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米空軍次期空中給油機KC-Zは開発を前倒しへ。つなぎのKC-Yは選定見送りとなる公算も。

  KC-135ストラトタンカーの後継機がKC-Zだ (U.S. Air National Guard/Tech. Sgt. Amber Monio) 米空軍は次世代タンカーKC-Zをシステム・ファミリーと想定し、タンカー機だけでなく「生存性、接続性、あるいは効率性など、他技術も取り込みたい」と、プログラム担当者のポール・ワウPaul Waughは述べた 米 空軍は、未来的な次世代タンカー開発を予定より早く開始する可能性があると、プログラム担当者が述べている。  空軍の機動性・訓練機プログラム担当官ポール・ワウは先週、記者団に対し、飛躍的な進歩を遂げるKC-Zタンカーの開発は2030年代に行われる予定だったが、KC-Yタンカーの競争の可能性が低くなったため、KC-Z開発の前倒しを計画している、と述べた。  ワウによれば、空軍はKC-Z開発を30年代まで待つ代わりに、来年から「代替案事前分析」作業を開始し、2024年に正式な代替案分析(AOA)を開始する。  AOAは、KC-Zタンカー機だけでなく、「生存性、接続性、効率性など、他の技術も含めたKC-Zシステム・ファミリーの計画策定を支援する」とワウは述べた。  一方、 ボーイング KC-46タンカーを179機購入後に導入する予定のKC-Y タンカー(「ブリッジタンカー」)についても、プログラムオフィスは今秋に最終要件内容を受け取る予定になっています。この1年間、プログラム・オフィスはボーイング・ エアバス 両社に意見を求めてきた。  スケジュールが順調に進めば、空軍は来春にKC-Yの取得戦略を決定できるとワウは言う。この戦略は、航空宇宙産業界に立ちはだかる疑問の答えとなる。空軍は、KC-46とLMXT(ロッキード・マーチン社と共同開発したエアバスA330多目的タンカー輸送機のアメリカ版)間の競争を模索するのか、それとも単にKC-46を購入し続けるのか?  フランク・ケンドール空軍長官は、最終決定はしていないものの、要求事項に関する初期作業で次のタンカーの必要性が証明されなかったため、KC-Y競争の見通しは小さくなった繰り返し述べている。  「競争は大歓迎だ。コスト削減で最良の手段です。しかし、実際に需要がなければならない」とケンドール長官は4月に連邦議会議員に語った。  「そして、できる限り透明で正直でありたい。1年

米国防総省がBWBに再注目。将来のタンカー、輸送機として主流になる予感。

  民間航空で革新的な技術がなかなか登場していないのは現状のモデルで利益をどこまで最大化できるかに必死になっているためです。そのため、今でも機体はチューブに主翼をつけるという点では全然進歩がありません。やはり革新的な技術は軍用途にしか期待できないのでしょうか。しかし、今回の米空軍は軍民両用を最初からうたっており、近い将来のエアポートに現れる機体形状が大幅に変わる可能性もゼロではありません。(ターミナル1.2共通記事) Boeing   国防総省は、将来のタンカーや輸送機向けに、BWBへ再び注目している。     米 国防総省は、2026年までのフルサイズ実証機を製造・飛行を視野に、混合翼機(Blended Wing BodyBWB)の設計案を求めている。同省は、設計コンセプトから始め、高効率性の実現に焦点を当てる。同プロジェクトは、将来の空中給油機や輸送機に影響を与える可能性があり、米空軍は過去にステルスタイプ含むBWB設計を検討していた。  今回の情報提供要請(RFI)は、米軍が新しい民生技術を迅速に利用できるよう設立された国防革新ユニット Defense Innovation Unit のウェブサイトに掲載されている。RFIは、民間企業にデジタル設計概念(CoD)の提供を求めている。「ボーイング767やエアバスA330含む民間・軍用機より最低30%空気力学的効率が高い先進的な航空機構成」の実物大プロトタイプにつながるものとある。     昨年、エネルギー・施設・環境担当の空軍次官補(SAF/IE)が発表した、2種類の混合翼機コンセプトを示すインフォグラフィック。新RFIで実寸大実証機として同登場する可能性がある。 U.S. Air Force     上記旅客機2機種は、KC-46AペガサスとA330多用途タンカー輸送機(MRTT)の原型で、とくに前者は空軍のKC-Xタンカー要件で後者に勝ったことが注目すべき点だ。しかし、KC-46は問題や遅延が相次ぎ、運用に限界があるため、A330 MRTTが後続のタンカー購入の候補に残っている。  このことは、DIUが研究対象とするBWB機が、KC-46よりもはるかに高度な航空機、おそらくステルス特性を持つ航空機が想定の将来型KC-Zタンカーとして検討される可能性を示唆しているのか。     ロッキード・マーチン社によるハ

非ステルス空中給油機のジレンマはステルス、非ステルス機を両用する米空軍の悩み。だが根本的な解決方法が実はあるのではないか。

  米 空軍が将来の空中給油機の残存性を高める構想を練っている。 米国は巨額の費用をステルス戦闘機、ステルス爆撃機、ステルス巡航ミサイル、さらにステルススパイ機に投入してきた。給油機もステルスにしたらやりすぎだろうか。   ステルス給油機構想は決して突飛なものではない。21世紀航空戦の主役といわれるF-35やF-22のステルス機の航続距離が短いことがその理由だ。   F-35の600から800マイルの航続距離はその他戦闘機と比べさほど劣るものではない。だが、F-35がステルス性を最大限にする場合は主翼下に追加タンクを搭載できない。     もう一つの問題は空基地あるいは航空母艦が敵弾道ミサイルの射程内に入っていることだ。第二次大戦からアフガニスタンまでの戦績は高性能戦闘機といえども地上あるいは艦上では無力な存在だと実証すている。とくに大国を相手の戦闘ではミサイルの雨が基地に降るはずで、攻撃後に投入可能な機体はわずかしかないだろう。   幸い米軍機材には空中給油が利用できる。だが民間旅客機を原型とした給油機が敵戦闘機に撃墜されるリスクは超長距離空対空ミサイルがロシアR-37のように射程が250マイルにもなり高まるばかりだ。中国も給油機、レーダー搭載機材等の支援機材の撃破を狙ってくると予想される。給油機を倒せば、太平洋の戦いは勝ったも同様だ。   ステルス戦闘機を敵領空に侵入させるとジレンマが生まれる。今日の地対空ミサイルには機動性の劣る機材を250マイル先から狙えるS-400のような装備がある。つまり、通常型給油機は敵防空体制のはるか後方にとどまる必要がある。しかし、その位置でもレーダー探知され敵戦闘機の標的になる。   レーダー断面積の少ない給油機が問題解決になる。ただし、ステルス戦闘機並みのレーダー断面積は不要だ。   米空軍は新型KC-46Aペガサス給油機を179機導入しようとしており、400機あるKC-135、KC-10の両機種を順次退役させるというのが、航空機動軍団の当初案で、その後に別の通常型給油機をKC-Yとして2024年頃から導入し、最終的にステルス給油機KC-Zを調達するとしていた。   ところが2016年にKC-46改修型の調達をふやすため、KC-Yは断念し、KC-Zを早期実現したいと空軍は方針を変えた。早期とは2035年以降の想定だ。   そんな

給油機の脆弱性を解決するステルス新型給油機構想で有効な策はどれか

米 国はステルス戦闘機、ステルス爆撃機、ステルスミサイル、ステルススパイ無人機に巨額予算を投じ整備してきた。ステルス給油機となるとやりすぎだろうか。 ステルス給油機構想は奇想天外と呼べない。F-35、F-22のステルス戦闘機の航続距離が短いためだ。 F-35の戦闘行動半径600から800マイルは通常型戦闘機のスーパーホーネットやF-16に比べ悪くない。だが非ステルス機は燃料増槽を付け飛ぶが、F-35にステルス性能を損なう外部タンクは搭載できない。 ステルス、非ステルス戦闘機の航続距離が短く問題となるのは空母や航空基地が敵の弾道/巡航ミサイルの射程内に入る場合だ。高性能戦闘機が脆弱性を露呈するのは地上(あるいは艦上)であり、超大国間戦闘となれば、ミサイルの雨が前方基地に降るのは必至で、地上で機体が損傷を受けるのは簡単に想像できよう。 幸い米軍戦闘機は空中給油が使える。だが給油機は遠く離れた地点にとどまる必要があるし、超長距離空対空ミサイルによる撃墜リスクも増えてきた。ロシアのR-37の有効射程は250マイルだ。ロシア、中国のステルス機が給油機やレーダー機材を標的にするはずだ。給油機を排除すれば、太平洋戦域で戦闘機の有効性を否定できる。 敵防空網の突破を狙うステルス戦闘機でこのジレンマは深刻だ。敵防空圏から数百マイル離れた地点で通常型給油機を待機させても、レーダー探知され敵戦闘機の餌食になる。 そこで給油機でもレーダー断面積を減らせば問題が解決される。とはいえ、ステルス戦闘機並みの低視認性は必要ない。 米空軍は新型KC-46Aペガサス給油機(原型 ボーイング 767)の179機調達を進め、KC-135、KC-10給油機合計400機は順次退役させる。航空機動軍団の当初案は通常型に近い給油機KC-Yを2024年ごろ、その後ステルス給油機KC-Zを取得するものだった。 だが空軍はKC-Yのかわりに性能向上型KC-46を取得し、KC-Zの調達開始を2035年に前倒しすることとした。 KC-Z提案は数案あり、各案ともに相当奇抜な機体形状を示してる。 ロッキード は他社よりステルス性能を重視する姿勢を示していた。同社は高バイパス比ターボファンを主翼上に搭載し、レーダー断面積を減らすねらいも示した。 ただし