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2026年6月27日土曜日

カナダがGCAPへ関心を示している ― カナダの思惑はF-35調達を削減し、別の機種を導入する「分散調達」だ。

 Official rendering of the GCAP demonstrator for the Tempest future fighter.

BAEシステムズ

第6世代戦闘機GCAPへ関心を示すカナダ

Canada Throws A Curveball As It Signals Interest In Joining GCAP Sixth-Gen Fighter Program

この動きは、オタワが戦闘機の分散調達を検討するとともに、米国以外との防衛提携拡大を模索する中で行われたものだが、タイミングが課題だ

https://www.twz.com/air/canada-throws-a-curveball-as-it-signals-interest-in-joining-gcap-sixth-gen-fighter-program

ナダにおける新型戦闘機の導入をめぐる長い騒動に新たな展開が見られた。同国の国防相は次世代戦闘機「グローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)」について「さらに詳しく知りたいと考えている」と述べた。GCAPは現在、英国が主導し、イタリアと日本が参加する3カ国による共同プロジェクトである。その中核をなすのが、有人戦闘機「テンペスト」だ。そのデモ機は英国のBAEシステムズ社によって開発が進められている。

カナダのデビッド・マクギンティ国防相は、東京で日本の小泉進次郎防衛相と会談した後、このように述べた。Breaking Defense の報道によると、マクギンティは小泉とGCAPについて話し合ったことを認め、同氏はこの計画を「有望な取り組み」と評した。「詳しく知りたい。持ち帰り検討してみる」と、マクギンティはロイターに語った。

これまで、カナダ高官がGCAPへの関心を公に表明したことはなかったようだ。しかし、この動きは、オタワが戦闘機の分散調達という選択肢を検討している最中に起こったもので、これには米国製F-35と、もう1機種の取得が含まれることになる。この考え方には、オタワとワシントンとに溝が深まっていることが背景にある。

しかし、カナダが「オブザーバー」としてGCAPに参加する可能性については、今年3月にすでに指摘されていた。『朝日新聞』によると、匿名の日本政府高官は、前回の会談でマクギンティ小泉両名がその取り決めを協議したことを明らかにした。

富士山を背景にした、テンペストの想定される構成を示す公式コンセプト画。MHI

カナダがオブザーバーとしてGCAPに参加すれば、同プログラムに関する情報アクセスが可能となり、より深い関与への足がかりとなる可能性がある。

今週初め、イタリアのグイド・クロセット国防相は他国のGCAP参加の可能性に言及し、そうなった場合、「全面的に歓迎する。参加国が増えれば増えるほど、何かを生み出し、コストを削減できる可能性が高まる」と述べた。

クロセットはカナダを「現時点で(GCAPに)最も関心を示している国」と指摘した。同氏は、カナダがオブザーバーとして参加することについて「全面的に歓迎する」と述べた。

しかしカナダにとって、GCAPへの参加は、新型戦闘機導入に向けた「分割購入」アプローチの再考を迫ることになるだろう。

これまで、サーブ・グリペンEが、F-35と並行して購入される可能性が最も高い候補機と見なされてきた。スウェーデンはオタワへのグリペン販売を強力に推進しており、サーブはカナダ国内製造を提案した。これは、以前の入札でロッキード・マーティンに敗れた際の支持を確保するための取り組みであった。それ以来、サーブは「グローバルアイ」を通じて、カナダの将来の空中早期警戒管制機(AEW&C)を供給する最有力候補としても浮上している。

今年4月、マクギンティは、オタワが88機のF-35を購入するという以前の計画は依然として検討中だと認めた。

「F-35購入の検討は継続中だ……戦闘機調達問題を極めて綿密に検討するために必要な時間を割いている」と、マクギンティは上院防衛委員会で述べた。

「分割購入」という選択肢が浮上したのは、カナダが老朽化したCF-18ホーネットの置き換えを開始するため、F-35Aを16機購入するという確固たる約束を交わしているからである。また、カナダ産業界もJSFプログラムに相当程度関与している。

F-35プログラムにおけるカナダ産業界の参画状況を示すインフォグラフィック。ロッキード・マーティン

カナダは現在、CF-18A/B+を約75機保有しており、さらに18機の、オーストラリア空軍(RAAF)から引き継いだ改修済みF/A-18A/B、および予備7機を追加し、戦力の強化を図っている。

カナダが最初に導入するF-3516機のうち、4機について全額の支払いが完了しており、他の8機分の部品も購入済みである。カナダ向けの最初のF-35は、2026年にアリゾナ州ルーク空軍基地での訓練用に納入される予定だった。

2023年、カナダの自由党政権はF-35を88機購入する計画を発表し、この決定により、非常に長期化していたプロセスがようやく決着したように見えた。


カナダが将来導入するF-35Aの主な特徴をまとめたインフォグラフィック。RCAF

しかし、貿易摩擦の高まりや米国との舌戦を背景に、自由党のマーク・カーニー首相は、2025年春に就任しF-35プログラムの見直しに着手した。

購入を分割すべきという他の論拠もある。2019年当時、計画されていたF-35の88機購入費用は190億ドルと見積もられていた。現在では、兵器やインフラ費用を除いても、277億ドルへ急騰している。

昨年、F-35購入の見直しが開始された当時、国防相を務めていたビル・ブレアは、混合機体制の利点を指摘し、これによりカナダ空軍(RCAF)が様々な種類の脅威に対処する選択肢が増えると述べた。

「その空域で数ヶ月、数ヶ月、さらには数年もの間、任務を継続しなければならないとしたらどうなるか? 使用する装備は、その任務を遂行するのに適切な装備なのか?」とブレアは語った。「直面しうるあらゆる事態に対処するためには、極めて幅広い能力セットを備えておく必要がある。」

カナダがテンペストを調達する場合、2035年より遅くなることは確実だ――GCAP戦闘機がこの期日までに就役する見込みは極めて低い。カナダは主要パートナー国に次ぐ4番目の順番となるだろう。オタワは、当初の計画数の約3分の2、つまり約60機程度のF-35を追加購入するとともに、可能であれば、保有中のCF-18のうち状態の良い機体を長く運用し続ける必要があるだろう。ホーネットは老朽化が進んでおり、海外で退役が進んでいる。その維持支援はますます困難になるだろう。テンペスト導入が始まれば、ハイ・ロー戦闘機構成が逆転することになる。これは、現在F-35を運用している英国、イタリア、日本が採用しているアプローチと本質的に同じである。

BN2012-0408-02 November 22, 2012 Bagotville, QC A two-seater CF-18 flies over the Parc des Laurentides en route to Valcartier firing range. Photo: Corporal Pierre Habib, 3 Wing Bagotville © 2012 DND-MDN Canada ~ BN2012-0408-02 22 novembre 2012 Bagotville, Québec Le vol d'un CF-18 à deux places en route vers le champ de tir de Valcartier, au dessus du parc des laurentides. Photo : Caporal Pierre Habib, 3e Escadre Bagotville © 2012 DND-MDN Canada

ヴァルカルティエ射撃場へ飛行する2座型のCF-18B。DND-MDN Canada Négatif 2012; Négatif 2012

しかし、テンペストはカナダの戦闘機要件に特に適しているように見える。

同機の設計では、極限の航続距離と大きな搭載量――F-35Aの約2倍――が重視される。GCAP関係者は、この機体が空中給油なしで大西洋を横断できる内部燃料を搭載できる可能性があると述べている。

これらの特性は、インド太平洋地域における将来の紛争に向けて最適化されているが、戦略的に極めて重要な北極圏深くまで広がるカナダの広大な国土周辺で高まるロシアの脅威や、「距離の壁」に対処する上でも同様に有効である。

中国ロシアの両国は、はるかに高速で、より長射程の第五世代戦闘機および第五世代ミサイルを保有しており、これらが現時点で西側同盟国を脅かしている」と、カナダ王立空軍(RCAF)のジェイミー・スパイザー=ブランシェ中将は過去に述べている。

また、GCAPの3つのパートナー国がいずれも現在使用しているものよりも射程が長い大型の空対空ミサイルを「テンペスト」に装備する計画も明らかになっている。

カナダが、中国やロシアからの現在・将来の脅威に対処するため第6世代戦闘機を導入すると決定した場合、GCAPが唯一の現実的な選択肢となる可能性がある。競合する汎欧州のフューチャー・コンバット・エア・システム(FCAS)破綻した上、カナダがボーイングF-47を入手できる可能性はほぼない。

しかし、いかなる形態の分割購入でも、「インフラや訓練の一定部分が重複することになる」と、スパイザー=ブランシェ中将は認めた。

ただ戦闘機部隊を混成編成することには費用対効果の観点からの利点があり、また、この種の戦闘装備を単一の供給源に完全に依存しない重要な要素もある。

また、少なくとも産業参加や運営要件の観点から、現時点でカナダがGCAPに参加することがどこまで現実的なのかという問題もある。後者については、各国の要件がすでに決定されており、作業分担協定の大部分もパートナー3国間で分割済みであるため、ほぼ不可能に近いと思われる。

同じことが、過去にGCAPへの参加を検討したインドにも当てはまる。

サウジアラビアが何らかの形でGCAPに参加する可能性について言及されており、さらに最近では、ポーランドも同機の購入に関心を示しているとの報道がある

こうした状況を踏まえると、カナダにとって最善の策は、産業面での思わぬ利益を期待するよりも、このジェット機を「既製品」として購入することかもしれない。

同時に、カナダと英国は、カナダ王立海軍の将来のリバーカナダ水上戦闘艦など、重要な軍事プログラムでもパートナー関係にある。同艦は、英国王立海軍向けのBAEシステムズのタイプ26設計を基にしている。

「テンペスト」に戻ると、GCAPプログラムは、今後待ち受ける技術的・政治的な多大な課題を乗り越えなければならない。

これまで何度も説明してきた通り、全く新しい戦闘機、特にステルス技術を組み込んだものを開発するプロセスは、非常に長い開発期間と多額のコストを伴う。

現時点で、BAEシステムズはGCAPプログラムの一環として実証機の製造を進めており、2027年末までに初飛行を行う予定だ。

実証機の最新レンダリング画像をこの記事の冒頭に掲載した。注目すべきは、タイフーンのEJ200ターボファンエンジンを、ステルス性のないノズル付きのまま採用している点だ。「テンペスト」には、全く新しい推進システムが搭載される。

これまで本誌が指摘してきたように、時間が経過すればするほど、またカナダがF-35との結びつきを深めれば深めるほど、戦闘機の分散調達を正当化することが難しくなる。テンペストの購入は確かに最も安価な選択肢ではなく、スケジュールを見直す必要も生じるだろうが、このことは、カナダが視野を広げ、高度な能力に注目し、米国以外との戦略的関係を深めようとしているという事実を浮き彫りにしている。■

トーマス・ニューディック

スタッフライター

トーマス・ニューディックはTWZのスタッフライターであり、軍用航空、防衛技術、兵器システム、国際安全保障を担当している。ドイツのベルリンを拠点とし、世界中の紛争、軍事近代化の取り組み、新興の航空宇宙技術について報道しており、特に空軍力と現代戦争におけるその役割に関心を寄せている。彼の報道は、現代および歴史的な空軍力、とりわけヨーロッパにおける深い専門知識に基づいており、大陸全域およびそれ以上の地域における軍用航空、空戦、航空宇宙技術の発展に焦点を当てている。

2026年6月23日火曜日

カナダの次期潜水艦建造を巡り韓国・ドイツが争っているが、売り込みが雇用や産業育成に焦点を当てながら、同国の安全保障における新型潜水艦の意義が注目されないのはおかしい

 

カナダの潜水艦建造をめぐり2カ国が争っているが同国の安全保障上で潜水艦の意義を問う者はほとんどないという事実

Two Countries Are Battling to Build Canada’s Submarines. Almost No One Is Asking What the Subs Are For

入札企業は2社に絞られ、決定は数週間以内に下され、600億ドル商談が迫っている。にもかかわらず、カナダ向け次期潜水艦をめぐる大きな議論は、潜水艦は北極海、北太平洋、北大西洋での任務に耐えなければならない事実にもかかわらず工場や雇用に焦点が当てられたままだ。

https://nationalsecurityjournal.org/two-countries-are-battling-to-build-canadas-submarines-almost-no-one-is-asking-what-the-subs-are-for/


Victoria-Class Submarine Canadian Navy Photo

ヴィクトリア級潜水艦 カナダ海軍写真

カナダはヴィクトリア級潜水艦の更新について長年にわたり議論してきたため、同計画が実際に実現するかもしれないという事実を忘れがちだ。カナダ哨戒潜水艦プロジェクトは、当初25案の参加表明が殺到する混戦状態から始まり、現在はドイツの212CD型と韓国のKSS-IIIという2つの有力候補に絞られた。両者の正式な提案書はすでにオタワの手に渡っている。マーク・カーニー首相は6月末までに優先調達先を決定する意向であると述べたが、契約自体の締結はそれより後になると見込まれている。

カナダの大型潜水艦選定

カナダ海軍の長距離哨戒潜水艦HMCSヴィクトリア(SSK 876)が、寄港および定期整備のためキトサップ・バンゴー海軍基地に到着した。ヴィクトリアがバンゴーを訪れるのは2004年以来初めてである。(米海軍写真:エド・アーリー中尉/公開)

ヴィクトリア級潜水艦 カナダ海軍。画像クレジット:クリエイティブ・コモンズ。

この競合は、単なる海軍調達以上のものとなっている。ドイツはボリス・ピストリウス国防相をオタワに派遣し自国の提案をアピールさせ、納入を早める措置さえ打ち出している。韓国は、造船をはるかに超えた広範な産業パッケージに提案を盛り込んだ。カナダからすれば、これは重大な戦略的・政治的決定となっている。

それだけでも、オタワのベテランたちを少し疑心暗鬼にさせるには十分だ。カナダ政府は以前も防衛調達を発表してきた。延期したり、計画を見直したり、世界が変化していく中で静かに棚上げにしてきたこともある。

それでも、今回の案件は進展しているようだ。

この件をめぐる議論は、お馴染みの展開を見せている。ある入札案はある種の産業機会を約束し、別の案は異なる機会を約束する。雇用、地域開発、製造パートナーシップ、技術移転についての議論がある。どれも珍しいことではない。600億ドル近くを支出しようとしている政府が、そうした問題を完全に無視するとなれば、むしろ奇妙なことだ。

奇妙なのは、潜水艦の実際の用途についてはほとんど時間が割かれていないことだ。

地政学的な状況は不変だ

数年前まで遠征作戦や、世界的な責任を負う中堅国であるという大まかな概念を軸に、カナダの防衛議論を耳にすることもまだあった。そうした表現の一部は今も残っているが、それは主に、政府が古い習慣を捨て去るのに時間がかかるためだ。

しかし、その表現はもはや地政学的な現実に基づいていない。

カナダの真の戦略的課題は、かつて思われていたよりはるかに身近な場所に存在している。北太平洋が重要であるのは、そこが主要国間の競争が北米に及ぶ場所だからだ。北極圏が重要であるのは、政治的には未解決のままであるにもかかわらず、アクセスが容易になってきたからだ。北大西洋が重要であるのは、欧州と北米が依然としてインフラや海上交通路によって結びつけられているが、それらが突然再び脆弱に見え始めているからだ。

こうした状況で潜水艦は特異な位置を占めている。多くの場合、潜水艦が価値を持つのは、誰にも見られないからである。それらは敵対勢力の計画を複雑にし、情報を収集し、不確実性を高コストにする。

北太平洋、北極、北大西洋で本格的に活動しようとする国は、艦隊を選定する際、まずそこから始めるべきである。

だからといって、自動的にドイツの212CD型や韓国のKSS-IIIが候補になるわけではない。この点については、誠意を持って議論の余地がある。しかし、議論の焦点は、それらの海域が課す作戦上の要求にあるべきだ。カナダの地理的条件による任務を遂行できない潜水艦は、その周辺のパッケージがいかに魅力的であろうと、間違った選択である。

本来ならもっと注目されるべきなのに、あまり注目されていない別の側面がこの決定にある。潜水艦の購入は、非常に長い期間にわたって特定のビジネス慣行に定着することを意味する。乗組員は、艦を建造した人々から学ぶ。改修は慣れ親しんだ場所で行われる。物資供給の仕組みは独自の勢いを帯びていく。カナダはすでに戦略的な活動の多くを北大西洋に向けており、ドイツの提案はその世界観にすんなりと適合する。一方、韓国の提案は、その活動の一部を、世界の防衛市場へ精力的に進出しているインド太平洋地域のパートナーへと引き寄せることになるだろう。

これらだけでは議論の決着にはならないが、オタワが次世代潜水艦の設計以上のものを選んでいることを意味している。

政治は別のものを求める

国防調達担当国務長官のスティーブン・フール氏は今年初め、カナダへの経済的利益が決定の原動力になると述べた。政治家がここまで直接的に物事を語ることは稀であるため、この発言は注目を集めた。

それはまた、古い政治的現実を反映していた。

大規模な調達案件は、最初の装備が就役するはるか前から勝者と敗者を生み出す。州政府は注目する。労働組合は注目する。産業界は注目する。国会議員たちは、工場がどこに建設され、どこに建設されないかを注視する。

韓国の提案は、造船そのものを超えた、印象的な産業パートナーシップのネットワークを築き上げている。ドイツ側も独自の経済的メリットを提示している。それが真剣な競合他社のやり方だ。彼らは顧客が抱いていると思われる優先事項に応えるのである。

それ自体に何ら問題はない。産業能力は国家の力の一部であり、複雑なシステムを自国で製造できない国は、やがて戦略的依存の限界に直面することになる。

しかし、経済的利益を重要な考慮事項として扱うことと、それを中心的な要素として扱うことには違いがある。

潜水艦が実戦で生き残れるかを決める資質は、政治的な発表として表現するのが難しい。それらは特に写真映えするものではない。地域の投資額として簡単に換算することもできない。誰かがその艦を北へ進め、本来の目的を果たすことを信頼して任せる時になって初めて、その真価が明らかになるのだ。

カナダの政治には現実的な側面が常にあった。政府は数値化を好む。雇用は数えられる。新施設も数えられる。しかし、氷下での航続能力は売り込みが難しい。

おそらく、それが民主主義政治なのだろう。

永続する決断

オタワが最終候補でいずれかを選べば、それほど大きな間違いにはならないと推測したくなる誘惑がある。どちらも優れた設計だ。どちらも先進工業国からの提案だ。どちらも現状に比べて大幅な改善をもたらすだろう。

そのすべてが真実である可能性はある。

しかしリスクは別のところにある。

政府は、そうではないと認めると政治的問題を招くため、産業パッケージと運用要件が同じ方向を指していると、徐々に自らを納得させてしまう可能性がある。そうなれば、軍事的な論理は経済的な論理に合わせるため静かに調整されてしまう。

それが起こるために、誰かが無謀な決定を下す必要はない。誰かが軍事的な助言を無視する必要もない。より大きな政治的な議論が、別の問題を中心に回っているだけで十分なのだ。

また、カナダの防衛政策には、時間がたっぷりあると想定する習慣がある。優先供給業者が発表されることもある。交渉は続く。内閣は交代する。貿易紛争が介入する。弁護士が関与する。案件は進行中でも年月は過ぎていく。

カナダが更新しようとしている潜水艦は、そうした政治的なリズムには特に関心がない。

今後10年のどこかで、この国は自らが実際に何を購入することを決めたのかを思い知らされるだろう。産業面と運用面の議論が、最初から同じ答えを指し示していたことが判明するかもしれない。あるいは、そうではないかもしれない。

オタワがそれを整理している間も、北の海域や両海岸の海域の重要性が薄れることはない。それらはこの競争が始まる前から存在しており、雇用や投資に関する見出しが消え去った後も、ずっとそこにあり続けるだろう。■

著者について:アンドルー・レイサム博士

アンドルー・レイサムは、ミネソタ州セントポールにあるマカレスター大学の国際関係学および政治理論の教授である。

2026年5月31日日曜日

カナダの次期潜水艦調達を巡り、ドイツ国防相もなりふり構わぬ売り込みを展開した―韓国の勝ち目は低くなっている気がしますが、結果ははたしてどうなるのでしょうか

 TKMSが製造するHDW級212CD型潜水艦。(TKMS提供)

カナダ向け潜水艦契約に向けドイツ国防相が異例の直接働きかけ

2026年5月28日 午後9時50分

ウィーン発 — ドイツのボリス・ピストリウスBoris Pistorius国防相は水曜日、カナダで開催された防衛展示会「CANSEC」を訪れ、商業的であると同時に政治的なメッセージを発した。「ドイツ製潜水艦を購入すれば、カナダを強力に支援する」というものだ。

カナダ製エンジンを搭載した仏独共同開発のヘリコプターの前で、カナダのデビッド・マクギンティDavid McGuinty国防相と並んで立ったピストリウスは、カナダの「カナダ哨戒潜水艦計画」においてTKMS社の212CD型を明確に売り込んだ。契約は最大600億カナダドル(433億米ドル)と見積もられており、カナダ史上最大級の防衛調達案件となる。

「これは非常にユニークな提案です」と、ピストリウスはカナダ国際問題研究所が主催した懇談会で述べた。「カナダが212CD型を選択することは、両国の経済を緊密に統合する大西洋横断の道を、一貫して持続的に追求することになります」

この売り込みは、ドイツの国防相としては驚くほど率直なものだった。ドイツは歴史的に武器輸出で抑制的な姿勢を貫いており、政治指導者たちは意図的に防衛関連の商業販売から距離を置いてきた。しかし、その姿勢は変化しつつある。ピストリウスのCANSECへの出席は、国防相として3年間で3度目のカナダ訪問で、投資パッケージ、政府間での支持表明、そして詳細な経済データを携えて到着した。これは、ベルリンの従来のアプローチというよりは、フランスの国家主導の武器輸出モデルをはるかに彷彿とさせる戦略である。

2026年5月27日、オタワで開催されたCANSEC防衛展示会にて、ドイツのボリス・ピストリウス国防相とカナダのデビッド・マクギンティ国防相が記者会見を行った。(Kay Nietfeld/picture alliance via Getty Images)

ドイツとノルウェーは3月、最大12隻のType 212CD型潜水艦に関する共同入札を提出した。ピストリウスは公の場で、契約によるGDPへの影響額が860億カナダドル(620億米ドル)、総経済生産高が1,670億カナダドル(1,205億米ドル)、雇用年数が65万年を超えると述べた。これらの数値は、TKMSとドイツ政府が委託したシミュレーションに基づいている。

ドイツは、韓国のハンファ・オーシャンとの激しい競争に直面している。同社が建造したKSS-III Batch II型潜水艦は先週、ブリティッシュコロンビア州のエスキモルトカナダ軍基地へ入港し、目立つ形で「ハードウェア外交」を披露した。ピストリウスはこれをきっぱりと一蹴した。「我々は演劇の舞台に立っているわけではない」と彼はドイツ人記者団に語った。「見せびらかしではなく、経験と技術を実証することだ」

しかし彼はまた、この機会を利用して、ドイツがオタワの欧州連合(EU)の防衛資金調達メカニズム「SAFE」への加盟を後押しする上で重要な役割を果たしたことを、カナダの聴衆に改めて想起させた。

ドイツ・ノルウェー合同の提案は、2035年までに4隻を納入するという韓国の優位性に対抗するため、ドイツ自身の受注パイプラインから艦艇を再配分し、2036年までに4隻をカナダに引き渡すことを目指している。NATO北側戦線における艦隊の相互運用性は、ベルリンが提示する最も強力な実質的な論拠である。ドイツとノルウェーはすでに212CD型を運用しているか、あるいは導入を進めている。カナダが加われば、NATOの同型艦隊は24隻となり、「世界最大かつ最も近代的な通常動力潜水艦隊」となる、とピストリウスは述べた。

また、これは北極圏におけるNATOの主要なプレーヤーとしてのドイツの台頭を強化することにもなる。ドイツは以前、ノルウェー、カナダ、デンマークと北大西洋海上安全保障パートナーシップを立ち上げており、ピストリウスは水曜日、アイスランドも参加間近であることを初めて明らかにした。

ピストリウスは記者団に対し、カナダ政府による調達決定は、アンカラでのNATOサミットに先立ち7月上旬までに下される見込みだとドイツ語で語った。■

ライナス・ヘラーについて

ライナス・ヘラーは、『ディフェンス・ニュース』の欧州特派員兼OSINT調査員である。欧州および世界を形作る武器取引、制裁、地政学について報道している。大量破壊兵器(WMD)不拡散、テロリズム研究、国際関係の修士号を保持しており、英語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語の4カ国語で活動している。


Germany’s defense minister makes rare personal pitch for submarine deal in Ottawa

By Linus Höller

 May 28, 2026, 09:50 PM

https://www.defensenews.com/naval/2026/05/28/germanys-defense-minister-makes-rare-personal-pitch-for-submarine-deal-in-ottawa/


2026年2月12日木曜日

カナダにとってF-35が唯一の選択肢となる理由―しかし、カナダは反米姿勢を明確に示しており政治的に米国製装備を拒絶する可能性があります

 

カナダのロシア対策でF-35が唯一の現実的な選択肢だ:JAS39グリペン、タイフーン、ラファールでは不十分だ

19fortyfive

クリス・オズボーン

U.S. Air Force Maj. Melanie "Mach" Kluesner, pilot of the F-35A Demonstration Team, performs aerial maneuvers at the Wings and Eagles Airshow at Kingsley Field, Oregon, on July 19, 2025. The demonstration team travels across the country to showcase the power and precision of the world’s most advanced 5th-generation fighter jet. (U.S. Air Force photo by Senior Airman Nicholas Rupiper)2023年2月14日、ジョージア州サバンナ空軍州兵基地で訓練任務に出発するF-35AライトニングII。第60戦闘飛行隊と航空機整備部隊は、悪天候による損失を回避しつつ、基地外訓練を実施するためサバンナへ移動した。(米空軍一等空兵クリスチャン・コーリー撮影)

要約と主要ポイント: 

- カナダで長年続く戦闘機論争は、北米防衛体制内でF-35のステルス性とネットワーク優位性に匹敵する欧州製第4.5世代戦闘機が存在するかという点だ。

- F-35は、フリート全体のデータ共有と、兵器統合と殺傷力を拡大するソフトウェア主導の迅速なアップグレードを通じ、カナダ広大な西部・北極圏の接近経路におけるロシアに対する独自の抑止価値を提供する。

- ピート・フックストラ米国大使は、カナダがF-35から離脱すればNORADの負担分担変更を余儀なくされ、能力ギャップを埋めるため米国が追加航空機を調達する必要が生じると警告し、圧力を強めている。

- 結論:相互運用性と第5世代ネットワークは、機体と同様に重要かもしれない。

カナダの戦闘機選択がNORAD再編を迫る可能性―中心にF-35が位置する

スウェーデン製JAS 39グリペン、ユーロファイター・タイフーン、フランス製ダッソー・ラファールはいずれも将来性のあるアップグレード可能な第4.5世代戦闘機であり、今後数十年にわたりカナダの防衛において良好な性能を発揮しそうだ。

しかし、F-35導入時にカナダが得られる多国籍ネットワーク支援と同等のものをこれらのプラットフォームが提供できるかは不明である。

F-35を調達すべきか否かという問題はカナダで長らく懸案のままだ。多くの変数が存在する中、ピート・フックストラ駐カナダ米国大使が最近強調した重要な考慮事項がある。大使は、カナダがF-35を導入しない場合、米国は自国防衛のため追加の航空機を調達する必要があると述べた。さらに、NORADにおける米加のパートナーシップも変更を迫られるだろう。

カナダの安全保障のためのF-35

F-35は、欧州製の第4.5世代戦闘機よりカナダの抑止力としてはるかに優れた選択肢となる。F-35はステルス性に優れるだけでなく、継続的なアップグレードが可能だ。新たなソフトウェア更新ごとに兵器統合が実現され、F-35の殺傷能力は急速に向上する。

例えばブロックIVソフトウェアにより、F-35は「ストームブレイカー」を投下可能となる。これは次世代空中投下兵器で、あらゆる気象条件下において最大40キロメートル離れた目標を追跡・破壊できる。

レイセオンが長年開発してきたストームブレイカーは、「3モードシーカー」を搭載し、これにより、電波・レーザー・全天候型ミリ波誘導技術を用いた目標捕捉・攻撃が可能となる。また双方向データリンクを内蔵し、飛行中の目標変更や軌道修正を実現する。

戦術的に言えば、GBU-53/Bストームブレイカーは、霧や天候による視界不良の中でも、遠距離から移動目標を追跡し、必要に応じて進路を調整できる。この待望の兵器は、動的な現代の脅威環境においてF-35の攻撃能力を倍増させる。

ロシアの脅威

カナダは、特にアラスカ南に位置する西部国境におけるロシアの抑止に重点を置き、自国領空全体に保護空域を確立する必要があるかもしれない。ロシアは北極圏を通じ、カナダの北部国境に脅威となる可能性がある。

カナダは、これらの広大な国境沿いに防衛圏を構築するのに十分な数のF-35を必要とする。カナダ領空防衛を担当する戦闘機は広大な距離にわたるネットワークを維持できるが、これにはカナダが受領予定よりもはるかに大規模なF-35艦隊が必要となる。

ロシアのSu-57

ロシアの兵器と航空戦力がカナダにとって最大の脅威となる可能性が高いため、防空部隊はロシアの第五世代戦闘機Su-57を撃墜できる能力を備える必要がある。ロシアはSu-57の生産に苦戦しているものの、同機はカナダにとって脅威であり続ける。なぜなら、カナダの北部と西部の海岸線はロシアの空襲に対して非常に無防備だからである。

第5世代戦闘機F-35はSu-57を凌駕する可能性が高く、オタワはロシアの同等機よりもはるかに大規模なフリートを調達できる。対照的にスウェーデンのグリペンはステルス機能を持たず、ロシアのSu-57に対して脆弱である。

F-35の最も優れた能力の一つとして、共通の相互運用可能なフリート全体でのデータ共有技術「多機能先進データリンク」がある。

F-35の分散開口システムセンサーが収集した時間的制約のある脅威データは、F-35の編隊全体に瞬時にネットワーク化される。

これにより戦場での存在感が大幅に拡大し、広大な地理的領域にわたる脅威の追跡・破壊が格段に容易になる。■

著者について:クリス・オズボーン

クリス・オズボーンウォーリアー・メイヴン – 軍事近代化センターの代表を務める。オズボーンは以前、国防総省で陸軍次官補室(調達・兵站・技術担当)の高度専門家として勤務。全国ネットのテレビ局ではアンカーおよび軍事専門家として出演経験を持つ。フォックスニュース、MSNBC、ミリタリーチャンネル、ヒストリーチャンネルに軍事専門家ゲストとして登場。コロンビア大学で比較文学の修士号を取得。


Why the F-35 May Be Canada’s Only Real Option Against Russia: JAS 39 Gripen, Typhoon, Rafale Aren’t Good Enough

By

Kris Osborn