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2020年6月1日月曜日

F-35各型で機体価格が軒並み低下、しかし60年間の総経費は1兆ドルのまま



  •  開発調達コストは7.1%減とペンタゴンがまとめた
  • 長期間にわたる供用、維持コストは7.8%増との試算


ッキード・マーティンF-35の機体価格に低下の兆しが見えてきた。開発調達費用の最新試算は7.1%減の3,978億ドルになった。


ただし議会、納税者は手放しで喜べない。66年間の運用維持総費用は1.182兆ドルとペンタゴンの昨年試算から7.8%上昇している。国防総省のF-35事業評価からBloomberg Newsがまとめた。


F-35事業管理室による調達費用低下試算は朗報の一つで、その他にも納期順守率の向上、パイロットの生命を脅かしかねない欠陥の解決、ソフトウェア不良の解決などがある。


報告書はまだ公表されていないが、F-35の海外販売見込を合計809機とし、昨年の764機から増加。


各種改良が進むF-35は国防予算削減の波から守られそうだ。Covid-19大量流行で連邦予算赤字は急増し、ペンタゴンも予算規模は2025年まで増加できる状況でないと見ている。


F-35の今後の予算見通しでは、2022年度の94機調達予定を9機削減するとある。94機調達は2023年度2024年度とし、2025年度は96機と見込む。2021年度要求が79機から拡大る。F-35で米軍向けと同盟国向け需要が3,200機の試算があり、このうち500機が引き渡し済みだ。空軍は計1,763機調達を目指し、米軍向け2,456機の中心となっている。


報告書作成の昨年12月時点でウィルスは大量流行していなかった。ロッキードは先週、Coovid-19の影響でF-35生産が一時的に減速と発表し、今年納入予定の141機で最大24機に遅延発生の可能性を明らかにした。


ペンタゴン評価ではロッキード及び協力企業のデータで年間生産実績をもとに製造機数を見直しており、調達費用を下げていることがわかる。F-35の米空軍向けA型の「フライアウェイ単価」は12.1百万ドル下がり、57.4百万ドルになった。ただし、エンジンは含まない。海兵隊向けB型は80百万ドルが72.1百万ドルになり、海軍のC型は79.5百万ドルから72.3百万ドルになった。


ただしこれで2077年までの供用期間中に発生する1兆ドルが減るわけではない。今後の見通しについて2019年3月、国防長官代行だったパトリック・シャナハンは「DoD史上最大の事業規模となり、機体維持経費は核兵器近代化事業とほぼ同額」と述べていた。■


この記事は以下を再構成したものです。



2020年5月29日 17:00 JST

2013年5月26日日曜日

F-35の機体単価が今後は下がるとの試算をペンタゴンが発表。ただし50年間供用が前提!

What Does Lockheed's F-35 Fighter Jet Really Cost?

By Reuters
aviationweek.com May 24, 2013
Credit: U.S. Defense Department


ペンタゴンが今週木曜日に合計78の兵器開発プログラムの費用見通しを発表し、F-35分ではこれまで費用が上昇する一方だったものが、はじめて減少見込みと表示されている。

同機開発に費用分担しているのは英国、オーストラリア、カナダ、トルコ、イタリア、ノルウェー、デンマーク、オランダの各国。イスラエルと日本が発注済みのほか、シンガポールがまもなくここに加わると米政府筋が明らかにした。ロッキードは韓国の60機発注を期待している。

それでは鍵となる数字を以下ながめてみよう。

計画全体の費用
  • 最新の米国防総省試算では同機の開発、テスト、生産の費用を3,912億ドルとし、昨年度の3,957億ドルより下がっている。試算は米国の購入規模を生産型2,433機、試験用14機と想定したもの。
  • テスト飛行中に見つかった問題の解決策を完成済み機体に実施する費用は17億ドル、これは生産バッチ10個分をカバーするとして政府会計検査院が弾きだした数字。
  • 新規生産分の運用、維持費用は1.1兆ドル、ただし耐用年数を50年と想定。ペンタゴンは今年秋にこの数字を見直す見込み。
  • ペンタゴン高官から同機の費用は負担範囲を超えているとの発言があった。関係者は段階的に運用費用の削減を図っており、プラット・アンド・ホイットニーに燃料消費効率の5%改善を求めている。

機体単価
  • 今回のペンタゴン試算では空軍向け、海兵隊向けの機体耐用年数期間中の見積もりが低下している。ただし米海軍向け艦載型は上昇。
  • 通常離着陸型のAモデルの平均機体単価は研究開発費用を含めず76.8百万ドルで、昨年の見積より1.9百万ドル下がっている。B型は103.6百万ドル。
  • 艦載型の最新見積もりは単価88.7百万ドルで1.7百万ドル昨年より上昇。
  • 最新の第五バッチ発注分では直近のバッチより4%下がっており、今後も単価は着実に下がっていくとクリストファー・ボグダン空軍中将(F-35統括責任者)は見ている。
  • ロッキードは次回バッチ2回分の提案を1月提出ずみ、合意形成は今夏の見込み。
  • 先回の契約による空軍向け機材22機の契約単価は119百万ドルとボグダン中将は明らかにした。昨年は127百万ドルだった。
  • 海兵隊向けB型3機(第五バッチ)は単価153百万ドルで昨年の164百万ドルより低下。
  • 海軍のCモデルは同じ第五バッチで139百万ドルで昨年の148百万ドルから低下。

今後は生産機数の増加に応じて機体価格が下る見込みで、ボグダン中将から目標単価の達成についてA型で2020年との見込みとの発言があり、同年にオーストラリア向け100機受注分の引渡しが始まる。

ロッキード幹部からは政府試算数字は控えめ過ぎで今後の生産機体は2010年代末に量産体制になれば大幅に下がるはず、との発言が出ている。
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同機へ批判的な向きからは今回のペンタゴンの数字は低めに出ており、テスト中に見つかる技術問題で価格上昇の影響が今後の新造機にも出てくると見ている。

同機はロッキード・マーティンのフォートワース工場(テキサス)で生産中で、ノースロップ・グラマンおよびBAEシステムズPlsが主要サプライヤーとなっており、プラット・アンド・ホイットニーがエンジンを製作している。■