
Corporal Naomi James, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons
ニュージーランド国防軍は、退役した空軍のC-130Hハーキュリーズ4機を、米国の航空消防会社コールソン・アビエーションCoulson Aviationに900万ドルで売却する。4月11日に公表されたこの取引で、今年初めに正式に軍務から退いた同型機が第二の奉公を開始する。
機体は、今後数カ月間で飛行の準備を整え、民間クルーがカリフォーニア州サーマルにあるコールソンのメンテナンス基地にフェリーされ、大幅なアップグレードと消防タンカーへの改造が施される。
これらのRNZAF機は1月30日、60年にわたる運用の後、その功労を終えた。退役を記念し、ノースランドと北島中部上空で特別飛行が行なわれ、2月初旬には南島上空でも飛行が行なわれた。15万5,000時間以上の無事故飛行と10万回近い着陸を含む、国内外での素晴らしい安全記録がある。
4機はコールソン・エイビエーションに売却されたが、5機目のハーキュリーズはクライストチャーチのウィグラム空軍博物館に展示され、ニュージーランドの軍事航空史の重要な部分を後世に伝える。
RNZAFのハーキュリーズの歴史は、最初の3機がRNZAFオークランド基地のNo.40飛行隊に引き渡された1965年に始まった。すぐにNZ陸軍161砲台の人員輸送とベトナムへの援助輸送に投入された。同年、人員と物資を積んだハーキュリーズが南極へ初飛行し、世界で最も厳しい環境のひとつでの数十年にわたる活動が始まった。
1969年までに、同機は戦略的・戦術的な空輸能力で非常に貴重な存在であることが証明され、追加で2機が購入され、保有機数は5機となった。
ダリン・ウェッブ空軍司令官 Chief of Air Force, Air Vice-Marshal Darryn Webbは、「困難で、しばしば人を寄せ付けないような作戦環境を考えれば、信じられないような記録だ。「膨大なデータの蓄積の先には、任務の目的があり、多くの人々にとっては、C-130H機をサポートし、整備し、運用する人々によって提供される、人生を変えるような支援がある。
60年以上にわたって、ハーキュリーズは素晴らしい運用の歴史を築いてきた。1970年代には、冷戦時代に中国本土とソビエト連邦を訪問した最初のRNZAF機となった。また、パキスタン、カンボジア、バングラデシュでも活躍した。
1990年代には、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ソマリア、ウガンダ、ペルシャ湾、ルワンダでの国連平和維持活動支援とともに、湾岸戦争中のサウジアラビアに2機と支援クルーが派遣された。世紀の変わり目には、東ティモールに駐留する1,000人以上のニュージーランド軍を支えた。
2001年、ハーキュリーズは第1ニュージーランド特殊空挺連隊の分遣隊をアフガニスタンに派遣し、これが20年にわたるNZDFのアフガニスタン派遣の始まりとなった。
同機部隊による人道的貢献も同様に大きい。ハーキュリーズは、バンダ・アチェから120人を避難させた2004年ボクシング・デー津波をはじめ、アジア太平洋地域全体の災害対応ミッションで活躍した。太平洋のサイクロン「パム」と「ウィンストン」、2011年のクライストチャーチ地震、2016年のカイコウラ地震、そして最近ではサイクロン「ゲイブリエル」の救援活動を支援した。
ウェッブ航空副司令官は、「南極大陸のエレバス山での航空機事故からの被災者の救出や、2004年のボクシングデー津波後にバンダアチェから120人を輸送した際、生存者の1人がペットの猿を連れてきたこと」など、乗組員はしばしばユニークな任務を最も鮮明に思い出すと述べた。
他にも、太平洋のピトケアン諸島にブルドーザーを空輸したり、ワニやゾウを野生動物保護区に移動させたり、ブーゲンビル島民から贈られた "生きた、とても不幸なブタ "を助けた経験もある。
コールソングループの社長兼最高経営責任者ウェイン・コールソンは、これらの航空機を既存の6機のC-130Hハーキュリーズに統合することに熱意を示した。「コールソンは、NZDFの4機のC-130Hを取得することを光栄に思っており、世界最大の非政府C-130Hオペレーターとしての地位を確固たるものにします。
「今回の買収は、世界トップクラスの空中消防ソリューションを提供し、運用能力を世界的に拡大するという当社のコミットメントを強化するものです。 この実績のある多用途の航空機で、地域社会と天然資源を守るという使命を継続することを楽しみにしています」と述べた。
今回の売却は、ニュージーランド政府が2020年に老朽化した航空機を5機の新造C-130J-30ハーキュリーズで更新すると発表したことにしたがい行われた。新型機の最後の1機は2024年12月に到着し、C-130Hフリートは十分な時間をかけて引退することができる。■
RNZAF sells retired C-130H fleet to U.S. firefighting company
Posted on April 12, 2025 by alert5
https://alert5.com/2025/04/12/rnzaf-sells-retired-c-130h-fleet-to-u-s-firefighting-company/