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2014年11月29日土曜日

★A400M:1号機引き渡し完了、時間をかけて実用化に進む英軍



なかなか手こずっていますね。ヨーロッパの苦悩を象徴するような事例になりましたが、民生では順調なエアバスも軍用では経験不足なのか時間がかかるようです。そういえば我が国のC-2はどうなったのでしょうか。A400Mと合わせ、国産化の意味があるのでしょうか。

A400M Capability Delays Won’t Impact U.K. Operations

Nov 28, 2014Tony Osborne | AWIN First

英空軍が予定通りに今年中にエアバスA400M軍用輸送機の4機すべてを受領するのは無理なようだ。
  1. 技術的な問題が重なり、1号機の受領手続きが予想以上に長引いて、ブライズノートンt Brize Norton 空軍基地に飛来したのは11月17日になったことで、4号機は確実に、さらに3号機も来年早々の引き渡しになりそうだ。
  2. 1号機MSN15の引き渡し式典は11月27日に開催され、デイヴィッド・キャメロン首相も参加し、英軍への就役を盛大に祝うものとなった。
  3. フランス政府と生産スロットを交換したことで英軍向けA400M全22機の引き渡し完了は2018年の見込みで、初期作戦能力獲得は2015年とし、当初7機体制とする。
  4. 段階的に性能を加えていく予定で、戦術輸送能力の実施は2017年遅くまで行わないが、全性能の獲得は2022年に設定されている。同年に現行のC-130Jが退役する予定だ。
  5. 戦術ミッションでは高度250ft.での飛行訓練が必要で、貨物またはパラシュート兵の投下を行い、空中給油に加え未整備滑走路からの運用も想定。フォークランド諸島では特殊な要求があり、乗員は海上監視ミッション訓練も受ける。
  6. 一部乗員は特殊作戦向けの高高度パラシュート投下の他、ゴムボート投下、ヘリコプター給油、低高度150ft.飛行での訓練も必要だ。
  7. 引き渡しが遅れたのはメーカーのエアバス・ディフェンスアンドスペースが戦術作戦能力の付与で手こずり、11月初めには契約破棄寸前までの事態となったが、依然としてフランス、ドイツ、トルコの各国と同社の間で協議が続いており、トルコは2号機の受領を拒んでいる。
  8. 英国は徐々に性能を引き上げる予定だが、これは他国に比べると余裕があるためだ。C-130Jに加えC-17を保有する英国に対してフランス、ドイツ、トルコはC-160トランザールの老朽化が進み、ハーキュリーズも旧型を運用している。
  9. だが英国向けの1号機も受領したものの問題に直面した。11月17日の受領後に実施した訓練フライトは1回のみで、直後に技術的な問題が見つかり、地上待機となってしまった。
  10. 英軍用2号機MSN16はマドリッドのエアバス・ディフェンス社で防御装置一式の取り付けの作業中。英軍が採用したのはノースロップ・グラマン製の指向性赤外線防御システムでA330ヴォイジャー給油機、C-17,C-130Jに搭載されているのと同じもの。3号機の初飛行日程は未定だ。
  11. ブライズノートン基地ではエアバスとタレスが共同で訓練を実施し、まず教官パイロットの養成にあたっている。通常の乗員向け訓練は1月に開始される。
  12. 乗員はまずC-130JやC-17の経験者から選抜され、今後は新規パイロットが加わる。機種転換には5ヶ月かかる。
  13. 英国がA400M導入に当てる予算は28億ポンド(44億ドル)で、英国は同機にアトラスの名称を与えている。■




2013年10月2日水曜日

ドイツ・フランスがA400M合同訓練の実施で合意

       

延々と開発に手間取っていたA400M戦略輸送機ですがやっとフランス空軍に一号機が納入されました。また、独仏での同機合同訓練はやがて合同運用につながるでしょう。欧州ではかつての列強が今や共同運用をするほどの一体化を実現していますが、翻って東アジア(西太平洋)で日本は孤高の存在ですね。欧州並みになるのにあと何年かかるのでしょうかね。

Germany, France To Embark On Joint A400M Training

By Anthony Osborne
Source: Aerospace Daily & Defense Report
aviationweek,com October 01, 2013
Credit: Airbus

フランス、ドイツ両国の空軍がエアバスA400輸送機の合同訓練で合意した。

9月30日にエアバスがフランス空軍向けA400M1号機引き渡しており、両国空軍は合同整備要員訓練をドイツのヴンストルフ基地で2015年夏から実施すると発表した。一方、乗員訓練、兵站ミッション訓練も実施される。戦術ミッション想定の乗員訓練はA400M訓練センター(フランス、オルレアン空軍基地)で2014年から行い、ドイツ空軍要員向けは2018年から開始となる。

両国は同輸送機導入でこれまで以上の相互運用、業務標準化を模索しており、フランス国防調達庁DGAによると欧州空輸司令部European Air Transport Command (EATC) 下の国際部会で、「運用手順を定め、合同訓練内容を開発する」作業が進んでいるという。

英国もフランス空軍と提携関係を樹立しており、英空軍要員がオルレアンでA400M各国向け就役作業チームMultinational Entry into Service Team (MEST) に派遣されている。フランス空軍は逆に英国に要員を派遣しロッキードC-130J操縦でグラスコックピット体験を積ませている。

仏独共同のA400M訓練はオルレアンでフランス空軍参謀総長デニス・メルシエ将軍 Gen. Denis Mercier とドイツ空軍参謀総長カール・ムリナー将軍Gen. Karl Müllnerが署名した。

両国はすでにユーロコプターEC665タイガー攻撃ヘリのパイロット、技術要員訓練を合同で実施している。
             
   
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