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戦闘員の次のフロンティアは、脳インプラントか。国防総省にその準備はできているのか?(Military.com)

  メリーランド州ベセスダのウォルター・リード陸軍医療センター内の脳磁図研究所の物理学者が、2017年3月21日、被験者頭部にセンサーを取り付けている。(米空軍撮影、J.M. Eddins Jr.) 病気治療のために脳にアクセスする医療技術の潜在的可能性は広範囲にわたるが、敵対国と競争するプレッシャーが、米国の指導層を次のステップへ駆り立てるかもしれない 少 年は6歳か7歳にも満たなかった。茶色の髪に明るいオレンジ色の筋が一本入っていた。2003年、アフガニスタンで軍医として勤務していたジェフリー・リングは、医療部隊に到着したばかりで片手を喪失した新しい患者を見下ろしていた。  ソ連は、不安定な地域を鎮圧するためヘリコプターから何千もの地雷を投下していた。小さな蝶々のように、地雷は地面に絡みつきながら飛び回る。鮮やかな緑色をした地雷は、時間の経過とともに灰色に変色する。  ほぼ毎日、リングは、おもちゃのような小型爆弾の誘惑に負けた子供たちを見下ろしていた。爆発音、失われた手足、そして彼らはリンググのもとにたどり着く。リングは、最良の義肢でもフックや滑車に頼らざるを得ない生活を送る彼らを治療する任務を負っていた。  選択肢が限られていることを受け、リングは考えた。脳の気まぐれに反応する人工の手を、2つを接続することでより良い方法で作り出せるならどうだろうか? 彼はアフガニスタンに出発する直前に、ペンタゴンの理想主義的な研究部門である国防高等研究計画局(DARPA)からアプローチを受けていたため、帰国後、脳とコンピューターの接続を可能にするという、数十年にわたる長い道のりを歩み始めた。  理論研究で始まったものが、すぐに現実味を帯びたものとなった。イラクで道路脇の爆発物攻撃に遭う兵士が続出し、多くの兵士が手足を失う事態が起こったからだ。 リングのコンセプトは、突如として国家の優先事項となった。  科学者たちは、脳に反応する義肢を作るための医療研究が、兵士たちの戦い方を向上させることにも役立つ可能性があることに早くから気づいていた。例えば、戦場で特殊作戦要員が言葉を発することなく通信を行ったり、無人機と交信したり、あるいは敵でいっぱいの部屋に入る際の恐怖や銃撃戦後の心的外傷後ストレスの解消に役立つ可能性もある。  脳内の信号が理解できれば、膨大なデータセットの処理...