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2023年1月12日木曜日

CSISによる米中戦シミュレーション:西側はかろうじて台湾防衛に成功するものの、大きな代償を払う。だから、こうした事態を防ぐため抑止力整備が必要だ。

台湾をめぐる米中軍事衝突が発生した場合のCSISシミュレーションで悲惨な姿が見えてきた

 


国は死傷者何千人を出すが、最終的には勝利する。これはで、2026年に中国が台湾へ水陸両用侵攻を試みるシナリオでのウォーゲーム24回試行の結論だ。

 ウォーゲームは、民間や軍の意思決定者が戦略を試す一般的な方法だ。多くの場合、高度に機密化されており、その結論、方法論、前提が公に詳しく説明されることはない。

 しかし、台湾がワシントンと北京の間の大きな争点として浮上してきたため、CSISはその結果と方法論を公表するという異例の措置をとった。

 CSISが発表した演習の要約には、「機密扱いウォーゲームは国民に透明でない」と書かれている。「適切な分析がなければ、公開討論が成立しない 」と。

 スミス・リチャードソン財団より資金提供を受けた今回のウォーゲームは、多様な参加者とともに、各種シナリオを検討した。ウォーゲームのルールは、理論的な兵器性能を含む歴史的データと研究に基づいたもの。

 北京が軍備を増強し、自治領である台湾を強制的に中国本土に統合させようとしているため、米国の議員、当局者、オブザーバーは、インド太平洋での軍事衝突への懸念を強めている。国防総省は新国防戦略で中国を「ペースメーカー」の課題に挙げた。しかし、台湾をめぐる戦争で米軍がどのように戦うのかは、これまで不明であった。

 国防総省によるウォーゲームは政策に影響を与え、軍事戦略を形成するもので、高解像度画像や米軍、同盟国、敵国の装備に関する機密情報などの情報評価や非公開データを利用する。しかし、CSIS報告書では、機密扱いのウォーゲームの「仮定と結果さえも一般には不透明」と指摘している。

 ミッチェル航空宇宙研究所の所長であり、ウォーゲームに参加した退役米空軍中将デビッド・A・デプチュラretired USAF Lt. Gen. David A. Deptulaは、「おそらく最も重要なことは、今回のウォーゲームを公開で行ったことだ」と述べた。「このゲームでは、通常、機密事項として扱われるため、議論されることのない結果について、開かれた議論と対話が可能になった」と述べた。

 24回繰り返されたゲームでは、両軍の消耗が激しく、米軍の水上艦や航空機が大量に失われ、長距離精密誘導弾がすぐに枯渇する悲痛な結果が示された。日本に駐留する米軍を攻撃すれば、日本は即座に紛争に巻き込まれる。

 「ほとんどのシナリオで、米国/台湾/日本は中国による通常型の水陸両用侵攻を撃退し、台湾の自治を維持した。しかし、防衛には高いコストがかかる」と、著者のマーク・カンシアン、マシュー・カンシアン、エリック・ヘギンボサムMark Cancian, Matthew Cancian, and Eric HeginbothamはCSIS報告書に記している。「米国と同盟国は、何十隻もの艦船、何百機もの航空機、そして何万人もの軍人を失った。台湾は経済的な打撃を受けた。さらに、この大きな損失は、長年にわたって米国の世界的な地位を損なう結果を生んだ」。

 2022年のピューリサーチセンターの世論調査によると、アメリカ人の86%が中国の軍事力を「やや深刻」または「非常に深刻」な問題ととらえている。台湾と中国の緊張関係についても82パーセントが同様に感じている。

 しかし、中国との紛争がどのような事態を招くか、米国に流血と財産の犠牲をもたらす可能性があるかについては、一般にはほとんど知られていない。

 「空母打撃群が太平洋に沈むような損失を、米国は国家として受け入れる準備ができているのだろうか。私たちは長い間、国家としてそのような損失に直面する必要はなかった」。新アメリカ安全保障センターのゲームラボの責任者で、今回のウォーゲームに参加したベッカ・ワッサーBecca Wasserは、次のように語ってる。「インド太平洋で効果的に抑止するためには、最悪のシナリオに備える必要があり、そのためには、今、変化を起こす必要がある」。

 CSIS報告書によると、アメリカは、AGM-158C長距離対艦ミサイル(LRASM)のような長距離精密兵器の供給に早急に対処し、より分散した空軍基地での運用に備え、航空機用シェルターを強化し、爆撃機戦力を強化しなければならない、などの提言が見られる。

 「準備不足のままで、国民が目を覚ますには損失が必要であり、できれば修正する時間が欲しい」とデプチュラは述べた。

さらにワッサーはこう言った。「戦争が起こってほしいからではなく、戦争が起こらないようにするため、戦争を演じようとしている」。■

 

 

CSIS Simulation Offers a Rare Look at US-China Clash over Taiwan and the World of Wargaming | Air & Space Forces Magazine

Jan. 9, 2023 | By Chris Gordon

 


2020年4月8日水曜日

CSIS主催のアジア太平洋会合がF-3を議論

F-3開発はインド太平洋の観点で見れば日本だけの思惑で実現できる事業ではないようです。また2020年代以降に始まる新たな戦闘機開発事業は少なく、それだけF-3に各国も注目しているのでしょう。CSISはこのフォーラムを今後も続けると思われますので、情報公開が楽しみです。


本が開発を目指す、次期戦闘機がワシントンのシンクタンク主催の非公式意見交換の場で話題となった。日本、米国、英国、オーストラリアの各国関係者が新型機の要求性能や期待内容を話題にした。
戦略国際研究センター(CSIS)が立ち上げた1月の第一回会合に25名程度が参加したという。内訳は政府関係者、企業幹部、4カ国のシンクタンク研究者だったとCSISで米国の同盟国関係をまとめるパトリック・ブチャンが述べている。
同会合は外交用語で「トラック1.5」と呼ばれる作業部会とされ、正式な政府間会合と舞台裏外交の中間の位置づけとブチャンは説明。正式な会合として政府関係者が個人の意見として議論に加われ、チャタムハウスルールで公式表明は回避したという。 
作業部会の司会はCSIC副理事長でアジア担当のマイケル・グリーンだった。グリーンは1980年代から90年代にかけ展開され、誤解と失望に終わったFS-X事業の二の舞は避けたいとの意気込みで作業部会をまとめた。ブチャンは同事業から生まれたF-2は性能不足だったと表現。
FS-X事業での日米協力関係は両国の緊張が高まる1980年代後半に生まれた。そして現在はトランプ政権が在日駐留米軍経費の日本側負担を5倍にする要求を付きつけ日米で摩擦があらわれている。
当時との違いは中国の軍事装備近代化が進展したことで、次期戦闘機の行方にも影を落としている。日米双方とも日本の要求水準を満たせない装備品にしてはいけないと自覚している。
日本政府関係者がそのまま出席することは困難と理解したCSISは作業部会の形にして日本も議論に加われるようにしたとブチャンは説明。第一回会合ではグリーンは質問12項目を参加者に下し、各自は個別装置のボタン操作で秘密のうちに回答した。
CSISは質問項目と回答内容の完全な一覧を今春中に公表する。一例が次期戦闘機の技術互換性だ。参加者に戦闘機が互換性を有するのが望ましいインド太平洋地区の国(米国以外)を上げるよう求めた。回答にはオーストラリア、インド、韓国が入っていた模様だ。参加者の83パーセントがオーストラリア空軍との互換性を望んだとブチャンは述べている。■
 この記事は以下を再構成したものです。

Think Tank Creates Informal Forum For Japan NGF Talks

Steve Trimble April 06, 2020


2017年12月14日木曜日

★★CSIS によるJ-20戦闘機の評価をご紹介

  • 有力シンクタンクCSISの中国研究部会がJ-20についてまとめていますのでご紹介しましょう。当初の予想からずいぶんと変わってきましたが、中国独特の用兵思想も見えてきます。少数生産で終わるのか、長期間の供用期間で改良を加えて変化していくのか今後の要注意点と思われます。



Does China’s J-20 rival other stealth fighters?

ステルス他機種と比較して中国J-20は対抗できるのか




  • 成都J-20は中国軍初のステルス戦闘機だ。国防総省(DoD)によれば、中国はステルス技術を空軍の「国土防空部隊から防御攻撃双方で実力を発揮する部隊への変身で中核の存在ととらえている」。J-20はステルスと機体性能で従来は不可能だった軍事オプションに道を拓き、中国の兵力投射能力を向上させる効果を生む。

J-20の開発



  • 高性能多用途ステルス戦闘機としてJ-20は対空対地双方で人民解放軍空軍(PLAAF)、海軍航空隊(PLAN-AF)に投入されるはずだ。DoDの2016年報告書ではJ-20を「高性能機材で地域内兵力投射能力を向上させながら地域内空軍基地等を攻撃する」中国の狙いで重要な存在と見る。2014年に米中経済安全保障検討委員会はJ-20を「アジア太平洋各国の現有戦闘機より高性能」と評した。
  • J-20搭載のサブシステムと低探知性技術は国際的に通用する「第五世代」機に相当する。つまりステルス技術、超音速巡航性能、高度に統合されたエイビオニクスを有する。J-20はこの定義に当てはまる初の中国機だ。
  • ただし中国の機体世代名称の定義が国際基準と違う。中国定義では機体の就役開始時期で世代を分ける。中国基準ではJ-20は第四世代機になる。

世代別機材の分類
世代
国際定義
中国の定義
1st
Circa 1945-1955 aircraft, such as:
F-86.
Aircraft deployed in 1950s-1960s, such as:
J-5 & J-6.
2nd
Circa 1955-1960 aircraft, such as:
F-104 & F-105.
Aircraft deployed in 1970s-1980s, such as:
J-7 & J-8.
3rd
Circa 1960-1970 aircraft, such as:
F-4.
Aircraft deployed in 1990s-2000s, such as:
J-10 & J-11.
4th
Circa 1970-1990 aircraft, such as:
F-15 & F-16.
Aircraft deployed in 2010s, such as:
J-20.
5th
Circa 1990-present aircraft, such as:
F-22 & F-35.
N/A


  • 現時点で第五世代機を作戦展開できるのは米国だけだ。ロシア、インド、日本が独自に第五世代ステルス戦闘機を開発しようとしている。
  • J-20と別のステルス戦闘機を中国は同時開発中だ。これが瀋陽FC-31小型多用途ステルス戦闘機で輸出用機体だろう。二機種は補完関係にありF-22とF-35の関係と似る。ステルス戦闘機二機種を同時開発するのは米中のみである。
  • 空軍参謀総長デイヴィッド・ゴールドフェイン大将によればJ-20は情報時代の戦闘機として国防ネットワークへのリンクを前提にし、リアルタイム情報を衛星や無人機から利用できるはずとする。そのためF-35と同様にJ-20も単独機種というよりも「システムファミリー」として見るべきとする。
  • 2017年9月28日にJ-20が正式に軍で供用開始したとの発表があったが、完全な戦力化は2018年ないし2019年とみられる。

J-20 と他のステルス機の比較
  • J-20は高性能戦闘機の一機種としてF-22ラプターやSu-57(T-50) PAK FA と同類だ。当初報道ではJ-20の全長は23メートルとされたが、衛星画像解析から20.3から20.5メートルとされ、米ロ戦闘機とほぼ同じとなる。
  • J-20のMTOW(最大離陸重量)は34トンから37トンと見られ、F-22のMTOWは38トン、Su-57は35トンから37トンだ。一部分析でJ-20のMTOWはF-22を下回らないとする。両機種の寸法はほぼ同じだがJ-20ではエンジン配置が後方に寄せられており機内搭載容積が大きいはずだ。

機首
全長
全鷹
翼幅
最大離陸重量
燃料搭載量
J-20
20.3 – 20.5 m
4.45 m
12.88 – 13.5 m
34,000 – 37,000 kg
25,000 kg / 12,000 kg (w/o external tanks)
F-22
18.90 m
5.09 m
13.56 m
38,000 kg
11,900 kg  / 8,200 kg (w/o external tanks)
T-50 PAK FA
19.8 – 20.8 m
4.74 – 5.10 m
13.95 – 15.0 m
35,000 – 37,000 kg
10,300 kg
Figures for the J-20 and T-50 are estimates and likely to change as more information becomes available.


  • J-20には小型空対ミサイルを収納する兵装庫二つの他に大型兵装庫1があり各種ミサイルや対地攻撃兵器を収納できる。F-22の兵装庫仕様と似ているが、ロシアSu-57とは異なる。ロシア機は大型小型兵装庫各2をそなえる。.
  • J-20は各種高性能電子装置も搭載するはずだ。その一部としてアクティブ電子スキャンアレイ、赤外線電子光学探知装置もあり、F-35搭載装備に匹敵する。さらにJ-20には高性能通信装置が付きデータリンクで友軍機材と情報共有できるはずだ。
  • 試作機と初期生産機材はロシア製AL-31エンジンを搭載したが中国はより強力なエンジンの開発を目指している。2017年3月には Aero Engine Corporation がJ-20に次世代エンジンを採用すると発表した。報道を総合すると国産WS-10の搭載をめざしている。これはF-22のプラット&ホイットニーF119に匹敵するものになりそうだ。ただしWS-10がいつ実用化になるか不明で導入は後期生産機材以降になりそうだ
  • オーストラリアのシンクタンクは物理光学シミュレーションでJ-20のステルス性能を確認した。ただし初期型の機首が丸くなっておりステルス性には不利だ。中国はJ-20のステルス性能を段階的に引き上げる意向なのだろう。WS-10エンジンの改良型では排気口をギザギザにしレーダー探知を逃れるとの報道があるが、F-22のF119エンジン排気口は四角形でステルス性に優れている。
  • ただしJ-20の詳細面は多くが不明のままだ。確認された機体番号から少なくとも11機が生産されているらしい。また現在は低率初期生産段階にあるようだ。J-20の機体価格では30百万ドルから120百万ドルと意見が分かれている。比較するとF-22は143百万ドル、Su-57は100百万ドル未満と思われる。J-20が何機生産されるかも不明だが旧式戦闘機の代替として数百機の生産になるともいわれる。

中国はJ-20をどう活用するか



  • J-20で中国の軍事力は飛躍的に向上する可能性がある。2014年の米海軍大学校報告書では「東アジア各国の中で最も強力な戦闘機になる」と見ており、米中経済安全保障検討委員会も同様の評価だ。J-20があと数年で完全戦力化されればPLAAFはインド、日本、韓国の空軍力に差をつけることになる。各国が国産高性能戦闘機を導入するのは2020年代以降とみられるからだ。
  • ただしJ-20の航空優勢戦闘機あるいは攻撃機としての威力について評価が分かれる。J-20のステルス効果が前面重視のため長距離迎撃任務に向くと見る評価がある一方、長距離攻撃機として最適と見る向きもある。2015年のRAND報告書ではJ-20の「前面ステルス性能と長距離性能を考えると米海軍水上艦艇に脅威となる長距離海上攻撃能力を真剣に受け止めるべき」と指摘した。ただし、同機の機体寸法と兵装を見ると攻撃機材として効果的な運用はできないと見るべきだ。中国パイロットがどの任務で訓練されるかでJ-20運用のねらいがわかるだろう。

開発の歩み
Date
Milestone




January 11, 2011
J-20 completes its first test flight.




December 26, 2015
New J-20 prototype spotted, J-20 possibly enters low-rate initial production phase.




November 1, 2016
China debuts the J-20 at the 11th China International Aviation & Aerospace Exhibition in Zhuhai.




March 9, 2017
It is reported that the J-20 has entered service with the PLAAF.




September 28, 2017
The J-20 is officially commissioned into military service.






  • 報道でJ-20の航続距離は1,200キロから2,700キロとばらつくが、戦闘行動半径が中国本土から相当先までカバーするのは確かだろう。米海軍大学校はJ-20を「数百カイリ先で水上艦艇を狙うのに最適の機材」と見ている。Air Power AustraliaはJ-20を中国の「第一列島線」と「第二列島線」での作戦用機材と見る。中国が空中給油を実用化すればJ-20の作戦範囲はさらにひろがるだろう。
  • 飛行距離が伸びれば中国は基地運用で大幅な柔軟性を手にすることになる。J-20が現在内陸部に配置されているのは遠隔地での作戦後に統合防空体制のある範囲に帰還させる意図だろう。J-20を追尾する敵航空機を早期警戒と長距離地対空ミサイルや迎撃機で追い払うねらいがある。■



2016年7月15日金曜日

判決後の中国の行方は不明、今の段階では、だが...



中国も閉塞状況に陥ることを防ぐため、急いで手を打ってくるでしょう。どうでもいいようなアフリカやパキスタンといった中国友邦国の中国支援の合唱なのか、フィリピン等関係国への懐柔策なのか露骨な軍事力の誇示なのかまだわかりません。一方で東シナ海情勢についても注目が集まると思いますが、対称的な情勢の違いは日本の抑止力から来ているのでしょう。その意味で今回の選挙でも有権者はまだ意識していませんが、しっかりした安全保障の観点を維持していく、必要な軍事力を整備していくことの重要性は明らかです。日本としては東シナ海で中国の暴走がおこならないようにする一方で、南シナ海の各国との連携で日米豪のプレゼンスを展開していくべきです。だからこそ中国は先回りして日本を牽制しているのですね。

  Experts Say China’s Path After South China Sea Ruling Unclear

By: John Grady
July 13, 2016 3:14 PM


中国が国際仲裁裁判所決定を拒絶する姿勢を明らかにしている中、米中で軍事緊張が高まるのか、交渉の可能性が広がるのか現段階で断言できない。

  1. 元自衛艦隊司令官の香田洋二海将(退役)は今回の裁定結果について日米両国政府には「既成事実」と述べている。
  2. ワシントンDCの戦略国際研究センターに集まった聴衆に香田はスカボロー礁で中国が土地造成に踏み切れば軍事的観点で「情勢が大きく変わる」と指摘。.
  3. 軍事三角形が完成すれば中国は九段線に向け自国本土から兵力投射が可能になることを香田が言及した。「すぐ開戦にならないとはいえ十分備えておく必要が生まれます」仲裁裁判所決定には法的強制力はない。
  4. 王立国際問題研究所で国際法を専門とするジュリア・シュエ主任研究員は今回の決定への中国の反応は「一時的に緊張を高める」効果を該当地域にもたらすが、同時に「各国を将来を考えさせる」結果を生む。同研究員は中国外務省の声明文で交渉に応じるとのくだりに注目し、在米中国大使も同様の発言をしている。
  5. 中国は1970年代から自国を海洋大国とみなし、この五六年に動きを加速し国家指導部も「海から変える」思考で世界における自国の役割を想定してきた。台頭する海洋国家として中国は内陸部では「新シルクロード」で西方への通商をめざし、アジア向けの投資銀行も設立したと同研究員は指摘。
  6. 投資機関エイジアグループを主宰するブライアン・アンドリュースからは「南シナ海問題で中国の負けは米国の勝ち、とゼロサムゲームで見る」のは米側の思い違いと指摘。
  7. 米国のアジア再バランスについて香田は「短期間で成果は出ていない」とし、同盟国同士の日米両国は今回の決定を受け「新しい戦術を生み出す必要がある」という。
  8. 「米国のプレゼンスはインド洋から太平洋まで安定をもたらす存在で、南シナ海はその途中にある」と指摘した。
  9. マレーシアの戦略国際研究所で外交政策と安全保障研究をとりまとめるエリナ・ノールから東南アジア沿海諸国で南シナ海の主権領有権が未解決と指摘が出た。「資源問題もある」とし漁業からエネルギーの存在も指摘した。またマレーシア固有の問題として首都クアラルンプールがある半島部と三時間かかる東のボルネオ島の大部分が同国の主要部分で南シナ海が隔てていることを言及した。
  10. 東シナ海では引き続き日本と中国が尖閣諸島をめぐり緊張しているが、安定した状態だと幸田は指摘した。その理由として海上保安庁の体制が冷静だがしっかりしていること、その背景に海上自衛隊と米太平洋艦隊が必要あれば対応できると指摘し、同地点は「当面は安定した状態」と、五年から七年間先を見越した。■