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2026年9月25日金曜日

注目の装備品:台湾の新型105mm 8×8機動砲システム

 

注目の装備品:台湾の新型105mm 8×8機動砲システム

This Is Taiwan’s New 105mm 8×8 Mobile Gun System


大口径砲を搭載した車輪式装甲車は台湾の過酷な地形に合わせた設計で、2027年に量産開始が予定されている

Taiwan has provided the first public look at its new 105mm 8x8 mobile gun system in action, with the domestically developed vehicle engaging moving and stationary targets during a live-fire demonstration in southern Taiwan.

国防部

台湾が新型105mm 8×8機動砲システムの実動する様子を初公開した。台湾南部で行われた実弾射撃演習においてで、この国産車両が移動目標および静止目標への射撃を行った。この車両は、台湾周辺における中国人民解放軍(PLA)の能力向上およびますます頻繁になる軍事活動に対応するため、台湾が陸上部隊の近代化を継続する中で開発が進められている。

Defense ministry showcases 105mm mobile gun system thumbnail

国防省が105mm機動砲システムを公開

本日、台南市の訓練場で中華民国陸軍(ROCA)が実施した実弾射撃デモにおいて、この車両は報道によると、約0.75マイル先の移動目標と約0.6マイル先の静止目標を攻撃した。また傾斜地を走行しながら、車両の横90度方向に配置された目標に対しても発砲し、起伏のある地形上で目標を攻撃できる能力を実証した。

その後、同車両は、模擬水陸両用強襲車を含む複数の標的への攻撃を実証するためのシナリオの一環として、主砲と同時に7.62mm同軸機関銃を発射した。

また、実演中には武器の故障も記録された。報道によると、105mm砲弾のうち1発が当初発射に失敗したという。乗員は安全手順に従い約2分間待機した後、再装填を行い、その後は正常に発射した。台湾の兵器局傘下の「第202兵器工場(Arsenal 202)」所長である陳建中少将は、この不発について調査を行うと述べた。

この出来事にもかかわらず、今回の実演は、台湾が自国の地理的条件や戦場要件、さらには中国人民解放軍による水陸両用侵攻の可能性も踏まえ特別に開発を進めている車両について、重要な知見を提供するものであった。

クラウド・レパード 8×8 歩兵戦闘車の新たな直接火力支援型は、2023年の「台北航空宇宙・防衛技術展」で初公開された。同車両は2023年10月に中華民国陸軍による初期戦闘準備試験に合格し、2024年4月に量産が承認された。

台湾製105mm 8×8 機動砲システムの試作機。国防部

それ以来、量産仕様に大幅な変更が加えられた。

全高は約12インチ低くされ、車両全体の全高は9フィート10インチ未満となった。また、旋回半径も36フィートから26フィートに縮小された。この旋回半径の縮小は、従来仕様では2組だった車輪の操舵を、3組に増やすことで実現された。

こうした変更は、台湾にとって重要な意味を持つ。台湾島の広範囲にわたって、移動を制限する地形、密集した市街地、狭い道路、排水路、その他の障害物が存在し、重装甲車両の移動を制約する可能性があるからだ。

Taiwan's 105mm wheeled armoured vehicle takes part in a live-fire demonstration in Tainan on September 23, 2026. The domestically developed vehicle, equipped with a 105mm main gun, is currently undergoing operational testing and evaluation. (Photo by CHENG Yu-chen / AFP via Getty Images)

2026年9月23日、台南で行われた実弾射撃演習に参加する台湾の105mm8×8機動砲システム。写真:CHENG Yu-chen / AFP

台湾当局者は、このシステムが排水路や市街地、さらに山岳地帯である東海岸の花蓮や台東の過酷な地形にも適している点を特に強調した。

この車両の主砲は105mm砲で、新システム専用に開発された弾薬に加え、戦車砲用に既に開発されている汎用弾薬も発射可能である。台湾陸軍は実演の際、徹甲弾、対人弾、および訓練用弾薬を披露した。また、この砲は、台湾が保有する旧式ではあるが依然として現役のM60A3およびCM11戦車との弾薬の共通性でも有用である。

この互換性により、同車両は既存の弾薬エコシステムを活用できる可能性があり、同時に台湾は独自要件に合わせた特殊弾薬の開発も可能となる。

中国人民解放軍(PLA)の攻撃に対して、この105mmシステムは、水陸両用車両、装甲兵員輸送車、要塞、その他の地上目標に対して機動的な直接火力提供を行い、台湾の重戦車やその他対戦車兵器を補完する。また、車輪駆動の構成により、台湾の道路網に沿って迅速に再配置が可能であり、指揮官には水陸両用上陸作戦に対応し、脅威にさらされた区域を援護できる機動的な直接火力源が提供される。

このシステムは、イタリアのセンタウロシリーズや日本の16式機動戦闘車など、他の現代的な8×8機動砲システムと同じ大分類に属する。

Italian soldiers of the 6th Cavalry Regiment, Aosta Mechanized Brigade observe their sector of fire with a Centauro B1 Tank Destroyer while conducting a simulated assault during Saber Junction 17 at the Hohenfels Training Area, Germany, May 11, 2017. Saber Junction 17 is the U.S. Army Europe’s 2d Cavalry Regiment’s combat training center certification exercise, taking place at the Joint Multinational Readiness Center in Hohenfels, Germany, Apr. 25-May 19, 2017. The exercise is designed to assess the readiness of the regiment to conduct unified land operations, with a particular emphasis on rehearsing the transition from garrison to combat operations, and exercising operational and tactical decision-making skills. Saber Junction 17 includes nearly 4,500 participants from 13 NATO and European partner nations. (U.S. Army photo by Pfc. Zachery Perkins)

2017年5月、ドイツのホーエンフェルス演習場で行われた「セイバー・ジャンクション17」演習中の模擬攻撃において、アオスタ機械化旅団第6騎兵連隊のイタリア兵たちが、戦車駆逐車「センタウロB1」を用いて自軍の射撃区域を監視している。米陸軍、一等兵ザッカリー・パーキンス撮影

一方、同じく105mm砲を搭載した米陸軍のストライカーを基にした機動砲システムはさほど成功しなかった。旧式砲と自動装填装置に問題があったため、同軍は2021年にこれを廃止した。その後、米陸軍は M10ブッカー戦闘車両を導入した。105mm主砲を装備するブッカーは、装甲保護能力とオフロード機動性が格段に高い履帯式車両だったが、これもコストと重量の増加を背景に 2025年に計画が中止された。

ストライカー・モバイル・ガン・システムが105mm砲弾を発射する様子。米陸軍

車輪走行式の105mm砲システムは、道路上で機動性に優れ、兵站上の負担を軽減できる可能性もある一方で、相当な直接射撃能力を提供できる。だが、履帯式主力戦車に特有の、防護力、全地形対応能力、重火力の組み合わせを備えていない。

台湾にとって、この種の車両は、比較的コンパクトな装甲プラットフォームを提供し、陣地間を迅速に移動できるほか、大型車両が機動性の制約を受ける可能性のある地域にも強力な直接射撃能力をもたらすことができる。

戦闘が 台湾の都市部に及んだ場合を想定し、中華民国陸軍(ROCA)は定期的に 市街戦における課題への対応訓練を行っている。同軍はまた、装甲車両を隠蔽・保護するための 異例の措置も実証しており、中国人民解放軍(PLA)の照準を狂わせるため、戦車やその他の車両をスクラップの山や民間の建設機械に見せかけるなどの手法を用いている。

毎年恒例の「漢光」演習中、台北の地下鉄車両からスティンガーミサイルを携行した台湾軍要員が降りてくる様子。軍事ニュースエージェンシー/台湾国防部提供(Focus Taiwan経由)

この車両の開発には、 戦場用ドローンの脅威も影響を与えている。台湾軍当局者によると、このシステムは量産に入る前に、さらなる対ドローン能力が追加される見込みだという。計画されている改良の一つは、車両周囲に設置する 対ドローンケージである。

さらに野心的な変更として、より大口径の自動火器の搭載が挙げられる。報道によると、この車両には最終的に別の機関銃またはより大口径の自動砲が搭載される可能性があり、30mmM230チェーンガンが有力な選択肢の一つとして挙げられている。提案されている火器は、小型ドローンに対し多数の破片を散布するキャニスター式弾薬を使用できる可能性がある。

したがって、この機動砲システムに専用の対ドローン装備を追加することで、同車両は従来の地上目標への直接攻撃を超えた新たな役割を担うことになるだろう。

A Taiwan military 105mm wheeled armoured vehicle drives during a demonstration in Tainan on September 23, 2026. The domestically developed vehicle, equipped with a 105mm main gun, is currently undergoing operational testing and evaluation. (Photo by CHENG Yu-chen / AFP via Getty Images)

2026年9月23日、台南で行われたデモにおける台湾の新型105mm機動砲システム。写真:CHENG Yu-chen / AFP

対ドローン対策が重視されていることは、台湾の装甲部隊が活動せざるを得ない環境が激化していることを反映している。中国との紛争において、装甲部隊は、多種多様な無人システムによる絶え間ない監視や攻撃の脅威の下で活動しなければならず、そのため、生存性を確保するため、隠蔽性、機動性、分散配置、そして自前の対ドローン能力が極めて重要となる。全面的な侵攻シナリオにおいて、装甲車両がどれほど長く持ちこたえられるかという疑問は、極めて重要な問題である。ウクライナで目撃されたように、ドローンの脅威だけで、最も高性能な装甲車両でさえ戦線から外されてしまった。同時に、台湾は独自のドローンを多用する戦場戦略の確立に向けて取り組んでおり、これはより広範な計画の一環として、台湾島を侵攻部隊にとっての「地獄のような戦場」に変えることを目指している。

全体として、9月23日の実演は、台湾の国産装甲車両計画の背景にある考え方を垣間見せてくれた。

中華民国陸軍(ROCA)の装甲車両の近代化の一環で、同軍は108両の M1A2T エイブラムス戦車も受領している。これは、M1A2 SEPv3(システム強化パッケージ第3版)にほぼ相当するもので、詳細についてはこちらを参照されたい。

新型105mm機動砲システム車両の量産が2027年に開始される予定であり、178両の製造により、同島の国産装甲車両群の重要な構成要素となる方向に進んでいる。■

トーマス・ニューディック

スタッフライター

トーマス・ニューディックはTWZのスタッフライターであり、軍事航空、防衛技術、兵器システム、国際安全保障を担当している。ドイツのベルリンを拠点に、世界中の紛争、軍の近代化の取り組み、新興の航空宇宙技術について報道しており、特に空軍力と現代戦争におけるその役割に関心を持っている。彼の報道は、現代および歴史的な空軍力、特にヨーロッパにおける深い専門知識に基づいており、欧州全域およびそれ以上の地域における軍用航空、空軍作戦、航空宇宙開発に焦点を当てている。


読者コメント

  • 余談ですが、写真のイタリア製「センタウロB1」は、史上最もセクシーな装甲車両の一つですね。あのライン!

  • 誰か「今すぐ購入」ボタンを教えてくれませんか? どうしても見つかりません。

    • ウルフ社がいずれ米国市場向けに輸入するんじゃないかな /s

  • いっそM10ブッカーを全部送ってやればいい。あっちの方が有効活用してくれるだろう。

  • 例えば、空挺部隊や航空強襲による上陸への迅速な対応という点で、台湾にとっては有用な能力のように思えます。ただ、この178両の新造装甲戦闘車両が、他の、さらに緊急に必要とされる能力、特に対空ミサイルや対艦ミサイルを犠牲にして導入されることにならないことを願うばかりです。

  • 海岸に接近してくるものを吹き飛ばすための、また別の兵器ですね。作り続けてください。

  • カッコいい。

  • 中国のとてつもない軍事力増強が、台湾のためだけだなんて信じられません。

  • それ以外にも何かあるはずだ……何か大きなものが。

  • これらは、あるいはM1A2Tは、近代化のために既存の装備を置き換えるものなのか、それとも単なる追加なのか?

  • 面白いIFVファミリーだね。家系図をさかのぼれば、アイルランドの血が流れているんだ。

  • つまり……台湾には400~460両のM60戦車がある……それらはM1や他のシステムに置き換えられるかもしれない……

  • それらのM60は、何に使われるのだろうか?

  • いいぞ。もっと製造して、すぐにコープ・ケージを追加すべきだ。

2026年7月12日日曜日

ホームズ教授の視点:B-2へ対艦ミサイルLRSM16発搭載可能となり台湾海峡での中共の想定は大きく変わる

 B-2

B-2。画像:クリエイティブ・コモンズ。

対艦ミサイル最大16発搭載可能になったB-2で台湾海峡の勢力図は一変する

The B-2 Spirit Stealth Bomber Can Now Carry 16 Anti-Ship Missiles. That Changes the Math in the Taiwan Strait


米空軍は、B-2スピリットに長距離対艦ミサイルを搭載する改修を行い最大16発まで搭載可能になったといわれる。これは重大な意味を持つ。中国が台湾に軍事行動を起こすには、台湾海峡を制圧しなければならない。中国の防衛網をすり抜け、海上交通を脅かせるステルス爆撃機がその支配を阻む手段となるからだ。

アクセス拒否。この夏、人々の心を温めたニュースの一つに、由緒あるB-2スピリット・ステルス爆撃機に関するものがある。Sandboxx Newsでは、アレックス・ホリングスが、米空軍がB-2に長距離対艦ミサイル(LRASM)の発射能力を装備したというこのニュースをくわしく報じている。LRASMは、台湾海峡のような戦域で敵船舶を攻撃するために特別に開発された最新鋭兵器だ。この発表は驚きだった。空軍はこの取り組みを密かに進めていたのだ。そして、それは歓迎すべき驚きである。中国が台湾に侵攻したり、島民を飢えさせるため効果的な封鎖を敷いたりするには、台湾海峡の制海権を掌握しなければならない。制海権を奪われれば、台湾に対する中国の戦略は失敗に終わる。島は持ちこたえることになる。

米空軍がこの課題に取り組んだ。B-2は最大16発のLRASMを搭載できる。これは、海上アクセス拒否任務にとって、非常に強力な火力になる。したがって、このミサイルと爆撃機の組み合わせは極めて重要だ。さらに言えば、両者の連携は戦術の域を超えている。それは作戦上、戦略上、さらには政治上においても重要な意味を持つ。

考えてみてほしい。時間、射程、そして組織文化こそが、台湾海峡および中国海域における米国の海上戦略にとっての主要な課題である。第一に、時間だ。中国人民解放軍(PLA)は、「アクセス拒否・領域拒否(A2/AD)」兵器体系を、米国を拠点とする統合部隊――米太平洋艦隊およびそれに所属する空軍・陸軍の遠征部隊――を、PLAの指揮官が台湾海峡、南シナ海、あるいは戦場となるいかなる場所においても北京の目標を達成するのに十分な時間、足止めさせるように設計している。彼らには時間稼ぎが必要なのだ。

成功すれば、アクセス拒否・領域拒否は、時間を中国の味方につけることになるだろう。

アクセス拒否の考え方は、米国西海岸やハワイから来る部隊が、西太平洋(主に日本)に駐留中の部隊と合流するのを遅らせることにある。米軍の統合部隊であれば、中国の戦略を阻止する可能性はある。しかし、ミサイル、航空、水上、水中からの攻撃によって個々の部隊を弱体化させつつ、米軍部隊を分散させたままにできれば、優位は人民解放軍の防衛側に転じるだろう。人民解放軍の戦略家たちは、この地域へのアクセスを完全遮断できるとの幻想を抱いていない。しかし、彼らは「アクセス拒否」によって米軍の行動の自由を制限し、増援の到着を十分に遅らせ、米軍が戦闘の時点と場所で優勢な戦力を結集することを阻止できると確信している。

したがって、ここでも時間が極めて重要な戦略的要素となる。中国人民解放軍は、事態を加速させるため一旦その流れを遅らせる必要がある。中国人民解放軍は、現地の敵対勢力に対し勝利を迅速に収めるため、米軍の動きを十分に遅らせる必要があるのだ。したがって中国にとって、アクセス拒否/領域拒否(A2/AD)とは、西太平洋における米国の介入を遅らせ――あるいは理想的には阻止する――ための戦略である。「遅くして、速くする」。

そうである以上、米軍は時間を引き延ばさなければならない――これができなければ敗北する。米軍も時間を味方につける必要がある。人民解放軍と異なり、米軍は事態の進行を遅らせる必要がある。これが肝心だ。動きの遅い在米部隊が、戦況に決定的な影響を与えるべく間に合うよう、中国の動きを遅らせなければならない。

重要な点はここにある。我々は「アクセス拒否」を中国特有のものと考えがちだが、その論理は双方向で成り立つ。中国がアクセスを拒否しようとするのと同様に、他国も中国へアクセスを拒否できる。だからこそ、空軍の貢献は喜ばしいのだ。LRASMを搭載したステルスB-2爆撃機は、中国人民解放軍のアクセス拒否圏内に侵入し、中国の船舶を攻撃できる。例えば、台湾海峡で不測の事態が発生し、空軍の爆撃機が中国の侵攻艦隊の相当部分を無力化または撃沈できれば、中国に不可欠な台湾へのアクセスを、少なくとも一時的に阻止したことになる。空襲で時間を稼ぐことができるのだ。

アクセス拒否に成功すれば、重装備部隊は戦場に集結する余裕を得られ、中国人民解放軍を個別撃破する合理的な可能性が生まれる。

第二に、これと密接に関連するのが兵器の射程である。米空軍は、各軍司令官が「対海作戦」と呼ぶ作戦の遂行方法を説明する教義を策定しており、空軍の航空機は近年、こうした任務を熱心に訓練してきた。(ちなみに、海軍の役割も積極的に受け入れている米陸軍にも称賛を送りたい。)ミサイルを搭載した空軍がより遠くまで攻撃できれば、中国軍の戦場への進入を阻止できる可能性が高まり、強力な中国人民解放軍の防衛網との交戦で生き残る可能性も高まる。射程が伸びれば威力が向上し、リスクも軽減される。

これが具体的にどのように展開するかは依然として不明である。LRASMの公表射程は200海里以上とされているが、国防総省は——当然の理由から——実際の技術仕様の開示については曖昧な態度をとっている。LRASMは、米空軍の「長射程合同空対地攻撃ミサイル(JASSM-ER)」から派生したもので、JASSM-ERは最大575海里と推定される射程を誇る。LRASMは、JASSM-ERとは異なり、公表されている200海里の攻撃射程のほぼ3倍に達することはないだろう。何しろ、移動目標に対して機動を強いられることになるからだ。機動には燃料を消費する。

とはいえ、このミサイルは公表されている技術的パラメータを十分に上回る可能性があり、それによって米爆撃機が中国人民解放軍の「アクセス拒否」の壁を突破し、中国の意図を挫く可能性が高まる。

射程は重要だ。

そして第三に、文化だ。「拒否防衛」――2026年米国国防戦略で定められたこの戦略は、戦力的に劣る側の戦略である。これは単純な現実だ。西太平洋での紛争初日において、米国および同盟軍がさらに強力な戦闘勢力となる可能性はほぼ皆無である。東アジアに駐留する米軍のわずかな兵力が、中国人民解放軍の地盤で、人民解放軍全体の総力を相手に戦わなければならない。したがって、同地域に優勢な戦力が集結するまで、防御に徹することが不可欠となる。

したがって、「拒否戦略」は、迅速な勝利を求める米軍の志向に反する。何十年もの間、米軍は強力な戦闘勢力であることに慣れ親しんできた。実際、こうした志向は米軍の軍事ドクトリンに深く刻み込まれており、ひいては米国の海軍、空軍、陸軍の将兵が軍人という職業をいかに捉えるかにも影響を与えている。前述の通り、「拒否戦略」とは、弱者が強者に形勢を逆転させ、勝利を収めるまでの時間を稼ぐことを意味する。しかし、劣勢な立場から戦いを始めるというのは、1942年――大日本帝国海軍が猛威を振るっていた時代――に遡る米国の伝統と相容れない戦法である。その年の6月にミッドウェー海戦で圧勝していから、米軍は常に優位な立場から作戦を展開してきた。(朝鮮半島での短期間ながらも恐ろしい一幕は別だが。)

要するに、米軍は、争われている地理的空間から敵対勢力を一掃し、敵に自らの意志を押し付けることに慣れているのだ。「海の支配」という断固として攻撃的な世界観は、兵力の上回る敵に支配権を認めないという防御的な世界観とは根本的に異なる。この区別は重要だ。軍隊のような官僚組織は、周囲の世界が変化しても、その運用様式を変えることに極めて抵抗を示すことで悪名高い。それらは一種の機械であり、機械は稼働中に容易に自らを再設計することはない――たとえ運用環境が変化したとしても。米軍の「機械」が、攻撃的な思考様式から防御的な思考様式へと円滑に移行できるかどうかは、決して当然のことではない。しかし、そうしなければならない。

JASSM Missile

JASSMミサイル。画像提供:19FortyFive

要するに、LRASMとB-2を組み合わせることは極めて理にかなっている。戦術的、作戦的、戦略的な可能性を示している。これは、米空軍が戦術的攻撃を通じて戦略的防衛を行う方法を体現しており、これほど魅力的な組み合わせがあるだろうか?しかし、米国の成功を阻むハードルは依然として残ったままだ。■

著者について:ジェームズ・ホームズ博士(米国海軍戦争大学)

ジェームズ・ホームズは、海軍戦争大学のJ. C. ワイリー海洋戦略講座教授であり、ジョージア大学公共・国際問題学部のファカルティ・フェローを務めている。本記事で述べられている見解は、あくまで著者個人のものである。

2026年6月4日木曜日

台湾の複雑な国内事情―米国はじめ西側は台湾を中国ではなく台湾として正しく理解すべきである―可決した国防予算案は妥協の産物だ

 Between Beijing and the Budget: The Domestic Realities of Taiwan’s Defense Spending Drama

画像:KOKUYO via Wikimedia Commons

北京と予算駆け引きの間に揺れる台湾の防衛予算には国内事情があった

Between Beijing and the Budget: The Domestic Realities of Taiwan’s Defense Spending Drama

https://warontherocks.com/between-beijing-and-the-budget-the-domestic-realities-of-taiwans-defense-spending-drama/

5月8日、台湾の立法院は、250億ドルの国防予算案を可決し、6ヶ月間に及ぶ厳しい膠着状態を打破した。この動きは観測筋を驚かせた。この採決により、米台関係を危機的状況に追い込んでいた立法上の行き詰まりが、突然終結したからだ。数ヶ月にわたり、台湾の防衛政策の行方に対しワシントンで長くくすぶっていた不満は、保留中の防衛関連法案を承認するよう台湾に求める、米国上院議員による前例のない超党派の公開書簡をきっかけに、爆発寸前にまで高まっていた。台湾最大の野党国民党の新任党首鄭麗雲Cheng Li-wunが、習近平総書記と会談するため、物議を醸す「平和」使節団として北京を訪れたことで、事態はさらに緊迫した様相を呈した。メディア報道は、鄭による対話への呼びかけと、ワシントンへの批判を併せて大きく取り上げた。こうした報道は、野党が頼清徳 Lai Ching-te 総統の400億ドル規模の特別防衛予算の可決を拒否し、北京への目立った接近を図っていることは、自らの存続への投資を拒む妥協的な同盟国であることを示唆しているという、ワシントンで高まりつつある物語に拍車をかけていた。

しかし、この見方は台湾の国内実情を過度なまで単純化しており、問題そのものと適切な政策対応の両方で誤った診断を下すリスクがある。同国の防衛の軌跡は、国家の「戦う意志」の問題というよりは、複雑な国内政治的な駆け引きの結果なのだ。米国メディアは予算の可決を、ワシントンの圧力キャンペーンの正当化として描くかもしれないが、立法の細則を詳しく見れば、明確な勝利というよりは、ぎこちない妥協であることがわかる。当初の要求額から150億ドル削減されたことや、米国製装備への厳格な用途指定——真の「ヤマアラシ」戦略 “porcupine” strategy に不可欠な国内のイノベーションを軽視する形となったこと——は、台湾の国内政治に残る障壁を浮き彫りにしている。

これからのワシントンは台湾を自国の対中政策という狭い視点で見ることを超越し、活気に満ち、しばしば分裂する民主主義に内在する国内の圧力について理解を深めるべきである。台湾を独自の内部論理を持つ自律的な主体として認識してこそ、米国の政策立案者は度重なる挫折を乗り越え、相互の安全保障を脅かし続ける立法上のボトルネックの解決に貢献できるのだ。

分断された政府と10%の要求:特別予算をめぐる構造的な行き詰まり

台湾の国防予算をめぐる膠着状態は、台北の視点から見れば戦略的に達成不可能な一連の米国側の要求から始まった。2025年3月の上院承認公聴会で、国防次官(政策担当)候補のエルブリッジ・コルビーは、強硬な負担分担の姿勢を明確に示し、北京による軍事力の増強が激化していることを踏まえ、台湾はGDPの10%を防衛費に充てるべきだと示唆した。台湾の政策立案者にとって、この要求の規模は財政上の無責任と紙一重であった。2025年の税収対GDP比が14.7%である状況下で国防費に10%を充てることは事実上不可能である。現在の2.45%からこの水準へ引き上げるには、主要な国内の社会福祉や医療プログラムの予算を削減するような、戦時動員に匹敵する措置が必要となる。歴史的な文脈で言えば、米国でこの水準に達したのは、朝鮮戦争やベトナム戦争の最盛期に限られていた。

経済的現実を踏まえつつ決意を示すため、2025年11月、ライ総統は2030年までに国防費をGDPの5%とする妥協案を公約した。この構想を実現するため、画期的な400億ドル規模の8年間にわたる「特別防衛予算」を提案した。これは、通常の立法上の上限や長期にわたる手続きを回避し、米国からの調達を加速させることを目的としたものである。ワシントンはライ提案に好意的に反応し、国務省は歓迎のコメントを発表し、超党派の議員連合もこの公約を称賛した。

ワシントンの視点から見れば、台北に増税を行う財政的余裕と、この投資に対する明確な戦略的必要性があれば、この予算案は台湾国民に対して容易に受け入れられるはずだ。しかし現実には道のりは険しい。数十年にわたる防衛軽視のため近代化は停滞し、制度的な惰性が根深く定着したままだ。現与党の民進党はこの傾向を逆転させ、2019年以降61%の支出増を実現してきたが、この軌道は持続不可能である可能性が高い。長年の停滞を打破するため必要な政治的決意は、支出増にますます警戒感を強める国民や立法府と衝突している。この抵抗は、2021年に蔡英文政権が86億ドルの特別予算を可決した際にも表面化していた。この取り組みは、このような急速な増額の持続可能性をめぐる国内での激しい議論の始まりとなった。

台湾の税収対GDP比は低い水準にあるものの、この比率が2025年に26年ぶりの高水準に達したことで、財政的疲弊感が生じている。長年の着実な成長に大幅な増額を加えること自体が困難な政治的課題である上、過去の特別予算の4倍規模となるライ提案ならなおさらである。政治的現実が、この野心を複雑にしている。2024年の選挙後、台湾は与党が立法府の過半数を占めない「分断政府」の時代に入った。立法院は現在、国民党と台湾人民党の連立政権に支配されており、台湾人民党の8議席が決定的な「キングメーカー」の役割を果たしている。この構造変化が、大きな障壁を築いた。野党が特別国防予算案を8回も審議を遅らせた末、法案は2026年3月6日にようやく委員会段階に進み、2ヶ月間にわたる厳しい精査を経て、重大な意味を持つトランプ・習近平首脳会談の直前に急遽可決された。

敵対的な立法府を前に、頼政権は、特に財政上のトレードオフに関して、首尾一貫した国家安全保障のビジョンと支出を整合させることに苦慮している。半導体収入に支えられた予算黒字があるにもかかわらず、与党は国民を安心させるため実行可能な「軍備か民生か」という戦略をまだ提示できていない。近い将来におけるさらなる増税への国民の支持がほとんどない中、大幅な防衛予算増は、社会プログラムに対するゼロサムの脅威と見なされ、政治的に成立し得なくなっている。過去の政権は「特別予算」を活用し、こうした制約を回避して、F-16のような高額装備の調達資金として、年度予算サイクル外で余剰財源を充当してきたが、頼には前任者が享受していた立法府での過半数をなく、こうした支出を強行できない。

懐疑派を説得するため、頼は特別予算を経済安全保障への「戦略的投資」と位置づけ、国内の防衛産業とイノベーション能力を強化すると主張している。しかし、この主張は台湾の一般市民や国内産業界の双方から支持を得られていない。野党は、賴提案を、国家の安全保障への必要な投資というよりは、ワシントンへの「保護料の支払」に例えた。特に注目すべきは、退役中将で元国民党立法委員のシュアイ・ハーマンが、この提案を「空想」として一蹴し、この計画は直近の軍事準備態勢を強化するものでもなく、危機発生時の米国の介入を保証するものでもないと主張した点である。

プロセス、監視、そして不和

膠着状態が6ヶ月以上続いたのは、国民党主導の野党連合が、米国の対外軍事販売と台湾自身の防衛支出の実績という長年の問題を武器に、予算審議を巧みに遅らせたためである。賴提案には、対外軍事販売に加え、長期的な防衛イノベーションと生産能力を強化することを目的とした野心的な国内プロジェクトが含まれている。野党の批判は、秘密裏に行われる暴走的な支出を強調し、根強い懐疑心を利用し、この提案を「白紙小切手」のように描こうとした。この攻撃には二つの側面がある。第一に、国防費のような重要施策は「特別予算」を通じて可決されるべきではないという点だ。野党は、特別予算は意図的に不透明に設計されたもので、立法府の監視から守られていると主張している。第二に、野党は国内調達に対する国民の不信感に訴え、歴史的に防衛産業を悩ませてきた汚職スキャンダルを指摘している。

不透明性という論調が一定の効果を上げたのは、国防省が指揮・統制・通信・コンピュータ(C4)のような、重要だが複雑な能力の獲得へと重点を移していることも一因である。こうしたシステムは国家の自衛に不可欠だが、初期費用は予測が難しく、その価値を具体的にイメージすることも困難なのだ。対照的に、国産潜水艦のような従来型プラットフォームは、高額であり戦略的有用性にも疑問符が付くものの、防衛費の具体的な形として存在している。目に見えるハードウェアから、目に見えにくいソフトウェアやシステムへ移行したことで、資金が「ブラックホール」に吸い込まれているという批判に対して現政権の調達方針は脆弱な立場に立たされている。野党も十分に記録された米国製兵器の納期遅延を指摘し、防衛費増額への批判を強めている。

「ヤマアラシ」構想と対照的に、国民党の鄭主席は120億ドルの予算を提唱した。これは大幅に縮小された枠組みであるが、2021年に可決された特別予算より大きい。このアプローチでは、米国によって正式に承認された兵器システムにのみ資金が充てられ、長期的な自給自足に必要な初期段階の研究開発は事実上、後回しにされる。鄭は、この案を「白紙小切手」的な支出に対する抑制策だと主張し、さらに重要な点として、平和維持のため緊張緩和を優先する、より低姿勢な防衛姿勢への回帰を意味するものだと述べた。

北京への賭け、国民党の分裂、そして中道

鄭の中国訪問は、国民党を賴政権に代わる平和的な選択肢として位置づけることを意図していた。しかし、訪問は党内の深刻な亀裂を露呈させ、彼女の融和的な政策方針と党内の穏健派との対立を浮き彫りにした。強固な国防を維持すべきという世論の圧力に押され、野党中道派は鄭の最小限の予算案を最終的に覆し、妥協案を成立させた。これは、台湾の海峡両岸戦略が最終的に国内の政治力学で形作られていることを証明している。

鄭の訪問は、賴総統の防衛力増強に対する対抗軸として、馬英九前総統の融和的なアプローチを踏襲するものであった。習近平との会談において、鄭は「平和の制度化」を呼びかけた一方で、米国を紛争の「触媒」と呼んだ。特に注目すべきは、彼女が台湾の自治権の主張から一歩引く姿勢を見せ、北京の政治的枠組みに同調することを示唆する発言を行った点である。

防衛予算の唐突な可決は、米国当局者が無視している鄭が直面する国内圧力を露呈している。鄭は、中国を訪問した国民党の現代史において、最も経験が浅く、政治的な人脈も最も乏しい指導者である。民進党から国民党に転向した鄭は、党内に支持基盤を欠いている。この不安定な立場は、彼女が紙一重の差で確保した党主席選の勝利で明らかだった。さらに、「一つの中国」というビジョンを掲げたことで、彼女は自らの政治的運命を不人気な立場に縛り付けてしまった。というのも、台湾国民の大多数は現状維持を望んでいるからだ。鄭は、北京がその後示した「10項目措置」を善意の表れとして挙げ、今回の訪問は外交上の成功だったと主張しているが、世論や党内における懐疑的な見方は根強い。国民党の有権者、特に若年層は、馬英九時代を彷彿とさせる「対中接近優先、防衛後回し」というアプローチを好まず、台湾に対する北京の侵略的姿勢という現実から乖離していると見ている。最近の世論調査によると、台湾国民のわずか34%しか鄭の訪中を支持しておらず、大多数は台湾の安全保障状況の改善にほとんど寄与しなかったと考えている。

2028年の大統領選の有力候補である台中市の盧秀燕 Lu Shiow-yen 市長が、鄭の北京訪問に先立ち11日間の訪米を行い、国民党内の分裂は明らかになった。盧市長の訪問は、米国の政策立案者および国民党内の穏健派に対し、鄭の露骨な親北京姿勢が選挙上の足かせとなるという戦略的なシグナルを送る役割を果たした。盧は、自身の派閥を「抑止力のより信頼できる担い手」として位置づけることで、野党が一枚岩ではないことを示した。

この動きは、武器取引を阻止した国民党への世論の圧力が高まっていることを反映している。台湾中央研究院の最新の世論調査によると、台湾国民の約70%、野党支持層の最大61%が防衛費増額を支持している。さらに、たとえ増額が米国の要求として提示されたとしても、国民の51%近くが防衛費をGDP比3%に引き上げることに賛成している。

「主流派の罠」――つまり、完全に防衛に反対していると見なされるという政治的リスク――から逃れるため、野党連合は最終的に足並みを揃え、5月8日に250億ドルの「妥協案」予算を可決した。当初、盧や朱立倫 Eric Chu といった国民党の中道派指導者たちが主導したこの現実的な枠組みは、最終合意を条件として主要な米国製装備品の調達資金を承認するものであり、台湾が柔軟性を維持できることを保証している。この法案により、国民党は軍事準備と外交的関与のバランスを保つ能力を国民に示すことができ、一方、台湾人民党は財政責任への注力を維持するため、妥協案を支持した。

特別予算の可決は、有権者がもはや台湾の安全保障を「妥協」のみに委ねることを信頼しなくなった社会において、鄭がいかに「守りの戦い」を強いられているかを示した。中国人民解放軍による台湾への威圧的活動が目に見えて減少するといった具体的な「平和の配当」がないかぎり、党内中道派は2026年秋の中間選挙を利用して、彼女の党主席職に異議を唱えてくる可能性が高い。親北京派と穏健派の間の亀裂は、今後も国民党の将来を左右し続けるだろう。

米国の関与に向けた新たな道筋

新たな特別国防予算は、台湾の国家安全保障にとって重要ではあるものの、不完全な勝利に過ぎない。予算額は過去の配分よりはるかに多いものの、頼清徳の当初案から150億ドル削減されたことは、国内のイノベーションを停滞させ、米国からの武器販売への依存を固定化するという戦略的な代償を伴うものであり、台北が構築しようとしている「ヤマアラシ」的なレジリエンスそのものを損なう妥協をもたらしている。

多層防空「T-Dome」システムの中核ストロング・ボウ・システムを廃止することは、特に米国のペイトリオットミサイル生産の遅れを考慮すると、台湾を飽和攻撃にさらすことになる。同様に、国内のドローン開発計画を骨抜きにすることは、重要な非対称的な優位性と、極めて重要な産業的機会を放棄することになる。市場シェアの90%を独占するDJIに代わる地元企業を育成できなかったことで、台北は主要な敵対国が支配するサプライチェーンに縛られたままになるリスクを負っている。さらに悪いことに、こうした削減は決意の揺らぎと受け取られる恐れがある。実際、米国務省は指摘した。予算案の可決は心強いものの、「残りの提案された能力への資金提供がさらに遅れることは、中国共産党への譲歩だ」と。

しかし、今回の分析が示唆するように、台湾の防衛の行方は、決意の欠如というよりも、国内政治に内在する摩擦によって形作られている。したがって、ワシントンは「名指し非難」キャンペーンにとどまらず、同国の防衛に向けた持続可能な合意形成を支援すべきである。そのためには、ライ政権と協力し、対外軍事販売(FMS)プロセスに関する透明性のあるリアルタイムの情報を提供することで、台湾国民と直接対話を行う必要がある。「白紙小切手」説に異議を唱え、武器の未納状況の真の実態を明らかにすることにより、インド太平洋地域の相互安全保障を脅かし続けている国内のボトルネック解消に米国当局者は貢献できるだろう。

台湾における米国主導の洗練された広報キャンペーンは、戦略上の必要不可欠なものとなっている。米国当局者は、現地のメディアや予算監視団体を通じて、中国語で一般市民と直接対話すべきである。こうした関与は、複雑で「華やかさのない」プログラムの技術的な必要性と戦略的価値の両方を伝えるのに役立つだろう。例えば、台湾メディアとのインタビューで、在台米国院のレイモンド・グリーン所長は立法院に対し国防予算の可決を強く求めたほか、その後特別予算に向けた合意形成に向けた野党の努力を称賛した。このような関与は、米国政府の最高レベルから直接行われるべきである。

注目度の高い対外的な関与への転換は、単なる透明性の問題ではない。米国の信頼性へ懐疑と不信が高まる中、これは緊急に必要とされている。不安が高まる時代において、このような可視性は、台湾の防衛に対する米国のコミットメントを証明するため不可欠である。台湾の有権者を安心させることこそが、立法プロセスを混乱させた「武器化された疑念」を無力化する唯一の方法である。台湾を対中政策の一環ではなく、活気ある民主主義国家として扱うことで、ワシントンは行き詰まった予算案を、地域の安定のための持続可能な基盤へと変えることができる。■

ジェシカ・C・リャオは、米国陸軍戦争大学国家安全保障・戦略学科のアジア研究准教授であり、外交政策研究所(Foreign Policy Research Institute)の非居住シニアフェローを務めている。以前は、ノースカロライナ州立大学公共・国際問題学部の政治学准教授を務めていた。また、2020年から2021年にかけてウィルソン・チャイナ・フェローを務めた。2022年には、北京の米国大使館で経済開発専門官を務め、一帯一路イニシアチブ参加国との中国の対外関与に焦点を当てた。

カイル・マークラムは陸軍将校であり、米国陸軍戦争大学戦略研究所の中国陸上戦力研究センター所長を務める。2022年から2025年まで、在台湾米国協会の上級防衛代表兼渉外部長を務めた。

免責事項:本記事で表明された著者の見解は個人的なものであり、米国陸軍省やその他の米国政府機関の公式な政策や立場を反映するものではありません。