国で20年にわたる紛争を繰り広げる間、テヘランはイスラマバード同様、二重のゲームを展開した。公式にはイランはタリバンに反対し、2001年には米国と新アフガン政府との協力姿勢を表明した。しかし米軍の駐留が拡大するにつれ、イランは米軍の存在を脅威と捉え、アフガニスタン西部・南部のタリバン指揮官らと密かに接触を開始した。米国国連は、イラン製爆発物・小型武器・訓練がタリバン部隊に流入した事例を確認したと報告している。その目的は、パキスタンがそうしてきたように、タリバンを地域勢力として存続させることにあった。

イランとタリバンには明らかな相違点がある。一方は原理主義的なシーア派運動であり、他方はその思想において激しく反シーア派的である。にもかかわらず、イランはタリバンを有用な道具と見なし、タリバンはイランを生存のモデルと見なしている。結局のところ、イスラム共和国は、厳しい制裁、外交的孤立、イラクとの戦争、国内の反乱、絶え間ない経済危機の下で40年以上も存続してきた。この体制は、狂信的で遍在する治安機関に支えられた最高指導者が最終決定権を握り、選挙で選ばれた機関は弱体化させられ、前述の機関によって統制されるシステムで成り立っている。タリバン指導部内では、忠実な武装勢力に支えられた非選出の宗教指導者に実権が集中する、同様の並行神権国家を構築する動きが顕著だ。アフガニスタンの共和制政府に関連する市民機関や省庁は存続し、国民に不可欠なサービスを提供しているが、それらは二次的な存在だ。イランと同様に、選挙や世論ではなく宗教的権威こそが正当性の真の源泉である。

イランは、タリバンが自らの体制を模倣しようとするこの動きを、多くの理由から歓迎しているに違いない。最も重要なのは、自国の東部国境に、考え方は同じだがはるかに弱い政権が誕生した点だ。アフガニスタンとの問題(2021年以降続く国境紛争を含む)は生じても、イランが1980年に西側で劇的に経験したような東方からの侵略を恐れる必要は永遠にない。イスラエル、湾岸諸国、欧州、米国からの圧力が強まれば、テヘランは隣国に世界観を共有し、国際制裁の対象であり、貿易と外交でイランに依存する統治者がいることを知っている。こうしてアフガニスタンは単なる市場ではなく、後方支援地域として、兵站・政治調整・非公式資金の流れを担う。イランに重大な事態が生じても、指導部は東方に「深さ」を有していると期待できる。すなわち、敵対勢力を受け入れず、ひそかに支援すら提供する友好政権の存在だ。

世界にとって、中央アジアと南アジアの中心に位置するイランのイスラム姉妹国家は警戒すべき存在だ。密輸ネットワーク、地域通貨協定、代理関係といったイラン流の制裁回避術を習得したタリバン体制は、はるかに危険となる。当然ながら、女性の権利や少数派保護、民主主義や現代的な包摂的統治への道はさらに不可能になる。そして最も重要なのは、両政権の緊密な連携が、グローバルなジハード主義者や武器、麻薬、資金の地域横断的な移動を容易にし、「抵抗軸」を西アジア・中央アジア・南アジア全域に拡大・強化する橋渡し役となる点だ。

善意がアフガニスタンで悪しき政策を助長している

こうした状況は、アフガニスタン国民を飢餓から救い、病院・学校・支援プログラムを維持するという意図から始まった、タリバン支配下のアフガニスタンへの米国ドル資金提供問題へと我々を導く。その意図自体は称賛に値する。アフガニスタン国民はタリバンを選んだわけではない。タリバンの罪を理由に彼らをさらに罰するのは倫理的な政策ではない。しかし、そのドルが到着するたびに、その使い道を決定するのはNGOや国際機関ではなく、タリバン当局である。現在、そのドルは、自らの利益を最優先し、国民の福祉を二の次にする二つの政権のために使われている。

アフガニスタン国民は緊急支援を必要としている。問題は、こうした週次現金輸送が意図せず資金提供している政治的・地域的秩序の性質だ。現時点で西側の政策は、タリバンが人権に敵対し圧力に抵抗する第二の根強いイスラム主義体制へと変貌しつつ、イラン的な神権政治へと転化する条件を作り出している。

西側諸国がこの変貌を避けたいなら、現金輸送を狭い技術的問題として扱うのを止め、地域的な権力構造の一部として認識し始める必要がある。タリバンの支配を強化せず、地域諸国が自らの危機を管理するのに役立つドルネットワークを肥やすことのない、アフガニスタン一般市民を支援する方法を模索しなければならない。それは現金の行き先に対するはるかに厳格な監視と、タリバンの支配下以外の市民への直接支援の拡大を意味する。■

著者について:ナティク・マリクザダ

ナティク・マリクザダはアフガニスタン出身のジャーナリスト兼人権擁護活動家である。チェブニング奨学生としてエセックス大学に在籍し、国際関係学の修士号と国際人権法の法学修士号を取得した。2013年以降、宗教的過激主義への対抗と民主主義・多元主義の促進に注力している。2020年には過激主義対策、教育支援、人権侵害の記録、市民社会の強化に取り組む団体「ベター・アフガニスタン」を共同設立した。同団体は抑圧的な状況下で、アフガニスタン女性権利活動家が結束し、対話を行い、自由と正義を訴えるためのプラットフォームも提供している。


How Cash Flights to Kabul Help Iran and the Taliban

December 23, 2025

By: Natiq Malikzada

https://nationalinterest.org/blog/silk-road-rivalries/how-cash-flights-to-kabul-help-iran-and-the-taliban