スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

8月, 2020の投稿を表示しています

これもおかしい。タイが中国から通常型潜水艦を調達して海賊対策に投入??

    タイは2015年にS26Tディーゼル電気推進式潜水艦三隻の導入を決めた。写真はS26Tの原型元級の前身宋級。(SteKrueBe/WikiMedia Commons) . タ イが潜水艦二隻を中国から追加導入の意向を示したことで、同国内に波紋が広がっている。最大野党はコロナウィルスで経済が打撃を受ける中で調達を進めていいのかと懸念を示している。   潜水艦の有効性に疑問を呈す批判派に対し、王立タイ海軍は8月31日記者会見を開き、導入の正統性を訴えた。   タイは2015年にS26Tディーゼル電気推進潜水艦三隻の導入を決めた。同型は中国の039型元級の輸出版だ。一号艦を390百万ドルで2017年に調印し、引き渡しを2024年に想定する。   議会小委員会は残る2隻の調達を717百万ドルでめざす政府原案を議長の一票という僅差で承認している。   報道機関向け説明会で調達を正当化しようと海軍参謀総長シティポン・マスカセム大将Adm. Sittiporn Maskasemは国防戦略の一環で潜水艦多数が必要と述べた。続いてプレゼンテーションでは周辺国で潜水艦導入が続き、実際に稼働開始しているため今回の調達が必要と説明した。   だがシンガポールのS・ラジャラトナム国際研究所の研究員コリン・コーCollin Kohは「そもそも潜水艦が同国の防衛やになぜ必要なのか説得力は低い」と述べ、「お隣に負けてはと見栄を張る」ことが導入の唯一の理由だとツイッターで解説していた。他国と同等の装備品を買わないと出遅れるとの恐れて正当化しようというのだ。   潜水艦が抑止効果を生み、実戦で威力を発揮することはコーも認めるが、タイ海軍の説明に疑問点が残ると指摘する。そのひとつが海賊対策に投入する、不法漁業者取締り用、さらに人道援助任務災害救難に投入するというものだ。   国際観光客に大きく依存するタイ経済はCOVID-19で旅行そのものができず制限されて大打撃を受けている。最も楽観的な予測でも今年タイへ入国の旅行客は8百万人に過ぎず、2019年実績の19百万人に遠く及ばない。■   この記事は以下を再構成したものです。   Thai submarine purchase hits rough seas  By: Mike Yeo  

AIが空軍F-16トップパイロットに圧勝----DARPAのシミュレーションドッグファイトで

  ヘロンシステムズのAIパイロットが空軍F-16教官パイロット「バンガー」を撃墜した瞬間。   D ARPAのドッグファイト・シミュレーションコンテストで ヘロンシステムズ Heron Systems のAI「パイロット」が空軍のF-16のトップパイロットに5対0で圧勝した。   「大きな一歩になった」とDARPAのジャスティン・モックが今回の試行結果を評した。   空軍の現役パイロットが操縦桿をAIへ譲るまではまだ道が遠いが、今回DARPAが主催した三日間に及ぶアルファドッグファイトで単純な一対一の空戦シナリオならAIシステムズで十分な操縦が可能と実証できた。わずか一年間の開発でAIエージェントがここまでの成果を見せたことが驚きだ。昨年9月に8チームがそれぞれAI開発を開始していた。   ヘロンは女性やマイノリティが中心の小企業でメリーランドとヴァージニアに拠点を置く。人工知能エージェント開発を業務とし、同社は競合各社を抑える出来栄えを示した。敗れたチームにはロッキード・マーティンもあり、同社は二位になった。   ヘロン社の開発チームがYouTubeのライブストリームで質疑応答に応じた。「一回目トライアルの一週間前時点でも、開発したエージェントではうまく操縦できなかった。そこでテコ入れして結果、一位になれた」と同社でプロジェクトを共同指揮したベン・ベルが述べている。チームは今年後半にAI学習機能の強化内容を公表するとも述べた。   トライアルはDARPAの航空戦闘進化(ACE)事業でリスク低減策をめざし、生身のパイロットとマシンパイロットで戦闘機材を共有しつつミッション成功を最大限にすることをめざしている。ACE構想でパイロットは自機の操縦に専念するだけでなく指示に従う無人機編隊の統制まで行う。「ACEによりパイロットはこれまでより広範囲のミッションをこなす。一方で搭乗する機体は無人装備とチームを組み、個別戦術任務をこなす」とACE事業のウェブサイトに説明がある。   ヘロンシステムズのAIはシミュレーション演習で終始活発に交戦し、AIパイロットは空軍現役パイロットが操縦するF-16を撃墜した。このパイロットはコールサイン「バンガー」でネリスAFBのウェポンズスクールの生え抜きである。AIは「超人的な照準能力」をシミュレーションで示したとモックは説明。   今回

Ottoのセレラ 500Lは航空業界を一変させる画期的な小型機になる。軍用型も有望。(T1T2共通記事)

  オ ットーエイビエーション Otto Aviation から発表のセレラCelera500Lは画期的な機体になる可能性を秘めており、無人機版や軍用機として情報収集監視偵察任務につく発展も考えらえる。弾丸形状の同機を The War Zone がいち早く報じたのは2017年だったが、以来同社の動向を注意深く追ってきた。   セレラ500Lの初めての発表は同社販促用ウェブサイトの立ち上げと同日になった。報道資料は初飛行の詳細や日時に触れていないが、これまで31回の飛行を実施したとある。   2019年6月、民間機登録N818WMとして南カリフォーニアロジスティクス空港でタクシーする同機の姿が見られており、初飛行が近い様子だった。   「イノベーションにより問題解決に成功した。当社の目標は米国内のあらゆる都市間を一気に飛行可能でいながらスピード、コスト両面で民間航空便に匹敵する水準となるプライベート機を実現することだ」とオットーエイビエーションの会長兼最高技術責任者ウィリアム・オットー・シニアが記している。「個人客や家族でセレラ500Lを民間航空運賃並みの料金でチャーターしながら、プライベート機の利便性が実現する。民間航空に十分対抗できる料金でプライベート移動できれば大きな市場需要が生まれると見ている」   「セレラ500Lにより航空業界、旅行業界でここ50年で最大の変化が実現する。当社の機材は旅客輸送以外にも貨物空輸や軍用用途にも投入できる。セレラ500Lの市販の準備ができた」   OTTO AVIATION   OTTO AVIATION OTTO AVIATION   オットーエイビエーションによればセレラ500Lの最大巡航速度は450マイル、航続距離は4,500マイルだ。また燃料消費効率が高く、1ガロンで18から25マイル飛ぶと同社は述べる。セレラ500Lと同等のビジネスジェット機では6名搭乗でガロン当たり2から3マイルなのでオットー社の経済性は際立つし、環境にもそれだけやさしいことになる。またセレラ500Lの一時間当たり運航経費は328ドルという信じられないほどの低水準だと同社は言う 。   OTTO AVIATION   画期的な性能を実現したのが層流効率を考慮した機体形状だ。同程度の大きさの他機より抗力は59パーセント低い。搭載する ライクリン・エアク

ミサイルテスト翌日、航行の自由作戦を実施した米海軍は毅然たる態度を中国に示した

  中 国軍が南シナ海でミサイルテストを実行したが、米海軍ははやくも翌日に誘導ミサイル駆逐艦で航行の自由作戦(FONOP)をパラセル諸島(中国、台湾、ヴィエトナムがそれぞれ領有を主張)で展開した。USSマスティン(DDG-89)が同地域を航行したと第七艦隊が8月27日に発表。   「航行の自由作戦は国際法が定めた海洋の権利、自由、合法的な活用を護持するのが目的であり、中国が設けた無害航行への制限という非合法措置に対抗するもの。台湾、ヴィエトナムも中国の主張するパラセル諸島を取り巻く境界線に反対している」と米海軍はUSNI Newsに語った。   中国はヴィエトナム沿岸から東部にひろがる島嶼のつながりに基地を数か所構築し、同地区は自国領海と主張し外国艦船の進入は許可が必要としている。   米海軍発表文には「該当三カ国はいずれも軍艦の『無害通航』でも許可または事前通告が必要としている」とある。「許可や事前通告を一方的に求めることは国際法上認められていない。事前通告なしで無害航行を実行することで米国は中国、台湾、ヴィエトナムの非合法要求に挑戦した形だ」   USSマスティンが現地を通行した前日に中国は近くにミサイルを着弾させていた。複数筋の報道ではDF-21D、DF-26Bが発射されたとあり、中国が狙う抑止力の中核となる装備だ。   「こうした演習も2002年南シナ海当事国宣言でうたった事態を複雑にするような行為を回避するとPRCが応じた姿勢に自ら反するものだ」との声明文をペンタゴンは発表している。   米中間のかけひきが忙しくなった週としては控えめな表現といえる。中国の発射テストに先立ち、U-2偵察機が「飛行禁止地帯」のある渤海上空に展開した。中国は人民解放軍(PLA)が飛行禁止地帯と通告したのは中国軍が実弾演習を同地区で展開していたためと説明。   中国政府は同機の飛行を「むき出しの挑発行為」と非難し、人民解違法軍海軍(PLAN)が演習を展開中の上空を飛行したとした。   「侵入されたため中国の演習訓練が大きく邪魔された。中米間の航空海上安全行動ルールに反するものであり、国際慣行にも違反する」と中国国防省報道官Wu Qianが声明文を発表した。「米軍による行為は意図を誤解されかねずもっと重大な事態に発展していたかもしれない」 Such accidents have o

日本初の防衛装備輸出はフィリピン向け防空レーダー。安倍総理辞任発表日に成約という皮肉な事実に注目

    利害が対立するスプラトリー諸島内フィアリークロス礁に集結した中国漁船(AFP/WESTCOM)   日 本初の防衛装備品輸出が成約した。対象はフィリピン向けの固定式及び移動式防空監視レーダーで南シナ海含む地点をカバーする。   8月28日にフィリピン国防相デルフィン・ロレンザナが首都マニラで購入契約書にサインし、 三菱電機 が固定式長距離対空監視レーダー三基、移動式対空監視レーダー一基を納入する。   同日のフィリピン国防省発表はレーダー型式に触れていないが、三菱電機のJ/FPS-3アクティブ電子スキャンアレイレーダーが固定基地に、J/TPS-P14移動式レーダーと配備されるとの報道が出ていた。   同省は今回の導入はホライゾン2対空監視レーダーシステム構築の一環であり、納入は2022年からとも発表している。   ともに米国の同盟国の両国間で成約した意義は大きい。日本による防衛装備の完成品輸出は2014年の輸出制限緩和以来初めてとなる。日本は当時から各地で輸出を目指してきたが、成約は皆無だった。それ以前の日本からの輸出は部品のみだった。   輸出制限緩和は安倍晋三首相が進めた防衛姿勢の変化および国内防衛産業の振興策の一環でもある。背景には急速に軍事力を整備しつつ強硬な姿勢を鮮明にした 中国 がある。安倍首相は8月28日に健康問題を理由に辞任発表した。   三菱電機はホライゾン2対空レーダー調達の採用認定を3月に受けていた。レーダーは政府間契約で総額103.5百万ドルで導入される。   導入するレーダーは南シナ海南方のほか、戦略的に重要なベンハムライズBenham Riseでも空中監視に使用される。後者はフィリピン中央部ルソン島から東150マイルにある海中プラトーで、天然資源が豊富である。■   Japan secures first-ever major defense export with Philippine radar order By: Mike Yeo

南シナ海に弾道ミサイルを撃ち込んだ中国の狙いは明白だが、軽挙妄動としかいいようがない

  中 国人民解放軍ロケット軍が弾道ミサイルを南シナ海北端に続けて打ち込んだ。発射地点は中国本土の別々の箇所で、対艦攻撃を模した演習なのはまちがいない。オンライン飛行追跡ソフトでは米空軍のRC-135コブラボールスパイ機が同地域を飛行中だったことが判明している。   サウスチャイナモーニングポスト紙が2020年8月26日に中国軍がDF-26B、DF-21D各一発を発射したと報道した。米国国防関係者は人民解放軍ロケット軍(PLARF)は弾道ミサイル4本を発射したと評価しているが、正確なミサイルの型式を断定する情報がない。DF-21DはMRBM(射程621マイルから1,864マイル)だが、DF-26Bは中距離弾道ミサイル(IRBM)で射程も1,864マイルから3,417マイルと長い。   DF-21D、DF-26ともに複数弾頭を搭載し、空母のような大型で比較的低速の目標に命中させるよう飛翔制御できるとみられる。中国メディアではDF-21Dを「空母キラー」と呼んでいる。   IMAGINECHINA VIA AP DF-21D medium-range ballistic missiles.   IMAGINECHINA VIA AP DF-26 intermediate-range ballistic missiles.     サウスチャイナモーニングポストはDF-26Bを青海省から、DF-21Dは浙江省から発射したと報じている。各ミサイルは紛糾中のパラセル諸島と海南島間の海域に到達した。   すべては中国が8月25日にNOTAMとして通達した内容と合致する。両発射地点は南シナ海へMRBMとして到達可能な射程範囲だが、実際に発射されたのがMRBMだったとはかぎらない。   ミサイルの発射本数ならびに型式で情報が錯そうしてるが米空軍はRC-135Sを同海域に送り、弾頭の着水状況を観察したはずだ。コブラボールは現在三機しかなく、今回の機体は登録番号62-4128がつく。   同機は嘉手納航空基地を離陸し、きついUターンをして基地に戻った。この飛行パターンはコブラボールの弾道ミサイル弾頭の画像、映像、電子偵察でよくあるパターンで、同機は弾道ミサイル発射時点の監視も可能だ。   南シナ海に向け発射されたミサイルの本数、型式がどうであれ、発射そのもが米軍に対するメッセージである

F-35フル生産が2021年3月に実現する

  ヒル空軍基地(ユタ州)の第4戦闘飛行隊所属の米空軍F-35AライトニングII編隊がユタテスト訓練場で飛行訓練を展開した。Feb 14, 2018. (U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Andrew Lee) ペ ンタゴンの調達トップが8月20日、 ロッキード・マーティン F-35共用打撃戦闘機は来年3月までにフル生産に入ると明言した。これまで数々の遅延が発生してきた同機生産だが、一番新しいところではCOVID-19による工場一部立ち入り制限でも予定が狂わされている。 「3月の目標達成は確実とみている」と調達維持担当国防次官エレン・ロードが述べた。 ロードは来週にペンタゴンの運用テスト評価部長ロバート・ベーラーとパタクセント海軍航空基地へ向かい、共用シミュレーション環境(JSE)内でフライト運用テストを行う。 F-35のフル生産はこれまで「JSE内で挫折」してきた。同機はペンタゴン史上で最高の3,980億ドルが投じられている。 . 2021年3月の目標はBloombergが先に報じており、疾病管理予防センターの「安全な作業環境だと確認する」ガイドラインのため先送りされてきたものだ。 F-35は2019年10月現在で440機以上が世界各地に納入されている。フル生産の許可が下りれば、ロッキードは年間160機までの生産が可能となる。 . Military.comでは昨年9月に、共用シミュレーション環境のためF-35の初期作戦能力テスト評価 (IOT&E)が遅れていると報じてきた。 「JSEが適切にテストを完了すれば」IOT&Eは進展するとDoD報道官空軍中佐マイク・アンドリュースがその時点で声明文を発表していた。「敵の最新鋭機や高密度防空体制といった現実的なシナリオでF-35のIOT&Eを進めるためJSEは必要だ」■ この記事は以下を再構成したものです 。   F-35 Will Finally Go into Full Production Next March, Acquisitions Chief Says 21 Aug 2020 Military.com | By Richard Sisk

理解に苦しむ韓国の原子力潜水艦取得構想は「愚行」に終わるのか

    韓 国国防部が8月10日に発表した「2021-25年度中期国防事業」では作戦統帥権移転後に備えた国防力増強を主張している。北朝鮮の核脅威に対応し各種装備品で能力向上を図るとあるが、もっとも目を引く、かつ物議を醸しだしそうなのが原子力推進潜水艦(SSNs)取得の可能性だ。   韓国国防省は4千トン級の次期潜水艦で推進方式を特定していないが、ディーゼル電気推進や大気非依存型推進ではなく原子力推進にするとの明言が高官から出ている。文在寅大統領は2017年大統領選挙運動中に韓国にSSNsが「今の時期に」必要と訴えていた。今回の国防省発表は米韓ミサイルガイドライン改訂の直後に行われた。韓国がSSNs建造に向かうと仮定すると、朝鮮半島を取り巻く安全保障面でジレンマが生まれるが、一方で規模は小さいものの北朝鮮脅威に対する抑止力になる。   原子力推進潜水艦が追加されれば数の上の劣性を覆せると主張する向きがある。韓国は潜水艦18隻を供用中だが北朝鮮は70隻近くある。韓国でSSNs保有の声が強くなったのは北朝鮮が潜水艦発射方式弾道ミサイル(SLBMs)の初発射に2015年成功したのがきっかけだ。昨年は金正恩が新造潜水艦を視察したニュースを国営通信が配信した。記事では新型艦の詳細に触れていないが、専門家は北朝鮮が核弾頭付きSLBMの発射技術を磨いていると分析する。北朝鮮の潜水艦戦力は急成長している。SLBM発射テストもその後数回実施している。2010年の天安事件が示すように、北朝鮮には被害を与える意思も能力もある。そのため、北朝鮮が海上で展開する脅威へ対抗戦略が必要となる。ただし、本稿では原子力推進潜水艦の導入でこの課題はすべて解決できないと主張したい。   まず、黄海では4千トン級潜水艦が安全に作戦実施できない。平均深度は日本海の1,500メートルに対し、黄海は50メートルしかない。さらに海底に膨大な量の廃棄物があり、潜水艦のプロペラが破損する恐れもある。そもそも原子力潜水艦を導入するのは北朝鮮潜水艦を長時間追尾する目的のはずだ。だが、水中環境が不利だと大型艦では北朝鮮の超小型潜水艇をうまく追尾できない。しかも北朝鮮は沿岸近くで運用するはずだ。2010年に天安を攻撃した潜水艦は130トンの小型艦で 白翎島の海岸近くだった。実際に北朝鮮の潜水艦は東沿岸のシンポでの建造が多くなっ