ラベル ダークイーグル の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ダークイーグル の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年12月28日日曜日

米陸軍の極超音速ミサイル(LRHW)ダークイーグルとは。射程3,500キロ。ただし、月産2機では戦力が整備されるのに時間がかかりすぎます

 米国が開発中の極超音速兵器ダークイーグルの詳細が浮上

レッドストーン兵器廠を訪問したヘグセス国防長官が、ダークイーグルの射程距離と小型弾頭について新たな情報が明らかにした

TWZ

タイラー・ロゴウェイ

2025年12月14日 午後10時50分(米国東部標準時間)公開

We are getting some new information about America's long-range Dark Eagle hypersonic boost-glide vehicle weapon system from Secretary Hegseth's recent tour of Redstone Arsenal in Alabama.

DoW/USN 一等兵曹アレクサンダー・クビッツァ

ート・ヘグセス長官がアラバマ州のレッドストーン兵器廠を視察したことから、アメリカの長距離ダークイーグル極超音速ブースター・グライド兵器システムに関し新たな情報が明らかになった。視察中、ヘグセス長官は同施設を米国宇宙軍(SPACECOM)の新本部と指定した。

陸軍のダークイーグルは、長距離極超音速兵器(LRHW)としても知られ、トレーラーから発射される極超音速ブーストグライド車両システム。大気圏内を不安定に飛行しながら、極超音速(マッハ 5 を超える速度)で長距離を移動する。この特性により、防衛が極めて手厚い、優先度が高く、時間的制約ある目標を攻撃するのに理想的な兵器となっている。例として、敵の防空施設、指揮統制拠点、センサーシステムなどが含まれる。これは、米軍の第一線で運用が予定されている初の極超音速兵器である。同じミサイル構造が、海軍で中間射程通常弾頭即時攻撃(IRCPS)兵器システムとして海上発射用に採用されている。


ダークイーグル/LRHW システムおよび IRCPS システムに共通するミサイルの概要、ならびに陸軍と海軍の分業体制を示す図。GAO


従来の弾道ミサイルと極超音速ブーストグライド体、ならびに疑似弾道ミサイルや空気呼吸型極超音速巡航ミサイルの弾道の違いを、ごく大まかに示した図。GAO

陸軍ミサイルシステムの発表会で、極超音速・指向性エナジー・宇宙・迅速調達担当部長のフランシスコ・ロサノ中将はダークイーグルの射程は 3,500 キロメートルと語った。このイベントにはメディア関係者も同席し、その模様はビデオ収録されC-SPAN その他の報道機関によって報じられた。

ロサノ中将はさらに、ダークイーグルで「グアムから中国本土を攻撃できる」と述べた。また、ロンドンからモスクワ、カタールからテヘランを攻撃できるとも述べた。国防総省がダークイーグルの射程について公式に発表したのは今回が初めてではない。この兵器は、これまで少なくとも1,725マイル(2,775キロメートル)の射程があると言われていた。今日のロサノ中将発言に基づけば、実際の射程は少なくとも 2,175 マイルであることになる。この兵器の発展と試験に基づいて陸軍の数字が変更されたのか、以前の数字が意図的に「水増し」されていたのかは明らかではない。

以前の訓練演習で見られたダークイーグル発射装置。米陸軍

イベントに参加していた、別の陸軍将校は、ヘグセス長官に、ダークイーグルの弾頭は「30ポンド未満」で、長距離兵器としては比較的小さい、例えば AIM-120 空対空ミサイルに搭載されているものよりも小さいと語った。この将校は、弾頭は「発射体を打ち出す」ためのものであり、彼らが立つ駐車場とほぼ同じ大きさのエリアに効果をもたらすことができると述べた。

繰り返し述べてきたように、この兵器が提供する運動エナジーの衝撃は、円錐形のブーストグライド飛翔体という狭い空間に搭載された従来の弾頭以上に、破壊力に貢献するだろう。それでも、この将校がほのめかした爆風破片弾頭は、防空砲やレーダーアレイなどの脆弱な目標を無力化するのに役立つだろう。

この将校はまた、ダークイーグルは 20 分以内でその射程距離をカバーできるとも述べている。

この弾頭について言及されたのは、昨年、国防総省がダークイーグルの殺傷能力について懸念を示していたことから、特に興味深い。

本誌は、2月に国防総省の試験評価について次のように報じた。

「その間、海軍は AUR 弾頭をミサイルと別個に試験した。弾頭の競技場試験は 2024 年度第 1 四半期に実施され、2024 年度第 2 四半期にはそり試験が実施された。国防総省は、この試験には「脅威を代表する標的がいくつか含まれていた」と述べているが、結果は処理中であるとも指摘している。

また、過去の滑走試験や飛行試験では『実戦を想定した標的が含まれておらず、結果として兵器の殺傷効果を直接検証できなかった』と国防総省は補足している。

報告書はこの部分で『最終的に陸軍は、飛行試験やその他の実戦的な殺傷力・生存性試験に、実戦を想定した標的と環境を取り入れる必要がある』と結論付けている。」

ダークイーグルで開発遅延が相次いで発生していたが、今年6月時点で陸軍は2025会計年度末までの運用開始を計画していた。現在の進捗状況は不明だ。フォートルイスには1個大隊が配備されており、今年中に別の部隊が到着する。

1年前、米陸軍はトレーラー型発射装置からダークイーグル極超音速ミサイルの試験発射を行った。米陸軍

ダークイーグルの運用開始の重要性は、戦術的・戦略的考慮を超える。米国は極超音速開発分野で他国に遅れをとっており、特に中国に関しては顕著だ。

また、ヘグセスが生産数と生産速度について質問したことも特筆すべきだろう。陸軍将校は、月産1発と答えたが、目標は月産2発、つまり年間 24発に増やすことだ。米国が戦闘用兵器の供給に苦戦する中、大量の兵器を迅速に生産する能力は、ヘグセスにとって最優先事項であることは明らかだ。ダークイーグルは、生産数が少なすぎてコストも高く、持続的な紛争で大きな影響力を持つには不十分な「特効薬」的な兵器だと主張する者もいる。

いずれにせよ、この兵器システムの技術仕様で多くのことが明らかになった今、国防総省はついにその運用開始を宣言する寸前にあるのかもしれない。■

著者注:この情報を提供してくれた X の @lfx160219 に感謝する。

タイラー・ロゴウェイ

編集長

タイラーは軍事技術・戦略・外交政策の研究に情熱を注ぎ、防衛メディア分野でこれらのテーマにおける主導的な発言力を築いてきた。防衛サイト『フォックストロット・アルファ』を創設した後、『ザ・ウォー・ゾーン』を開発した。



New Dark Eagle Hypersonic Weapon Details Emerge

Hegseth's visit to Redstone Arsenal provided new disclosures on Dark Eagle's range and its small warhead.

Tyler Rogoway

Published Dec 14, 2025 10:50 PM EST

https://www.twz.com/land/new-dark-eagle-hypersonic-weapon-details-emerge