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2026年10月31日土曜日

M2ブラッドレー戦闘車両を米陸軍は何度も廃止しようとしてきた―しかし、湾岸戦争はじめ戦績でM2は抜きん出た成果を上げているのに、ついにXM30プロトタイプでブラッドレー

 

米陸軍は1980年代以降、ブラッドレー戦闘車両の代替を4回試みたが、今も生き残っている。湾岸戦争に2,200両が投入され、エイブラムス戦車より多くのイラク軍装甲車を撃破しながら損失は3両だけだった

The US Army Has Tried to Replace the Bradley 4 Times Since the 1980s, and the Reason It Survives Is Not Budget Luck: 2,200 Went to the Gulf War, Killed More Iraqi Armor Than the Abrams, and Lost 3

米陸軍はブラッドレー戦闘車両7,300両の一部を、無人50mm砲塔を備えたハイブリッド電気車両「XM30」に置き換える計画だ。ジェネラル・ダイナミクスとアメリカン・ラインメタル製の各試作車はフォート・アーウィンで試験中であり、2027年3月にはフォート・フッドの第1騎兵師団に配備され、2027年中に選定結果が発表される。湾岸戦争でブラッドレーはエイブラムス戦車よりも多くのイラク軍戦車を撃破しながら、投入された2,200両のうち損失は3両だけだった。


ブラッドレー戦闘車がオーチャード戦闘訓練センター射撃場で25mm主砲を発射した。兵士たちはゴーウェン・フィールドにあるアイダホ州陸軍州兵第204地域訓練所(RTI)でブラッドレー指揮官コースの訓練を修了した。このコースは、現役、予備役、州兵の将校・下士官を対象に、戦闘で極めて重要なM3ブラッドレー戦闘車の指揮官としての技能を訓練する。実地演習は、オーチャード戦闘訓練センターにある最新鋭の射撃場「レンジ10」(デジタル空地統合射撃場:DAGIR)で実施された。

概要と要点: 批判派はブラッドレーを「アルミニウム製の死の罠」と呼び、議会での承認を得るまで10年を要した。その後、2,200両のブラッドレーが第一次湾岸戦争に投入され、M1エイブラムスより多くのイラク軍戦車や装甲車両を破壊し、敵の砲火による損失はわずか3両にとどまった。

ブラッドレー戦闘車両は現役であり続ける

米陸軍は保有する7,300両のブラッドレー戦闘車両(M2およびM3型)の一部を、XM30機械化歩兵戦闘車両(MICV)と呼ばれる新型モデルに置き換える計画である。

XM-30は、ハイブリッド電気パワートレインと50mm砲を搭載した無人砲塔を特徴とし、ブラッドレーの25mmブッシュマスター砲に取って代わる予定だ。

M2 Bradley

M2ブラッドレー。画像提供:クリエイティブ・コモンズ。

Bradley Fighting Vehicle

第1騎兵師団第3機甲旅団戦闘団の兵士たちが、ポーランドの射撃場でブラッドレー戦闘車の25mm砲を発射し、車両の兵器システムの照準調整を行っている。このような射撃場での訓練を通じて、兵士たちは車両のシステムに慣れ、戦闘準備態勢を確保する。

2台の競合するXM-30プロトタイプが陸軍に納入されている。1台はジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ製、もう1台はアメリカン・ラインメタル・ビークルズ社である。2台のXM-30プロトタイプは現在、カリフォルニア州フォート・アーウィンにあり、集中的な野外演習、射撃訓練、および機動性試験が行われている。

2027年3月には、テキサス州フォート・フッドの第1騎兵師団の陸軍要員に引き渡され、乗員による試験および評価が行われる予定だ。

2つの試作車のうち、最終選定は2027年半ばに行われる予定である。

ブラッドレーは当初から「生存性がない」と言われていた

当初から、批判勢力はM113装甲人員輸送車をブラッドレーに置き換えることは最悪の選択だと指摘していた。

薄いアルミニウム製の装甲は中口径の砲弾に脆弱であり、車内の乗員にとって「死の罠」になると言われていた。

批判勢力は、偵察、対戦車、水陸両用輸送、兵員輸送という役割を1台に統合しようとした陸軍を非難した。

ブラッドレーの設計は、25mm砲やTOW対戦車ミサイルの弾薬を車内に収納している点でも批判を浴びていた。車両が被弾した場合、弾薬が爆発して乗員を殺害する恐れがあると見られていたからだ。

1980年代半ばに陸軍は、メリーランド州アバディーン試験場で実弾射撃試験の結果を操作し、ブラッドレーの生存性に関する懸念を軽視しようとしたと非難された。

陸軍がブラッドレーに対する議会の反対を乗り越え、ようやく十分な資金を確保して本格生産に踏み切れるようになるまで丸10年を要した。

ブラッドレーに有利に働いたのは、性能と信頼性の基準を大幅に上回っていたこと、そして米国が対抗手段を必要としていた、連のBMP-1の大量生産という脅威の存在であった。

陸軍はブラッドレー導入のため懸命に戦ったが、導入直後にその代替を求めた。

ブラッドレーを生産ラインから出荷し始めた直後から、陸軍はすでに後継車両の検討を始めていた。

最初に登場したのが装甲システム近代化プログラムであり、これは汎用重戦闘車両の開発を目指していたが、1990年代まで続いた末に陸軍が放棄した。

次に登場したのが未来戦闘システムプログラムであり、これはネットワーク中心の近代化計画として210億ドルを費やしたが成果を上げられず、2009年に陸軍によって中止された。

2009年の地上戦闘車両プログラムもブラッドレーに取って代わる可能性があったが、重量制限を大幅超過し、予算もオーバーしたため、陸軍はこれを破棄した。

そしてついに2018年、陸軍はブラッドレーを再び淘汰しようと、XM-30プログラムを開始した。

ブラッドレーの戦績が批判勢力の見解が誤りであることを決定的に証明した

導入以来、ブラッドレーは戦場で「ほぼ不死身」であることを証明してきた。

第一次湾岸戦争では、ブラッドレー戦闘車両はM1エイブラムス戦車よりも多くのイラク軍戦車や装甲車両を撃破した。

約2,200両のブラッドレーが投入されたが、敵の砲火により失われたのは3両にとどまり、乗員にとって「死の罠」になると当初主張されていたのと対照的に、乗員の生存率は極めて高いことが実証された。

2003年のイラク侵攻および2011年まで続いた対反乱作戦において、ブラッドレーは歩兵部隊の装甲兵員輸送車および火力支援プラットフォームとして称賛された。

ブラッドレーはオフロード運用や戦車・装甲車両との交戦というよりは、市街地環境での運用に用いられ、多くの場合、道路移動に限定されていた。

その結果、長年にわたり約150両が破壊され、数百両が損傷を受けたが、乗員の死者を最小限に抑え、同車両はその価値を証明した。

XM-30は、ブラッドレー装甲戦闘車の後継として大きな期待を背負う

陸軍での45年にわたる運用期間中、ブラッドレーにいくつかのモデルが登場した。

現役の7,000両以上のうち、その大部分をM2/M3A2およびM3A3型が占めている。

M2A4/M3A4型は、トルクと馬力の向上、乗員の防護性能の強化、および射撃管制システムの改良が施された近代化改修型である。

M7 BFISTは、砲撃の目標指定と調整を行う。

新型のXM30が最終的にブラッドレーに取って代わるかは、まだ未知数だ。

当初、批判勢力から「生存性がない」と酷評されていた車両であるにもかかわらず、ブラッドレーはこれまで、あらゆる反対派をうまく退けてきた。■

著者について:ショーン・スプーンツ

ショーン・スプーンツは、SOFREP.comの元編集長である。彼は軍事アナリスト、ライター、コメンテーターであり、その記事は『ニューズウィーク』、『CNSニュース』、『ウクルインフォーム』のほか、『Military Intelligence Professional Bulletin』を含む様々な軍事・退役軍人向けメディアネットワークや専門誌に掲載されている。彼は米海軍の退役軍人であり、航空対潜戦オペレーターおよび捜索救助ヘリコプターの乗組員として勤務した経験を持つ。

2023年1月7日土曜日

M2ブラッドレイ歩兵戦闘車両はウクライナ戦にどんな活躍をするのか。保守整備のインフラ確保が課題になる

 ウクライナ軍はブラッドレイ歩兵戦車を有効に活用できそうですね。これが突破口になれば次は主力戦車の供与も視野に入ってくるのでしょうか。ロシア軍がどう対抗するのか、冷戦時からの戦術の有効性が試されそうです。Task and Purpose記事からです。

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25mm砲を発射するブラッドレー戦闘車両 (Staff Sgt. Charles Porter/U.S. Army).

 

米国政府はウクライナにブラッドレイ戦闘車を提供すると発表した。ブラッドレー戦闘車は、ロシアやソ連時代の車両よりウクライナ軍の保護と機動性が高くなると、専門家は語っている。

 


 国防総省報道官パトリック・ライダー空軍准将は、木曜日にウクライナへの次回米軍援助にブラッドレイ戦闘車両が含まれると確認したが、それ以上の詳細は不明だ。

 ブラッドレイは、ソ連時代のBMPやBTRの旧型など、ロシアの侵攻以前からウクライナ側が保有する戦闘車両のほとんどと比較し、重要な利点があると、ランド研究所で防衛政策を研究しているJ.D.ウィリアムズ退役海兵隊大佐は言う。

 ウィリアムズは、ブラッドレイは無限軌道車両で、車輪付き車両より機動性があり、特にウクライナの冬から春にかけての泥だらけの時期に威力を発揮すると語った。

 ブラッドレイ戦闘車両は光学系、射撃システム、通信などでも、ソ連時代装備より進んだ戦闘システムを持っているという。ブラッドレーは25mm砲とTOW対戦車ミサイルを装備し、BMPやBTRよりも生存率が高い装甲アップグレードがつく。

 BMP-1やBMP-2は装甲が薄く、部隊が出入りする後部ドアに外装燃料タンクがあるため、後方の待ち伏せに弱いという。

 

2021年2月21日、リトアニア第21ドラグーン大隊との合同訓練に参加し、ブラッドレイ戦闘車の後部から下車する歩兵部隊。(Sgt. Alexandra Shea/U.S. Army)

 

 

第1騎兵師団を率い、イラク多国籍軍団を率いたピーター・キアレリ退役陸軍大将retired Army Gen. Peter Chiarelliは、「ロシアは、乗員の生存率を我々ほどに真剣に考えない」と述べた。

 例えば、ソ連時代ロシアの戦車は共に砲塔基部に最大20発の弾薬が入るオートローダーがつくが、戦車が攻撃を受ければ全てが爆発する可能性があるとキアレリは指摘する。その際、戦車砲塔は空中に放り出され、「ジャック・イン・ザ・ボックス効果 」と呼ばれる恐ろしい爆発が発生する。

 ブラッドレイ戦闘車両が乗員と車内の兵士を守ることは、ウクライナ軍の規模や戦歴を考えれば、特に重要であるとキアレッリは指摘する。

「歩兵に多大な監視を提供する」とキアレッリは言う。「比較的安全な車両で、有利な位置へ移動できるのです。ウクライナ軍は、我々ほど多くの装備がないので、より多くの兵士を乗せることができると確信している」。

 イラク戦争でブラッドレイ戦闘車両は都市環境で真価を証明した、と彼は言う。

 

2020年12月16日、シリア北東部でのM2ブラッドレー歩兵戦闘車 (Spc. Tarako Braswell/U.S. Army Reserve)

 

 

ブラッドレイはソ連やロシア装備より火器管制システムが優れていることもあり、ウクライナ軍がロシア軍を攻撃した場合、現在のBMPよりブラッドレイ戦闘車の方が役に立つだろうと、ワシントンDCのジェームスタウン財団シンクタンクで働く防衛アナリストのフリブ・パーフォノフHlib Parfonovは言う。

 パーフォノフによれば、ブラッドレイを修理し、維持するスペアパーツがウクライナ側に十分あるかが最大の課題だという。

 ウクライナ軍は、アメリカのM113ギャバン、イギリスのFV103スパルタン、フランスのVABなど、戦闘車両をすでに受け取っているだけでなく、BMP-3など、ロシアから鹵獲した車両も使用している。

 「UAF(ウクライナ軍)の整備は地獄と紙一重だ」とパーフォノフは言い、各種車両を「動物園」のように抱えているため、スペアパーツ確保が難しいと付け加えた。

 しかし、元米陸軍ヨーロッパ司令官ベン・ホッジス退役中将 retired Army Lt. Gen. Ben Hodgesは、米国にはブラッドレイ戦闘車数千台があるので、ウクライナ軍向けスペアパーツの確保は大きな課題ではないと指摘する。

 ホッジスは、「ポーランドやドイツ、スロバキアなどに持ち帰るのではなく、ウクライナ国内で各種車両を修理できるメンテナンス能力の確立が必要だ」と述べた。

 ホッジスは、民間企業がウクライナ郡の能力を向上させ、各種軍用車両など装備の修理を支援するか、米国同盟国がウクライナ整備士を訓練し、ウクライナ国内で作業を行えるようにすることを提案している。

 最終的には、ウクライナによるブラッドレイ修理を支援する方が、旧ソビエトやロシア車両のスペアパーツを見つけるより簡単かもしれない、とキアレッリは言う。

 また、キアレッリは、ウクライナ軍のブラッドレイの運用訓練には数ヶ月ではなく数週間かかるとも語っている。高機動ロケット砲装備HIMARS(High Mobility Artillery Rocket Systems)のような新技術の使い方を素早く習得することにウクライナは非常に長けていることが証明ずみだ。

 ブラッドレイ戦闘車について覚えておくべき重要なことは、搭載歩兵隊と一緒に働くことだ、とキアレッリは言う。

 「ウクライナ軍は、私が遠くから見た限りでは、都市部での装甲歩兵チームの重要性を理解している」とキアレッリは言う。「ブラッドレイは歩兵隊の監視役となり、歩兵は市街地でブラッドレイを近接防御する。市街地では、どちらか一方が欠けてもうまくいきません。歩兵と装甲兵のチームが非常に効果的なのです」。■

 

 

Here's how Ukraine could use the Bradley Fighting Vehicles it's getting from the US, experts say

Bradley Fighting Vehicles proved their worth in urban environments during the Iraq War.

BY JEFF SCHOGOL | PUBLISHED JAN 5, 2023 3:19 PM

 

 

Jeff Schogol

Jeff Schogol is the senior Pentagon reporter for Task & Purpose. He has covered the military for 15 years. You can email him at schogol@taskandpurpose.com, direct message @JeffSchogol on Twitter, or reach him on WhatsApp


2021年8月29日日曜日

ブラッドレイ歩兵戦闘車両は攻撃力装甲防御力を向上し、米陸軍はこれからの戦闘でも大きな役割を期待し、敵IFVの駆逐を想定。

 

 

米陸軍はブラッドレイの残存性を高める改良を進めている。

 

M2ブラッドレイ歩兵戦闘車両は歩兵部隊隊員を戦場に輸送するのが任務だが、報道陣は戦車と誤解することが多い。軌道走行式で33トンの車重と装甲を施し、25mmブッシュマスター自動機関砲とTOW対戦車ミサイル発射機で武装しているため無理もないところか。

 

ただし、M2への批判派は火力性能が不足と見ている。機械化歩兵分隊は地形を縫い敵位置を偵察し、あるいは敵を待ち伏せし、防衛線を守る、あるいは敵を建物内から追い出すのが役目だ。

 

ただし、M2の歩兵輸送能力に制約がある。初期型では7名しか搭載できず、やっと9名を運べるよう改良されたにすぎない。となると機械化歩兵小隊の輸送にブラッドレイ4両必要となり、全員が一両に乗ることはできない。

 

M2およびM3ブラッドレイは1,800両近く供用中で米陸軍では二段階で性能改修を行い、ちょうど半分まで来ている。2018年1月にさらに上の性能を狙うM2A5改修の企画が生まれ、搭載兵員数を増やすべく車体の拡大と装甲を強化し、30mm機関砲の搭載を狙う。

 

陸軍の大型かつ強力な歩兵輸送車ブラッドレイはさらに大型化しそうだ。

 

M2A4 性能改修型

 

米陸軍ではブラッドレイが活躍する場面はM1エイブラムズ主力戦車より多い。イラク砂漠戦となった1990-1991年の湾岸戦争でブラッドレイはエイブラムズ以上の敵装甲車両を葬った。

 

敵の犠牲となったブラッドレイはわずか3両で、友軍の誤射で破壊されたほうが多い。だが、その後、長期化したイラクでの対戦闘員作戦中にブラッドレイ数十両の喪失が発生した。装甲防御で改良を受けていたにもかかわらずだ。そもそもブラッドレイでは地雷や即席爆発物(IED)への防御は優先度が低く、これより装甲が薄いストライカー装甲車両より被害事例が多くなっていた。

 

装甲改良とあわせセンサー機能の充実を図ったものの本格的な解決策にならなず、追加重量がエンジン負担につながり、電気系統に不足が生まれ、機動性が犠牲となってしまった。2012年からM2A4仕様への改良が始まり、現在も「技術改良提言」(ECP)を二段階で進めている。

 

このうちECP1がほぼ完了しており、ブラッドレイは設計時の車両性能を回復すべく、大型トーションバーと軌道改修を行い、サスペンションとショックアブソーバーを取り換えた。これにより車両の摩耗が減り、信頼性が高まり、地上クリアランスが増えIED爆発時の残存性が高まった。

 

 

ECP第二段階では電気系統の強化、パワートレインに従来より高出力の電気系統に対応した新型電力管理ソフトウェアを導入する。2018年開始予定だったが、ソフトウェアのバグつぶしと信頼性問題で開始が遅れた。ただし、改修後のブラッドレイは平均281マイルでの故障と想定した400マイルに満たない状態で、電力系の故障とトランスミッションオイル冷却が原因となっている。にもかかわらずECP2の実施は間もなく本格開始される。

 

ブラッドレイ改修でM3騎兵戦闘車両に近くなる。M3は装甲偵察任務に投入されている。M2A4仕様へ改修が終わった車両は従来より高い性能を発揮し、さらに上を狙うM2A5仕様への改修に近づく。

 

M2A5で車体大型化、砲塔が実現

 

M2A5では第三世代の前方監視赤外線(FLIR)センサー、レーザー照準器、カラー外部監視カメラで敵を長距離で捕捉することが可能となる。なお、エイブラムズ主力戦車の装備品と同時に改修を行う。

 

また、ブラッドレイの砲塔、車体がともに大きく変わる予想図が出ており、開発には4-5年かかるとするとの予測がツイッター上に出た。米陸軍は新型車両の開発及び部品調達に6億ドルを計上しているが、さらに増加するとみられる。ペンタゴンが砲塔と車体ともに対象とするかあるいは片方だけを選択するかは不明だ。

 

車体はストレッチして追加装甲の搭載、新型トランスミッション、さらに搭載人員を8名に追加する。車重は40トンへと一気に20パーセント増になる。改良で車内の隊員には従来の二倍から5倍の装甲防御が実現するという。

 

防御面の改良ではアクティブ防御装備(APS)があり、飛来するミサイルやロケット推進手りゅう弾に対抗する。エイブラムズ戦車ではトロフィーAPSが導入されているが、ブラッドレイではイスラエル製アイアンフィストをテスト中だ。

 

砲塔関連では25mm機関砲にかわり30mmのXM813ブッシュマスターII自動機関砲が搭載される。同装備はストライカー装輪歩兵輸送車両にも導入されている。一見、大幅改良に見えないが、30mm弾は25mm弾の二倍の大きさがあり、炸裂効果、装甲貫通効果がともに大きくなる。

 

射程が2マイル近くとなり、装甲貫通能力も30パーセント増えるとの観測がある。ブラッドレイは敵IFVの撃破で実力を発揮するはずで、シリア、イラク、ウクライナなどで存在感を増しているIFVによりよく対応できるようになる。さらに新型砲は空中炸裂へプログラム可能で遮蔽物背後に潜む敵部隊やヘリコプターにも有効に使える。ただし銃弾が大きくなるため、従来の300発搭載が180発に減る。とはいえ、ブッシュマスターIIでも毎分200発発射のまま、精度があがり、火力が増すため、同じ効果を得るため発射弾数は少なくてすむとする。

 

新型砲塔では車長、砲手双方の視野が広がり、イーサネットにより両名の動きが連携でき、レーザー照準器、航法装置の性能がともに上がる効果も期待できる。その他、「5.56mm制圧兵器」の遠隔制御機関銃が敵地上部隊から車両を防御するとの予想がある。

 

当然ながら車体拡大と砲塔の改良でブラッドレイに悪影響も出る。車重が増え操縦性が低下し、価格上昇で世界各地への展開も困難となる。とはいえ、陸軍としてはブラッドレイの残存性を高めるべくロケット推進手りゅう弾やIEDの脅威に悩まされたイラク、アフガニスタン戦訓を念頭に、同時に新型誘導対戦車ミサイルやIFVへの対抗も進めたいとしており、今後の超大国相手の戦闘も視野に入れている。より軽量な車輪走行式のストライカーAPCも新型砲・ミサイルが導入しつつあるが、ブラッドレイでは残存性を確保しつつ攻撃力を最も過酷な戦闘環境でも確保し、戦場に真っ先に投入するとしている。■

 

Could a Bradley Fighting Vehicle Take out a Tank?

by Sebastien Roblin

August 27, 2021  Topic: Bradley Vehicle  Region: Americas  Blog Brand: The Reboot  Tags: BradleyIFVInfantry Fighting VehicleTankArmorMilitaryTechnologyU.S. Army

 

 

Sébastien Roblin holds a Master’s Degree in Conflict Resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.

This article first appeared in February 2018.

Image: Wikimedia Commons.


2020年10月6日火曜日

M2ブラッドレイの武装強化 50mm砲とブッシュマスター砲で最強の歩兵戦闘車両になる

 https://www.reutersconnect.com/all?id=tag%3Areuters.com%2C2011%3Anewsml_GM1E79119LA01&share=true


 

M2ブラッドレイ歩兵戦闘車両は二回の湾岸戦争を通じ性能改修されてきたが、米陸軍は今後も供用可能と見ている。

 

ノースロップ・グラマンはM2用にXM913 50mm砲を納入しているが、米陸軍ではブラッドレイ主砲に別の選択肢も検討中だ。

 

Janesは同社に同火砲の技術成熟化契約が交付され、8月末に

 XM913 砲4門が納入され、10月中に7門が納入されると伝えた。同社は10門の追加発注を期待している。

 

「50mm砲とブッシュマスターチェーンガンの組み合わせで信頼度高い有効射程が生まれ、同等戦力を有する敵部隊にスタンドオフ距離から攻撃を加えるチャンスが増える」とノースロップ・グラマン広報がJanesに語っていた。

 

 

陸軍は新型50mm砲の試験を昨年から開始した。同砲は次世代戦闘車両(NGCV)へ搭載をめざし、ノースロップ・グラマンは2019年のブッシュマスターユーザー会議で実弾発射実演を行い、陸軍装甲車両への搭載可能性を誇示した。

 

ブッシュマスターチェインガンはロケット弾、砲弾、迫撃砲弾への対抗手段(C-RAM) さらに無人機対抗手段 (C-UAV) としての有効性を試験中だ。もともとは拡大地域防御生存性統合実証(EAPS ID)の一環で開発され、その後遠距離移動目標の追尾能力を干渉レーダー、火器管制コンピューターと無線発信機受信機を使い、発射後修正弾として利用可能かテスト中だ。

 

陸軍はノースロップ・グラマンと共同で同砲のNGCV搭載をめざす一方で、供用中兵装でも発射速度、有効射程を改良する。

 

NGCVでは速力、とり回し性能、遠征戦闘投入の重視で決まっており、敵の火砲発射前に撃破する能力が求められる。

 

XM913砲は二種類の発射弾を使う。ひとつがXM1204高性能爆発性空中炸裂弾軌跡付High Explosive Airburst with Trace(HEAB-T)、そしてXM1203安定板つき装甲貫通弾軌跡付Armour-Piercing Fin-Stabilized Discarding Sabot with Trace(APFSKS-T)で、同砲は陸軍が目指す高威力高精度中口径砲Advanced Lethality and Accuracy System for Medium Caliber(ALAS-MC) の中心となるとJanesが報じている。

 

ALAS-MCでは機動性を発揮しながら命中精度を上げるのが目標で有効射程も従来より伸びる。

 

「性能向上で砲操作の幅が広がり、砲撃は従来の三倍のペースで実施できる」と米陸軍戦闘能力開発本部で高性能装備品部門のケヴィン・フィッツパトリックが語る。

 

ALAS-MCには供用中装備品を上回る性能と威力の高性能中口径兵器装備品になるとの期待がある。さらに長射程を生かしスタンドオフ攻撃を現状を上回る精度で実施できるようになる。

 

「ALAS-MC開発でもう一つ鍵となるのが将来のシステム拡張を見越した開発モデルを使用していることで、今後登場する新技術にも呼応し多彩なミッションをこなせる」とフィッツパトリックは述べている。■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

Check Out the Bradley Fighting Vehicle's New 50mm Gun

October 3, 2020  Topic: Security  Region: Americas  Blog Brand: The Reboot  Tags: XM913U.S. ArmyMilitaryDefenseWarXM913 50mm Cannon

The weapon is massive and can shoot even more powerful ammunition.

by Peter Suciu

 

Peter Suciu is a Michigan-based writer who has contributed to more than four dozen magazines, newspapers and websites. He is the author of several books on military headgear including A Gallery of Military Headdress, which is available on Amazon.com. This first appeared earlier and is being republished due to reader interest.

Image: Reuters