ラベル シコルスキー の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル シコルスキー の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2015年7月21日火曜日

★速報 ロッキードがシコルスキーを90億ドルで買収



久々の大型買収です。ソースが米海軍協会なので海軍仕様の機体名が出てくるのはご愛嬌としましょう。しかし既存企業がどんどん寡占化してきましたね。買収金額は以前は80億ドルと言われていました。


Lockheed Martin to Buy Sikorsky, Including Navy’s MH-60 Line, For $9 Billion

By: Megan Eckstein
July 20, 2015 12:31 PMUpdated: July 20, 2015 2:25 PM


ロッキード・マーティンシコルスキー・エアクラフトユナイテッドテクノジーズから90億ドルで買収し、軍民の回転機製品群を引き継ぐと発表した。シコルスキー製品には米海軍のMH-60シーホークも含む。
  1. 手続が完了する2015年末あるいは2016年早々にシコルスキーはロッキード・マーティンのミッション・システムズ・アンド・トレーニング Mission Systems and Training (MST) の傘下に入る。同部門はこれまでもシコルスキーと業務提携をしており、MH-60RおよびS型シーホーク、VH-92大統領専用ヘリコプターおよび戦闘捜索救難ヘリ事案がある。
  2. 「シコルスキーはロッキード・マーティンの製品ポートフォリオでぴったりの存在となり、世界クラスの航空宇宙防衛製品の一部となる」とマリリン・ヒューソン会長兼社長兼CEOが20日付声明文で述べている。
  3. 「今回の企業取得により当社の中核事業がヘリコプター生産および保守という成長部門にも拡大します。新たな体制で強力なヘリコプター・ソリューションのポートフォリオを世界各地の顧客に提供するとともに、イノベーションや新技術開発を加速化します」
  4. 「業務は今と同様に継続されます。ロッキード・マーティンとシコルスキー両社の社員はともに作業し、顧客の求める重要な機能を実現化します」とロッキード・マーティン広報ダン・ネルソンがUSNI Newsに20日語っている。「手続が終了しだい、シコルスキーの業務を当社の枠組みに統合し、シナジー効果により最高水準の効率を実現します」
  5. ネルソンによるとすでに社内で各種検討が進んでいる。シコルスキーは本社機能をコネチカットに引き続き維持し、企業ブランドは「シコルスキー」を守る。ネルソンからはシコルスキーの執行体制がどうなるかは不明としたが、今回の企業買収効果の検証が終われば、何らかの変更が生まれるだろう。
  6. ロイターはテキストロン(ベル・ヘリコプターの親会社)もシコルスキー買収に手を上げたが、実現していればブラックホークや海軍仕様シーホークがヒューイやV-22オスプレイと同じ会社の製品になるところだった。逆にロッキード・マーティンが買収に成功したことで、F-35共用打撃戦闘機やKC-130スーパーハーキュリーズといった固定翼機に回転翼機も加わり、航空工業への関わりが更に深まる。■


2014年11月2日日曜日

米海兵隊が進めるCH-53Kは大幅に性能向上した新型スーパースタリオン



Marine Corps Prepares New CH-53K for First Flight

by KRIS OSBORN on OCTOBER 21, 2014
http://defensetech.org/2014/10/21/marine-corps-prepares-new-ch-53k-for-first-flight/
Marine Corps' new MH-53K prepares for its first flight.海兵隊が新型CH-53Kスーパースタリオン大型輸送ヘリコプターの各種テストを実施中。同機は来年に初飛行の予定。
CH-53Kは現行のCH-53Eスーパースタリオンの改修型で、貨物27,000ポンドを110カイリ先に輸送し、30分滞空して出発地に戻る性能が高温環境下でも発揮できる設計だ。
  1. 同型で海兵隊空陸任務部隊Marine Air Ground Task Force(MAGTF)向けに想定した性能が実現すると海兵隊は説明している。
  2. CH-53Kは軍事作戦以外に人道援助他非軍事ミッション、強襲作戦も想定していると海兵隊エリック・パーセル少佐 Maj. Eric Purcell (海兵隊大型ヘリコプター開発部門)は説明。
  3. 「実際の飛行パターンでテストし、特に動力伝達系や駆動部分、燃料供給システムやサブシステムをテストしています」と語るのはハンク・ヴァンダーボート大佐Col. Hank Vanderborght(海軍航空システム本部所属、H-53ヘリコプター開発部門責任者)だ。
  4. 陸上テストは三分の一を消化ずみで、GE-408に過負荷・高リスクテストも行っている。
  5. 初飛行が遅れて今年から来年になったのは技術問題のせいとヴァンダーボート大佐は言う。
  6. 課題の一部は機体の供用期間を30年として部品が耐久性を持つかを確認することだという。
  7. CH-53Kだけが事業準備でつまづいて遅延した例ではない。管理室によれば2011年に会計検査院が報告書でコスト上昇と日程管理の遅延を問題視した後は順調に推移しているという。実戦配備は2019年予定で当初の予定から4年遅れる。
  8. CH-53Kは現行CH-53Eの貨物搭載量の三倍となる。これが実現できたのは機体が軽量化したためで複合材の他アルミニウムやチタニウムも使用している。.横材構造と表皮はすべて複合材でローターブレイドは新設計で先端はたわみをつけているとシコルスキーエアクラフトコーポレーションは説明している。
  9. 海兵隊の調達想定は200機で、単価約70百万ドル。2028年までに完全運用を開始し、2050年代にかけて稼働させる。なお、生産開始は2016年予定だ。
  10. 「CH-53Kはこれまでの大型ヘリコプターの延長線というだけでなく、ヘリコプター運用の姿を変えるものとなる。海兵隊は即応体制が一番高い組織として今後も残る」(パーセル)
  11. パーセルにおよれば真価が試されるのはアフガニスタンだ。CH-53Eではパイロット両名は9,000ポンドの補給物資を三回つづけて30マイルずつ前線基地に送り、毎回燃料補給をして帰還するという。
  12. 「CH-53Kではこのミッションを三基の貨物吊り下げ用フックにそれぞれ違う貨物を取り付けて一度に実施できます」
  13. CH-53Kでは「分割式トルク」“split-torque” も開発されている。分割式トルクのトランスミッションでは高馬力、高速回転のエンジン出力を低速低トルクのロータードライブに伝達できる。これにより機体重量を増やさずに高出力が得られるので効率が優れる。
  14. もう一つの特長が指向性赤外線対抗手段DIRCMでレーザーを使い飛来するミサイルの方向を変えさせる。
  15. K型はフライバイワイヤで飛行し、状況対応型保守管理を採用しており、診断機能の付いたセンサーにより機内システムを監視し、故障予知と回避を行うと海兵隊は説明している。■

2014年5月9日金曜日

次期大統領専用ヘリにシコルスキーS-92が選定されました


Sikorsky Wins $1.24 Billion Contract for Presidential Helo

USNI News By: Dave Majumdar
Published: May 7, 2014 5:05 PM
Updated: May 7, 2014 5:05 PM
An artist’s rendering of Sikorsky’s bid for the VXX presidential helicopter. Sikorsky Photo
An artist’s rendering of Sikorsky’s bid for the VXX presidential helicopter. Sikorsky Photo

米海軍はVXX次期大統領専用ヘリコプターにシコルスキーS-92を選定した。契約規模は12.4億ドルとペンタゴンの契約広報で報じている。
  1. テスト用6機および関連支援設備、政府指定搭載システムとの統合、訓練システムとして飛行訓練装置および保守点検訓練装置、兵站、技術全般、試験評価での支援を含む、と発表があった。
  2. 最終的な調達規模は運用機材21機とテスト用2機。
  3. VXXはシコルスキーS-92で老朽化進む同社製VH-3とVH-60のVIP仕様各機と交代させる内容だが、同社の一社入札に終わった。
  4. 2013年7月時点でアグスタ・ウェゥトランドAW101大型ヘリコプターが脱落した。ボーイングはCH-47チヌークとV-22オスプレイのどちらも提案しなかった。
  5. 一社入札になったが、海軍は法的には標準手順を守る中でシコルスキーが正式に採択されたことで、今後の展開は加速するとみられる。海軍はテスト機材一号機の受領を2016年に期待している。初期作戦能力獲得は2020年末の予定で、完全稼働は2022年となる。.
  6. 2009年にもVXX入札があり、ロッキード・マーティンとアグスタ・ウェストランドの合同提案が採択されたものの、費用超過のため取り消しとなり、これが2008年の大統領選挙でも争点となった経緯がある。■