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特別記事 ウクライナの地上で何が起こっているのか 現地のなまなましい様子を御覧ください。

  「短信」と言いつつ、今回は最長の記事となりました。航空関係の装備についてもなにも登場しませんが、ウクライナ国民が非常時にそれまでの生活を捨てて、懸命に対応している姿を知っていただきたく掲載するものです。残虐な表現もありますが、ロシアはフェイクだと否定するでしょうね。文節には1から172まで番号をつけていますので、お好きなペースで御覧ください。 ホスピタラーズ大隊とはボランティア衛生兵で、ここではキーウ近郊のイルピンで避難民の治療にあたっている。 Photographs by James Nachtwey for The New Yorke r キーウの歴史的中心部にある聖ミカエル修道院は、1100年頃、キリスト教徒の王子が戦勝後に、兵士の守護神としての大天使に捧げたのが起源とされる。1240年にモンゴル軍に略奪され、数世紀後に修復された。1937年、共産主義当局が取り壊した。ソ連邦崩壊後、キーウ市議会が再建した。3月1日、筆者は友人のアナスタシア・フォミッチョーワと聖ミカエル教会にいた。カラシニコフを持つ制服の男たちが、周囲をパトロールしていた。アナスタシアはフェンスに近づき、聖堂を見た。頭を下げ、泣いていた。何を祈ったのか聞いてみた。「国、街、そして家族です」。 アナスタシアとは、パリで数年前に、妻を通じて知り合った。二人とも欧州研究会議が主催する学術コンソーシアムに所属している。政治学の大学院生アナスタシアは、人生の大半をフランスで過ごしていたが、キーウ生まれで定期的に帰国していた。2月24日、ロシア軍がウクライナに同時攻撃を開始したとき、アナスタシアに電話をかけ、本人の家族の安否を尋ねた。攻撃は首都にも及び、ミサイルが着弾していた。アナスタシアはキーウに行く準備中で、一緒に行かないかと誘ってくれた。 2日後、パリのイタリー広場近くのメトロ駅に着くと、バスに食料など箱を積み込む人たちがいた。リュックを背負い、タバコを吸うアナスタシアを見つけた。バスはウクライナ人の運営で、毎週日曜日に出発する。30時間以上かかるが、運賃は80ユーロ。いつもは友人や家族を訪ねる人たちが乗客だが、今回は戦場に戻る若い男女が多い。 ロシアの侵攻を受け、ウクライナ大統領ヴォロディミル・ゼレンスキーは戒厳令を発令し、18歳から60歳までの男性の国外退去を禁止し、総動員令を出した。海外在