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2026年2月28日土曜日

中国は米支援機材をスタンドオフで空域から排除してくる想定で給油機の自衛対策が真剣に検討されはじめた

 

米空軍給油機を狙う敵ミサイルを念頭に小型迎撃ミサイルの導入が検討されている

敵の長距離ミサイルが進化するにつれ給油機の脆弱性が増大しており、米空軍は「ハードキル」解決策を模索している

TWZ

ジョセフ・トレヴィシック

2026年2月13日 午後6時02分(米国東部時間)更新

USAF

空軍は、空中給油機含む重要な支援航空機を保護する新方法を模索している。その手法は、接近する脅威を妨害したり進路をそらすかわりに、物理的に撃破することをめざす。同軍は「キネティック(物理的)な」自己防衛オプションが、電子戦攻撃デコイに対して抵抗力を持つ、あるいは完全に無効化する可能性のある対空迎撃手段で最終防衛ラインを提供し得ると述べている。

空軍の機動性担当プログラム執行責任者(PEO)であり、空軍ライフサイクル管理センター(AFLCMC)機動性局長のケビン・ステイミーは、今週初めの公式インタビューで、キネティック自己防衛能力について語った。空軍の現行「機動」ポートフォリオには、KC-46およびKC-135給油機、C-130、C-17、C-5輸送機が含まれる。Aviation Weekが報じたステイミー氏の発言を最初に報じた。

KC-46(左)がKC-135(右)から給油を受ける様子。USAF

「注目している技術は、高価値航空資産のための運動エナジー式自己防衛システムだ」とステイミーは述べた。「脅威が進化しているため、給油機保護能力の開発を進めている」

「運動エナジー式自己防衛は最終防衛ラインと位置付けている。万が一他の手段が全て失敗し、脅威がキルチェーンを突破しても、タンカーを保護する手段が残る」。「赤外線シーカーであれレーダーシーカーであれ、運動エナジーで撃墜する手段があれば、電子攻撃や、特定のもの以外には効果がないデコイを使用する必要はない」

ステイミーはインタビューで「物理的自己防衛」システムの具体的な内容に触れなかったが、小型ミサイルの発射が有力な選択肢だ。空軍は少なくとも実験レベルでは、この種の能力開発を進めている。

2015年に空軍研究本部(AFRL)が「小型自衛弾薬(MSDM)」を公表した。当時AFRLは、「極めて機敏で応答性の高い」小型ミサイルを求め、「非常に低コストの受動式シーカー」を搭載し、全長約3.3フィート(1メートル)の小型ミサイルを開発中と説明していた。比較のために言えば、これはAIM-9X サイドワインダーの約 3 分の 1 の全長であり、AIM-120 先進中距離空対空ミサイル (AMRAAM) よりさらに短い。


2015 年時点の MSDM プログラムの概要。USAF 2019 年の、MSDM のシーカーを含む、さまざまな AFRL プロジェクトの「技術実現要因」を説明する図。USAF

AFRL は当初、レイセオンとロッキード・マーティン両社に MSDM プログラムの開発を委託した。2020年、レイセオンは、当時「小型自衛ミサイル」と表現されていたものについて、追加契約を獲得した。新たな契約で規定された作業範囲には、「飛行試験準備の整ったミサイルの研究開発」が含まれていた。名称は若干変更されたものの、これはすべてMSDMプロジェクトの継続に見えた。これまでのところ、レイセオンは MSDM 迎撃ミサイルのコンセプトすら公に発表していない。

また、ノースロップ・グラマンが2017年に特許を取得した小型迎撃手段を中核とする運動エナジー式航空機防御システムにも注目すべきである。添付図面(一部は下記参照)には、概念的な「未来型」戦闘機に搭載されたシステムが描かれている。

USPTO

2018年には米海軍も、輸送機・給油機・その他の戦闘支援機向けハードキル自己防衛対策システム(HKSPCS)の選択肢に関する情報を広く募集した。将来の無人機への適用も示唆されている。HKSPCSの公募では、小型で高機動な迎撃ミサイルを一斉発射するシステムの可能性が示され、「従来の電子的自己防衛ソリューションに代わる、あるいはそれを補完する選択肢」を提供し得るとされた。

航空機向け動的自己防衛の他の構想としては、ミサイルを別のミサイルに向けて発射しない方式も過去に提案されている。2012年にはイスラエルのラファエルが、ヘリコプターへの統合を想定した装甲車両用ハードキル型アクティブ防護システムの実証を行った。少なくとも2010年代には、米海軍も「ヘリコプター用アクティブRPG防護システム」と呼ばれる計画を進めており、これは同一ではないにせよ類似の概念を中核としていたようだ。


最後に、近年では空軍がKC-135給油機で小型ドローンの発射を、自己防衛やその他の多様な目的で試験している。小型ミサイルと比較して、無人航空システムは滞空能力を提供し、特に一斉射撃された脅威に対しては、接近・再接近による交戦オプションを複数提供する。これにより、攻撃対象機が先に他の手段で破壊されても、迎撃手段が無駄になるのを防げる可能性がある。

航空機向け動的自己防衛システム(および下位プラットフォーム)が直面する大きな課題の一つは弾薬庫容量である。大型機への搭載は、機体内部から再装填という新たな可能性を開く。空軍がKC-135で試験中の前述のドローン発射装置は、標準共通発射管(CLT)を使用することでこの能力を提供しており、多様なペイロードを搭載できる。

指向性エナジー能力も将来の自己防衛能力エコシステムの一部となり得る。これは弾薬搭載量の懸念解消にも寄与する可能性がある。レーザーベースの指向性赤外線対策(DIRCM)システムは既に米軍給油機や輸送機に搭載されているが、これは赤外線誘導ミサイルを破壊するのではなく、その誘導を妨害・混乱させる設計でレーダー誘導迎撃ミサイルには効果がない。対空用指向性エナジー兵器の開発努力(飛来ミサイルを含む標的の破壊能力を有するもの)は、重大な課題に直面しており、未だ運用能力を確立できていない

空軍はまたプローブ・アンド・ドローグ方式での空中給油に使用される改良型マルチポイント給油システム(MPRS)ポッド内に収めた、給油機やその他の高価値航空機向けの自己防衛システムを開発空だ。追加の空中通信・データ共有能力を提供するように再構成されたMPRSポッドも運用中である

動的自己防衛システムは、高速で接近する脅威を検知し迎撃ミサイルに誘導するため、赤外線探索追跡システム(IRST)やレーダーなどのセンサーと連携する必要がある。空軍の任務部隊における最優先事項であるネットワーク能力の継続的向上により、複数プラットフォームに分散したセンサーネットワークの活用が可能となる。特に給油機保護のため、忠実なウィングマン型ドローンを活用することは空軍が検討を進めている別の領域である。

いずれにせよ、空軍は給油機やその他の貴重な支援航空機に対する物理的自己防衛能力の必要性を明確に認識している。モビリティPEOのステイミーはインタビューで明言しなかったものの、発言は、新たな改良型電子戦能力やデコイの開発が、敵が開発・配備する高性能化する対空ミサイルに追いつけていない懸念を示唆している。

特に、撮像赤外線シーカーを使用する兵器は、無線周波数電子戦妨害やレーダー断面積低減設計の特徴に対し顕著な耐性を持つ。また、それらは本質的に受動的で、攻撃を受けている事実を乗員に警告しない。航空機上の赤外線センサー能力地対空ミサイルシステムの一部としての赤外線センサー能力の増加は、脅威への対応はおろか、脅威の検出に関してさらなる課題を生み出す。

従来型レーダーに依存する防空システムも発する信号を予想外の方法で変調するといった独自の課題を生み出す。本誌は電子戦装備を絶えず調整・再調整する必要性を取り巻く複雑さをこれまで何度も強調している。米空軍含む関係機関は、こうしたプロセスを加速させるため、いわゆる認知型電子戦能力の開発も進めている。この概念における究極の目標は、任務の最中でもリアルタイムに自律的に適応可能なシステムの実現だ。

能動的防御と受動的防御の適切な組み合わせに関する検討は、米空軍が現在進めている次世代給油機および輸送機計画の実現でも核心的な課題となるだろう。

次世代空中給油システムNGASの開発に取り組んでいます。昨年、その最終調整を行いました。将来、どのように空中給油を行うかについて、非常に幅広く検討しました」と、空軍機動司令部 (AMC) 司令官のジョン・ラモント大将は、昨年 9 月に開催された空軍・宇宙軍協会 (Air & Space Forces Association) の年次総会で、本誌含む報道機関に語った。「幅広い検討とは、今日私たちが知っているタンカー、つまりKC-135 KC-46 といった機材に、防衛システム、接続性、情報能力などを備えた、各種ミッションシステムを追加したもの、ビジネスジェットブレンド翼体、あるいはシグネチャ管理(ステルス)タンカーなどを検討しているということです」。

こうした議論で中心となるのは、将来、特にハイエンド戦闘において、敵は1,000マイル離れた目標を攻撃できるミサイルなど、はるかに優れた攻撃能力を持つとの予想だ。中国人民解放軍(PLA)は、長距離空対空ミサイルおよび地対空ミサイルに特に多額の投資を行ってきた。

その結果、主要戦闘地域から遠く離れて飛行している場合でも、タンカーなどの重要な支援資産が危険にさらされる可能性が高まっている。

「(キネティック自己防衛)技術は、給油機を我々が『武器交戦圏』と呼ぶ領域に投入する上で不可欠だ」と、モビリティPEOのステイミーはインタビューで述べた。「敵対勢力は、給油機のような資産を後方へ押し戻すため長距離脅威を構築している。彼らは給油機を標的にし撃墜する方が容易だと考えている」

ステイミーのコメントは、空軍が運動エナジー自己防衛システムを追加することで、敵対勢力の攻撃行動を困難にすることを強く望んでいることを明らかにしている。■

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフは2017年初頭より『The War Zone』チームの一員である。それ以前は『War Is Boring』の副編集長を務め、その署名記事は『Small Arms Review』『Small Arms Defense Journal』『ロイター』『We Are the Mighty』『Task & Purpose』など他媒体にも掲載されている。


Mini Missiles Used To Shoot Down Incoming Missiles Eyed For USAF Tanker Fleet

Tankers are increasingly vulnerable as enemy long-range missiles evolve, leading the USAF to explore 'hard kill' solutions.

Joseph Trevithick

Updated Feb 13, 2026 6:02 PM EST

https://www.twz.com/uncategorized/mini-missiles-used-to-shoot-down-incoming-missiles-eyed-for-usaf-tanker-fleet


2026年2月26日木曜日

空母フォードは母港から300日超の海上展開記録を更新中―乗員はどうしているでしょうか。艦の保守点検は?空母11隻体制の維持を義務付けられている米海軍ばどう対応するのでしょうか

 

原子力空母ジェラルド・R・フォードを300日間海上展開し記録更新した米海軍

National Security Journal

アイザック・サイツ

The world's largest aircraft carrier, USS Gerald R. Ford (CVN 78), conducts flight operations in the North Sea, Aug. 23, 2025. Gerald R. Ford, a first-in-class aircraft carrier and deployed flagship of Carrier Strike Group Twelve, is on a scheduled deployment in the U.S. 6th Fleet area of operations to support the warfighting effectiveness, lethality, and readiness of U.S. Naval Forces Europe-Africa, and defend U.S., Allied and partner interests in the region. (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Maxwell Orlosky)フォード級空母。画像クレジット:クリエイティブ・コモンズ。

要約とキーワード:USSジェラルド・R・フォード(CVN-78)はカリブ海から中東へ再展開し、USSエイブラハム・リンカンと合流し巨大な空母打撃群を形成する。

-2026年1月のヴェネズエラにおけるニコラス・マドゥロ政権打倒作戦を支援した後、フォードは核交渉が停滞する中でイランへの圧力任務に就く。

-この動きでフォードの展開期間は300日を超え、ベトナム戦争後の記録294日を更新する見込みだ。

-24時間体制の制空権確保と長距離精密打撃能力を提供しつつも、配備延長は乗組員の疲労や世界最先端空母の必須造船所整備遅延という重大な懸念を招いている。

一言で言えば:大失敗?

ジェラルド・R・フォードがベトナム戦争後の最長配備記録を更新する理由

報道によれば、ェラルド・R・フォード(CVN-78)空母打撃群は、イランとの緊張が高まる中、中東へ向かっている。これは同地域に配備される2番目の空母打撃群となる。先にエイブラハム・リンカン空母(CVN-72)がイラン近海に展開中である。

中東への大規模な資源移動を考慮すると、外交官が協議を継続しようとしているにもかかわらず、現時点でイランとの戦争はほぼ避けられない状況に見える。

しかしフォードでの大きな懸念は、同空母が2回も展開を続けており、既に展開期間が延長されている点だ。さらなる延長は問題や乗組員の疲労を招き、紛争が発生した場合、戦闘作戦を妨げかねない。

空母フォードの長期展開

フォードの展開は、2025年6月24日にヴァージニア州ノーフォークを出港して始まった。海上展開初期の数か月間、同艦は欧州海域で活動し、NATO連携任務に参加し大西洋戦域における米国の任務を支援した。この初期任務を終えた後、打撃群は予期せぬ任務変更を受け大西洋を横断しカリブ海へ派遣され、2025年11月16日に到着した。そこで「南部の槍作戦」および「絶対の信念作戦」に参加した。

2026年1月、同打撃群のカリブ海展開は注目を集めた。報道によれば、空母は同地域に展開中、米軍がカラカスでの夜間襲撃作戦でヴェネズエラ前大統領ニコラス・マドゥロを拘束した。この高リスク作戦をフォード艦載機が支援した。同空母はまた、南米における様々な任務(地域安全保障や麻薬対策活動を含む)に対する情報・作戦支援にも関与しており、これらはヴェネズエラ周辺での広範な軍事増強の一環であった。

イランとの緊張の高まり

フォードがカリブ海で活動する中、米国とイラン間の緊張は急速に高まり始めた。2026年1月から2月にかけて、イランの核計画に関する外交協議がオマーンの仲介でジュネーブで開催された。

トランプ大統領自らが、イラン政府による反体制派抗議者への暴力的な弾圧が情勢にさらなる不安定要素を加えたと述べた。

報道によれば、米国はテヘランに対し米軍の軍事行動の可能性を警告し、「非常に大規模な空母打撃群」がイラン政府に核合意の履行を迫るために準備中であることを公に強調した。

こうした背景を受け、軍事計画担当者は中東地域における二隻目の空母配備の必要性を検討し始めた。

2026年2月13日から14日にかけ、複数の報道機関がジェラルド・R・フォード空母がカリブ海から中央軍(CENTCOM)管轄区域へ再展開するよう命令されたことを確認した。同空母は1月に同地域に到着していたエイブラハム・リンカンと合流する予定である。

フォードの到着は、約1年ぶりの中東における米軍空母2隻同時展開を意味し、2024年以降で同地域が経験した最も強力な海軍戦力パッケージの一つを形成する。

この再展開は2026年2月12日にフォード乗組員へ正式通達され、当初予定されていた3月上旬のノーフォーク帰港が4月下旬~5月上旬に延期された。

フォードはエイブラハム・リンカンと合流することで、中央軍(CENTCOM)に劇的に強化された能力群を提供する。これには24時間体制の制空権、長距離精密打撃能力、広域海上監視、ペルシャ湾全域での大規模作戦持続能力が含まれる。

フォードの空母航空団にはF/A-18戦闘機4個飛行隊とEA-18G電子戦機1個飛行隊が配備され、リンカーンに随伴する駆逐艦はトマホーク巡航ミサイルと弾道ミサイル防衛システムを搭載している。これらの統合戦力は、テヘランとの対峙においてワシントンに大きな影響力を与えた。

空母の配備期間が長すぎる?

海軍当局者は既に、過度に長期化したフォードの配備について懸念を表明している。海軍作戦部長ダリル・コードル提督は、造船所での整備を遅らせたまま配備期間を延長することによる人的・兵站的負担について懸念を示した。

乗組員の疲労、装備の摩耗、艦隊の即応態勢への連鎖的影響は、いずれも重大な課題である。こうした困難にもかかわらず、フォードと航空団はカリブ海での作戦行動および中東への移動中、常に完全な任務遂行能力を維持した。

ジェラルド・R・フォードの長期配備は、海軍の戦備態勢と持続可能性に重大な疑問を投げかけている。USNIニュースによれば、同空母が2026年4月中旬以降も配備を継続した場合、米空母の最長配備記録(2020年にUSSエイブラハム・リンカンが樹立した294日間)を突破する見込みだ。

フォードが5月まで展開を継続すれば、海上で300日を超える可能性があり、ベトナム戦争時代以来の展開期間に達する。このような長期展開は、既に整備遅延と高まる作戦要求に苦しむ現代の空母打撃群に課せられる膨大な負担を浮き彫りにするだろう。

イランとの戦争が迫っている可能性は高い

ジェラルド・R・フォード空母打撃群の移動は、中央軍(CENTCOM)管轄地域への広範な戦力展開の一環である。報告によれば、空中給油機や攻撃戦闘機など航空戦力多数も中東へ向かっている。最大の懸念は、これが「12日間戦争」の再来となるのか、それともイランの政権交代を目的とした大規模作戦となるのかという点だ。

状況が進展する中、イスラエルと米国の共同によるイラン攻撃の可能性は極めて高い。その後の展開は、イランが反撃を選択するか、あるいはベネズエラ軍のように崩壊するかによって決まるだろう。■


300-Day U.S. Navy Gamble: Nuclear Aircraft Carrier USS Gerald R. Ford’s Record Deployment Summed Up in 2 Words

By

Isaac Seitz

https://nationalsecurityjournal.org/300-day-u-s-navy-gamble-nuclear-aircraft-carrier-uss-gerald-r-fords-record-deployment-summed-up-in-2-words/



2026年2月24日火曜日

攻撃ヘリにドローン撃墜任務。AH-64があらたな威力を発揮する場面が搭乗しそう。攻撃ヘリは存在意義を改めて主張できるか

 

AH-64アパッチが30mm近接信管砲弾でドローン撃墜を狙う

XM1225APEX弾薬はアパッチの対ドローン装備で新たな武器となる

TWZ

タイラー・ロゴーウェイ

公開日 2026年2月16日 午後3時29分 EST

AH-64 has tested APEX proximity fuse roundsチャーリー・デューク軍曹

AH-64アパッチ攻撃ヘリコプターは近年、対ドローンプラットフォームへ進化を遂げている——これは本誌が注視してきた動向だイスラエル空軍が長年AH-64のこの役割を開拓してきた一方、米陸軍は今やこれを正式に規定し、新たな能力を追加した。我々が以前から提言していた通り、アパッチは顎部搭載のM230機関砲用に近接信管式30mm砲弾を装備し、ドローン撃墜兵器体系を強化。これにより代替手段よりも低コストで大量投入可能な交戦オプションを獲得した。

米陸軍の最新発表によれば、アパッチは昨年12月に30x113mm XM1225航空用近接信管弾(APEX)の実弾射撃試験を実施。試験はアリゾナ州南部の広大なユマ試験場(YPG)で行われ、各種ドローン標的に対する複数回の模擬交戦が実施された。

A U.S. Army AH-64 Apache helicopter assigned to the 5-17 Air Cavalry Squadron, 2nd Infantry Division, fires the M230 Bushmaster chain gun during live-fire aerial gunnery training at Rodriguez Live Fire Complex, Republic of Korea, on March 6, 2025. The exercise certified aircrews, sharpened weapons proficiency, and enhanced overall force readiness. (U.S. Army photo by Staff Sgt. Neil McLean)2025年3月6日、大韓民国ロドリゲス実弾射撃訓練場での空中射撃訓練で、第2歩兵師団第5-17航空騎兵中隊所属の米陸軍AH-64アパッチヘリコプターがM230ブッシュマスター機関砲を発射した。(米陸軍写真:ニール・マクリーン軍曹)コーネリアス・マクリーン軍曹

特殊なAPEX弾薬は、対象物に接近した際にのみ起爆し、破片を散布する形で爆発する。小型で自律移動するドローンを撃墜するにはこれが重要だ。アパッチの単眼照準式顎下砲は、精度面で狙撃銃とは言い難い。同時に、この弾薬は地上目標(人員、装甲のない車両、小型ボートなど)に対しても使用可能であり、アパッチ標準装備の衝撃起爆式高爆発弾と比較して独自の広域効果を発揮する。

(短編動画) M230チェーンガンがAH-64アパッチ砲手の頭部動作を追尾

AH-64アパッチ攻撃ヘリコプターが30mm機関砲でイラク軍トラックと砲兵を撃破

主要請負業者をノースロップ・グラマンが引き継いだM230機関砲の派生型は、地上からの低性能ドローン脅威対策として既に広く採用が進んでいる。軽量型M230LF(陸軍ではM914と指定)は対ドローン車両に搭載されている。これには8×8ストライカー軽装甲車を基にした「サージェント・ストウト機動短距離防空(M-SHORAD)システム」が含まれる。陸軍は別途、M914用として自爆式およびその他の近接信管式30mm弾薬の開発を進めてきた。新開発のAPEX弾薬は性能が向上し、アパッチ/M230の組み合わせと互換性がある。地上システム用として開発された他の弾薬は、我々の知る限りアパッチでの使用が承認されたことはない。

多弾種砲塔の中核を成すM230派生型を搭載したM-SHORAD(米陸軍)

M230LF ブッシュマスター連装機関砲 | XM914

XM1225の試験成功に関する陸軍公式発表の一部は以下の通り:

「ニュージャージー州ピカティニー兵器廠の中口径弾薬製品管理官(PdM MCA)が開発・管理するXM1225 APEX弾薬は、アパッチのM230エリア武器システムや射撃管制システムの改造を必要とせず、無人航空機(UAS)、露出した要員、小型ボートなどの現代的脅威に対抗するよう設計されている。XM1225は信頼性ある性能を確保するため徹底的な安全試験を経ており、アパッチの兵装体系に安全かつ効果的に追加される。この革新的な設計は、既存プラットフォームへのシームレスな統合を保証すると同時に、殺傷力と作戦上の柔軟性を向上させる。

…主な目的は、同一条件下でXM1225弾薬の精度を評価し、従来のM789高爆発性両用弾(HEDP)との性能比較を行うことだった。副次的な目的は、地上目標および無人航空機(UAS)目標に対するXM1225とM789の混合装填弾薬に関するデータを収集することであった。

初期結果は極めて成功しており、XM1225は全ての精度要件を満たし、地上目標とUAS目標の両方に対して卓越した有効性を示した。XM1225の近接信管機能により、目標付近で起爆が可能となり、より広い殺傷半径を確保。これにより空中および分散した脅威を無力化する能力が大幅に向上する。この機能によりアパッチは対地・対空戦闘双方で戦場を支配し、現代の戦闘シナリオにおいて戦闘員に決定的な優位性を提供する。」

U.S. Soldiers with the 1-151st Attack Reconnaissance Battalion, 59th Aviation Troop Command, South Carolina National Guard, conduct their annual aerial-gunnery qualification table at the Poinsett Range, Sumter, South Carolina, May 22, 2024. Aircrews fired both 30mm rounds and rockets, the training allowed Soldiers to sharpen their armory skills, communication and team work with their assigned AH-64 Apache helicopters. (U.S. Army National Guard photo by Sgt. Tim Andrews)2024年5月22日、サウスカロライナ州サマーターのポインセット射撃場で、サウスカロライナ州兵第59航空部隊司令部第1-151攻撃偵察大隊が年次航空射撃資格試験を実施している。(米陸軍州兵、ティム・アンドルー軍曹撮影) ティム・アンドルー軍曹

APEX弾薬の重要な特徴は、弾道特性がすでに実戦配備されている M789 高爆発性二重目的 (HEDP) 弾と非常によく似ているため、アパッチの乗組員がこれをうまく使用するために追加の訓練をほとんど必要としないことだ。これらの砲弾は、衝撃/掠弾信管を使用して爆発を指令する。

空からドローン対策に銃を使用する場合の主な問題は、標準的な高爆発性または焼夷性の大型砲弾は、何かに当たるまで飛行を続け、当たった時点で爆発するということだ。そのため、水平方向や上方向への発砲は非常に問題がある。弾は地面に到達するまで何キロも飛行する可能性があるからです。その予測不可能な区域にいる人や物は、良い結果にはならない。高偏向射撃でさえリスクが高く、特にドローンの小型化が進む中で顕著である。大半の砲弾は目標を外れて下方に着弾するだけでなく、航空機自体がドローンに衝突する危険性もある。空中での距離測定や目標追跡は困難だからだ。したがって、自爆機能を備えた砲弾、さらに優れた近接信管式砲弾の採用が鍵となる。

アパッチに30mm砲弾を装填する様子

AH-64はロングボウレーダーで空中目標を追尾する改良型AGM-114ミサイルを装備している。レーザー誘導ヘルファイアも潜在的には選択肢となり得る。いずれにせよ、ヘルファイアの単価は6桁台後半に達する。先進精密殺傷兵器システムII(APKWS II)レーザー誘導ロケットは低コストな選択肢で、単価は5桁台前半から中盤である。AH-64が、空中目標攻撃用に近接信管を採用したAPKWS IIの対無人航空機システム弾薬(FALCO)バージョン(固定翼機向け空対空最適化型)の使用認可を得ているかは現時点で不明である。

したがって、AH-64に近接信管弾によるはるかに信頼性が高く安全な銃撃オプションを提供することは、対ドローン任務を担う乗員にとって大きな恩恵となる。アパッチは30mm弾を驚異的な1,200発搭載可能で、前線の過酷な地上拠点でも極めて迅速に再装填できる。

現状を踏まえると、AH-64が対ドローン戦術に新たな武器を装備する日もそう遠くないだろう。■

タイラー・ロゴウェイ

編集長

タイラーは軍事技術・戦略・外交政策の研究に情熱を注ぎ、防衛メディア分野でこれらのテーマにおける主導的な発言力を築いてきた。防衛サイト『フォックストロット・アルファ』の創設者であり、その後『ザ・ウォー・ゾーン』を開発した。


AH-64 Apache Is Getting Proximity Fuzed 30mm Cannon Ammo For Swatting Down Drones

The XM1225 APEX ammo will offer another arrow in the Apache's growing anti-drone quiver.

Tyler Rogoway

Published Feb 16, 2026 3:29 PM EST

https://www.twz.com/air/ah-64-apache-is-getting-proximity-fuzed-30mm-cannon-ammo-for-swatting-down-drones