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2024年12月3日火曜日

核兵器搭載可能な中国H-6N爆撃機が日本海上空でロシアTu-95とデータ "ネットワーク"していた(Warrior Maven) ― 中国報道が正しければ日本にとっても看過できない進展だ

 


中国のJ-16戦闘機に護衛され、ロシアのTu-95爆撃機と2機の核搭載可能なPLA空軍のH-6N爆撃機が日本海を飛行し


 中国のJ-16戦闘機に護衛され、ロシアのTu-95爆撃機と2機の核兵器搭載可能なPLA空軍のH-6N爆撃機が、長距離多国間攻撃能力の共同ショーで米国とこの地域の同盟国を「威嚇」するとも言える飛行で日本海を横断した。

 ロシアと中国の航空機は以前にも共同パトロールを行ったことがあるが、H-6Nのアップグレードや、ロシアと中国の爆撃機が "情報を共有"できたという中国メディアの報道を考慮すると、今回の演習はいくつかの重要な理由から重要であると思われる。

 中国政府系の環球時報は、「爆撃機の複合飛行は、広大な空域を横断し、複雑な気象条件をナビゲートした」と伝えた。同紙は、ロシアと中国のパトロールを長距離抑止と "情報共有 "の観点から説明している。

「共同パトロールは、両軍の情報共有と共同戦闘能力を強化し、強化した」。

 多国間のデータ交換は、データフォーマットの統合、トランスポート層の相互運用性、情報交換を確実にするのに十分なインターフェースの確立など、技術的な課題があるからだ。このレベルの高速空中情報交換が先進的かつ高度に運用されるようになれば、ロシアと中国の爆撃機編隊は前例のない脅威となる可能性がある。効果的にネットワーク化されたロシアと中国の爆撃機が、高速センシングとデータ処理によって支援され、長距離にわたってインテリジェンスとターゲティングの詳細を交換できれば、はるかに広い地域を危険にさらすことができ、滞空時間またはターゲット識別ウィンドウを短縮することができる。

 ロシアと中国のネットワーキングとデータ共有の程度や技術的洗練度を見極めるのは難しいかもしれないが、中国紙はH-6N爆撃機の「航続距離」の長さを挙げている。これは確かに、日本、台湾、そしてフィリピンさえも、本土から発射された爆撃の射程内に置くことになる。


アップグレードされたH-6N

中国紙はまた、H-6Nの「アップグレード」にも言及している。H-6Nは、数十年にわたってPLA空軍で運用されている長距離爆撃機H-6の核武装型だ。しかし、環球時報によれば、「N型」のH-6が最新型だという。 『ディプロマット』の2018年のエッセイによれば、H-6Nは「機体の形状を変更」し、よく知られたDF-21対艦弾道ミサイルの空中発射型を含む「空中発射弾道ミサイル」の搭載を可能にしている。 

 このことは、おそらくPLA空軍がDF-21の「核搭載可能な」亜種を運用していることを示唆している。この脅威シナリオは、もちろん爆撃機が目標地域を危険にさらす脅威の範囲を大幅に拡大することになる。■


Nuclear-Capable Chinese H-6N Bomber “Networks” Data With Russian Tu-95 Over Sea of Japan

 Escorted by a Chinese J-16 fighter jet, a Russian Tu-95 bomber and two nuclear-capable PLA Air Force H-6N bombers flew across the Sea of Japan

Kris Osborn · December 1, 2024


https://warriormaven.com/china/nuclear-capable-chinese-h-6n-bomber-networks-data-with-russian-tu-95-over-sea-of-japan



2024年5月1日水曜日

中国のH-6爆撃機の下に吊るされた黒い謎の機体の正体を推理する

 A picture has emerged purportedly showing a Chinese H-6 bomber carrying a large mystery payload underneath its fuselage.

Chinese Internet.


中国のH-6爆撃機が大きな謎のペイロードを積んでいる写真が出てきた

H-6にぶら下がるのはWZ-8ロケット・ドローンと別の可能性がある

国のH-6爆撃機の胴体の下に、暗色の大型飛翔体のようなものが搭載されている画像が出てきた。この物体はH-6から空中発射されるようだ。その大まかな形と大きさは、他の既知の運用中またはテスト中の中国の空中発射システムで一致するものがなく、正体は謎のままである。

問題のH-6の写真は、中国のソーシャル・ネットワーク「微博(ウェイボー)」に掲載され、先週金曜日にネット上で広く出回り始めた。画像には、操作されたり捏造されたりした明白な兆候は見られず、非常に現実的な可能性であることを念頭に置く必要がある。

画像はすぐに、WZ-8を搭載したH-6が初めて目撃された可能性があるとして注目を集めた。しかし、これは明らかに事実ではない。

WZ-8が初めて公に姿を現したのは2019年で、中華人民共和国建国70周年を記念する北京市内でのパレードだった。同年の後半に同無人機が限定されているとはいえ実際に運用されていた証拠が出てきた。

WZ-8s on parade in Beijing in 2019. <em>Chinese Internet</em>

WZ-8s on parade in Beijing in 2019. Chinese Internet


2019年以降、米軍はH-6M巡航ミサイル空母機の亜種(H-6MWと呼ばれることもある)がWZ-8の発射プラットフォーム1つだと評価している。

また、H-6KをベースにしたH-6Nの空中発射型「マザーシップ」型もあり、各種の空中発射弾道ミサイルや新型極超音速ミサイルを搭載していることが確認されている。H-6NとH-6MWの主な違いは、前者が大型ペイロードを搭載するために主胴体の下に半凹型のエリアを持つのに対し、後者は胴体の下に直接を搭載する点である。H-6Nはまた、H-6Kに見られるような機内給油プローブを持ち、それ以外はH-6Kと同じフロント・エンドを共有している。H-6Mは、H-6の初期バージョンと、その派生型であるソ連のTu-16バジャーに見られるガラス張り機首を持っている。H-6MWとH-6Nが搭載できる機体には重複する可能性がある。

すでに指摘したように、H-6の新しい写真に写っているのは、大型のペイロードWZ-8ではない。中国の航空宇宙専門家であり、The War Zoneの寄稿者アンドレアス・ルプレヒトは、「WZ-8よりも大きく、幅が広く、翼の形状が異なる」と以下指摘している。

これは、WZ-8の新型または派生型である可能性がある。しかし、既知のWZ-8とはサイズも平面形状も大きく異なる大幅な再設計となる。

また、H-6はMD-22極超音速テストベッドの一例、あるいは関連する試験品を搭載しているのではないかという憶測もある。MD-22のモックアップは2022年の珠海航空ショーで初めて登場した。当時本誌が書いたように「この設計がどの程度実現に近づいているのか、また運用プラットフォームとして開発される見込みがあるのかどうかは不明だ。このデザインは、全長10.8メートル、翼幅4.5メートル、空虚重量約1トン、最大離陸重量約4トンで、マッハ7で最大8,000キロの距離を飛行するとされている。この航続距離はありそうもないが、単に、より現実的な指標を持つ、より現実的なコンセプトが開発中であることを表しているだけかもしれない。

An H-6N carrying what looks to be an air-launched ballistic missile (indicated by the red arrow). This is one of several missiles the type has been observed loaded with on its centerline station. <em>Chinese Internet</em>

An H-6N carrying what looks to be an air-launched ballistic missile (indicated by the red arrow). This is one of several missiles the type has been observed loaded with on its centerline station. Chinese Internet

A view of the underside of an H-6N, showing the semi-recessed area on the centerline a hardpoint for a very large missile, as well as conventional anti-ship missiles below the wings. <em>Chinese Internet </em>

A view of the underside of an H-6N, showing the semi-recessed area on the centerline a hardpoint for a very large missile, as well as conventional anti-ship missiles below the wings. Chinese Internet


いずれにせよ、MD-22は、航空機や武器を含む他の極超音速システムに関連する研究開発や試験評価活動を支援することが主な目的のStratolaunch Talon-Aのような、米国における同様の開発を反映している。中国軍は極超音速能力を積極的に追求しており、MD-22は他の潜在的な用途の中でも、少なくとも部分的にはその開発に役立つ可能性がある。

MD-22がある種の空気呼吸エンジンを搭載することを意図しているかどうかはまだ不明だ。しかし、1年以上前に目撃されたモックアップとそれに付随するレンダリング画像では、腹部の吸気口と後部の1本の大きなエンジン排気口らしきデザインを示し、このような方向性を指し示している。

MD-22モックアップの一般的な形状と構成には、最近出てきた写真のH-6の下に見られるものと類似点がある。また、全長はH-6のおよそ3分の1におよんでおり、これは以前発表された実際のMD-22の予想全長(35.5フィート(10.8メートル)弱)と一致する。H-6のベースライン・バージョンの全長は114フィート(34.8メートル)強で、新しいバージョンがわずかに長い。

もう一つの可能性は、WZ-8やMD-22に形や機能がよく似ている、あるいはそのような航空機の開発の一部である新しい何かだ。WZ-8の一般的なコンセプトをより大きくしたもの、あるいはMD-22に似た運用可能な再使用型極超音速飛行体は、試験、攻撃、情報、監視、偵察など複数の任務をこなすことができる。近年、米空軍は、これらと同じ任務に使用できる再使用可能な空中発射型極超音速機のアイデアを模索している。いずれにせよ、中国は長年にわたって極超音速技術に多額の投資を行っており、この開発分野ではある意味で米国をリードしている。現在報告されている極超音速機のテストは、数年前にさかのぼるが、空中発射式の極超音速機の可能性が高い。この点を考慮すると、真の極超音速が可能なWZ-8の後続機でさえ、中国にとってはかなり保守的な一歩となるだろう。

中国の国営航空産業は、再使用可能な宇宙機の開発にも多額の投資を行っている。近年では、宇宙ロケットを使って宇宙空間へ行くものだけでなく、空中発射式も登場している。シェンロンとして知られる再使用可能なスペースプレーンのデザイン、あるいはそれに関連する試作機が旧式のH-6型機に搭載され飛行試験のため上空に運ばれたことがある。しかし、今回の謎の物体の形状は典型的なスペースプレーンのデザインと一致せず、候補としては可能性が低い。

このH-6が運んでいたものが、すでにここで紹介した選択肢とはまったく異なるものである可能性は常にある。謎の物体の大まかな形状は、ロッキード・マーティンが映画『トップガン』で制作に協力した架空の極超音速機ダークスターに似ている点があり、同社は実際の能力を反映している可能性があると述べている。また、アメリカの航空会社がアメリカ空軍の非常に現実的な、しかし高度に機密化された次世代制空権(NGAD)計画について提唱した設計コンセプトを大まかに彷彿とさせるが、これは中国の第6世代戦闘機構想には合わないだろう。

謎の物体をもっとはっきり見なければ、それが何であるかも確実には言えない。わかっているのは、中国の航空企業は、有人航空機だけでなく、高度化するドローンの多様な機種を生産しており、現在も生産し続けているということだ。また、近年は極超音速兵器やその他の航空車両の開発でも大きな進歩を遂げている。ここには、まだ漠然とした存在の軌道兵器システムも含まれる。

H-6ファミリーについて言えば、同機は先進的な航空車両や航空兵器システム、特に大型の飛行試験用のプラットフォームとして、またそのようなものを運用するプラットフォームとして理にかなっている。多くの点で、兵器システムとしても試験プラットフォームとしても、H-6の全体的な有用性は、Tu-16とほぼ同年代の設計の大型の米B-52に近い。

An H-6K with a pair of air-launched ballistic missiles under its wings, as well as an inset showing one of these weapons up close, underscoring the diversity of outsized payloads aircraft in this family can carry. <em>via Chinese Internet</em>

An H-6K with a pair of air-launched ballistic missiles under its wings, as well as an inset showing one of these weapons up close, underscoring the diversity of outsized payloads aircraft in this family can carry. via Chinese Internet

ネット上に現れた写真のH-6爆撃機の下に見える謎の物体が何であろうと、もしそれが本当に飛び回っているのであれば、その正体について新たな手がかりとなる目撃情報が他にも出てくることを期待したい。■

Black Mystery Craft Spotted Slung Under Chinese H-6 Bomber

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED APR 22, 2024 8:39 PM EDT


2023年7月5日水曜日

台湾を威嚇するPLAのH-6爆撃機に「極超音速巡航ミサイル」が搭載されている可能性について、まず台湾次は沖縄か。さらに日本本土....シナの野望は留まるところを知らない

 

「極超音速ミサイル」で武装したH-6K爆撃機が、全天候型・24時間体制で台湾島を「包囲 」パトロールする。


華人民共和国政府を後ろ盾とする『環球時報』に出た中国の主張は、哨戒、演習、近接軍事訓練作戦を通じ台湾への圧力を大幅に強化する中国の広範かつ極めて「透明」な努力と一致している。夜間の「包囲」パトロールは、H-6K爆撃機の技術的なアップグレードや兵器の強化に関与しているように見えるため、台湾にさらに強い圧力を加えるだけでなく、多くの点で重要だ。

 H-6K爆撃機は、KD-20陸上攻撃ミサイル、YJ-12超音速対艦ミサイル、YJ-21極超音速ミサイル含む多種多様な弾薬を搭載できる。

 YJ-12はKD-20と同様、超音速巡航ミサイルとして知られている武器だが、H-6Kが搭載するのは、台湾の陸上目標に対する爆撃機のスタンドオフ脅威の攻撃範囲と精度を向上させる目的の新型火器管制と武器誘導技術かもしれない。しかし、2023年6月19日付の『環球時報』報道で最も重要な部分は、H-6KがYJ-21「極超音速ミサイル」で武装していると主張していることだ。YJ-21空中発射型極超音速ミサイルはマッハ6に達すると伝えられている。


 同ミサイルを搭載する、あるいは搭載可能であるということは、台湾上空のH-6K夜間哨戒機が極超音速ミサイルを搭載していることを必ずしも意味しない。事実ならば、人民解放軍(空軍と海軍)が米軍に先行する可能性がある。米空軍は最近、極超音速兵器「Air Launched Rapid Response Weapon」を「一時停止」しており、海軍は2025年まで駆逐艦に極超音速兵器「Conventional Prompt Strike」を搭載する計画はない。

 Military Watch誌とNaval NewsはいずれもYJ-21の存在を挙げているが、水上艦船から発射されるアプリケーションでしか言及していない。どちらのレポートも、人民解放軍-海軍のビデオを引用し、準ステルス055型駆逐艦からのYJ-21「極超音速ミサイル」の試験発射を示した。しかし、2022年のどちらのレポートも「空中発射型」YJ-12極超音速ミサイルの変種に言及していないため、中国の論文で引用されているH-6K発射型の変種は、中国がごく最近開発したものかもしれない。2022年からのNaval Newsのエッセイは、YJ-21についてまだ多くの「未知」があることを明確に指摘しているが、同誌はNaval NewsのアナリストH I Suttonの発言を引用し、JY-21はCM-401の設計に基づいているようだと述べている。

「新しいミサイルは外見上CM-401のデザインに似ているが、大型ブースターフェーズが追加されている。CM-401は直径が600mmしかないが、イスカンダルミサイルに類似している。新型ミサイルが旧型のCM-401ファミリーに関連の可能性はあるが、似ているのは偶然かもしれない。そして、直径はもっと小さいかもしれない」とサットンはNaval Newsに書いている。

 空中発射式YJ-21の亜種の存在は、成熟度、テスト、生産の可能性で重大な問題を提起する。同様に重要なのは、どれだけの射程距離と照準誘導技術を使用しているかということだ。これらは国防総省の関心を呼びそうな問題である。


夜間飛行のH-6K爆撃機による台湾包囲網

H-6Kで搭載される可能性のある極超音速および超音速の航空発射型陸上攻撃巡航ミサイルは、台湾に複雑な脅威となる。より接近し、爆弾を投下するスタンド・イン攻撃は、H-6Kを台湾防空に対してより脆弱にし、また米海軍や台湾の監視技術で容易に発見されることになる。しかし、「包囲」任務の継続は、中国爆撃機をいつでも台湾の急襲範囲内に出現させることになる。

 分離独立派と呼ぶ人たちによる「挑発行為」を引き合いに出し、中国の軍事専門家は『環球時報』で「外部からの干渉は夜間にも行われる可能性がある」と述べている。その一環として、同紙はナンシー・ペロシ米下院議長が2022年8月に台湾を訪問したことを挙げている。

 『環球時報』論説はまた、技術の進歩によって爆撃機が正確かつ効果を上げる夜間任務を遂行可能になったことから、H-6Kの夜間パトロールは日常的に行われるようになると明言している。

 「我々は、日中であれ、夜間であれ、夜明け前であれ、いつでもどこでも出撃できる能力を持っている」と、航空団教官であるWei XiaogangはCCTVの報道で語った。

 夜間作戦の示唆は、人民解放軍-空軍が現在、強化された夜間視認とナビゲーション技術で作戦を行っている可能性を示している。 この種の新技術が具体的に何かは不明だが、2019年に国防総省がF-35のために開拓した「暗視」技術の模倣かもしれない。F-35パイロットは現在、「ヘルメット・マウント・ディスプレイ」と呼ばれる、夜間精密照準、ナビゲーション、高度な空間配分のため設計されたバイザー投影型暗視技術を装着して飛行している。米国のB-52パイロットもある種の暗視ゴーグルを着用しており、その技術は近年向上していると思われる。B-52は中国のH-6Kよりかなり大きく、はるかに大きなペイロードを搭載できるが、2つのライバル爆撃機は速度が似ており、どちらも1950年代に登場したという事実がある。

 また、H-6K爆撃機に関する中国紙の「全天候型」の示唆は、同機が現在、新しい種類の「感知」技術と統合されている可能性を示唆している。例えば、ミリ波技術は、米空軍のプラットフォームでナビゲーションと武器誘導に使用されている非常に効果的な全天候型センサーだ。これも中国の兵器開発者が模倣しようとした技術かもしれない。しかし、中国論文にある全天候型センサーの示唆は、単に合成開口レーダーと赤外線センサーを指しているのかもしれない。

 夜間航行技術における最大の違いは、H-6Kに改良が加えられるとすれば、F-35の技術革新と同様に、夜間におけるパイロットの視認、照準、航法に沿ったものだろう。

 技術的なアップグレードと、これらが示唆する任務範囲の拡大は、A2/ADと中国の急速な近代化に関する、より広範で非常に影響力のある懸念に関連している。


中国空軍は爆撃機部隊を拡充し、アップグレードを続けている。

 「中国の爆撃機部隊は現在、ソ連の爆撃機ツポレフTu-16(バジャー)を国産化したH-6バジャー型で構成されている。爆撃機部隊は比較的古いにもかかわらず、PLAAFはこれらの航空機の運用効果の維持・強化に努めてきた。近年、中国は、スタンドオフ兵器を統合し、より効率的なターボファンエンジンを搭載して航続距離を伸ばしたH-6の近代化型であるH-6Kを多数実戦配備している」 国防長官の議会向け年次報告書:中華人民共和国が関与する軍事・安全保障の進展 2021年より

 「中国のH-6K爆撃機の任務拡大は、2021年に国防総省の年次中国報告書にある国防総省の評価と一致するだろう」。ケン・アレン(元空軍将校、米国大使館北京駐在官補佐官、Warrior Mavenシニア長期中国軍事アナリスト)による航空大学のエッセイ「PLA空軍、爆撃機部隊組織」。

 アレンは「2019年の中国建国70周年パレードで、PLAAFは長距離攻撃に最適化されたH-6Kの派生型るH-6Nを公開した。H-6Nは、核搭載可能な空中発射弾道ミサイル(ALBM)の外部搭載を可能にする胴体改良を特徴としている。2020年10月、H-6Nが空中発射弾道ミサイルを搭載しているのが観測された」と書いている。

 H-6Kの艦隊規模の増加、H-6Nの追加、そしてH-6Kの任務範囲の拡大は、中国が提示する空からの脅威を確実に強化するだろう。

 H-6Kは陸上攻撃巡航ミサイル(LACM)を6発搭載でき、中国本土の飛行場から第二列島の標的を射程に収めることができる長距離スタンドオフ精密攻撃能力をPLAに与える。国防長官の議会年次報告書: 2021年の中華人民共和国をめぐる軍事・安全保障上の動き:

ボトルロケットから稲妻まで...中国のミサイル革命と米軍の介入に対するPLAの戦略」と題された、中国の軍事的思考と進歩に関する2011年のNaval War College Reviewの興味深いエッセイは、しばしば議論される中国の反アクセス/領域拒否戦略の文脈で、中国上空から発射される陸上攻撃巡航ミサイルに関する関連議論を取り上げている。よく知られたA2/AD戦略は、米軍が有効打撃距離内で活動できないようにすることを意図したものだが、中国の急速な軍事近代化に合わせ、この小論が予期していたような形で進化し続けている。このエッセイは2011年のものであり、環球時報が引用した「極超音速」YJ-21には言及していないが、YJ-12超音速巡航ミサイルは400kmを射程に収めることができると述べている。

 2011年のエッセイでは、「ミサイル」を、直接交戦するのではなく、作戦地域へのアメリカ軍の資産の展開を「抑止」「減速」「混乱」「複雑化」させることを意図した一連の中国製新兵器の一つに挙げている。

 より具体的に言えば、海軍大学校のレビューは、中国のミサイル部隊と航空部隊間で「相乗効果」が高まることを予期しているようだ。これはまた、小論が示唆するように、中国が海軍増強と同期させようとしていることでもある。空中から発射される極超音速のYJ-21が加わることで、中国のA2/AD戦略に対抗しようとする米海軍にとって、脅威の方程式が複雑化することは間違いない。

 「新海軍の重要な側面と、ミサイル部隊や航空部隊との間に生じるかもしれない相乗効果は、十分な注意を払う必要がある。なぜなら、それらは特に、米国のタイムリーで効果的なアクセスや介入を抑止したり、遅らせたり、複雑化させたりすることに向けられたものだからだ」と、海軍大学校の小論文は、しばしば引用される退役米海軍提督の言葉を引用している。

 このエッセイが書かれたのは2011年で当時は、米軍と直接「交戦」することなく米軍を遠ざける「間接的」戦略であったが、中国の海軍力と空軍力の増大の見積もりに発展したのかもしれない。おそらく今、そして今後数年間は、2011年当時と異なり、中国は米軍と「交戦」可能な立場にあると感じているはずだ。

 このことが示唆するのは、中国が2027年までに台湾を支配するという現在の国防総省の予測よりも早く、台湾を掌握し併合する「窓」が開かれるということである。技術の進歩や海軍力、無人偵察機、航空攻撃巡航ミサイルの大幅な増強により、中国の意思決定者は、米軍を「十分に遠く」に引き留め、「フェイク・アコンプリ」、つまり米国が対応できないほどの速さで台湾を併合することに成功できると考えているのだろうか。国防総省の中国に関する報告書多数でも具体的に挙げられているこの「フェイク・アコンプリ」の見通しの大部分は、台湾に強固に組み込まれた中国軍を攻撃して「撤収」させるためには、米軍連合軍にとっても、単純に命がかかりすぎるということである。夜間の「包囲」作戦中に台湾のすぐ近くで極超音速ミサイルが空中発射されれば、対応や反撃が可能になる前に台湾を占領しようとする速攻の可能性を中国に提供するかもしれない。■


China's H-6K Bomber Threatens Taiwan With New Air Launched YJ-21 "Hypersonic" Missile - Warrior Maven: Center for Military Modernization

By Kris Osborn, President, Center for Military Modernization


Kris Osborn is President of Warrior Maven – Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University


2020年12月17日木曜日

ここに来て動きが出てきた米、中、ロの戦略爆撃機の状況について。B-21、H-20、PAK DA他既存機種も。

  

B-21 bomber concept

B-21の初飛行と低率初期生産開始は2022年と米空軍の最新工程表にある。Credit: Northrop Grumman Concept

 

、中、ロの「超大国」間での競合復活をうけ戦略爆撃機が再び注目を集めている。

 

上記三国は新世代ステルス爆撃機を秘密裏に実用化しようと労力を投入してきたが、長期供用中の既存機種でも性能向上を同時に進めてきた。その新型ステルス爆撃機第一陣が2021年に姿を表しそうだ。今回は新規開発機とあわせ供用中機種の改修の状況もお伝えする。

 

【B−21】米空軍はノースロップ・グラマンB-21レイダーの初飛行は2021年12月4日とすると2018年7月に公表したあと低姿勢だったが、今後12ヶ月以内にカリフォーニア州パームデールのプラント42第4地区の建屋401から初号機が姿を表しそうだ。▼空軍の新日程表ではB-21初飛行を2022年としている。新型機が初飛行に先立ち屋外地上テストを6-9ヶ月かけるのが通例なので、逆算すれば新型機がロールアウトする時期は2021年下半期となる公算が強い。▼B-21では低率初期生産が2022年に始まるとノースロップ・グラマンは述べており、工程表だと量産仕様機材引き渡しは2024年からになる。

 

B-21開発は空軍の迅速戦力開発室が統括した秘匿体制のもとで進められており、B-21の正確な機体単価は不明だ。▼契約交付の2015年10月時点で空軍は80-100機生産した場合の平均単価を550百万ドル(2012年ドル価格)としていたが、インフレ調整を加えると632百万ドルに相当する。▼ペンタゴンは今後数年間の国防予算をよくて横ばい、削減も覚悟しており、空軍最大の課題はその他事業の予算を減らしB-21本格生産を軌道に乗せることにある。

 

【H−20】製造状況がよくわからないのが中国初のステルス、全翼機形状の爆撃機H-20だ。▼2018年に米国防総省が議会向け年次報告でH-20をステルス亜音速爆撃機でノースロップB-2あるいはX-47Bに似た形状で有効航続距離を少なくとも4,590 nm (8,500 km) 、通常兵器、核兵器少なくとも10トンのペイロードとした。▼2019年に同省はH-20のデビューは2020年代に予想されると追加発表した。▼ペンタゴン推定が正しければ、H-20は米西海岸は無理としても北太平洋ほぼ全部に到達可能で、アラスカ、ハワイ両州もここに入る。

 

【PAK DA】ロシアでは将来型航空複合体長距離航空(PAK DA) の爆撃機が2020年に生産段階に入るとの予測がある。▼今年春の衛星写真では大型の新工場がツボレフの生産施設があるカザンに着工されていた。▼5月までにテスト用一号機の機体構造組立が始まったとTASS通信が伝え、ロシア国防産業筋を引用し、最終組立は2021年に完了するとした。

 

上記三機種は冷戦後初の新型爆撃機となる。就役開始時期はそれぞれ不明だが、ノースロップの第一世代ステルス爆撃機B-2Aの運用開始が1997年だったのでほぼ30年を経て次世代機が登場することになる。こうした新型機生産が今後10年以上にわたり活況を呈すれば防衛産業への影響は大きい。

 

ただし、既存機種を全廃しようとする国はない。新型エンジン、センサー、兵装に重点的な資金投入を続ける一方で、冷戦時の旧型機に新たな価値を与える動きが顕著だ。

 

【B-52、エンジン換装、兵装の強化】2021年6月に米空軍からボーイングB-52の76機用新型ジェットエンジン608基の納入業者の発表がある予定だ。▼同機は導入後60年になるプラット&ホイットニーTF-33-P-3(推力17千ポンド)を搭載しており、換装エンジンの候補はGEエイビエーションのパスポート、CF34両エンジン、プラットのPW800、ロールスロイスのBR.725原型のF130だ。▼それぞれ一気に数世代先の設計で経済性と信頼性が向上する。▼またパイロン改修で最高22千ポンド搭載を可能とし、ロッキード・マーティンAGM-183A空中発射式迅速対応兵器を左右の主翼に搭載させる。▼ボーイングは機内の回転式発射機2基も改修し各巡航ミサイル8発を搭載する。▼今後新世代のスクラムジェット推進極超音速巡航ミサイルが実用化されれば現在回転式発射機に搭載するAGM-86と同程度の大きさ重量なので、B-52一機で極超音速長距離ミサイルを22発運用可能となる。

 

【B-1B】同様にB-1Bでも運用変更案があり、11月に空軍グローバル打撃軍団が亜音速ロッキードAGM-158共用空対地スタンドオフミサイル (Jassm)を同機外部パイロンに搭載する実証を行った。▼B-1Bの外部パイロン合計6箇所にAGM-183極超音速ミサイルを搭載する可能性がある。▼同時に機内回転式発射機からも巡航ミサイル8発を発射できる。▼2021年度予算案ではB-1合計17機を退役させ、浮いた運行経費で残る45機の近代化改修を進めたいと言うのが空軍の要望だ。

 

【H−6】人民解放軍海軍が初めて西安H-6Jを南シナ海ウッディ島に11月に配備した。▼同機はツボレフTu-16バジャーの直系だが、H-6Jは米海軍の太平洋艦隊に対抗可能な機体でYJ-12対艦ミサイルを搭載する。▼人民解放軍空軍もH-6Nの空中給油機能を2019年10月に公表した。▼同国内の政府発行雑誌がH-6Nが空中発射式弾道ミサイルを搭載した写真を掲載し、中距離対艦ミサイルDF-21の可能性がある。▼直近ではH-6NがDF-17極超音速滑空式兵器に類似したペイロードを搭載した写真が出ている。

 

【ロシアその他機種】ロシア爆撃機でも近代化は進んでおり、新型エンジンに換装したTu-160、Tu-95が飛行テストを開始した。▼さらにTu-22M3M試作機が2020年にテストに入り、エンジン、エイビオニクス、搭載ミサイルを更新しており、超音速空中発射式ミサイルKh-32もその一つだ。■

 

この記事は以下を再構成しました。

 

Secret Bomber Programs Set For Possible Rollouts In 2021

 

Steve Trimble December 09, 2020