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中国は南シナ海で「不沈空母」建設のため東京ドーム1800個以上のサンゴ礁を破壊した
19fortyfive
ハリソン・カッス
中国の島嶼造成事業は、軍事的な観点で論じられることが多い。しかし生態学者は、サンゴ礁の破壊を、サンゴ礁の歴史上最も急速なもののひとつだとしばしば指摘している。中国の島嶼造成は、戦略的な観点では理にかなっている――サンゴ礁を浚渫し人工島を建設し、固定航空基地として軍事化する――が、同時に中国は大規模な環境破壊を犯しており、世界で最も生物多様性に富む生態系を南シナ海の支配構造を再編する軍事施設と引き換えにしている。
南シナ海における被害の規模
2万1,000エーカー(約85平方キロ、つまり東京ドーム1820個相当)以上のサンゴ礁が埋没または深刻な被害を受けている。
砂やコンクリートの下に物理的に約5,000エーカーが埋没し、約4,000万~5,000万立方メートルのサンゴや砂が汲み出された。その結果、サンゴ礁システム全体が建設資材へ変貌してしまった。
しかし、被害はさらに深刻だ。ミシフ礁での浚渫は1,200平方キロメートルに影響を及ぼし、堆積物の拡散範囲は一度に250平方キロメートルに達した。これにより近隣のサンゴが窒息状態に陥り、生物学的健全性が低下し、最大350%の減少をもたらしている。
水中に浮遊する堆積物は日光を遮り、サンゴのポリプを窒息させる。つまり、環境への被害は島々の建設そのものを超えて広がっているのだ。
生物多様性と漁業の崩壊
破壊されたサンゴ礁は、膨大な生物多様性の宝庫であった。例えば、約17,000エーカーに及ぶシャコガイの産卵場が影響を受け、漁獲量が減少している。
南シナ海はかつて、世界の漁獲量の約12%を占めていた。しかし今日、一部海域は「死の海」と形容されている。生態系の破壊は、経済および食料システムへの損害に直結する。
被害は恒久的なものか?
被害の多くは取り返しのつかないものである。一部のサンゴ礁は物理的に埋没しており、明らかに再生できない。他のサンゴ礁は構造的に破壊され、その石灰岩の基盤が除去されてしまった。
これらは数千年の歳月をかけて形成された構造物であり、即座に再生することはできない――多くの場合、永遠に再生することはない。南シナ海で起きているのは生態系の恒久的な消失である。
なぜ中国は人工島を構築しているのか?
中国の島嶼建設がもたらす戦略的なメリットは明らかだ。各島は、戦闘機や爆撃機を運用可能な1万フィートの滑走路を備えた、沈没しない空母となる。
行動範囲が800~1,000マイル拡大する。また、各島にHQ-9地対空ミサイルシステムやYJ-12B対艦ミサイルを配備することで、A2/ADネットワークも拡張される。
さらに、レーダーアレイや信号情報(SIGINT)塔を設置することで、監視能力も強化される。その結果、中国は米海軍含む地域の船舶の動向をリアルタイムで追跡できると同時に、沿岸警備隊や海上民兵を通じてグレーゾーン支配を確立することが可能となる。
全体として、新たに建設された島々は、係争水域を中国の支配下にある領域へ変貌させている。
地理が変容
中国の島嶼建設は、軍事地理を変容させた。島嶼建設以前の南シナ海は開放的ながら、争いの的だった。しかし島嶼建設後の中国は要塞拠点のネットワークを享受しており、その継続的な存在はベトナムやフィリピンに圧力をかけている。
驚くべきことに、新たな島の建設を通じて、地理そのものが書き換えられつつある。不可逆的な生態系への被害はさておき、ある意味では見事な戦略だ。
中国は、軍事的優位性と持続的な監視体制を得るために、恒久的な生態系の喪失や漁業の崩壊(およびそれに伴う経済的打撃)を厭わない姿勢を明らかにしている。その暗黙の計算は、環境は犠牲にしても、支配力の確保こそが最優先であるという考え方だ。
この取引は意図的である。すなわち、兵力投射と引き換えに生態系を犠牲にするという選択だ。
今後の展望
中国による島嶼建設は、軍事的にも環境的にも、この地域の物理的構造を一変させた。被害の大部分が不可逆的であり、数千年かけて形成された生態系を事実上終わらせてしまった。
漁業の衰退は地域の食料不安を招き、近隣諸国の輸入依存度を高めることになる。残された資源をめぐる紛争が増加するにつれ、地政学的摩擦も高まるだろう。
環境の損失は算出し難いものであり、世界の海洋生物多様性は壊滅的な減少を遂げている。
また、生態系の破壊と領土拡大とのトレードオフは、他国も追随する可能性がある。もし他国が同様の戦術を採用すれば、生態系への影響は甚大となる可能性がある。■
著者について:ハリソン・カッス
ハリソン・カッスは、国家安全保障、テクノロジー、政治文化を専門とするライター兼弁護士です。彼の記事は『City Journal』、『The Hill』、『Quillette』、『The Spectator』、『The Cipher Brief』などに掲載されています。オレゴン大学で法学博士号(JD)を、ニューヨーク大学(NYU)でグローバル・ジョイント・プログラム研究の修士号を取得しています。詳細は harrisonkass.com をご覧ください。
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