ラベル JMR 次世代ヘリ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル JMR 次世代ヘリ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2014年8月13日水曜日

JMR実証にベル、シコルスキー/ボーイング二案が採択



Bell, Sikorsky/Boeing To Build Army JMR Rotorcraft Demonstrators

Aug 12, 2014Amy Butler and Graham Warwick | AWIN First
Boeing/Sikorsky
.
ベル・ヘリコプターシコルスキー/ボーイングの二社が米陸軍向け高速飛行回転翼機技術実証機の生産に当たることになった。ニ社の機体は2017年に初飛行する。
  1. ベルは280ノットのV-280ヴァラー Valor ティルトローターを、シコルスキー/ボーイングは230ノットのSB.1ディファイアント Valor 硬式同軸ローター複合ヘリを共用多用途技術実証機(JMR TD)のフェーズ1として217百万ドルで生産する。
  2. JMR TDは米陸軍が構想する次世代垂直中型輸送機 Future Vertical Lift Medium (FVL-M) の原型機となりシコルスキーUH-60ブラックホークを2030年代から更改していく。その後攻撃能力を付与した型がボーイングAH-64アパッチの後継機となる他、海軍用にMH-60も更改する構想だ。
  3. 選にもれたAVXカマンは陸軍から限定的な技術開発契約を認められると見られる。AVXは230ノットの同軸複合機、カマンは可変式ティルトローター機案を提案していた。
  4. FVL-Mの大量受注を期待して業界は陸軍の予算をはるかに上回る投資をしていると業界筋は見ているが、JMRは政府と業界が費用分担をする考えで進めており、AVXとカマンにどれだけの予算が回せるかは不明だ。
  5. ディファイアントとヴァラーの両機は高速ヘリコプター技術を実証し、FVL-Mに道を開くものとなるが、陸軍が最終的にUH-60後継機種として高速ヘリを選択するかは不明だ。
  6. ディファイアントは硬式同軸ローター複数、推進用プロペラ、高性能フライバイワイヤと「実証済みX2技術を使いこれまでの設計上の制約に挑戦する」ものとシコルスキー社長ミック・マウラーは語る。同機にはハネウェルT55ターボシャフト2基が搭載される。
  7. ベルV-280はジェネラル・エレクトリックT67ターボシャフト2基を翼端に搭載し、現行ヘリと比較して航続距離、最高速度それぞれ二倍をめざす。ベルのねらいは機体重量の軽量化とともに機体構造を単純化した「第三世代」ティルトローターの実現だ。ベル陣営にはロッキード・マーティンがミッションシステム構築に、スピリットエアロシステムズが複合材機体構造、GKN V-tailとMoogがフライバイワイヤ飛行制御でそれぞれ参加する。■



2014年8月4日月曜日

米陸軍次期ヘリ開発 実証事業者の選定が遅れる






US Army's JMR Helo Selection Slips

Initial Flying Demonstrator Planned for 2017

Aug. 1, 2014 - 05:44PM   |  
By PAUL McLEARY   |   Comments
Next Helos: The US Army's Future Vertical Lift program would replace its Black Hawk and Apache helicopters.
米陸軍の次世代垂直離着陸機事業は現行のブラックホーク、アパッチヘリの後継機をめざすもの(US Army)

WASHINGTON — 米陸軍による野心的な共用多用途 Joint Multi-Role (JMR) ヘリコプターの技術実証契約企業絞込みが7月中に完了できなかった。陸軍は今月中に選定結果を発表する。
  1. JMR提案競争に参加中の民間企業チーム4つを「8月末あるいは9月はじめ」に招集し、今後の進め方を協議したいとし、2社への絞り込む作業が招集時までに終わっているはずだと陸軍関係者は言っている。
  2. 担当主査のダン・ベイリーDan Bailey によるとこの会合時に「選考結果として技術内容と企業チームを明示」しさら次の目標である大型の次世代垂直離着陸機 Future Vertical Lift  開発にどうつないでいくかを話しあうという。
  3. とはいえ今回の変更で計画全体への影響は限定的だ。陸軍の希望は飛行実証を2017年、次世代垂直輸送機FVLの運用開始を2030年代中頃としており、ここでJMRが技術実証機として役割を果たす。
  4. ただし陸軍から作業の遅れの理由の説明はない。陸軍は予算強制削減以前に2019年までに350百万ドルをJMRに使う予算案を作っていた。
  5. 開発主査のベイリーは2016年に強制削減措置が続いていても開発の大きな障害にならない、なぜなら陸軍の将来にとって同事業が不可欠なものだからだという。
  6. 冷戦時代の産物であるブラックホークやアパッチ攻撃ヘリの後継機としてFVLが想定されている。「市街地における将来の作戦では垂直飛行が絶対条件」(ベイリー)
  7. その一環として7月11日にはボーイングシコルスキーのチームがJMR向けの共用共通コンピュータ構成 Joint Common Architecture (JCA)  開発先として陸軍から選定されている。JCAとは各ミッションシステムをFVLに統合する「デジタル基盤」とシコルスキーは発表している。
  8. シコルスキー・ボーイングチームはDefiant (挑戦)案を陸軍に提出している。同機は反回転同軸ローターと推進用プロペラーを搭載したシコルスキーX2を原型とするもの。
  9. 陸軍は2013年にベルAVXカレム、ボーイング・シコルスキーに各6.5百万ドルを交付し、技術実証事業を開始させている。この内2社が絞り込みで脱落する。ベイリーは競争は公平に行われ、陸軍は各社技術から最適な選択をすると公言している。
  10. 選定二社に予算を分配し、また陸軍が期待する技術内容もそれぞれ担当させることになろう。■