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DARPAが制御面のない画期的な実証機X-65を発表。2025年に初飛行するとあり、オーロラ・フライト・サイエンシズが実機を製造中。

  いつもぶっ飛んだ研究をしてくれるDARPAから全く新しい発想の航空機構想が発表され、実証機の制作がはじまっているとのことです。2025年に姿をあらわすとされ(異常に早い)、航空機の歴史に新たな1ページを刻んでくれる期待が高まります。今回はDARPAの公式発表からのご紹介です。 技術実証機X-65は機体に制御面がない画期的な機体になる。 DARPAは、アクティブ・フロー・コントロール(AFC)アクチュエータの飛行制御への応用の実行可能性を実証するため、 オーロラ・フライト・サイエンシズ を選定し、実寸大のXプレーンを製作する。この契約交付は、Control of Revolutionary Aircraft with Novel Effectors (CRANE)プログラムのフェーズ3となる。 1903年12月、ライト兄弟は、翼の反りを利用した世界初の制御可能な航空機を飛ばした。それ以来、事実上すべての航空機は、飛行制御に可動式の外部制御面システムを使用してきた。 X-65は、この100年来の飛行制御設計のパラダイムを打ち破り、加圧源からの空気噴流を利用して機体表面上に空気の流れを形成し、複数の表面にAFCエフェクターを搭載し機体のロール、ピッチ、ヨーを制御する。外部の可動部品をなくすことで、重量と複雑さを軽減し、性能を向上させることが期待されている。 「X-65は技術実証機であり、その特徴的なダイヤモンドのような翼の形状は、実物大の実環境試験でAFCについて我々が学べることを最大限に生かすように設計されている」と、DARPAのCRANEプログラム・マネージャーであるリチャード・レツィエン博士は語った。 X-65には2組の制御アクチュエーター(従来のフラップとラダー、およびすべての揚力面全体に組み込まれたAFCエフェクター)が搭載される。これにより、リスクを最小化し、制御効果に関するプログラムの洞察を最大化することができる。従来の制御面を使用した場合の機体性能がベースラインとなり、その後のテストでは、代わりにAFCエフェクターを使用して、可動面を選択的にロックダウンする。 「X-65の従来のサーフェスは、従来のフラップやラダーの代わりにAFCがどのように使用できるかを理解するための練習車のようなものです。「我々は、AFCエフェクターの性能が従来の制御機構と比較して

DARPAがめざすレーザー送電システムが実現すれば作戦の構図はこう変わる.....

  Artist’s concept for energy web platform. (We Are the Mighty via DARPA) DARPA、世界中に送電するレーザー技術を開発中 以前の空軍のコマーシャルで、空軍が毎日やっていることはSFそのものだと主張していたが、米軍の研究から生まれた最新ハイテクは、国防総省、より具体的にはDARPAから生まれたのは事実だ。アメリカ政府の科学技術革新組織、国防高等研究計画局DARPAが何千マイルも先に電力を供給できるエナジー技術を開発した。 パワー POWER がレーザーベースのこの新技術の名前である。DARPAはPersistent Optical Wireless Energy Relay(持続的光無線エナジー・リレー)と呼んでいる。電気料金を支払っている人なら誰でも知っているように、電力は発電しても半分しか到達できない。 エナジーの輸送に関しては、今でも100年前の電線に頼らざるを得ない。20世紀の変わり目にはそれでよかったかもしれないが、今日では、照明や電話、株価ティッカーに電力を供給するだけでなく、電話を充電したり、ビルに電力を供給したり、電気自動車に電力を供給する必要がある。効率的な送電があってこそ、米軍は電気自動車や戦車、航空機の電化が視野に入るのだ。 そこで持続的光無線エナジー・リレーの登場だ。すでに、さまざまな種類の信号やビームをワイヤレスで送信し、機器に中継することができる。しかし、今回のような方法で充電し、意味のある効率で充電するというアイデアは、何年もの間なかった。POWERシステムでは、DARPAは地上のソースから遠くのレシーバーにエナジーをビーム送信する。これが米軍にとってどのような意味を持つのか、まだご存じない方も多いだろうが、広大な距離で展開する航空機や車両に永久に電力を供給し、無限の航続距離を与えることができるということだ。 航空機にとっては、パイロットが耐えられなくなるまで滞空できるため、複雑な(そして戦時中は危険な)空中給油の必要性がなくなる。戦車であれば、第二次世界大戦中、パットンが、もし燃料によって第三軍の航続距離が制限されていなければ、どんなことができたか想像してみてほしい。可能性は無限だが、現実的なものにするにはいくつかの障壁がある。 最も差し迫った障壁は、レーザーが

DARPAの新型ミサイルに中国が発狂する可能性---回転起爆エンジンの実用化でどんな効果が生まれるのか。

  AFRL 回転起爆エンジン rotating detonation engine は出力、航続距離、燃料効率を大幅に向上させながら、従来型ジェットエンジンより軽量となる可能性を秘めている 国 防高等研究計画局(DARPA)から、ギャンビットと呼ばれる新たな高速ミサイル計画が昨年ひっそり発表されていた。 同プログラムは、兵器開発のみならず、航空機や海軍艦艇の動力源まで広範囲に影響を及ぼす可能性のある、新しい推進方法の活用を意図している。 回転起爆エンジン(RDE)として知られる推進システムは、従来型ジェットエンジンより軽量でありながら、出力、航続距離、燃料効率を大幅に向上させる可能性を秘めている 。 ギャンビットは、RDE技術に焦点を当てた数あるプログラムのひとつに過ぎない。ただし、Aviation Week & Space Technology誌の防衛担当編集者スティーブ・トリンブルは例外で、彼は最近の動向を詳しく取り上げている。トリンブルは、この技術がどれほど大きな意味を持つかをより深く理解するために、その仕事について私たちと話し合ってくれた。 極超音速の軍拡競争が進行し、アメリカが近接攻撃を抑止することに再び重点を置く中、この技術は、ヨーロッパや太平洋などの場所でアメリカの敵対国が提示する多くの戦術的・戦略的優位性を相殺するのに役立つ可能性がある。 新しい推進システム 回転起爆エンジンは、何十年もの間、理論や憶測の対象だったが、理論と実用化の間の壁を越えるには至っていない。 理論上は、回転起爆エンジンは従来型ジェットエンジンに比べはるかに効率的で、ミサイルの射程距離と速度を大幅に向上させる可能性がある。それはまた、現行型ミサイルと同じ速度と射程を達成できる小型兵器の実戦配備を意味する。 回転起爆エンジンを 戦闘機に搭載すれば 、航続距離と速度の点で同様の利点をもたらす可能性がある。特に戦闘機は、アフターバーナーに依存している。アフターバーナーは、エンジンの排気流に燃料を効率的に噴射して推力を増加させるが、燃料を急速に消費し、航続距離を低下させることは想像に難くない。だがRDEは、燃料消費を劇的に減らしながら、同様の推力アップを可能にする可能性がある。 しかし、この技術が最も役立つ可能性があるのは、海軍の将来の水上艦艇の動力源であり、出力、航続距離、

VTOL+高速飛行可能な新型機を想定したDARPAのプロジェクトに挑戦する米メーカーの動き。アウロラ・フライト・サイエンシズが興味深い提案を出している。

  航空宇宙産業には革新的な技術が必要です。ペンタゴンはDARPAを通じ、メーカーにあえて高い挑戦課題を与え、画期的な技術の実現をめざしています。もちろん全てが実現するわけではないのですが、技術競争力をこうやって維持向上しているのですね。FlightGlobalの記事からのご紹介です。 Source: Aurora Flight Sciences 米 国防総省の極秘技術開発機関が開催しているSPRINT(Speed and Runway Independent Technologies)X-planeコンペティションで、4つのデザインのうち2つ目が公開された。 米国防総省国防高等研究計画局(DARPA)は、垂直離着陸(VTOL)機能を備えながら固定翼ジェット機の速度を達成できる画期的な航空機を開発するべく、航空宇宙メーカー4社に資金を提供している。 ボーイングの子会社 アウロラ・フライト・サイエンシズ  Aurora Flight Sciencesが、SPRINTの課題を解決するアプローチを公にした2番目の競争相手となった。 アウロラは、国防総省の技術開発プログラムで、垂直揚力を達成するためのファンインウイングローターを組み込んだ混合翼ボディの航空機を構想している。 アウロラの戦略は、垂直揚力を提供するためファンインウィングローターを組み込んだ主翼胴体一体型の機体だ。 垂直揚力ファンは、機械式駆動装置を介しメインエンジンと連動する。「この航空機は、巡航450kt[830km/h]以上と垂直離着陸を同じプラットフォームに組み合わせ、画期的な機動性を実現する」とアウロラは言う。 SPRINTプログラムのフェーズ1Aに選ばれた4社(アウロラ 、ベル・テキストロン 、 ピアセッキ・エアクラフト 、 ノースロップ・グラマン )は、初期コンセプト設計で契約を交付されている。 このプロジェクトでDARPAは米特殊作戦司令部(SOCOM)と提携している。5月、SOCOMの調達責任者であるジム・スミスはFlightGlobalに対し、米国の精鋭部隊は滑走路やその他の地上インフラなしで活動できる高速輸送機を求めていると語った。 DARPAのX-planeプロジェクトは通常、参加企業の創造性と革新性を育成することが目的で、一般的な問題セットと基本的な性能要件のみを概説している。 アウロラ

DARPAが全く異なる航空機構想を研究している.....中国が滑走路を破壊しても運用するねらいがあるのか。

  DARPAのめざす高速かつ滑走路に依存しない技術(SPRINT)の想像図  DARPA ARTIST'S CONCEPT DARPAが滑走路不要の高速航空機を構想している。ヘリコプター、水上機、それとも全く別の存在なのか それはどのようなものか?新しい形のヘリコプターかもしれないし、あるいはさらに高速飛行する垂直離着陸機かもしれない。しかし、DARPAのステファニー・トンプキンス長官はこのプログラムを垂直離着陸機と呼ぶことを意図的に避け、発表時のスライドには、ヘリコプターと明らかに異なるアーティスト・コンセプト2案が表示されている。   DARPAのSPRINT(Speed and Runway Independent Technologies)コンセプトの2つを表現したアーティストレンダリング。 DARPAは、米特殊作戦軍と共同で、「滑走路独立性と十分な速度・機動性の組み合わせ」を示す航空プラットフォームの構築を目指す、SPRINT(Speed and Runway Independent Technologies)プログラムに取り組んでいると、トンプキンス長官は述べた。2つのコンセプトは、「異なるコミュニティによって独自に探求され、別の種類のプラットフォームだが、ひとつに統合されることはない」とトンプキンスは述べた。  トンプキンス長官は、緊急医療搬送や、到達困難な地域への部隊搬送など、潜在的ミッションを説明した。  数週間以内に、同プログラムに関し発表があるはずだ。  一般に公開されている衛星画像やオープンソースの情報コミュニティによって、軍が滑走路や航空機を隠すことがほぼ不可能になっており、戦闘用滑走路に依存しない航空機の必要性は高まっている。中国が台湾を攻撃する可能性がある場合、滑走路と空軍基地が特に脆弱になるとみる専門家が多い。  ランド研究所上級国際防衛研究員デビッド・A・オクマネックは、2021年12月メモで、中国による台湾攻撃について、「台湾の飛行場や防空施設、港、大型船、通信回線、指揮・統制システムにミサイルや空爆を行い、その後、揚陸艦艇で台湾に攻め込むかもしれない。台湾の防空網を制圧してから、水陸両用部隊に続き、空挺部隊や輸送ヘリコプターによる空からの侵攻を行う。中国は、西太平洋のアメリカ軍や基地(空母戦闘群を含む)を攻撃し、台湾を

DARPAがめざす巨大貨物飛行艇構想リバティリフターに2チーム案が採択されました。

  ジェネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズのリバティリフターコンセプト  DARPA image DARPAのリバティリフター水上機ウィングイングラウンド効果実大実験機の設計を、ジェネラルアトミックスGeneral AtomicsとマリタイムアプライドフィジクスMaritime Applied Physics Corporationのチーム、オーロラフライトサイエンシズAurora Flight Sciencesとギブス&コックスレコンクラフトGibbs & Cox、ReconCraftの2チームが開発する DARPAプレスリリースより リバティリフタープログラムLiberty Lifterは、戦略的および戦術的な海上大型貨物の輸送能力の飛躍的向上をめざし、長距離低コストのX-Planeを設計、製造、浮遊、飛行させ、実証するのが狙い。  リバティリフター実証機は、C-17グローブマスターIII輸送機と同様のサイズと能力の大型飛行艇となる。目標としては、シーステイト4での離着陸、シーステイト5までの水上での持続的運用、地上効果による水面近くでの長時間飛行、高度海抜1万フィートでの運用能力などがある。 ジェネラルアトミックスチームは、水上での安定性と耐航性を最適化するため、双胴中翼構造を選択した。ターボシャフトエンジン12基で分散推進をめざす。 ネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズのリバティリフターコンセプト オーロラ・フライト・サイエンシズの出発点設計は、単一艇体、高翼、ターボプロップ8基を備え、従来型飛行艇に近いものとなっている。 オーロラフライトサイエンシズのリバティリフターコンセプト コンセプト フェーズ1では、DARPAは各チームと国防総省と協力し、特に運用ニーズと運用コンセプトを焦点にリバティリフターの設計を改良する。フェーズ1契約は、概念設計作業6ヶ月と設計熟成9ヶ月の、予備設計レビューで最高潮に達する18ヶ月の履行期間。さらに、製造計画と試験・実証計画のレビューに3ヶ月間を費やす。  予定通りなら、フェーズ1は2024年半ばにフェーズ2に移行し、実物大リバティリフターXプレーンの詳細設計、製造、実証を継続する。DARPAは、これらの活動やリバティリフターコンセプトの運用機体の開発続行で、DOD各軍のうち少なくと