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2026年7月5日日曜日

潜水艦の調達拡大は進む。インドネシアが仏設計を現地建造へ。「スコーペーン・エヴォルド」をまず2隻建造し、将来は輸出も視野に入れる

 Scorpène Evolved for Indonesia

インドネシア海軍(TNI AL)の主要海軍基地外で、潜望鏡深度を航行する「スコーペーン・エボルブド」型潜水艦のイメージ図。ナバル・グループ提供。


「スコーペーン・エヴォルヴド」潜水艦の初の現地建造がインドネシアで今月開始

First Local Construction of Scorpène Evolved to Begin This Month in Indonesia


  • Naval News

  • 2026年7月2日公開

  • ファウザン・マルフティ

https://www.navalnews.com/naval-news/2026/07/first-local-construction-of-scorpene-evolved-to-begin-this-month-in-indonesia/


7月2日、PT PALインドネシアとナバル・グループは、東ジャワ州スラバヤにあるPT PALの潜水艦建造・整備施設でプレスツアーを開催し、Scorpène Republik Indonesia(SRI)プログラムの一環として、インドネシア海軍(TNI AL)向けに2隻の「スコーペーン・エヴォルブド」型潜水艦の建造開始に向けた準備状況を後悔した。この視察では、インドネシアがフランス設計の潜水艦の国内建造に向けて着実に前進する中、両社がインフラ整備、人材育成、生産体制の整備において成し遂げた進展が浮き彫りになった。

ナバル・グループのSRIプログラム・ディレクター、ヴァンサン・ヴィモンは、一号艦となる「スコーペーン」型潜水艦の最初の鋼材切断が今月行われると明らかにした。また、2032年の引き渡しに先立ち、2030年から2032年にかけて試験および海上試運転が予定されている。

2番艦の建造は2027年に開始され、2031年から2033年にかけて試験および海上試運転が行われ、2033年の引き渡しが予定されている。本誌2024年に報じた通り、PT PALはこれら2隻の潜水艦を1年の間隔を空けながら並行建造する。PT PALはまた、順調に進めば、スケジュールを前倒しできる可能性もあると示唆した。

両社は、このプロジェクトにより、支援サービスや引き渡し後の保守業務を含め、約2,250人の雇用が創出されると述べた。さらに、「スコーペーン」級潜水艦の追加発注があれば、さらに多くの雇用が生まれると付け加えた。また、ナバル・グループは、インドネシア・プログラムのチームには、インドやブラジルでの「スコーペヌ」級潜水艦の現地生産を支援した経験を有する要員が含まれており、インドネシアは両国から得られた教訓を活かすことができると述べた。

PT PAL潜水艦部門責任者のアグス・リファイによると、同社の既存の生産スペースでは最大4隻の「スコーペーン」型潜水艦の同時建造またはMRO(整備・修理・オーバーホール)に対応可能だという。同氏はさらに、PT PALが以前の209型潜水艦プログラムで得た設備、施設、経験を「スコーペーン」プロジェクトにも活用すると付け加えた。

技術、センサー、兵器

ナバル・グループによると、この潜水艦には、フランスの核弾道ミサイル潜水艦(SSBN)で採用されたものと同様の音響ステルス技術が搭載される。また、設計にはSUBTICS戦闘システム、完全に統合された音響および非音響センサー、平面アレイを備えた強化型ソナースイート、そして高度な信号処理技術も組み込まれる。

リチウムイオン電池をフル装備することで、同潜水艦の航続期間は最大80日となる。

同潜水艦は、最大18発の大型魚雷とSM39エクソセミサイルを混合搭載することが可能となる。本誌の質問に対し、ナバル・グループは、「スコーペーン・エヴォルヴド」が、MBDAが現在開発中の次世代潜水艦発射型エクソセSM40を発射可能であることを確認した。

さらに、プレスツアーの中で、インドネシア海軍が2025年に「スコーペン・クラブ」のブラジル、チリ、インド、マレーシアに次ぐ最新の加盟国となることが明らかになった。

輸出の可能性と今後の協力

PT PALのRDIプログラム・ディレクターで、インドネシア海軍のウィスキー級および209型潜水艦に乗務経験を持つウィラント退役海軍少将は、「スコーペーン・エヴォルブド」プロジェクトが、インドネシアの「国家潜水艦技術習得プログラム」の第2フェーズを構成すると述べた。同プログラムは、2042年から2050年にかけて、同国が国産潜水艦を設計・建造し、最終的には輸出できるようにすることを目指している。

PT PALとナバル・グループは、他国が発注した「スコーペーン」級潜水艦の共同生産拠点として、また他国の海軍が保有する「スコーペーン」級艦隊のMRO(整備・修理・オーバーホール)拠点として、インドネシアを活用する可能性について協議していることを明らかにした。

しかし、本誌の質問に対し、ナバル・グループは、現行の契約ではインドネシアに「スコーペン」級を第三国に販売または販促する権利が認められていないため、そのような協力には新たな正式な合意が必要になると述べた。

PT PALとナバル・グループの双方の代表者は、スコーペーン計画を超えたより広範な協力の可能性を模索していると述べた。これは、ナバル・グループがミサイルや魚雷などの兵器システムに関連する技術移転を含め、他の製品も提案しているためである。

インドネシアが「スコーペーン・エヴォルブド」型潜水艦を追加発注する可能性については、両社とも交渉が現在も継続中であることを認めた。■


ファウザン・マルフティ

ファウザン・マルフティ氏は、インドネシアのジャカルタを拠点とする防衛アナリストである。軍事問題、近代化、外交に強い関心を持ち、インドネシアの防衛情勢について数多くの記事を執筆している。また、インドネシアの防衛関連事項を議論することに焦点を当てた英語圏向けのTwitterアカウントも運営している。

2026年2月5日木曜日

F-15EXの海外拡販に暗雲、インドネシアが購入の意向を取り消す

 

インドネシアがF-15EX購入を中止

ラファール戦闘機の納入が進行中であるインドネシアは、最大24機のF-15EXイーグルIIを購入する計画から撤退した

TWZ

トーマス・ニューディック

2026年2月3日 午後2時18分 EST 公開

A U.S. Air Force F-15EX Eagle II flies over the Gulf of America, September 16, 2025. The F-15EX, from the 40th Flight Test Squadron at Eglin Air Force Base, Florida, is one of the first F-15EXs in the Air Force, and is going through developmental and operational test series at Eglin to prepare the platform to be delivered to the warfighter.

米空軍写真(撮影:テクニカル・サージェント ジェイコブ・スティーブンス)

ンドネシアは、F-15EX イーグルII 多用途戦闘機の初の輸出運用国となる予定だったが、ボーイング製同型戦闘機の購入計画を断念した。この契約は過去2年間停滞していた。

シンガポール航空ショーで記者団に対し、ボーイング防衛・宇宙・セキュリティ部門の事業開発・戦略担当副社長ベルント・ピーターズは、インドネシア向けF-15EXについて「ボーイング社にとって現在進行中の案件ではない」と確認した

方針転換の理由は不明。ボーイングは本件に関する質問を、対外軍事販売(FMS)プロセス下でプログラムを推進していたインドネシア政府と米国政府に委ねた。

インドネシアのプラボウォ・スビアント国防相(中央)率いる代表団がボーイングのセントルイス施設を訪問した様子。Boeing

本誌は詳細についてボーイングに問い合わせている。

2022年2月、米国務省はインドネシアへのF-15ID(F-15EX派生型)の対外軍事販売(FMS)の可能性を承認した。詳細はこちらで読める。

2023年8月までに、ジャカルタがボーイング社から最大24機の購入を正式に約束したことで、この案件は決着したかに見えた。この時点でインドネシア仕様機はF-15INDと改称されていた。購入に関する覚書(MoU)はF-15生産拠点のあるミズーリ州セントルイスで調印された。式典にはインドネシアのプラボウォ・スビアント国防相も出席し、F-15の生産ラインを視察した。

「インドネシアにとって極めて重要なF-15EX戦闘機の能力を調達する決意を発表できることを喜ばしく思う」とスビアントは述べた。さらに「この最先端の戦闘機は、その高度な能力で我が国を守り、安全を確保するだろう」と付け加えた。

ジャカルタがF-15以外の戦闘機タイプを購入する可能性は不明である。

ただし注目すべきは、米国務省がF-15取引を承認した直後、インドネシアがフランスのダッソー・ラファール多用途戦闘機42機の購入を発表した点だ。同機の納入は現在進行中である。

当時、ワシントンがF-15とラファールの混成戦力選択をインドネシアに説得する最後の試みを行った可能性があると推測された。その提案は完全に頓挫したようだが、その理由は未だ不明である。F-15契約の総費用は明らかにされなかったが、これが、あるいは生産スケジュールが、交渉の障害となった可能性がある。

F-15が導入されなくても、インドネシア空軍は東南アジアで最も近代的で高性能な戦闘機部隊の一つを構築している。ラファールに加え、インドネシア空軍は米国製とロシア製の戦闘機を混成運用している。

F-16フリートは、1989年から納入された12機のF-16A/B Block 15OCU戦闘機のうち現存する約8機に加え、23機の改良型F-16C/Dで構成されている。

2017年、ユタ州ヒル空軍基地にて、米軍テストパイロットがインドネシア空軍のF-16Cで機能確認飛行を実施。米空軍/アレックス・R・ロイド

ロシア製装備に関しては、インドネシアはスホーイ・フランカーの複数機種を運用している。これには2003年から納入が始まった単座Su-27SK5機と複座Su-30MK2機2機、さらに2008年に最初の機体が引き渡された複座Su-30MK29機が含まれる。クレムリンによるウクライナへの全面侵攻以降、ロシアに対する制裁により、これらの機体への支援ははるかに困難になったと考えられる。

2012年ピッチ・ブラック演習において、オーストラリア空軍のF/A-18Aがインドネシア空軍のSu-27およびSu-30フランカーを護衛する様子。Commonwealth of Australia

さらに先を見据えると、インドネシアは韓国と共同開発中のKF-21次世代戦闘機を50機購入する見込みだと長年言われてきた。インドネシアのPT DIは韓国航空宇宙産業(KAI)と並んでKF-21の産業パートナーであり、プロジェクトの20%のシェアを保有している。しかしジャカルタ政府がプログラムへの出資を確保するための支払いを履行できず、同計画への長期的なコミットメントが繰り返し疑問視されてきた。

KF-21への確固たるコミットメントは、F-15調達計画の終焉を意味する可能性もあった。

ラファールとKF-21の両方を購入し、さらに旧式ジェット機の維持管理を行うことは、初期費用だけでなく、訓練や支援の面でも莫大なコストを伴う。

ある時点で、インドネシアはSu-35の購入を計画しており、その場合、ロシアは支払い額の半分をパーム油、ゴム、その他の商品輸出の形で受け取ることになっていた。その他の大型武器取引では、防衛予算の逼迫を反映し、インドネシアは融資返済に依存するケースが見られた。

スホーイ Su-35。ユナイテッド・エアクラフト・コーポレーション

ボーイングにとって本日の発表は打撃となるが、昨年末にイスラエルが25機の新型F-15IA契約を締結した事実が緩和材料となる。これらは同国が1999年以来初めて導入する新型イーグルであり、F-15EXを基に開発される。

一方、同社はインドネシアのAH-64アパッチなど既存プログラムへ協力継続を表明している。

ボーイングのベルント・ピーターズは「F-15は同地域で今後も非常に明るい未来を持つと確信している」と述べた。

インド太平洋地域の他の動きでは、ボーイングは先月、韓国のF-15Kスラムイーグル部隊のアップグレード契約を28億ドルで獲得し、作業は2037年までに完了する見込みだ。

F-15EXに戻ると、2026会計年度予算案に基づき、米空軍の公式計画では98機から129機へ増強される見込みで、少なくとも1個飛行隊が追加され、A-10から転換される。さらなる計画拡大の可能性も十分にある。当初、空軍はF-15C/D部隊の代替として最低144機の導入を計画していた。その後、一部のイーグル部隊は他機種へ移行したが、A-10、F-16、さらにはF-15Eを運用する部隊も、空軍がそのような方針を選択すればF-15EXを配備される可能性がある。

さらに、ポーランドがF-15EXの新たな輸出顧客候補として浮上している

ボーイングは現在、F-15EXの生産拡大を年間24機体制にすることに注力している。昨年8月から11月にかけては生産遅延により納入が中断されたが、16機目のF-15EXは12月に空軍へ納入された。

海外販売の行方に関わらず、米空軍におけるF-15EXの将来はますます明るさを増している。■

トーマス・ニューディック

スタッフライター

トーマスは防衛分野のライター兼編集者で、軍事航空宇宙トピックや紛争を20年以上取材してきた。著書は複数あり、さらに多くの書籍を編集。世界の主要航空出版物にも寄稿している。2020年に『The War Zone』に参加する前は、『AirForces Monthly』の編集長を務めていた。



F-15EX Buy Dropped By Indonesia

With Rafale deliveries underway, Indonesia has stepped away from its previous plan to buy up to 24 F-15EX Eagle IIs.

Thomas Newdick

Published Feb 3, 2026 2:18 PM EST

https://www.twz.com/air/f-15ex-buy-dropped-by-indonesia


2017年12月7日木曜日

ベア二機がインドネシアに着陸、ロシア軍活動が東南アジアで活発化



Indonesia calls Russian bombers visit part of navigation exercise

インドネシアにロシア爆撃機編隊が航法訓練の一環で来訪

The visit by the aircraft is part of an increased Russian military presence in Southeast Asia in recent years. (Russian Ministry of Defence)

By: Mike Yeo 
https://www.defensenews.com/air/2017/12/06/indonesia-calls-russian-bombers-visit-part-of-navigation-exercise/

MELBOURNE, Australia — ロシア空軍の戦略爆撃機編隊がインドネシア東部に12月5日初めて着陸し、活発になっている東南アジアでのロシア軍の最新事例となった。
ロシア国防省は声明文でツボレフTu-95MSベア爆撃機二機が
極東アムール地区からインドネシア東部ビアク州フラン・カイシイエポ Frans Kaisiepo 空港に着陸したと発表。

声明文では爆撃機は太平洋上空でイリューシンIl-78の空中給油をうけ、「国際航空法に準拠し」飛行したとする。

空中給油したイリューシンIl-76MD二機は前日にビアクに着陸していた。インドネシア空軍が今回の訪問を発表し、爆撃機編隊は長距離航法訓練をしたと述べた。

Russia’s Defence Ministry said two Tupolev Tu-95MS Bears flew from the Amur region, in Russia’s far east, to Frans Kaisiepo Airport in Biak, on the northern coast of Indonesia’s eastern province of Papua. (Russian Ministry of Defence)

同地マヌフア航空基地司令のファジャ・アドリヤント大佐 Col. Fajar Adriyanto は今回の来訪は両国軍の取り決めによるもので「ビアクは訪問地に指定してある」と述べた。

今回の爆撃機乗員含めロシア軍関係者のインドネシア訪問人数は110名を超えたとジャカルタポスト紙が集計し、空港関係者の発言を引用しロシア軍関係者は同地に12月9日まで滞在すると伝えた。

ロシア軍が東南アジアで活発な動きを示しており、太平洋艦隊艦艇がインドネシアを2016年2017年続けて寄港しており、今年はシンガポール、タイで観艦式にも参加している。

ただしオーストラリアのロウイ研究所の国際安全保障専門家ユアン・グラハムはDefense Newsにロシア軍のプレゼンスは北太平洋と違いこの地区では関係強化が主で武器販売が狙いだと解説する。

インドネシアはロシア製軍事装備を運用中でスホイSu-27、Su-30フランカー戦闘機がその筆頭だ。最新のSu-35の調達も交渉中だ。

Tu-95MSは冷戦期のターボプロップ爆撃機の改良型でロシア空軍は巡航ミサイル母機としてシリアでも運用している。■

2016年12月14日水曜日

ヘッドラインニュース 12月14日(水)


12月14日のヘッドライン

筆者が注目する記事の要約を掲載しています。時差・掲載時間の関係でその後進展した内容と食い違うことがあります。


トランプのF-35発言でロッキード株価が急落
12月12日の取引開始前にロッキード・マーティン株価は一日で3%と大きな下げ幅を示した。トランプは前週のボーイング次期大統領専用機に続き、F-35事業への疑問を公言している。
(トランプ発言によるF-35事業への影響の分析は別途記事を参照してください。)

上院が大統領選へのロシア関与を調査
ロシアがトランプ当選を狙い選挙を操作下との嫌疑で上院は超党派対応で調査を開始するが、トランプには共和党議員との初の対立になる可能性がある。これはその疑いを報告したCIAを受けての調査となる。トランプ側は強く反発しており、議会共和党議員と対立すれば閣僚人事承認にも影響が出る可能性が出てきた。


ノルウェーがP-8導入へ 5機調達
総額11.5億ドルでP-8Aを5機導入し、P-3Cの後継機とする。オライオンを運用中の国は17カ国あり、今後P-8への切り替えを米海軍、ロッキードは期待している。

インドネシアがSu-35導入を検討中
インドネシア空軍はF-5E後継機としてフランカーEを候補としている。ロシアとは価格面が交渉の難題になっているとの現地報道がある。インドネシアはロシア製機材運用の経験が豊か。完成機導入後に部員の現地生産も視野に入るだろう。


2016年11月4日金曜日

US-2のインドネシア向け輸出が成約に近づく


インドより先にインドネシアが成約しそうということですか。3機というと少ないようですが、平成17年度から今まで納入されたのがわずか4機ですからメーカーの新明和工業にとっては大きな数字です。さらにインド他からの受注を期待する同社は忍耐強く成約を期待しているのでしょうね。戦前からの技術も入れれば数世代にわたる蓄積が鼻を開こうとしているというと大げさでしょうか。

Indo Defence 2016: ShinMaywa inches towards US-2 sale to Indonesia

Jon Grevatt, Bangkok - IHS Jane's Defence Weekly
03 November 2016
ShinMaywa Industries is looking to progress a sale of the US-2 to Indonesia in 2017. Source: Japanese Maritime Self-Defence Force

新明和工業がUS-2水陸両用捜索救難機(SAR)をインドネシアに販売しようとしている。同社関係者からジャカルタで開催中のインドディフェンス2016展示会でIHS Jane'sに明らかにされた。
まず3機を販売する計画だが、2014年4月の武器輸出三原則の改定した日本には初の大型国際防衛装備輸出案件となる。
新明和工業の輸出部門関係者は11月3日、US-2は非武装機材だが自衛隊が運用するため日本政府は防衛装備と認定していると述べた。
新明和工業はインドネシア国軍向け契約の締結は間もなと見ている。「政府レベルではUS-2輸出協議を続けており、2017年に成約すると見ている」(同上関係者)
後押しするのが2015年3月に両国政府間の防衛協力合意で防衛装備、技術の共同作業に道を開いたことだ。新明和はインドネシア企業PTディルガンタラDirgantaraと協議中だ。
同社によればUS-2取得に関心を示すインドネシア以外にアジア圏「数か国」がある。IHS Jane'sはタイが検討中と把握しており、もう一カ国はインドだ。
インド海軍はUS-2を合計12機16億ドルで調達する要求を提出している。日印両国は同機販売をめぐり協議を重ねているが、日本防衛省はIHS Jane'sに交渉は一旦中断中と10月に述べ、理由は日本政府がインドのUS-2i調達方針に不明瞭な点があり説明を求めているためという。■


2016年7月18日月曜日

2030年のアジア経済上位5カ国は


2020年はもうすぐ先なので予測としては2030年が浮上しているようです。安全保障の環境を考える際にも国力の推移を見通すことが大事です。以下の予測には驚くべき要素がありませんが、それだけ主要各国の方向が定まってきつつあることの裏返しなのでしょう。この経済力を背景とした安全保障の議論が必要ですね。

 Asia's Top 5 Economies in 2030

Who are the winners and losers?
Shanghai's financial district. Wikimedia Commons/@Yhz1221
Shanghai's financial district. Wikimedia Commons/@Yhz1221


July 8, 2016


日本が世界最大の経済大国になるといわれていた時代を覚えているだろうか。予測にはリスクがつきものであるが、最近も中国が二ケタ成長を永遠に続ける、インドが急速に「新しい中国」になるとの予測が流布している。

アジアが世界経済の主役になるのは幻想ではなく、中国とインドの台頭は戦後世界を米国が独占していた時代から歴史的な経済規範が復活してきただけと見る向きが多い。

20世紀半ばまでアジアは世界GDP比で20パーセント相当に甘んじてきたが、日本や韓国の「経済奇跡」、東南アジアの新興勢力、中国の経済好況により今や40パーセントになっている。国際通貨基金は今後数年で世界の経済成長の三分の二を占めると見ている。

2030年アジアの上位五カ国を大胆に占えば、中国、インド、日本、インドネシア、韓国と見る。ただし、リスクは多数あり、地政学や経済上のショックが出現するかもしれない。疾病、革命、テロリズム、戦争がいったん発生すればその国はあるいは地域としてコースを外れることもありうる。

たとえば中国で民主勢力が蜂起し共産党政府を揺るがしたら、あるいは南シナ海で戦争が勃発したらどうなるか。韓国は北と統一を実現するのか。日本が移民制限を撤廃したら。インドではテロ攻撃の他に核戦争のリスクもある。

それにしても可能性のバランスの下に以下の五カ国が2020年代末までにアジアを牽引しているはずだ。

1. 中国
鄧小平が「最高指導者」に就任した1978年当時の中国経済は毛沢東一派の経済政策が数十年続いたための負担でつぶれそうだった。だが画期的な経済改革で共産中国が外資に門戸を開き、国営企業を民営化して中国は前例のない高度成長を数十年継続し、2010年には世界第二位の経済大国の座を日本から奪うに至った。

昨年のGDP成長率6.9パーセントは過去25年間で最低となったとはいえ、一部専門家がいうように従来が水増しだったとしてもこの数字はインド除けば世界のどの国よりも高い。年率10パーセントのGDP成長が続いた幸福な時期は終わったが世界最大の人口を有する同国の経済成長は終わることはない。

経済改革で輸出から内需へ、製造業からサービス業さらに国内需要へ切り替えたが、米農務省(USDA)の最新予測では中国経済は2030年まで年率5.2パーセントで成長する。

予測が現実になるかは成長減速を中国政府がどう乗り切るのか、また急増する債務と生産設備の過剰にどう対処するかにかかっており、投資先導の経済から消費中心の経済にゆっくりと舵を切れるかにもよる。

現時点でエコノミストの大方は中国が各課題に対応できると見ている。もしそうなら中国経済は米国との差を埋めるだろう。USDAは米経済の成長率を2030年まで2.4パーセント近くと見ている。

あとわずかのところで中国が世界最大の経済大国になれないとの予想もあるが、2030年のアジア経済では圧倒的な存在感を示していくだろう。

2. インド
この数十年間で中国が世界経済に躍り出たが、次はインドが同じ立場になる。

経済成長率ではインド経済は中国から第一位の座を2014年に奪い、USDAは2030年まで7.7パーセントで次の世界経済大国になると見ている。

IMFは現在第七位の経済規模のインドが早ければ2019年に第三位になると見ている。この後押しになるのが改革志向の強い政権と若年層が厚い人口構成による配当だ。

一次産品価格の低迷で打撃を受けるBRIC各国のブラジル、ロシア、中国に対しインドは一次産品の純輸入国であり消費国であるため現在の市況から大きな恩恵を受ける立場だ。

原油、石炭、鉄鉱石で低価格水準が続けば、インドの貿易赤字は縮小を続け、消費者の購買力は伸びるが、経済成長の最大の障害であるインフレはここ十年間で最低水準になっている。

課題は国民の不満をどう制御するかだが、世界銀行はインドがこのまま世界最速の経済成長を維持できると見ており、公共部門での投資と適度な規制緩和を背景にあげ、インドがアジアの成長株の座を守るのは確実と見ている。

3. 日本
さほど前でないがアジア経済再復興の象徴は日本だった。米専門家は争って東京へ飛び、日本の産業力の秘密を探り、政府行政官による民間部門の「指導」、勤労好きな日本のサラリーマンを経済力向上の原動力だともてはやした。

日本経済は1960年から30年間に年平均16パーセント成長をとげ、世界第二位の経済大国になったが、今となると予測はかならずしも大胆ではなかった。大規模な経済バブルで資産価格が不条理なまでの高額になり、皇居の土地価格でカリフォーニア州全部を上回るまでになったが、宴は1990年代初頭に終結を迎える。

「失われた20年」を現在まで早送りすると、経済予測がいかにばらばらだったかがわかる。安倍晋三内閣は「アベノミクス」で景気刺激を模索しているが向かい風に立っており、高齢化、労働人口減少、生産性の低下に加え公共部門の負債が増え続けている。

では2030年までにどうなるか。日本は史上最大規模の労働人口減少に見舞われることになり、OECDは政府財政の立て直し、経済構造の再構築、さらに女性や高齢者の労働増加を推奨している。

日本がここまで大きな経済や人口構造の変化に対応できるか不明だ。だがUSDAはインドがあと数年で日本を追い越すとしており、2030年の日本経済は世界第四位になっているだろう。

4. インドネシア
世界最大人口を誇るイスラム国インドネシアは今でもASEANの重鎮だが、多くの予測はこれから更に成長すると見ている。

マッキンゼーはインドネシアで2030年までに90百万人が消費社会に仲間入りすると見ており、中国やインドを除けば最大級の増加だ。JPモーガンはASEAN全体が2030年までに世界四番目の経済規模に成長する中でインドネシアの域内規模を40%とする。

たしかにインドネシアの需要や家計消費の増加は経済成長の大きな要因になるが、障害も多い。たとえば社会インフラの再構築、汚職追放、資源輸出での中国依存の是正などだ。

とはいえ、USDAはインドネシアの改革推進は可能と見ており、2030年まで年率5.1%成長を維持し、韓国を追い抜いてアジア第四位の経済規模になると見ている。

5. 韓国
韓国経済の輸出依存度はドイツに僅かに及ばないものの世界第二位だ。輸出の四分の一が減速傾向の強い中国向けで、韓国の経済鈍化は驚くべきことではない。

現代研究所によれば輸出の低迷と世界需要の低迷で国内消費が振るわず、企業の投資も低下している。製造業での雇用削減に家計部門の負債増加が加わり、韓国経済は問題に直面しているところに人口高齢化と労働力人口減少が追い打ちをかける。

ただし、OECDは韓国政府が堅実な政策をとり、国内支出増に向かい、行政改革、自由貿易協定を各国と締結し、女性の社会進出を後押し生産性の伸び悩みの打開は可能と見ている。

USDAも韓国の問題対処能力を信じ、低率ながらまずまずのGDP成長年率2.8%を2030年まで維持できると予測しており、アジア第五位の座に収まると予測。

また南北統一が実現すれば一気に数百万もの労働人口が加わるが、貧しい北を豊かな南が統一する財政負担を乗り越えることが前提だ。

世界でも有数の変化の激しい地域の行く末を予測することには絶えず読み間違いの危険がつきまとう。エコノミストのおかげで天気予報士が立派に見えるという笑い話もあるくらいだ。アジアの成長の中身と速度には議論の余地があるものの、経済拡大は誰も止めることができないようだ。

アンソニー・フェンソムはオーストラリアで活躍するフリーランス記者でアジア太平洋の金融・メディア分野の経験からコンサルタントも務めている。