米空軍の軽戦闘機構想、ひいてはNGADが抱える問題―長期間稼働を前提とした高性能機材から短期の稼働期間を前提に次々と機材を更新する調達へ根本的に変革ができるかが鍵だ(The National Interest)
Image Credit: Creative Commons and or Shutterstock. 空軍参謀長デビッド・オールヴィン大将は、費用がかかり、長期にわたる次世代空優勢戦闘機(NGAD)にかわり、適応性が高く、小型で安価なモジュール式航空機を推奨しているが、同構想の実現の可能性はどこまであるのだろうか。 概要: デビッド・オールヴィン大将空軍参謀総長は、次世代制空戦闘機(NGAD)のような費用がかさみ、長期にわたる戦闘機プログラムから、より適応性が高く、小型で安価なモジュール式航空機への移行を推奨している 軽戦闘機プログラムにおけるF-16の成功に触発されたもので、将来のアップグレードを容易にし、維持コストを削減できるオープンシステムアーキテクチャを優先する。 この考え方は、開発サイクルを短縮し、変化していく戦場で常に有効性を維持することを目的とした「デジタル・センチュリー・シリーズ」などの以前の提案を反映している しかし、このモデルへの移行には、政治的にも産業的にも大きな課題がある NGADはどのように軽戦闘機に置き換えられるのか? 米空軍高官の一部は現在、次世代のステルス戦闘機(NGAD)に代表される高コスト・高機能なプラットフォームの開発を棚上げし、将来的な新たな課題に対応するため小型・軽量かつ安価な機体を開発するという、次期ステルス戦闘機プログラムにおける劇的な転換を指摘している。 この「軽戦闘機」のコンセプトは、7月下旬にロンドンで開催された英国の航空宇宙パワー協会による「グローバル航空宇宙長官会議」で、米空軍参謀総長デビッド・オールヴィン大将によって、米国の航空戦力の将来に関する議論の最前線に突如登場した。 オールヴィン大将はプレゼンテーションの中で、半世紀以上運用することを前提とした、高度で非常に高価な新型戦闘機の配備による長年にわたる「長寿命化」設計アプローチを廃止し、新型戦闘機の配備に対する米国の開発アプローチを大幅に転換することを提案した。代わりに、オールヴィン大将は、新しい戦闘機は「適応性を重視する」べきだと提案し、長期的な耐久性より21世紀の戦場における絶え間なく変化する課題に対応するために素早く簡単に修正できる高度なモジュール設計に重点を置くべきだと主張した。 オールヴィン大将はスピー...