2020年、大西洋上空でガスを給油を受ける米空軍のKC-46。USAF/ ピーター・ボリス
空軍は、次回購入で固定価格契約から移行するべきか検討中。
米空軍のタンカー計画について不透明な状態が続いていたが、空軍は新たな競合を開始せず、KC-46をさらに購入する決定をした。
老朽化したKC-135の後継機として75機のタンカーを暫定的に購入するため、ボーイングとエアバスの間でコンペが行われるのではないかという憶測に終止符が打たれた。その代わりに空軍は、長期的なタンカー需要が判明するまでの "つなぎ "として、問題を抱えながらもすでに生産中のKC-46をさらに購入することになる。
「空軍はKC-46延長プログラムの取得戦略を承認した。その取得戦略では、最大75機のKC-46の追加が承認されている。価格設定や管理など、詳細については明らかに検討する必要があるが、KC-135の後継機導入の一環として、最大75機のKC-46の取得戦略が承認された」と、空軍参謀総長のデビッド・オールヴィン大将は、ロイヤル国際エアタトゥーの会場で本誌に語った。
ボーイングKC-46にこだわるという決定は予算の圧力に起因したものだろう。新規契約は、ボーイングが現在の188機分のタンカー納入を終えた後に結ばれる。
戦略が承認されたとはいえ、契約形式やコストなどの詳細についてはまだ詰める必要があると空軍は強調している。ボーイングは固定価格契約の下でKC-46を製造しており、その結果同社は数十億ドルの損失を被っている。空軍が現在の契約方式を変更すれば、タンカーの必要な修正やアップグレードなど、プログラムの一部を実費上乗せ方式に移行させることができる。
KC-46を追加購入するという決定は、2026年の予算要求に「タンカー生産延長」プログラム用の資金が含まれていたことから可能性が高まっていた。予算書によれば、このプログラムではKC-46を「最も手頃な要求ベース」として使用する。
20年間にわたり空軍は3本柱の計画でタンカーフリートの構築を計画していた:商用改造タンカーを購入し、「ブリッジ・バイ」となる別の商用改造タンカーのコンペを開始し、最終的に次世代機を製造するとし、計画の最初のステップはKC-46である。
そして2023年、軍当局は計画の第二段階であるブリッジ・タンカーの購入を160機から75機に削減し、"次世代空中給油システム"と呼ばれる次世代タンカー計画を加速させると発表した。
空軍はかつて、2030年代末までにステルス性のある新型タンカーの実戦配備を望んでいたが、2026年の予算要求でNGASの資金を1300万ドルまで削減し、代わりに第6世代戦闘機プログラムであるF-47に注力を注いでいるため、そのスケジュールは可能性が低くなっている。
オールヴィンは、NGASはひとつのプラットフォームではなく、むしろ新型タンカーを含むか含まないかのシステム・ファミリーであると強調した。そして、2026年のNGAS予算ラインの資金の一部は、現在のタンカーを生存しやすくする方法を検討するために使われると述べた。
一方、空軍はKC-46プログラムでの問題を解決し続けている。KC-46プログラムは、多くの「カテゴリー1」の欠陥-墜落や人命の損失を引き起こす可能性のある問題-や納入の中断に悩まされている。
オールヴィン大将は、ボーイングの欠陥に対する進展には「満足」しており、タンカーは現在も「非常によく」機能していると述べた。これは、6月にイランの核開発拠点を攻撃したB-2への給油をKC-46が支援した「ミッドナイト・ハンマー作戦」における役割に言及したものだ。
「完全に危機を脱したとは言わないが、欠陥の除去は順調に進んでおり、同機は作戦運用上非常にうまく機能している」とオールヴィンは語った。■
Air Force will buy more KC-46s, skip competition
The service is mulling whether to move away from fixed-priced on the next buy.
STAFF WRITER
JULY 20, 2025