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2024年11月15日金曜日

イスラエルが待望のF-15IAアドバンスド・イーグル戦闘機を購入(The War Zone)―これでボーイングはF-15生産ラインをさらに延命できる

 Israel will buy 25 F-15IA fighters, marking the first new Eagles that the country has acquired since November 1995, when it ordered F-15I Ra’am jets. This summer, Israel had been given U.S. approval to by as many as 50 F-15IAs, as well as upgrade its F-15Is. Whether more F-15s or upgrades are added, the current wars in the Middle East mean that further acquisitions of combat aircraft are likely.  

Boeing



イスラエルは、F-35ステルス戦闘機と並んで空軍の先陣を切るF-15を、ほぼ30年ぶりに追加発注した


スラエルはF-15IA戦闘機を25機購入する予定であり、1995年11月にF-15I Ra'amを発注して以来、同国がイーグルを新調することになる。 

 今年の夏、イスラエルはF-15IAを50機購入し、188億2000万ドル相当の全体パッケージの一部としてF-15Iをアップグレードすることを米国に承認されていた。 

 F-15の追加購入やアップグレードが行われるにせよ、中東における現在の戦争は、戦闘機のさらなる調達が行われる可能性が高いことを意味する。 

 イスラエル国防省は本日、F-15IAを25機、52億ドルで購入すると発表した。同省は昨日、ボーイングとの契約に署名し、25機を購入するオプションが残っていると述べた。 

 イスラエル国防省は、F-15IAの納入が2031年に始まり、毎年4機から6機が供給されることを確認した。 

イスラエル国防省はXで、「この調達は、地域の安全保障に対する相互のコミットメントを反映し、イスラエルと米国の防衛協力の深化における重要なマイルストーンとなる」と述べた。 

 イスラエル国防省は、「新型F-15IAは、イスラエルの最先端技術を含む最先端の兵器システムを装備する。「アップグレードされた航空機は、強化された航続距離能力、増加したペイロード容量、各種作戦シナリオにおける性能向上を特徴とする」。

 過去に議論したように、F-15IAは米空軍のF-15EXをベースにする。 ボーイングと米空軍は、この設計の主な特徴として、航続距離と搭載能力を大きく宣伝している。これは、広大な太平洋を横断する米空軍の作戦で特に価値があると考えられているが、イスラエルも、大量の兵器を積んで長距離攻撃する能力を持つイーグルを長い間珍重してきた。

 

A USAF F-15EX Eagle II armed with 12 AIM-120 AMRAAMs.

12発のAIM-120 AMRAAMで武装した米空軍のF-15EXイーグルII。 

 

 イスラエルがF-15IAを武装させるために調達すると思われる兵器については、売却が承認された際の公式プレスリリースでは、AIM-120高性能中距離空対空ミサイル(AMRAAM)ランチャーと内蔵のM61Aバルカン砲のみが言及されている。 

 現在のF-15Iラアムは、イスラエル空軍の航空発射兵器のほぼ全種類を搭載しており、防衛用と攻撃用、米国製と国産がある。 

 これに対しF-15IAは、極超音速ミサイルを含む大型兵器やレガシー兵器を搭載できる可能性がある。 

 最近の対イラン作戦は、イスラエルが空中発射弾道ミサイルの使用を拡大していることを示している。 


空中発射弾道ミサイル「ランペイジ」で武装したイスラエル空軍のF-16I。 アメリカ空軍 


 イスラエル空軍にとって、25機のF-15IAはイーグル飛行隊の追加になり、攻撃に最適化されたF-15の機数が2倍になる。 

 現在、25機のF-15Iラアムジェットは、ハッツェリム空軍基地の69飛行隊「ハマーズ」に所属している。

 イスラエル空軍はまた、空対空と空対地で運用される旧式F-15A対Dバズを操縦する飛行隊も運用しているが、最初に戦闘を見たのは1979年と古く、今ではかなり年季が入っている。 

 これらの戦闘機は、1979年に初めて戦闘に投入されて以来、アップグレードを重ね、米空軍からの移管で強化され、テルノフ空軍基地に配備されている。 


イスラエル空軍106飛行隊のF-15A-to-Dバズ戦闘機 "Tip of the Spear" アミット・アグロノフ 


 イスラエルは、あらゆる種類の継続的な需要がF-15にあるため、現存するバズ戦闘機は第一線で活躍し続けるためにアップグレードされている。F-15IAが2つのバズ飛行隊のうちの1つに取って代わる可能性もあるが、現時点ではまだ不明だ。 

 また、F-15IラアムをF-15IAと同様の規格(F-15I+として知られる)にアップグレードするオプションもあるが、イスラエル国防省は発表の中でこの状況について触れていない。 


イスラエル空軍のF-15Iラーム。 イスラエル空軍 


 より一般的には、F-15IAの購入はイスラエルにとって長期的な戦略能力への投資とみなされている。結局のところ、F-15はイスラエルの主要な長距離攻撃兵器であり、今後もそうあり続けるだろう。 

 「イスラエル国防省は、国防軍の作戦能力を強化するための包括的な戦略を実行しています」と、イスラエル国防省長官のエヤル・ザミール空軍大将は語った。「戦争が始まって以来、我々は400億ドル近い調達契約を結んでいる」とザミール大将は、2023年10月7日にハマス過激派がイスラエルを奇襲攻撃した後に中東で始まった紛争について言及した。 

 また、軍事力強化という長期戦略の一環として、今年初めにF-35Iアディールステルス戦闘機の第3飛行隊を購入した。この契約は今年6月に調印され、 約30億ドル相当の25機のF-35Iが対象だ。 

 これにより、イスラエル空軍のアディール戦闘機は75機に拡大される。 

 最新のバッチは2028年に引き渡しが開始される。 


イスラエル空軍のF-35Iアディール。 


 イスラエル空軍はF-15IAとF-35Iを購入することで補完的なプラットフォーム2機種を運用することになる。

 特にF-15は、長距離作戦の管理に不可欠な前方ネットワーキングと指揮統制ノードにも使用されている。 

 一方、F-15IAもF-35Iも、ドローンの脅威を含む防空や、ガザやレバノンで進行中の紛争のようなイスラエルに近い空対地作戦に十二分に威力を発揮する。 


2023年10月27日、イスラエルとハマスとの戦闘の中、イスラエル南部のスデロット近郊のガザ地区との境界線を飛行するイスラエル空軍のF-15I。 Photo by JACK GUEZ/AFP via Getty Images 


 イスラエル国防省は、F-15IAとF-35Iの購入について、「我々の航空戦力と戦略的リーチを歴史的に強化するものだ」と述べている。

 この最後の声明は、イスラエル空軍が昨年10月26日に行ったイランへの報復攻撃に直接言及しているように見える。 

 イスラエル軍の攻撃には、F-15IとF-16Iの戦闘機が使用されたようで、イラン領空外からスタンドオフ攻撃を行った。 

 イスラエルがF-15戦闘機を買い増すことに関心を持ったのは何年も前にさかのぼるが、中東の安全保障情勢の進展が、最終的な決断を促したようだ。 

 25機のF-15IAの売却をボーイングが歓迎したのは明らかだ。「ボーイングはイスラエルとの長年のパートナーシップに誇りを持っており、その関係は建国以来続いている」とボーイング・イスラエル社のイド・ネフシュタン社長は語った。 

 ボーイングは現在、米空軍向けにF-15EXを製造しているが、同軍は現在98機の購入を検討している。 

 また、さらなる輸出受注の確保にもつながる可能性がある。 

 インドネシアは最大24機のアドバンスド・イーグルを購入することを正式に約束しているが、この契約はまだアメリカ政府によって承認されていない。 

 イスラエルがボーイングからAH-64攻撃ヘリコプターをさらに購入する用意があるとの憶測も高まっている。 2023年10月7日にイスラエル空軍のAH-64が介入したことが話題になったが、今後このような侵攻に対抗するためには、無人機よりも攻撃ヘリコプターが不可欠と見なされてきているようだ。 

 一方、アパッチはイスラエル領空への敵対的なドローン侵入に対処するための重要なツールにもなっている。10月7日以前から、イスラエル空軍は最新型AH-64Eをさらに40機取得するよう働きかけており、今年初めには、イスラエル国防省と米国防総省・米国務省の高官との間でAH-64E12機の売却が検討されていることが報じられた。 

 イスラエルからのAH-64E発注の可能性について最近質問され、ボーイング広報は本誌に対し、「イスラエルから対する追加要請が来るのではないかと見ている」と答えた。 

 当面はF-15IAがイスラエルに向かい、正式発注が発表される。 

 イスラエル空軍が中東で現在および将来の課題に直面している中、同国が同地域で戦術的優位性を維持するために、試行錯誤を重ねたイーグルが選ばれたことは驚くことではない。■



Israel Executes Long Awaited Buy Of F-15IA Advanced Eagle Fighters

After a break of almost three decades, Israel has ordered more F-15s, which will spearhead its air force alongside F-35 stealth fighters.

Thomas Newdick

Posted on Nov 7, 2024 12:54 PM EST



https://www.twz.com/air/israel-executes-long-awaited-buy-of-f-15ia-advanced-eagle-fighters


2024年9月15日日曜日

イスラエル軍特殊部隊によるシリア急襲は、イラン地下基地も安心ではないとのメッセージをイランに送った(The War Zone)

 Israel raid  Airman 1st Class Sean Crowe


急襲作戦は、地下深くの兵器施設を標的とし、爆弾を仕掛け爆破したが、大量の情報入手も狙いだった

スラエルは先週、シリア北西部で極秘ミサイル製造施設を、ヘリコプターる特殊作戦部隊の投入を含む攻撃で破壊し、機材や書類を回収したと各メディアが報じている。当初は空爆のみとされていた。この作戦では、シリアにおけるイランの軍事的プレゼンスの中心部を攻撃しただけでなく、イスラエル国防軍(IDF)は、空からでは破壊できない地下深くの複合施設を地上部隊で攻撃することができ、また攻撃する意図があるという明確なメッセージをテヘランに送ったことに意義がある。

ニューヨーク・タイムズは、アメリカ政府高官や他の西側政府高官を引用して、9月9日に行われた空襲は、レバノン国境に近いシリア北西部に位置する施設を「消し去った」と報じた。この施設では 「多数の人々 」が殺害されたという。同施設はイスラエルの北約140マイルに位置する。

タイムズによれば、地上部隊が攻撃に投入されたのは、作戦の複雑さと秘密兵器サイトから情報を回収するためだという。イスラエル側に死傷者はなかったという。

今回の空襲は、シリアの科学研究者センター(SSRC)に関連するマシャフの広大なサイトへの空爆も含んでいた。SSRCとはその名前とは裏腹に、SSRCは実際には国内施設のネットワークである。

タイムズによれば、独立専門家、イスラエル政府高官、アメリカ政府は、マシャフにあるSSRCの施設を「シリアの同盟国イランの支援を受けた兵器研究開発の中心地」と評している。化学兵器、生物兵器、潜在的な核兵器がそこで開発され、「イスラエルと戦っているレバノンの強力なイラン支援民兵組織ヒズボラが使用するミサイルもそこで開発されている」。

アクシオスによれば、同作戦はイスラエル空軍のエリート特殊作戦部隊シャルダグによって実行された。

「イスラエル特殊部隊は、施設のシリアの警備員を驚かせ、襲撃中に数人を殺害したが、イラン人やヒズボラの過激派に怪我はなかった」と、匿名の情報筋の話を引用してアクシオスは報じた。「特殊部隊は、高度な機械を含む地下施設を内部から爆破するために、持ち込んだ爆発物を使用した 」と2人の情報筋は語った。

イスラエルの特殊部隊に攻撃され破壊された施設の地上からの眺め(グーグルアース)

2017年以降、イスラエルの空爆は複数回にわたり、マスヤフの施設を標的にしている。2018年から2022年にかけて、ロシアが表向きシリア政府に贈ったS-300地対空ミサイルシステムが、この場所の警備に役立った。

Axiosの本日の報道によれば、「イラン側は、イスラエルの一連の空爆によってシリアにおけるイランのミサイル生産インフラの大半が破壊された後、2018年にヒズボラやシリアと連携して(Masyafの)地下施設の建設を開始した」。

マシャフの山の奥深くに地下工場を建設するという決定は、(イスラエルの空爆に対して)侵入できないようにするためだった」とアクシオスは書いている。「情報筋によれば、イランの計画は、レバノンのヒズボラへの運搬を迅速かつイスラエルの空爆の危険性を少なくするために、レバノンとの国境に近いこの保護された施設で精密ミサイルを製造することであった。

イスラエルによるミサイル製造施設の襲撃は、国境から140マイル北で行われた。(グーグルアース画像)

Axiosによれば、この新しい地下施設はイスラエル情報機関が発見し、「ディープ・レイヤー」というコードネームでこれまで5年間監視されていた。「イスラエルは、空爆では同施設を破壊できず、地上作戦が必要だと気づいた」と、情報筋の一人は同誌に語っている。

イスラエル軍は「近年少なくとも2回、この作戦の実施を検討したが、リスクが高いため承認されなかった、とある情報筋は語った」とアクシオスは付け加えた。

イスラエルがこのような危険な作戦を実行した事実は、空からの通常兵器では破壊できないイランの主要施設を無力化するために、地上に兵力を投入する意思があることを示している。イスラエルには、フォルドーの濃縮施設のようなイランの深く埋められた要塞施設を破壊する能力がない。米軍はこれらの施設を空から攻撃する能力を潜在的に持っているが、それさえも確実ではない。イスラエルのバンカーバスターは高性能ではあるが、核兵器が使用されない限り、こうした施設を破壊するのに十分な深さまで到達することはできない。これまで何度も議論してきたように、イスラエル国防軍は、これらの施設に物理的にアクセスして破壊するためには、長距離で非常に危険な急襲での訓練を受けた特殊作戦部隊を投入しなければならない。核汚染を含む非伝統的な手段も可能かもしれないが、そうすることは、それ自体が非常に物議を醸し、問題がある。

訓練中の米特殊作戦部隊。国防総省

イランはシリアから著しく離れているが、イスラエルはこのような長距離作戦を実行するための計画を何年も練ってきており、イランの中心部でも深い諜報活動の目的で相当数活動できる能力を示している。それでも、イランの主要施設に対してこのような作戦を実行することは、はるかに困難である。リスクははるかに高いだろうが、賭け金はさらに不釣り合いなものになるだろう。

こうしたことを考えれば、イランの核開発計画を阻止する、あるいは少なくともその能力を大幅に低下させるために、イスラエル国防軍が精鋭の特殊作戦部隊をどのように活用できるのか、その一端を垣間見たに過ぎない可能性が高い。この施設を破壊し、重要な情報を収集することが作戦の主な目的であったが、敵地の奥深くにある最も堅固な施設にさえアクセスできるという厳しいメッセージをイランに送ることも、作戦の一因であったことは明らかである。

イスラエルの作戦の地上部隊に関する事実が明らかになる前は、今週初めにマシャフで起きたことに関する報道は、この作戦がまた別の空爆であったことを示していた。シリア人権監視団(SOHR)は、英国を拠点にシリアの紛争を追跡している組織で、この空爆は「短・中距離精密ミサイルの開発作業が行われている科学研究機関を含む地域」を攻撃したと『タイムズ』は報じていた。

2019年に本誌が指摘したように、この施設はシリアの化学ミサイルや弾道ミサイル計画、その他の高度な軍事研究も担っていた。この施設は以前にも攻撃を受けている。

イスラエルは攻撃を行う前に、アメリカの高官に通知したとタイムズは伝えた。

「イスラエル国防軍によると、日曜日、米中央軍のマイケル・E・クリラ司令官はイスラエル国防軍北部司令部の地下作戦室を訪れ、レバノンに対する軍の作戦計画の説明を受けたという」。

当時、シリアの地元メディアも、当初は空爆が行われたと報じていた。シリアの反体制派TVチャンネルは水曜日に目撃証言を提供した。

現地時間午後11時ごろから始まったと、中東研究者のエヴァ・J・クーロウリオティスは水曜日の午後にツイッターで述べた。

「...シリア西部と中部の住民は、シリアとレバノン国境に近いマシャフ地区で多数の巨大な爆発音を聞いた。「この爆発は、今晩Masyafで起こった唯一のものではなかった。」

作戦は「約1時間続き、その間にイスラエル特殊部隊は施設に侵入し、重要な機材や書類を引き揚げ、爆発物を仕掛け、内部から施設を破壊し、アサド軍の戦闘機による空からの動きを防ぐため、空からの援護のもとに撤退することができた」とクーロウリオティスは主張した。

この攻撃で18人の市民が死亡、37人が負傷したと、シリアの公式通信社SANAは日曜日に主張した。また、「インフラ、電力網、水道、電話、下水道、道路、機械に物的損害を与えた 」という。

襲撃は、ヒズボラとイスラエルがレバノンとの国境沿いで銃撃戦を続ける最中に行われた。7月30日にベイルートでヒズボラの軍事司令官フアド・シュクルが暗殺されたことで、ジハード・グループからの攻撃が予想されたためであった。

また、7月31日にハマスの政治指導者イスマイル・ハニェがテヘランで暗殺されたことに対し、イランの報復攻撃がまだ迫っていることを背景にしての攻撃だった。

イランはイスラエルを攻撃すると脅していたが、それはまだ実現していない。今週、空母セオドア・ローズベルト打撃群は中東地域を離れ、INDPACOM地域に出発した。そのため、空母エイブラハム・リンカン空母打撃群のみが通常通りこの地域に駐留することになった。

ローズベルト打撃群を移動させたのは、イランの脅威が時間の経過とともに沈静化したとアメリカが考えていることの表れなのかどうかという質問を国防総省のトップ・スポークスマンははぐらかした。

「イランはイスラエルへの報復を望んでおり、我々はその脅威を真剣に受け止め、中央司令部と欧州司令部それぞれの担当地域における強固なプレゼンスを維持し続ける」。

この攻撃でイランの計算が変わるのか、ヒズボラが攻撃を強化するのか、現時点では不明だ。今回の攻撃はヒズボラとイランにとって後退である可能性が高いが、どの程度の痛手なのかも不明である。

これから報復攻撃の動きが出るかもしれないが、今回の被害の範囲を知るにはまだ時間がかかりそうだ。■

Israeli Commando Raid In Syria Sends A Message To Iran That Its Underground Bases Are Not Untouchable

The raid targeted a deep underground Iranian weapons facility and included grabbing large amounts of intelligence before blowing it up using planted charges.

Howard Altman, Tyler Rogoway, Joseph Trevithick

Updated on Sep 12, 2024 9:28 PM EDT

https://www.twz.com/news-features/israeli-commando-raid-in-syria-sends-a-message-to-iran-that-its-on-underground-bases-are-not-untouchable


2021年8月8日日曜日

B-21に輸出の可能性が浮上。輸出先想定5か国に日本も。 実現すればクアッドで共通装備となるのだが、その可能性は?

B-21 Stealth Bomber Official Artwork

 

B-21次世代ステルス爆撃機は過去50年の西側爆撃機の生産実績を上回る規模の製造となる予定で、米空軍の発注規模が200機超になる可能性が出てきた。さらに同盟国への輸出がとりざたされている。

 

B-21は現有のB-1BおよびB-2に交代し2030年代の第一線運用を想定し、試作型が2022年に初飛行する。現在稼働中の大陸間爆撃機では米国から輸出実績はないが、B-21は長距離戦略爆撃用途以外の任務もこなす想定で、空中早期警戒機、データ中継機、空中給油機、スタンドオフミサイルを運用する攻撃機、レーザー等指向性エナジー兵器搭載機にする構想がある。

 

幅広い活躍を実現しB-21には西側世界で最も威力の高い機材になる期待が寄せられており、特に運用維持経費が現行機より大幅に下がるため海外でも高い需要が見込まれる。時間当たり経費はB-2の四分の一程度になる想定でB-21導入が可能となる国も一定数出現する。生産機数が増え、さらに製造ラインも追加すれば効率がさらに上がり、研究開発費用も増やせるので輸出仕様の実現も容易となる。同盟国での爆撃機運用が実現すれば、中国、ロシア、北朝鮮、イラン等の敵対勢力へ威力を発揮し、輸出の後押しとなる。では、B-21導入可能性がある5か国を順にみてみよう。

 

 

1. オーストラリア 

B-21輸出が可能となればオーストラリアの導入可能性が高い。事実、オーストラリアは同機受け入れ用施設の構築をすでに同国内の米軍基地で始めている。中国を視野に入れたオーストラリアの軍備増強は西側が認めるもので、東南アジアへの西側最前線としての同国の位置に大きな意味があり、オーストラリアがさらに遠方の目標地点の攻撃能力を実現すれば広義の西側目標が実現する。同国はF-111長距離攻撃戦闘機を米国以外で唯一運用していた。オーストラリアは同機を隣国インドネシアの威圧に運用していたが、B-21を導入すればこの用途が復活し、同時に対象地がより広範に広がる。オーストリアが導入するF-35Bによる兵力投射能力を補完する効果が生まれる。オーストラリア北部の各基地や遠隔地点の航空基地への脅威が現実のものとなっているが、B-21があれば緩和効果が期待される。B-21の航続性能ならオーストラリア本国から東アジア東南アジアの大部分が作戦範囲に入る。オーストラリア政府に核兵器導入の構想があるとの報道があり、事実ならB-21の訴求力が増すはずだ。

 

2.イスラエル

イスラエルもB-21導入の可能性が高く、高性能長距離機材として活用する余地が大きい。同国は核兵器保有9か国の一角を占め、B-21はジェリコ2ミサイルやドルフィン級潜水艦と核抑止力を実現するはずだ。より重要なのはB-21はGBU-57など高性能地上貫通兵器の運用能力があることで、現状のイスラエルには同兵器を運用する能力がないが、イランイスラム共和国への軍事オプションが生まれる。B-21がこうした兵器を搭載すればイランの核施設や地下ミサイル基地を無力化できるのが、イスラエルは現時点でこの実施能力は未整備だ。核兵器があるが、適切な運搬ができなければ効果は期待できない。またイラン領空内で長時間にわたり作戦行動可能な機材もなく、F-35やF-15でも不可能な任務をこなせる機材はB-21のみとなる。イスラエルは兵力投射拠点を北アフリカさらにパキスタンにまで拡げる構想を練っており、B-21導入は効果を上げる選択となる。

 

3.日本

日本は攻撃的性格の装備品導入を増やしており、北朝鮮、中国、ロシアを想定した長距離精密誘導ミサイルの実現をめざしているが、B-21導入候補国として浮上してきた。日本の軍事組織は米軍のプレゼンスのもと強い統制調整を受けており、同機の導入を許しても米国にとってリスクは比較的低いはずだ。逆に日本がB-21部隊を編成すれば大きな効果が生まれる。日本が同型機を相当数発注するはずだからだ。第六世代機で有人型無人型の二機種を国内開発をめざす日本にはB-21が唯一の米国からの輸出機材になってもおかしくない。防衛装備販売で日本の対米貿易黒字を減らす効果も期待できる。

 

 

4.インド

インドは対艦攻撃任務に特化した爆撃機調達へ関心を以前示し、ロシアのTu-22M中型爆撃機の導入を一時真剣に検討していた。実際にTu142(Tu-95が原型)を対潜哨戒任務に運用していた。B-21はLRASM(長距離対艦ミサイル)をステルス特性と高性能センサーをあわせ強力な対艦攻撃機材となる。米国もインド洋に爆撃機を展開させており、インドへのB-21販売が俎上にのぼれば承認の可能性は高い。中国の補給路で死活的なインド洋でにらみをきかせることに加え、インドの核抑止力の一環として深部侵攻能力が重宝されるはずだ。インド海軍はP-8対潜哨戒機を導入済みでインド洋上の哨戒活動に投入しているが、一B-21がインド海軍標識を付けて運用される可能性は決して低くない。

 

5.フランス

NATO加盟国でフランスが米国の戦略パートナーとして浮上してきた。実際に同国は同盟内で二番目の軍事力を保有し相当の余裕もある。同国はこれまでシリアでの米作戦を思念し、米仏両国でシリアに地上部隊を展開しており、東アジアでもフランスは西側の軍事対応を主張する米国の立場を支えている。フランスは戦略爆撃機運用の実績が長く、ミラージュIVを冷戦時に配備しており、B-21運用が実現すればロシアの動きを抑止するにとどまらず、中東、西アフリカさらに東アジアでも同じ効果が期待できる。フランスは西側によるイランのミサイル開発の制約を提唱し、太平洋の海外領各地は爆撃機の運用基地として活用する可能性がある。フランスがステルス爆撃機を今から国内開発する可能性は極めて低い。■


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Five Potential Export Clients for America's Upcoming B-21 Stealth Bomber: From India to Australia

August-1st-202

 

2021年5月30日日曜日

主張 ガザ向け国際援助を横流ししてロケット製造するハマスを援助団体機関は黙認すべきではない

  

ガザ住民を人間の盾につかい、正当な根拠のないまま同地区を支配するハマス等の戦闘集団が国連等の善意を悪用して援助物資を横取りしているとの問題提起です。ことあれば悪いのはイスラエル、パレスチナは被害者だからと一方的な価値観を押し付けているのは誰でしょうか。もっと現実を直視しないといけませんね。

ザへの国際人道援助がミサイル、ロケット弾の追加調達につながってはならない。

イスラエル、ガザ双方から恐ろしい写真が再び流出している。11日間にわたりミサイル、ロケット数千発がガザから発射され、イスラエル国民数百万人が防空壕に避難した。解説者は暴力に満ちたパレスチナとイスラエルの長い抗争の歴史に触れ、人権、国際法にも言及している。外交筋、各国指導層は戦闘終結を求め、「終わりなき暴力の応酬」を終わらせようとしている。

 

だが、こうした動きの裏で見逃している論点がある。世界有数の貧困地区ガザがどうやって30千発ものロケット弾、ミサイルを調達できたのか。ハマス(イスラム抵抗運動)率いるパレスチナ戦闘集団は今回わずか11日で4,350発をどうやってイスラエル都市部に向け発射できたのか、また次回に備え相当数を備蓄しているのか。

 

これだけの装備を集積していたのに誰も気づいていなかったのは不思議だ。ガザ住民を支援していると主張しており、国際連合パレスチナ難民救済事業機関 (UNRWA)、国連人道問題調整事務所 (OCHA)、国連児童基金(UNICEF)が各国から資金数億ドルを集め、米国もジョー・バイデン大統領が拠出を再開し、報告書の洪水を作り、さらなる資金援助を喫緊の課題と強調している。さらに、不思議なのはガザ内の工場多数でロケット弾を製造し民間施設に貯蔵し再充填式発射機も備えているのに、報告書でこうした言及が皆無なことだ。

 

ガザでの武器貯蔵の背景にはイスラエルによる反攻から武器類を守るコンクリート補強構造のトンネル網が人口稠密地帯の地下に張り巡らされていることがある。だがNGO団体、国連機関、各国政府の援助部門は目をつぶっている。各方面は明白な証拠があるのに沈黙を守っている。

 

2001年にパレスチナの「抵抗」ロケット弾がガザ境界各地から初めて発射されて以来、10千発がイスラエルに放たれた。大部分が現地製造でパイプや爆発物を使いイラン等から入手した工作機械て製造している。工作機械は人道援助として各国が寄贈したものだ。弾頭部分の威力と射程距離が延びるに従い、被害も拡大し、死者も増えている。

 

イスラエルが軍部隊と一般市民をガザから一斉撤退させたのが2005年で、その後にミサイル製造は大幅に拡大している。第一次ガザ戦闘は2008年12月28日勃発し、ミサイル、迫撃砲弾750発が境界線に沿う各市町村から発射された。イスラエルの反攻で被害も発生したが、ロケット発射そのものは止まることなく、国際社会は沈黙を決め込んだ。発射が再開するとイスラエルはさらに激しい報復攻撃を加えた。このパターンが2014年の51日戦争で発生し、ガザは4,500発を発射した。この戦闘が終わると、ロケット製造は直ちに再開され、国際援助物資から「調達した」材料を活用したが、各国のドナーはこれを直視せず、今回の悲劇の再発につながった。

 

年を追うごとに死傷者が増えており、イスラエル児童が防空壕に逃げ込み、イスラエル、ガザ双方で破壊された住宅建物の光景の生々しい画像が出回る中で、何ら変化が生まれていない。国連などドナー各国の責任でハマスなどの勢力が援助物資を横取りしている事実は是正できるのか。ガザ再建用の物資でミサイル工場が生産を続け、テロ活動用のトンネルを再建するハマスを止められるのか。

 

このパターンを止めるためにも国際援助物資をガザに送る各方面は和平を尊重する壮言な文言以上の行動が必要だ。人道援助がミサイル、ロケットの増産につながっている事実に目をつぶってはならない。

正しい貢献の効果をめざし、NGO団体、国連機関、ドナー諸国は効果の監視、執行の仕組みを真剣に構築すべきだ。またミサイル製造、強化コンクリート製トンネル建設が続く限りは援助を止めるべきだ。こうした仕組みを構築し実行に移すには多大な資金投入が必要で決して容易な仕事ではない。しかし、引き続き目をつぶれば、ガザが武器貯蔵地となり地下トンネル網がさらに拡充される。解決にさらに多大な資金が必要となる。■

 

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International Aid for Gaza Must Not Build Hamas’ Rockets

by Gerald Steinberg

May 29, 2021  Topic: Gaza  Region: Middle East  Blog Brand: The Buzz  Tags: GazaIsraelPalestineHamasRocketsIranMilitary

Karine Jean-Pierre Makes History At White House Briefing

 

Gerald Steinberg is emeritus professor of political science at Bar-Ilan University and heads the Institute for NGO Research in Jerusalem.

Image: Reuters.


2021年5月15日土曜日

イランとイスラエルの緊張が高まる際には、イランにはイスラエルを撃破する能力は(今のところ)ないことに注意が必要。

 Iran Says it Can Easily Destroy Israel. These Facts May Indicate Otherwise

Wikipedia

 

  • プロパガンダと裏腹にイランがイスラエルを撃破できる可能性は低い。

  • 注目すべきはイスラエルに量的劣勢を覆す性能上の優位性があること。

  • イランの弾道ミサイルは国内発射ではイスラエルに命中しない。

 

ランの政治・軍事指導層が「イスラエルは一回で撃破できる」

豪語しているが、当のイラン国民にも誇張にしか聞こえない。

イラン指導部の発言には自制や熟慮がないことで有名だ。

 

イスラエルの破壊を公然と述べる革命防衛隊少将ホセイン・サラミの発言はイランではたりまえの反イスラエル論調と合致している。ホセイン発言から最近発生したイスラエル高性能武器製造施設の爆発事件の背後にイラン軍の存在がうかがわれる。これはアル=モニター紙が伝えており、それによると爆発で死傷者はなく、「通常のテスト」中に発生したとある。

 

記事ではホセインが「ドミノ式」で攻撃を受けた際のイスラエルの「弱点」に触れている。発言自体には突飛な内容があるが、一部には考えさせるものがある。たとえば、イスラエルのミサイル防衛の知見は相当のもので、アイアンドームほか地上配備装備の運用実績は豊富だ。この現実のためイランが弾道ミサイルを向けてもイスラエルは脆弱にならない。イスラエルはイランから約1,000マイル離れており、長距離弾道ミサイルの有効射程外に位置する。

 

このためイスラエル国境に近い地点からの攻撃をイランは迫られる。イラン地上部隊がイラクあるいはトルコを通過し、ペルシア湾岸地区からアラビア半島の反対側に移動する必要がある。イラン軍が接近すれば、いうまでもなく、イスラエル空爆の前に非常に脆弱な存在になる。そのため、イスラエル攻撃に成功する可能性は低い。

 

イランがテロ攻撃戦法を取らない限り、攻撃が成功する確率は低いのが現実だ。事実、小規模でヒットアンドラン戦法のテロ攻撃にホセインが言及しており、現実に数か所を襲撃することが現実にあり得る。イランがテロ集団を国家的に支援しているのは周知の事実である。しかしながら、防空体制同様にイスラエルは対テロ作戦でも経験豊富で対応にたけている。

 

イランから定期的にイスラエル撃滅を叫ぶ声が聞こえるが、実際になにができるだろうか。将来の核攻撃の可能性やテロ襲撃を除けば、イスラエルから見てイランの真の脅威は何だろうか。まず、イランの航空戦力は比較にならない。一方のイスラエルは第五世代戦闘機F-35はじめ強力な空軍を保有する。イランはミサイル攻撃でイスラエルを苦しめようとするだろうが、イスラエルの防衛体制を考えると成功するとは思えない。

 

ではイランが願うイスラエル撃滅の手段は地上侵攻だけなのだろうか。これには途中で空爆を受けずに部隊が無傷で攻撃地点まで移動するのが前提となる。

 

紙の上ではイランの地上部隊は強力だ。特に戦車、装甲車両は大量にあり、イラン軍はイスラエルに匹敵する。Globalfirepowerの2021年軍事力評価ではイランに戦車3,700両あるとし、イスラエルの1,600両を上回る。ただし、2,000両多いから軍事的な優位性が約束されるものではない。台数が少なくてもセンサー、兵装、コンピュータ性能や照準が優れていれば威力を発揮できる。そうなるとイスラエルの高性能メルカヴァ戦車がイランの改良型ソ連時代のT-72にどこまで威力を発揮できるかが興味を引くポイントになる。

 

「21st Century Asian Arms Race」によればイランはドイツ製レパード戦車、ロシアのT-90も保有しており、少数ながらエイブラズム戦車もある。イラン国産戦車第一号ファラーが最近姿を現しているが、実態はT-72Sの車台を使ったものといわれる。同戦車では電子光学的射撃管制、レーザー測距器、弾道計算コンピュータを搭載との報道があるが、イスラエルのメルカヴァの性能には及ばないように見える。2017年に出たNational Interest記事ではメルカヴァを世界最高水準の戦車としている。歩兵部隊や負傷兵も搬送し、主砲で対戦車ミサイルも発射できるのが大きな利点だと記事にあった。

 

メルカヴァにはヘリコプター攻撃能力のほか敵の通常戦車弾の射程外から攻撃する能力がある。台数で2,000両も劣ってもイスラエルはイラン地上兵力を上回る可能性がある。湾岸戦争の戦車戦では米エイブラムズが優秀な熱感知でイラクT-72を先に撃破したが、T-72は敵を探知捕捉できなかった。このため少数のエイブラムズが長距離高性能目標捕捉センサーにより大量のイラク戦車を撃破した。

 

装甲車両でもイランはイスラエル寄り1,000両多いとの指摘がある。Globalfireower 2021はイランは装甲車両8,500両を保有し、イスラエルは7,000両とする。ここでも技術水準が全く同じでないため、台数は結果につながらない。詳細な技術面での比較ができないものの、メルカヴァの前にイランの歩兵車両や装甲車両が優越性を発揮できる余地はない。さらにイラン戦車部隊がイスラエルの積極対応を旨とする防御線を突破できない限り、イラン部隊に成功の可能性はない。

 

すべては航空優勢が前提で、イランはイスラエルを地上攻撃する前に制空権を握る必要がある。■

 


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Iran Says it Can Easily Destroy Israel. These Facts May Indicate Otherwise

Even if Iran Launched an Aggressive Attack on Israel, Success is not Guaranteed

KRIS OSBORNUPDATED:MAY 12, 2021ORIGINAL:MAY 12, 2021

By Kris Osborn - Warrior Maven


 

-- Kris Osborn is the Managing Editor of Warrior Maven and The Defense Editor of The National Interest --

Kris Osborn is the defense editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics&Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.