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2019年2月17日日曜日

北朝鮮外交交渉が失敗すればどうなるか----核兵器を温存したままの北朝鮮は受け入れられますか

米国にとってやはり朝鮮半島は遠い存在なのかなと思わされる論調ですね。核兵器を温存しても金正恩がその意義を感じなくなる日が来るなどと考えられません。南北朝鮮の統一は結構ですが、北が主導権を握り核兵器を保有したままの形では日本は大変です。制裁に抜け穴があるのであればもっと強化すべきですし、北の体制を静かに弱体化する方法のほうが現実的に思えるのですが皆さんはどう思いますか。文在寅を喜ばせる結果にならないといいのですが。

North Korea: What Happens if Diplomacy Fails? 北朝鮮への外交交渉が失敗したらどうなるか

The good news: We have options other than a "bloody nose."朗報は「血まみれ状態」以外の選択肢があること
February 16, 2019  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Skeptics  Tags: North KoreaSouth KoreaDenuclearizationFire And FuryDonald Trump

朝鮮との外交は一見正しい方向に向かっているように見える。
米側首席交渉官スティーブン・ビーガンは北朝鮮側に忌避されていない。ドナルド・トランプ大統領はツイッターであたかも平和が間もなく実現刷るかのように述べている。マイク・ポンペオ国務長官は米国が求めるのは北朝鮮の非核化のみならず朝鮮半島の平和・和解であるとまで公然と発言している。
確かに良好な兆候はあるが同時に想定どおりにうまくいかない可能性もあるのである。つまるところ北朝鮮とは米側の意向を徹底的に信用しない指導者の国である。そのため最良の結果を望みながらもトランプ政権には最悪の事態に備える準備が必要となる。このプランBは核交渉が行き詰まった場合にも必要だ。
では外交が失敗した場合の米国の選択肢には何があるのか。
戦争になるのか
米側はすべての選択肢がテーブルにあるといつものように口にしている。こうした発言には相手側に誤解の余地のない意味を伝える意義がある。つまり問題解決に容易な方法も厳しい手段も両方あるぞ、ということだ。
ただし北朝鮮相手の開戦の選択肢はテーブルの上におくこともできないくらいばかばかしい。北朝鮮攻撃に対して米国は自国民同盟国市民を防護する権利を有しているが、考えられる攻撃のシナリオはふたつだけだ。一番目は金正恩が韓国、日本、グアムにミサイル一斉発射を命じる場合だ。二番目は金が米国や同盟国の挑発に対応してくる場合だ。
北朝鮮との戦闘は考えたくもない。ソウルは北朝鮮砲兵隊により粉砕される。ピョンヤンはあたかも1945年のベルリンのようになる。北朝鮮難民数百万人が中国になだれ込む。日本では避難が始まる。数百万人が死亡するだろう。グローバル経済には大きな傷がつく。
封鎖と制裁に戻るのか
トランプ政権が制裁に戻る可能性があり、強硬な経済措置を実施し金正恩の金庫を一層締め付けて交渉に弱い立場で戻らざるを得なくさせるだろう。交渉が失敗すれば米議会は追加で第二次制裁措置法案を通過させると共にホワイトハウスに対し中国大手銀行が北朝鮮経済に関与していることから厳しい制裁を課すよう求めるはずだ。
我々としては米国が国際金融で毅然たる態度を取れると思いたいが北朝鮮にはこうした願望が空想にすぎないことをこれまで何度も思い知らされてきた。北朝鮮は制裁逃れの達人であり、実に独創的な方法で現金を海外で作り本国に送付してきた。船舶間の原油石炭の受け渡しを海上で行う瀬取り、ダミー企業、中間業者の活用、大使館を企業活動の場に変えてしまうこと以外に武器密輸や海外銀行のハッキングなどすべて国連安全保障理事会の想定の裏をかいくぐってきた。国連も北朝鮮制裁措置の効果を「不十分」と認めざるをえなくなっている。
そして中国の存在がある。国境間取引が黙認されており、中国は協力の意思を示さないと制裁の効果が不十分なままだ。金正恩は十分な量の資金をつくり政権を盤石のものにするだろう。
やさしく抹殺すべきか
米国の政策は関係正常化に非核化を直接つなげている。金正恩が核弾頭を放棄せず遠心分離機を破壊せず、プルトニウム施設を解体せず、ミサイル開発を中止しない場合、ピョンヤンは米国や同盟国と正常かつ有益な関係樹立は望めない構造だ。
ただしトランプは今までの大統領とは違う。突き詰めればトランプにとって核兵器の廃止など二次的で北朝鮮で偉業を達成した大統領として歴史書に名を残すほうが重要なのかもしれない。朝鮮戦争終結宣言、北との平和宣言署名、南北朝鮮の経済事業促進、連絡事務所開設、二国関係を終わりのない憎悪から解放することが考えられる。
金は核兵器を保有したままだろう。だが核兵器を使用しない限り、緊張は後戻りせず緩和し朝鮮半島はやっと正常な状態に入る。国際社会に加われば金融面の恩恵が実感できることはこれまでの経験からわかっているはずなので金が自国の防衛に核兵器は不要と実感する日が来るのではないか。■
Dan DePetris is a Fellow at Defense Priorities as well as a columnist for the Washington Examiner and the American Conservative. You can follow him on Twitter at @DanDePetris.

Image: Reuters