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SSN(X):米海軍の次世代潜水艦はゾンビの国にいる (National Security Journal)―米海軍の建造プロジェクトはことごとく遅延、コスト上昇にありますが、何が問題なのでしょう

  オハイオ級巡航ミサイル潜水艦USSフロリダ(SSGN728)は2019年9月7日、予定されていた寄港のためギリシャのソウダ湾に到着した。 NSAソウダ湾は、欧州、アフリカ、南西アジアにおける安全保障と安定を確保するため、米軍、同盟国軍、パートナー国軍が必要な時に必要な場所に駐留できる作戦基地だ。 (Photo by Joel Diller/Released)   米 海軍は、既存の主要エンドアイテムの近代化について大きな計画を持っている。海事部門は、次世代駆逐艦DDG(X)と次世代戦闘機F/A-XXに興奮している。だがヴァージニア級に代わる次世代潜水艦SSN(X)に遅れが出ている。▼SSN(X)は2040年代初頭まで実現しないかもしれず、20年後の米軍がどうなっているか、誰にもわからない。  では、新型潜水艦はどうなるのだろうか? 予算の逼迫の犠牲になるのだろうか? 2040年代まで必要な資金を確保できるのか? 問題は、SSN(X)が25年度の国防予算で十分な研究開発費を受け取れていないことだ。  実験的なサブプログラムは、造船所でのフルタイムの作業を2031年まで開始しない可能性が高い。その時、アメリカは火星でより大きな無人探査を行っているかもしれない。これから7年の間に、海軍に関係ない未来的な偉業が起こり得ることをお見せしたい。 SSN(X)はまだかなりの金額を受け取っている 海軍はFY25のSSN(X)設計作業に5億8690万ドルを要求しており、FY24の要求額5億4470万ドルから増加している。  つまり、このプロジェクトを軌道に乗せるために5億ドル以上が必要ということだ。  すでにフォード級空母に法外な資金を投入し、かなりの費用がかかる既存のフラットトップを維持している海軍にとっては、高額な研究開発費である。  気まぐれな議会の犠牲者? これらの次世代プログラムへの資金は、今後数年で打撃を受けるかもしれない。  建造に20年かかる潜水艦のために財布の紐を開くよう議会を説得するのは容易ではない。  今年は選挙の年であり、議員たちは防衛産業基盤における現在の製造業の雇用を守ろうとしているのであって、存在しない新規雇用の数を予測しようとしているわけではない。  ...

次世代原子力潜水艦のデザイン。コロンビア級SSBN、ヴァージニア級SSNでそれぞれ後継艦の仕様を検討中の米海軍だが、産業基盤の足腰の強化も必要だ

  米潜水艦の建造整備能力の低迷ぶりは過日お伝えしましたが、建造中のコロンビア級の次の大型艦に加え、ヴァージニア級の後継艦の構想も出てきました。潜水艦戦力が重視されているわけですが、産業基盤の強化も待ったなしですね。USNI Newsの記事からです。 Ohio-class guided missile submarine USS Michigan (SSGN-727) heads out to sea in 2012. US Navy Photo 核 抑止力のため新型核弾道ミサイル潜水艦12隻を引き渡した後も、米海軍は大直径船体の潜水艦を生産し続ける可能性があると、海軍水中戦責任者(N97)が水曜日に述べた。  マーク・ベーニング海軍少将 Rear Adm. Mark Behning は、核弾道ミサイルの海上パトロールでの米戦略軍の要求を満たすため、海軍はコロンビア級SSBNを12隻建造する必要があると述べた。  「コロンビア級は、当初、現行オハイオ級14隻を12隻に置き換える想定されていた。中期の核燃料注入オーバーホールを省略することで、それが可能になる」と、海軍潜水艦連盟2023年次シンポジウムでのプレゼンテーションで語った。  USSルイジアナ(SSBN-783)の後継となるSSBN-838が2040年代予定のコロンビア級最後の引渡しとなるが、海軍はその後も各種任務のために大口径潜水艦を建造し続けたいと考えている。  海軍の長期造船計画では、2049年に最初の大型潜水艦の引き渡しを受ける予定だが、その要件はまだ決まっていない。海軍は、1860億ドルのコロンビア計画以降、大型潜水艦の建造が一服するのを避けようとしており、1990年代後半のオハイオ級建造の終了後に経験したような労働力の散逸を回避したいとしている。コロンビア級後の将来の潜水艦の船体間隔については、まだ決定していない。  「しかし、(ラインを)オープンにしておく」とベーニングは言った。 オハイオ級の供用期間延長 USSペンシルバニア(SSBN 735)は5月11日、ピュージェット・サウンド海軍造船所・中間整備施設に拡張改装期間として入渠した。米海軍写真  また、コロンビア級が遅延した場合に安全マージンを提供するため、オハイオ級SSBN最大5隻の寿命延長を計画している。  コロンビア級では水曜日...

(再出)西太平洋第一列島線で大型原子力潜水艦の代わりに小型ディーゼル艦を多数建造すべきか。ヴァージニア級の延長戦のフルスペック原子力潜水艦構想に一石を投じる

  米海軍はフルスペックの大型艦を次期攻撃型潜水艦として想定しているようだが....     米 海軍はヴァージニア級の後継となる攻撃型潜水艦の企画を開始した。   SSN(X)の呼称で2030年代初頭の建造開始を想定し、既存艦の延長ではなく画期的な新型艦とすべきとジェイムズ・ホームズ(米海軍大学校教授)が解説している。   新型艦は小型になる可能性がある。無人潜航艇と共同作戦を展開する可能性もある。原子力推進にならない可能性もある。米海軍がディーゼル電気推進型艦を導入するとこれまでにない戦略戦術の可能性が開く。   ホームズは「超長距離精密攻撃手段、無人航空・水上・水中装備の登場で海軍力に大きな変革が進みつつある。さらに地上部隊が対艦攻撃能力を獲得したことも変化の要因だ。潜水艦戦も革命的な変貌から例外ではない」     米海軍は現在65隻の潜水艦を保有する。すべて原子力推進だ。うち14隻のオハイオ級弾道ミサイル潜水艦「ブーマーズ」は新鋭コロンビア級12隻に交代する。   オハイオ級では最古参4隻が巡航ミサイル潜水艦に改装されており、2030年代以降に「大ペイロード潜水艦」と交代する。   その他には1980年代建造のロサンジェルス級下攻撃型潜水艦35隻、1990年代のシーウルフ級攻撃型潜水艦3隻、ヴァージニア級攻撃型潜水艦13隻がある。2017年時点で米海軍はヴァージニア級の設計変更をしたうえで2040年代末まで同級の建造を続けるとしていた。   だが2019年版の米海軍30年建艦計画ではこれが修正されており、ヴァージニア級の改良ではなく完全新型艦SSN(X)を建造するとある。新型艦の就役開始を2034年とし、シーウルフ級、初期ヴァージニア級と交代する。その時点でロサンジェルス級は全艦退役している。   SSN(X)はヴァージニア級(8,000トン)より大型になると言われ、9,000トンのシーウルフに近い艦容とされる。「海軍は次世代攻撃型潜水艦を高速、ステルスに優れ、ヴァージニア級を上回る魚雷本数を搭載すると説明している」と議会予算局資料(2018年10月)にある。   だが、これはまずい考え方だとホームズは指摘する。「今ちゃんと動いてい...

西太平洋第一列島線で大型原子力潜水艦の代わりに小型ディーゼル艦を多数建造すべきか。ヴァージニア級の延長戦のフルスペック原子力潜水艦構想に一石を投じる

米海軍はフルスペックの大型艦を次期攻撃型潜水艦として想定しているようだが....     米 海軍はヴァージニア級の後継となる攻撃型潜水艦の企画を開始した。   SSN(X)の呼称で2030年代初頭の建造開始を想定し、既存艦の延長ではなく画期的な新型艦とすべきとジェイムズ・ホームズ(米海軍大学校教授)が解説している。   新型艦は小型になる可能性がある。無人潜航艇と共同作戦を展開する可能性もある。原子力推進にならない可能性もある。米海軍がディーゼル電気推進型艦を導入するとこれまでにない戦略戦術の可能性が開く。   ホームズは「超長距離精密攻撃手段、無人航空・水上・水中装備の登場で海軍力に大きな変革が進みつつある。さらに地上部隊が対艦攻撃能力を獲得したことも変化の要因だ。潜水艦戦も革命的な変貌から例外ではない」     米海軍は現在65隻の潜水艦を保有する。すべて原子力推進だ。うち14隻のオハイオ級弾道ミサイル潜水艦「ブーマーズ」は新鋭コロンビア級12隻に交代する。   オハイオ級では最古参4隻が巡航ミサイル潜水艦に改装されており、2030年代以降に「大ペイロード潜水艦」と交代する。   その他には1980年代建造のロサンジェルス級下攻撃型潜水艦35隻、1990年代のシーウルフ級攻撃型潜水艦3隻、ヴァージニア級攻撃型潜水艦13隻がある。2017年時点で米海軍はヴァージニア級の設計変更をしたうえで2040年代末まで同級の建造を続けるとしていた。   だが2019年版の米海軍30年建艦計画ではこれが修正されており、ヴァージニア級の改良ではなく完全新型艦SSN(X)を建造するとある。新型艦の就役開始を2034年とし、シーウルフ級、初期ヴァージニア級と交代する。その時点でロサンジェルス級は全艦退役している。   SSN(X)はヴァージニア級(8,000トン)より大型になると言われ、9,000トンのシーウルフに近い艦容とされる。「海軍は次世代攻撃型潜水艦を高速、ステルスに優れ、ヴァージニア級を上回る魚雷本数を搭載すると説明している」と議会予算局資料(2018年10月)にある。   だが、これはまずい考え方だとホームズは指摘する。「今ちゃんと動いているものを改良す...

米海軍の次期攻撃型潜水艦SSN(X)はハンターキラー性能を前面に出し、垂直発射管は搭載せず強力な艦となる。建造ではコロンビア級SSBNとの連携が重要となる。

USSコロンビア原子力ミサイル潜水艦 (SSBN 826)の想像図 米 海軍の次世代攻撃型潜水艦は従来艦の特徴を引き継いで「頂点捕食者」をめざす。 海軍水中戦企画室長ビル・ヒューストン少将は「究極の頂点捕食者を海中で実現する」と海軍連盟のパネルディスカッションで述べた。 少将は新型艦のペイロードや速力はシーウルフ級並み、音響性能やセンサーはヴァージニア級と同等、稼働率や供用期間はコロンビア級艦並みと表現した。 「これが可能となるのはこれまでの各艦の実績があるためで、やり方も熟知しているからだ。各要素を一つの艦に盛り込む」 次世代攻撃型潜水艦は SSN(X) の呼称で、開発が緒についたばかりだ。 同艦の初期研究開発用予算として今年度は98百万ドルの要求となっている。2020年度長期建艦計画では34年度から毎年2隻で計42隻の調達を開始する。海軍は一隻あたり58億ドルと推定しているが議会予算局資料は62億ドル近くとしている。インフレーションを考慮してもヴァージニア級より相当の増加となる。ヴァージニア級は拡大ペイロードモジュール搭載艦で34.5億ドル、非搭載艦で28億ドルだ。 コロンビア級建造との関係 ヒューストンはコロンビア級潜水艦建造に産業界が取り組む環境の危うさに言及した。海軍は三号艦から12号艦に特に懸念しているとし、理由として同級の連続建造段階にあたり、建造が安定するものの、何らかの過誤が発生した場合には柔軟対応の余裕がないためとした。コロンビア級建造では意図的に時間間隔をあけて業界に学習効果を得る余裕を作っているとヒューストン少将は述べている。 海軍上層部からはコロンビア、ヴァージニア両級建造との関連に関する発言が出ている。建造部門に混乱が出れば、相互に影響が生まれる。さらに SSN(X) へも影響は必至だ。 海軍と企業側はコロンビア級の設計で最終段階の作業に入っており、同じチームで新型艦の実現に取り組むとヒューストンは述べている。さらに海軍はコロンビア級建造が落ち着く段階で即座に SSN(X) 作業に入る予定だ。 「コロンビア級建造のピークが終わると SSN(X) 建造に本腰を入れる。その時点で設計およびRDT&Eが終わっているからだ」「頂点捕食者実現のためのRDT&Eには相当の時間が必要となるが、今後10年間は集中してSSN(X)の各種システム実現に取り組...