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2018年2月2日金曜日

中国が艦載早期警戒機の開発を進める理由

US stealth jets should be worried about China's new unarmed eye in the sky 米ステルス機が警戒すべき中国の非武装機材はこれだ


Concept art of the KJ-600 Weibo via South China Morning Post

  • KJ-600は空母運用を想定した早期警戒機
  • 同機はステルス機探知可能な電子装備を搭載するはず
  • 同機開発は中国空母が中国領土から離れてた地点での運航を想定している証拠


国が空母運用型の早期警戒機を開発中で搭載レーダーはステルス機探知能力があると軍事観測筋が指摘している。
国営メディアが初の空母搭載早期警戒機KJ-600の開発を今週認めた。この発表は米国がF-35を日本国内ほかアジア太平洋に昨年から展開して中国の防空体制に挑戦している中で行われた。
中国の軍事観測筋によればKJ-600には高性能アクティブ電子スキャンアレイAESAが搭載されF-22やF-35の探知は可能だという。
北京在住の専門家Li Jieは新型機は空中指揮統制機能も提供すると述べる。「AESAでステルス機が遠距離で探知可能となる」
また米国との兵器ギャップが埋まり中国の空母戦闘群の戦闘力が高まる期待が生まれる。(Li)
KJ-600は中国が上海で建造中の空母三号艦から運用されそうだとLiが述べる。同艦は高性能の電磁発艦システム(EMALS)を搭載し、スキージャンプ式ランプの中国空母初期二隻より高速発艦が可能となる。
米国内のウェブサイトEastern Arsenalが昨年にKJ-600について触れており、西安航空機が製造し機体重量25から30トン、双発ターボプロップ機で機体上に大型AESAレーダーを搭載するとしていた。
軍事観測筋によればKJ-600の写真はE-2ホークアイに酷似している。
これも北京の軍事専門家Zhou ChenmingによればKJ-600搭載のレーダーはE-2並みの性能だという。「KJ-600の最大の利点はレーダー、通信ともに高性能化されており、より広い周波数帯で探知し、ステルス機も一定の角度からなら探知可能だ」
現時点の中国空母戦闘群は艦載監視レーダーしかなく有効半径も地球の湾曲で制限される。
シンガポール南洋大学のS・ラジャラトナム国際研究所研究員コリン・コーCollin KohはKJ-600開発は中国が遠方で空母群運用を狙う意図があると述べる。「中国空母群が本国近辺での運航を想定するなら、陸上配備の早期警戒機の支援をあてにできるはずです」
「でも艦載早期警戒機開発をめざすということは人民解放軍海軍の空母戦闘群の運用想定が遠隔地であることを意味します。現在より効果的な早期警戒機能が必要ということですね」
中国の専門家両名はKJ-600が中国空母一号艦二号艦の供用可能性で意見が分かれる。
Liは偵察ヘリコプターがあれば十分としZhouはKC-600に使い切りロケット推進装置を使えばスキージャンプ方式でも発艦可能と見る。■
Read the original article on South China Morning Post. Copyright 2018. Follow South China Morning Post on Twitter.
上に載せたのは想像図ですが、ここまでE-2に似せる必要があるのでしょうか。自動車では平気で外国車のコピーをする国ですが、ここまでとは....ソ連時代のロシアも西側機そっくりの機体を平気で作っていましたねえ

2016年2月20日土曜日

★ビジネスジェットの軍用転用にトレンドあり どこまでの機能をどれだけ安価に実現できるのか



技術の進歩でもう大型機は不要、ビジネスジェットを改装すればお手軽に新型機能が手に入るということですね。もはや737でさえ大型機の範疇に入るのでしょうか。防衛省がこのトレンドに乗るのか見ものですが、C-2やP-1などただでさえ生産数が小規模の国産開発機を抱え込んでいるので母機としての活用を求められそうですね。MRJという可能性もあり、考えてみると日本ではビジネスジェットの活用にはおいそれとは進まない感じですね。
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Bizjets Finding Front-Line Role

Air forces are turning to business jets to meet special mission needs
Feb 11, 2016Tony Osborne and Bill Sweetman | Aviation Week & Space Technology
特殊用途機special mission aircraft (SMA)でトレンドが二つある。SMAとは民間機あるいは軍用輸送機を改装して情報収集・監視・偵察(ISR)任務に転用した機種を指す。
  1. これまでボーイング737はじめとする民間ジェット旅客機原型の機体が行ってきたミッションが支線用旅客機やビジネスジェット機で十分実施できるようになっている。反対にSMAとしてもっと小型のテキストロン・ビーチクラフトのキングエアなどで実施してきたものが大型の多機能センサー搭載機に移行しつつある。速度、航続時間、なんといっても高高度性能が魅力だ。
  2. 予算に余裕がない小国の空軍部隊はビジネスジェットを多用途任務に投入することの経済効果を簡単に理解できるが、大国もこの事実に気付き始めている。
  3. 1980年代にデンマークはガルフストリームIIIを改装し海上哨戒に投入していた。その後ボンバルディアのチャレンジャーCL604で環境汚染監視や領土哨戒任務をさせた。
  4. チャレンジャーの成功を見たボーイングはP-8ポセイドンのミッションシステムをチャレンジャーCL605に搭載した海洋監視機の製作を決断した。
  5. 米空軍は老朽化し運航に多額の経費が必要になってきたボーイング707を原型とするE-8Cジョイントスターズ (J-Stars) の後継機種にビジネスジェットによる二案を検討中だ。ノースロップ・グラマンのガルフストリームG550とロッキード・マーティンはボンバルディアのグローバル6000の各案だが、ここにボーイングが737転用案を持ち込んできた。また空軍はEC-130コンパスコールジャミング機の次期機種をビジネスジェット転用で実現できないか検討中といわれる。
  6. 今年に入りオーストラリアが情報収集・監視・偵察・電子戦 (Isrew)装備を乗せたガルフストリームG550二機を発注し、これまでP-3オライオン哨戒機が実施してきた任務に当たらせるとの報道が出た。新型機はL-3が改装を加え、米空軍のビッグサファリ管理室が契約を交付している。
IAIはボンバルディアグローバル5000を海洋哨戒機に大幅に改装する案を提示している。Credit: Israel Aerospace Industries
  1. またトルコはビジネスジェットをジャミング機に改装する案を検討中だ。これはゴルチェ(シャドー)の呼称がついている。高高度を飛行させれば地上の防空力を400キロ離れてもジャミングできるとトルコの業界筋は述べている。
  2. イスラエル航空宇宙工業(IAI)は小型ビジネスジェット案は経済効果の面で訴求力があると述べる。
  3. NATOの合同AWACS部隊は3,000名で17機のE-3を運用しているとIAI-Eltaの空中システムズ部のアヴィシャイ・イザキアンは指摘する。これに対しイスラエルはG550を改装した一体型空中早期警戒機 Conformal Airborne Early Warning (CAEW)を2機運用するが、支援要員は全部で36名程度だという。
  4. CAEWはシンガポールにも納入されており、イタリア向けも受領するが、もともとは2000年台当初にG550原型のISR機材三案の一つとして構想されたもの。イスラエルは二番目の案の侵攻情報収集機材も運航しており、三番目の多機能空中偵察監視 (MARS2)用の地上監視用機材の開発も国名非開示からの注文にこたえ進行中だ。MARS2では新型アクティブ電子式スキャンアレイレーダーに回転的アンテナと360度連続スキャンを搭載する。これに対しJ-スターズやセンティネルでは固定アジマス方式アレイでスキャン範囲は240度にとどまっている。
  5. IAI-Eltaはボンバルディア・グローバル5000を改造した海上哨戒機(MPA)で「多くの顧客と商談を」進行中だとイザキアンは述べている。「ボーイングP-8Aを除けば最も高性能な市販機材になる」.
  6. イザキアンは「機体構造の強化が重要だ」と指摘する。例としてエアバスディフェンスアンドスペースのC295のAEW用機材はC295を導入済みの国を狙う。
  7. スペイン空軍がこの例だ。C295を次期多用途機材ととらえ、海上哨戒ミッションでP-3の後継機、またElta製レーダーを搭載した機種をAEW任務に投入できると期待している。
トルコはガルフストリームまたはグローバルエキスプレスの機体に長距離ジャミング機材を問う愛するゴルチェ事業を企画中。 Credit: Tony Osborne/AW&ST
  1. ボンバルディアのグローバルエキスプレスにSMA機材として需要が高まっている。その理由の一つとしてレイセオンの空中スタンドオフレーダー (Astor) の搭載がある。Astor開発用のテスト機はその後ノースロップ・グラマンが戦場空中通信中継機のテスト機に転用されている。さらに民間登録のグローバルエキスプレスの4機が同システムを搭載し、空軍にE-11A として転籍された。
  2. このグローバルエキスプレスにはDARPA国防高等プロジェクト庁が開発したlidarセンサーを搭載している。
  3. IAI-Eltaはインドにグローバル5000を原型とするISR機を2機納入している。合成開口レーダー(ASR)と長距離電子光学センサーを搭載している。これより小型のガルフストリームG150にSAR装備を搭載した機材一機がインドで運行されている。この例が新しくG280をもとにした多機能情報収集機の提案につながっている。
  4. Saabはアラブ首長国連邦軍向けグローバルエキスプレスとを原型にしたSMA開発に取り組んでいる。UAEはグローバル6000を空中早期警戒任務に加え地上監視任務、また海上哨戒任務をすべて実施できる機材として期待。
  5. UAEの狙いは指揮命令機能の強化に加え弾道ミサイルへの対抗措置の強化だ。機体は大幅に改造され、Erieyeを背部アレイに格納し、主翼前方のフェアリングに情報非公開の地表水面捜索レーダーを搭載し、機首下には電子光学カメラシステムが付き、長距離画像識別を可能とする。
  6. UAE軍はさらにグローバル6000を少なくとも二機調達しており、イギリスのケンブリッジで改装作業に当たらせている。二機はマン島で機体登録しており、2013年に改装に入ったままなのは大幅な遅延の発生を示す。消息筋によれば二機は信号情報収集 (Sigint) 用のペイロードを搭載するという。
  7. イタリアはP.180アヴァンティ高速ターボプロップを自国軍およびUAEに軍用に売却しているが、同機を原型とした多用途パトロール機の製造に乗り出す。主翼幅を広げるなど機体改良で長時間ISRミッションを可能にする。
  8. 一方、米国で重要な案件が11月に開始された。LeidosがL-3/ノースロップ・グラマンを破り米陸軍向け5か年総額662百万ドルの空中低高度高性能偵察機(ARL-E) 契約を受注成功している。LeidosはARL-E装備を開発、統合、試験し、その後ボンバルディアのダッシュ8-300に搭載し、初期ロジスティックス支援を提供する。Leidosの開発チームにはボーイングのArgon-ST部門が加わりSigint機能を提供する。またDynamic Aviationが機体の改修に当たる。
  9. ARL-Eは現行のEO-5C型式ARL-多機能装備に代わるもので、以前に陸軍がSMAで積んだ経験を活用する。中東その他で民生用の機体を使ったところ機体が軍の基準に合わないことが判明した。
  10. ARL-E主契約企業の選定前に米陸軍は機体を取得し、コックピット改修および機体生存用の装備取り付けの契約を交付している。これとは別に陸軍のセンサー・情報収集機器部門はノースロップ・グラマンを選定し、これまでで最大規模のセンサー、地上探知レーダーの開発およびLeidos社向け契約の管理業務の契約を交付した。
  11. 一方でFunny-Looking King Air (FLKA) と呼ばれる派生型がアフガニスタン戦以降多用されている。アフガニスタンでは迅速なISR機材の投入が必要となり、双発ターボプロップ機が好まれた。そこでキングエアを偵察用にした同型がマルタ、ナイジェリアでも採用され、英国はレイセオン・シャドウを追加発注するとみられる。■