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2017年4月14日金曜日

ロシア大型戦略爆撃機Tu-160の新型M2の生産準備が進行中


古い機材をやりくりして使うロシア軍ですが、なかなか更新機材が出てきません。PAK-DAは絵に書いた餅で、基礎ができているTu-160の改修型を作るほうが現実的というのがロシアの判断なのでしょうか。総合的にロシア航空産業の実力は相当下がってきている気がします。

The National Interest


Russia’s Tu-160M2 Blackjack Supersonic Bomber: A Cruise Missile Carrier? ロシアのTu-160M2超音速爆撃機は巡航ミサイル運用を狙う機体になるのか

April 12, 2017

  1. ロシアのTu-160M2ブラックジャック超音速戦略爆撃機の生産は2022年に始まる予定だ。ロシア航空宇宙軍は同機を30機ないし50機発注すると見られる。Tu-160はソ連最後の戦略爆撃機として1991年のソ連崩壊前に登場した。
  2. 「2021年にR&Dを完了し、量産を2022年から開始したい」と合同航空機企業を率いるユーリ・スリューサルがロシア国内テレビの取材で答えているTASS通信が伝えている。「発注元と金額交渉中で30機から50機になると見ている」
  3. 同機は年間2機ないし3機のペースでカザンで生産されるようだ。ロシアの国防装備案件では珍しいがTu-160M2はきわめて現実的かつ高性能機材だ。「改修により性能を高めた機体になる」とマイケル・コフマン(ウッドロー・ウィルソン国際センターのケナン研究所主任研究員、ロシア軍装備専門家)はThe National Insterestに述べている。「PAK-DA(ステルス爆撃機)が実は夢の存在で現実的な解決策はTu-160の近代化だということです。またロシアが核運用の三本柱を維持する姿勢を見せつけるものです」
  4. ロシア筋もコフマンの評価と同意見だ。ワシリー・カシン(モスクワ高等経済学研究所内総合欧州国際研究センター上席研究員)が新型ブラックジャックの準備が進行中と述べている。「この機体は実際に製造されます」とThe National Interestに語っている。「実作業が行われており、50機生産になるでしょう」
  5. Tu-160初期型と同じく新型もマッハ2.0超の飛行速度を誇り、新型ブラックジャックは巡航ミサイル母機としてスタンドオフで核兵器を運用する。新型ではエイビオニクスを一新し、推進系や機体構造にも手を入れる。そうなると精密爆弾の運用は二次的になる。「まず巡航ミサイル母機で二次的に精密爆撃を実施するはず。相当の機体近代化を受けるだろう」(カシン)
  6. 新型Tu-160M2はロシアの国防装備更新事業の一環であり、戦略装備重視の具現化である。ロシア国防省は航空宇宙防衛に重点的に予算を計上しており、戦略核部隊、ハイテク兵器や無人機に注力しており、2018年から2025年まで実施される。
  7. Tu-160M2はクレムリンの軍事装備に強力な切り札になりそうだ。生産されるかではなく、いつ生産されるかの問題だ。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.
Image Credit: Creative Commons.

2017年4月9日日曜日

★★ロシア防空の後継機種MiG-41が実現する可能性は?




The National Interest

MiG-41: Russia Wants to Build a Super 6th Generation Fighter

ロシアが実現めざすMiG-41はスーパー第六世代戦闘機

April 6, 2017


  1. 広大な自国領空の防衛手段としてロシアは長距離飛行・高速なミコヤンMiG-31フォックスハウンドを重用している。同機の改修は続いているとは言え生産は1994年が最後だ。
  2. MiG-31は2030年代まで供用される見込みだが、ロシア政府は後継機開発が必要だ。すでに事前開発予算を計上しており、後継機は暫定的にMiG-41と呼ばれている。
  3. 「MiG-31後継機の開発に向けた初期検討がはじまっている」とロシア国防アナリストのワシリー・カシンが語っている。
  4. MiG-41はロシアの第五世代機スホイT-50PAK-FA航空優勢戦闘機と全く別個の開発となる。新型迎撃機は第六世代機で米空軍の侵攻滞空戦闘機あるいは米海軍のF/A-XXまたは次世代航空優勢戦闘機構想に匹敵する存在となる。
  5. カシンは言う。「5++または6世代機だろう。実現すれば米中およびヨーロッパで進む第六世代機に肩を並べる存在になる。2035年ないし2040年に供用開始となるだろう」
  6. MiG-41開発はPAK-FAの後となるため、スホイと資源の取り合いにはならない。「テスト飛行も2020年代中頃のはずで両事業はバッティングしない」
  7. だが懸念を示す向きもある。そもそもロシアに機体開発の余裕はあるのか。「紙上のプロジェクトの段階で、『設計図ができれば資金手当ては可能かも』という感じだ」と国防産業筋がNational Interestに語っている。
  8. ロシアにはMiG-31後継機として長距離迎撃機材が必要だ。何と言っても国土が広大である。ソ連崩壊後のロシアは各地に点在する基地で広大な国境線を守っている。「ロシアに長距離迎撃機が必要となるのは地理条件のためであり、MiG-31を可能な限り供用してから後継機種を確保するのは正しい考え方だ」(カシン)
  9. MiG-41が本当に実現するかは時が教えてくれるはずだ。たしかなことはクレムリンには同機実現の野心があり必要があることだ。問題はロシアにそのような野心の実現に必要な資源があるかだ。
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.


2017年2月28日火曜日

ロシア次世代爆撃機PAK-DAは本当に飛ぶのか


いろいろ苦境にあるロシアでこんな機体が本当に実現するのかわかりませんが、米国の国防筋は同機の存在を脅威としてこれから大々的に騒ぎ立てて予算を獲得するのでしょうか。

Russia to start building its next generation flying wing stealth bomber to replace the Tu-22, Tu-95 and Tu-160 aircraft

Feb 27 2017 -
PAK-DA想像図(出展 militaryrussia.ru、スプートニクニュース提供)は公式な想像図ではなく、実際の機体と異なる可能性がある。

およそ四年前ロシアの次世代ステルス爆撃機のコンセプト図が承認をうけていた。今や同機が現実のものになりそうだ。
  1. ツボレフ設計局が2009年から取り組んできたPAK-DA(高性能長距離航空機)はロシアが2023年に就役ををねらう新型爆撃機で既存のTu-95ベア、Tu-22M3バックファイヤー、Tu-160ブラックジャックの後継機をめざす。
  2. 国営スプートニク通信は新型戦略爆撃機の初飛行を2021年頃とし、その数年後に一号機を引き渡すとしているが、楽観的すぎる予測だ。
  3. いずれにせよステルス爆撃機は亜音速飛行の全翼機となる。米X-51、ファルコンHTV-2他が極超音速の攻撃機材を狙う中で、ロシアは超音速も視野に入れていない。スピードの代わりに高度ステルス性能、電子装備と人工知能による誘導ミサイルを搭載する。
  4. 「ミサイル搭載爆撃機を完全にレーダーから隠しつつ超音速飛行させるのは不可能。このためステルスを重視した。PAK-DAが搭載する人工知能ミサイルは射程7千キロに達し、状況から進路、高度、速度を自ら決定する。このミサイル開発はすでにはじまっている」とのロシア航空宇宙軍司令官ヴィクトル・ボンダレフ発言をロシア紙ロシスカヤガゼータが伝えている。
  5. このロシア全翼機は空対地ミサイル・空対空ミサイルを搭載の上、通常型および誘導式爆弾を運用する。2016年の報告書ではPAK-DAは6,740カイリの航続距離になるとしていた。兵装ペイロードは30トンだ。
  6. このPAK-DAから名称未定の「第六世代」戦略爆撃機が2040年代から50年代に登場すると噂されていたおり、昨年の資料によるとロシアは第六世代、第七世代の軍用機の開発に取り組んでいるという。
  7. ただしロシアが本当に新型ステルス爆撃機に加え第六、第七世代機を運用できるか断言できない。
  8. ロシアは現実には次世代ステルス戦闘機もAESAレーダーもまだ試験段階であり、実戦化していない。
  9. 第五世代戦闘機となるT-50 PAK-FAは各種の開発課題に直面したまま、費用も超過し、日程も遅れたまま未だに就役していないことを忘れてはならない。
  10. スホイはこのPAK-FAを原型に第六世代機をつくるといわれており、Su-27からSu-35を完成させた前例もある。
  11. ということはPAK-FAが5++世代機に発展する可能性があり、それが第六世代機に将来発展するかもしれない。
  12. 一方、PAK-DA想像図がインターネットに流布しているがその通りのクールな機体になるのかしばらく待とう。