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2026年6月1日月曜日

シャングリラ対話でヘグセス国防長官が中国に関しトーンを抑制した政策演説を行った―G2時代の幕開けとして米中間で何らかの合意が生まれたのか。逆に中共は日本を「新軍国主義」として公然と批判しているのですが。

2026年5月30日、シンガポールで開催されたアジアの年次防衛・安全保障フォーラム「シャングリラ・ダイアログ」で演説を行うピート・ヘグセス国防長官。| Achmad Ibrahim/AP

ヘグセス国防長官が中国批判を抑えた政策演説をシャングリラ対話で行ったことに注目

長官は、アジアの政府高官向け演説で台湾への言及を一切避けた

Hegseth tempers China criticism at Asia forum

The Pentagon chief, in a rare omission, avoided any mention of Taiwan in a speech to Asian officials.

https://www.politico.com/news/2026/05/29/hegseth-taiwan-shangri-la-allies-speech-00943588?utm_campaign=RSS_Syndication&utm_medium=RSS&utm_source=RSS_Feed


シンガポール発 — ピート・ヘグセス国防長官は土曜日、欧州の同盟国に説いてきたメッセージをアジアで発信した。同地域における最大の軍事的火種には触れずに、両者の関係を実利的な観点から位置づけた。

ヘグセスはアジアの政府高官に向けた政策演説で、「ドラマのない」関係を呼びかけたが、中国が自国領と主張する自治島である台湾について一切言及しなかった。国防長官が台湾について言及しないのは異例。その代わりに、ワシントンと北京が「公平性と互恵性に基づく」関係を持てるよう求めた。

シャングリラ・ダイアログでの演説は、ヘグセス長官が欧州諸国に伝えてきた内容を裏付けるもので、防衛費を大幅に投じる国には、武器販売の優先枠が与えられる。しかし、語らなかったことの方が、むしろ多くのことを物語っている。南シナ海における中国の威嚇的な動きや、同地域で最も争点となっている台湾問題について沈黙を守ったことは、前例からの劇的な方針転換であった。

「戦略の転換を図っている」 とヘグセス長官は述べた。「ワシントンが道徳的優位性を示すため大声で外交的抗議を行っても、実力を示さない『見せかけの憤り』の時代は終わった」

今回のヘグセス演説は、2025年6月の前回の演説とは大きく異なる。長官は北京を繰り返し「共産主義中国」と呼び、台湾侵攻は「インド太平洋地域および世界に壊滅的な結果をもたらすだろう」と明言していた。

しかし、トランプ政権が台湾への140億ドルの武器売却を凍結してから

わずか数週間後、ヘグセスは中国に「共産主義」のレッテル貼りせず、北京の軍事力増強に対する国防総省の度重なる不満にも言及しなかった。これには、南シナ海の係争海域における中国の人工島建設や、拡大する核開発計画も含まれる。

その代わりに、彼は中国や米国を含め、いかなる「覇権国」もこの地域を主導すべきではないと繰り返し述べた。

台湾問題に関する沈黙が最も象徴的だった。ドナルド・トランプ大統領の第一期政権で国防長官を務めたジェームズ・マティスに遡る、過去3人の国防長官は、いずれもサミットでの演説で台湾に慎重に言及していた。米国は民主主義国家である台湾を公式に承認していないが、中国に対し、米国が台湾への攻撃から島を守るため介入するかどうかを推測させ続けることを目的とした「戦略的曖昧性」という政策を実践している。

しかし、トランプ政権による北京批判は次第に弱まっている。昨年の国家安全保障戦略では、中国が米国の最大の脅威として挙げていない。また、ヘグセスの最高顧問らが作成した国防戦略では、米国に対し北京との外交に注力するよう求め、台湾への言及は明示的になかった。

ヘグセスは演説の中で、日本、韓国、フィリピンの防衛力増強を称賛した。しかし、台湾への武器移転が保留されている状況下で、防衛費を多く支出する国に対し、米国からの武器販売を迅速化するとの約束が果たされるのか、疑問の声が上がった。

「一部国が米国のコミットメントを過小評価しないかと懸念している」と、日本の小泉進次郎防衛相は述べた。

ヘグセスは、一時停止の理由は言及しなかった。会場での質問に対し、「将来の台湾への武器売却に関する決定はすべて大統領に委ねられる」と述べた。

しかし、元政府高官などは、特に台湾に関して、米国の言辞が重要であると主張している。

「『柔らかな口調で語り、大きな棒を携える』ことの肝は、ある時点で、やはり声を上げなければならないということだ」と、元米国防当局者のクリス・エステップは述べた。「台湾の場合、適切な発言をすることはあくまで始まりに過ぎない。実際に紛争を阻止する行動も取らなければならないのだ。」

トランプは、5月の訪中時に中国の習近平国家主席と台湾への米国製武器売却について長時間にわたり話し合った。これは、台北への武器移転について北京と協議しないという、レーガン政権時代に遡る米国の政策に反するものである。

同盟国は、特にこの地域における米国の影響力が疑問視されている状況下で、シンガポールでのサミットにおいて中国を直接批判しないよう慎重を期してきた

ベトナムのト・ラム大統領は金曜日の基調演説で、世界の大国間の力関係が変化するという懸念すべき動向に言及した。

同大統領は、国際ルールへの適応は「強制、押し付け、武力行使の威嚇、あるいは既成事実の創出によって達成することはできない」と述べた。■


 

2026年5月29日金曜日

イラン戦で大量のミサイル等を消費した米国の在庫回復には数年かかり、同盟国への供与・販売にも影響が出そうだ

 

2026年3月1日、「エピック・フューリー作戦」を支援するため、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「USSトーマス・ハドナー」がトマホーク対地攻撃ミサイルを発射した。(米海軍/ゲッティイメージズ)

イラン戦争で消耗した米軍軍需物資の在庫回復には数年を要するとの分析結果をCSISが発表したが

2026年5月28日 午前4時44分

略国際問題研究所(CSIS)によると、米国はイランに対する38日間の爆撃作戦で消耗した重要な兵器システムを戦前水準まで回復させるのに最低3年を要する見込みだ。

水曜日に発表された新たな分析は、在庫の枯渇が「西太平洋での潜在的な紛争に対する脆弱性の窓を生み出した」と警告している。したがって、在庫の再構築に必要となる時間が大きな懸念事項となっている。

しかし、著者らは、米国が「イラン戦争におけるあらゆる想定可能なシナリオに対応できるだけの十分な弾薬を保有している」ことを認めている。

米中央軍(CENTCOM)によると、「エピック・フューリー作戦」では1万2,000以上の標的が攻撃された。CSISの分析では、この作戦により、トマホーク陸上攻撃ミサイル(TLAM)に加え、2つの重要な迎撃システムである高高度防衛ミサイル(THAAD)とペイトリオットの備蓄が大幅に減少したことが判明した。

同シンクタンクは超党派の政策研究機関で、トマホークミサイル1,000発以上が発射されたと推計している。これは過去10年間の年間平均調達数86発を大幅に上回っており、補充には2030年または2031年までかかる可能性があるとしている。また、最大290基のTHAAD迎撃ミサイルが使用されたと推定し、備蓄が以前の水準に戻るのは2029年半ばから後半になる見込みだ。

国防総省は、作戦上の保安を理由に、4月7日にワシントンとテヘラン間の停戦が発効する前に消費された弾薬の規模を公表していない。しかし、国防総省のジュールズ・ハースト3世代理会計監理官は今月初め、議員らに対し、この紛争による費用は約290億ドルに上り、さらに追加支出が見込まれると述べた。

報告書のは、現在の課題は「資金ではなく、時間である」と主張している。

「生産能力を拡大し、これらの複雑なシステムを構築するには時間がかかる。したがって、在庫が以前の水準に戻る数年間は脆弱な期間が生じ、さらに戦争計画担当者が望む水準に達するまでにはさらに数年を要するだろう」と彼らは記している。

「中国は、自国に最近の戦闘経験がなく、前回の戦争(1979年のベトナムとの戦争)で惨敗したことを深く認識している」と分析は続く。「その経験の差が、弾薬在庫が回復するまでの間、抑止力を維持するかもしれない。」

『ミリタリー・タイムズ』への声明の中で、ホワイトハウスのアンナ・ケリー副報道官は、米軍には「トランプ大統領の戦略的目標すべてを達成し、それ以上の任務を遂行するのに十分な弾薬、火器、備蓄がある」と主張した。

「それでもなお、大統領は防衛関連企業に対し、世界最高水準の『メイド・イン・アメリカ』兵器を絶えず増産するよう促している。民主党は軍を破壊したが、トランプ大統領がそれを再建した。シンクタンクの机上の評論家たちは機密情報にアクセスできず、自分たちが何について語っているのか全く分かっていない」と彼女は付け加えた。

トランプ大統領はBAEシステムズ、ボーイング、ハネウェル・エアロスペース、L3ハリス・ミサイル・ソリューションズ、ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマン、レイセオンなどの主要防衛関連企業の幹部らと会談し、生産能力の拡大について協議した。大統領はその後、CEOらが「『最高水準』の兵器の生産を4倍に増やすことに合意した」と発表し、「可能な限り迅速に、最高水準の生産量に達したい」と述べた。

ピート・ヘグセス国防長官は、国防総省の兵器庫を補充するには、対象となるシステムによっては「数ヶ月から数年」かかると認めているが、水曜日、プロセスはすでに進行中であることを強調した。

「防衛関連メーカーは、新たな工場や製造設備、生産ラインへの投資を進めており、その結果、これまで以上に迅速に兵器を調達できるようになっている」と、ヘグセス長官はホワイトハウスでの閣議で述べた。■

ターニャ・ヌーリーについて

ターニャ・ヌーリーは、『ミリタリー・タイムズ』および『ディフェンス・ニュース』の記者であり、ホワイトハウスと国防総省を主な取材対象としている。


US munitions depleted by Iran war will take years to restore, analysis finds

By Tanya Noury

 May 28, 2026, 04:44 AM

https://www.defensenews.com/news/pentagon-congress/2026/05/27/us-munitions-depleted-by-iran-war-will-take-years-to-restore-analysis-finds/


2026年5月23日土曜日

新型AIM-260はAMRAAMの後継となり、長距離射程による対空攻撃の中心手段となる予想。

 

The first picture of the U.S. military's new AIM-260 Joint Advanced Tactical Missile (JATM) has emerged.ジョナサン・トゥイーディ/ @flightline_visuals

極秘空対空ミサイル「AIM-260」の全貌がついに明らかになった

長く信頼されてきたAIM-120 AMRAAMの後継として、AIM-260は長射程ミサイルとして長年にわたり開発が進められてきた

軍の新型AIM-260 ジョイント・アドバンスト・タクティカル・ミサイル(JATM)で初の写真が公開された。JATMの飛行試験数年前から開始されていたが、これまで公に公開されたことはなかった。同ミサイルは、米軍で運用されている由緒あるAIM-120 アドバンスト・ミディアム・レンジ・エア・トゥ・エア・ミサイル(AMRAAM)を補完し、最終的には置き換えると期待されている。

写真家ジョナサン・トゥイーディは、5月13日にフロリダ州エグリン空軍基地を離陸する米海軍の試験機を撮影した。中に第31航空試験評価飛行隊(VX-31)所属のF/A-18Fスーパーホーネットが含まれており、同機は右エンジン吸気口のアウトボード側の胴体ステーションにAIM-260を搭載していた。同機はまた、センターライン・ステーションに赤外線探索追尾(ISRT)センサーを備えた改造型FPU-13/Aドロップタンクを搭載しており、翼端にはフライトデータポッドも装備している。The Aviationistは、JATMを搭載したVX-31のジェット機の写真を最初に公開した

AIM-260を搭載したVX-31所属のF/A-18Fの全景。Jonathan Tweedy/ @flightline_visuals

エグリン基地は、米軍の航空兵器試験や、その他航空研究開発および試験評価業務の拠点として日常的に利用されている。同基地は、フロリダ州パンハンドル沿岸沖のメキシコ湾に広がる広大な海上射爆場(オーバーウォーター・レンジ)の隣に位置している。

AIM-260に関しては、トゥイーディ氏の写真が示す通り、少なくとも外観上は非常にミニマルな設計で、尾部には4枚のフィンしか見られない。AIM-120と異なり、胴体中央部に制御面はなく、側面にストレーク(安定板)すら見られない。JATMの全体的な構成は、最高速度と航続距離の最大化を追求したものだろう。

AIM-260のクローズアップ。Jonathan Tweedy/ @flightline_visuals

AIM-120ミサイルのストック写真。USAF

JATMは、機体前端の黄色い帯から判断して、実戦用の高爆発性弾頭を搭載しているようだ。また、後部に2本の黒い帯があり、これはミサイルのロケットモーターの位置を示している可能性がある。

ノーズコーンは、主に白色で構成された機体本体と比較して、明らかに薄い灰色をしている。機体後部の各所には四角いマーキングがあり、これは試験中の航空兵器や航空機に見られることが多く、視覚的な追跡を容易にするためのものだ。

全体として、トゥイーディ氏の写真に写っているAIM-260は、設計とマーキングの両面において、JATMの公式レンダリングで以前に描かれていたものと完全に一致しているように見える。

以前に公開されたAIM-260のレンダリング。USN

海軍は空軍と協力してAIM-260を開発中だ。過去には、当局者がはっきり言及したように、中国製空対空ミサイル、特にPL-15の射程拡大が、JATM計画の主要な推進要因となっている。中国は高性能な空対空ミサイルの開発と配備を続けており、したがって、最大射程の延伸はAIM-260で中心的な要件であることが知られており、報道によれば、少なくとも120マイル、あるいはそれ以上の距離にある目標を攻撃できるよう設計されている。

AIM-260のもう一つの既知の要件は、AIM-120とほぼ同じ形状を持つことであり、これにより既存の航空機への統合が容易になる。それ以外のJATMに関する詳細は依然として限られている。本誌が以前報じている:「高密度推進剤を用いた先進的なロケットモーターは、新型ミサイルのサイズを大きくすることなく、AIM-120に比べてAIM-260Aの射程と速度を大幅に向上させる有力な手段として、かねてより注目されてきた。JATMの既知の主要要件の一つは、AMRAAMと概ね同じ外形寸法を持つことである。これは主に、F-22やF-35 ジョイント・ストライク・ファイターといったステルス戦闘機の内部ベイに収まることを確実にするためである。有人機に加え、AIM-260Aは将来のステルス無人機、例えば米空軍の連携戦闘機材(CCA)プログラムの下で開発中の機体などに搭載されることが期待されている。」

「AIM-260Aのロケットモーターも、飛行全域でエナジーを維持するデュアルパルス設計となる可能性が高い。これにより射程がさらに延伸され、終盤の機動性が劇的に向上する。推力偏向能力も、追加の制御面がない状況でミサイルに十分な機動性を与えるために不可欠となるだろう。」

「アクティブ電子走査アレイ(AESA)レーダーシーカーが採用される可能性が高い。イメージング赤外線や受動型無線周波数(RF)誘導能力を備えたマルチモードシーカー機能は、拡大し続ける対抗措置のエコシステムに直面する上で極めて有用となるだろうが、これが現時点で実装されているかどうかは不明である。また、後期の派生型で導入される可能性もある。高度なネットワーク機能は重要な特徴となり、ミサイルが様々な外部情報源から追加の目標情報を取得することを可能にする。これは、発射プラットフォーム自身のセンサーの探知範囲外にある目標を攻撃する際に特に重要であり、ミサイルを発射する航空機(特にステルス機)がレーダーをオンにする必要性を回避し、その結果として探知されるリスクを高めることを防ぐことができる。ネットワークで接続された複数のJATMが、協調して交戦を行うことさえ可能になるかもしれない。」

全体として、少なくとも2019年に遡るJATMプログラムは大部分が機密扱いのままだ。前述の通り、AIM-260の飛行試験はしばらく前から進行しており、すでに実弾射撃が数回行われている。また、このミサイルを量産化し、実戦配備に備える動きが近年見られている。

海軍のスーパーホーネットと、米空軍のF-22ラプターが、AIM-260を実戦配備して飛行する最初の機種になる予想だ。同ミサイルは、空軍の将来のF-47や、海軍が第6世代戦闘機F/A-XXとして採用する機体を含め、間違いなく他の多くの航空機にも搭載されることになるだろう。

AIM-260が実戦配備されるまでの見通しは、現時点では不明確である。2019年にこの計画が初めて公表された際、目標は2022年の配備であった。昨年末には、米下院軍事委員会の議員らが配布したファクトシートに基づき、JATMが資金問題のため3ヶ月の遅延に見舞われたとの報道があった。しかし、同委員会はその後、その情報は誤りと述べた

余談だが、海軍は2024年に、別の超長距離空対空ミサイルであるAIM-174Bの限定的な配備を開始したと発表している。これは地上発射型スタンダード・ミサイル6(SM-6)を基に開発されたものだ。AIM-260はAIM-174Bを補完するものと見込まれている。

How The Navy's New Very Long-Range AIM-174 Will Pierce China’s Anti-Access Bubble thumbnail

今週、AIM-260が初めて公の場で確認されたことで、この新型空対空ミサイルの配備に向けた新たな進展が進んでいることは間違いない。■

VX-31スーパーホーネットに搭載されたAIM-260の写真を共有してくださったジョナサン・トゥイーディ氏に、改めて感謝申し上げます。

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフは2017年初頭からThe War Zoneのチームの一員です。それ以前はWar Is Boringの副編集長を務め、Small Arms ReviewSmall Arms Defense JournalReutersWe Are the MightyTask & Purposeなど、他の出版物にも記事を寄稿しています。


Secretive AIM-260 Air-To-Air Missile Finally Breaks Cover

The AIM-260 has been in development for years as a much-needed longer-range successor to the venerable AIM-120 AMRAAM.

Joseph Trevithick

Published May 15, 2026 1:39 PM EDT

https://www.twz.com/air/secretive-aim-260-air-to-air-missile-finally-breaks-cover


2026年5月20日水曜日

ペイトリオットの低価格化を米陸軍が模索。低価格ドローン・ロケットなどへの対抗の経済効率の実態から。ただし、ペイトリオットの手直しで画期的な低価格装備が生まれるか疑問



The U.S. Army is pressing defense contractors to come up with proposals for a new interceptor for the Patriot surface-to-air missile system with a unit cost under $1 million.

ロッキード・マーティン

米陸軍が「低コスト」(100万ドル未満)ペイトリオット迎撃システムを模索中

敵が安価なドローンや大量の弾道ミサイルで圧倒的な戦力を構築しようとする中、米陸軍は安価で量産可能なペイトリオットシステムが必要だと認識している

陸軍は、防衛関連企業に対し、単価100万ドル未満のペイトリオット地対空ミサイルシステム用新型迎撃機の提案を求めている。これは、陸軍が現在、現行世代のペイトリオットPAC-3ミサイル・セグメント・エンハンスメント(MSE)迎撃ミサイルに支払っている価格の約5分の1と、はるかに安価である。

既存の迎撃ミサイルを補完する低コストの代替案があれば、特にドローンや巡航ミサイルといった低レベルの脅威に対して、ペイトリオットシステムの「迎撃あたりのコスト」を改善できる。また、この設計は大量生産が容易になる可能性があり、在庫やサプライチェーンにかかる懸念が高まっている負担の解消にも寄与するだろう。これらはTWZが長年指摘し続けてきた問題であり、最近のイランとの紛争におけるペイトリオットシステムの多用によって、その深刻さが増している。

先週金曜日、陸軍の防御火力担当能力プログラム執行官(CPE)は、ペイトリオット向けの新たな低コスト迎撃ミサイル設計案に関する情報提供をこっそりと募集した

「我々は、低コスト迎撃ミサイル(LCI)およびミサイルサブシステムに関する非常に積極的な競争を実施している」 と、陸軍の火力担当ポートフォリオ調達責任者(PAE Fires)フランク・ロザノ少将は昨日LinkedInで述べ、契約公告に注目を促した。「近くワシントンD.C.で『インダストリー・デイ』を開催する予定がある。ミサイル技術産業基盤全体から、可能な限り多くの関心と参加を集めたいと考えている!この取り組みは、複数の契約を締結し、能力が高くかつ手頃な価格の多様なミサイル迎撃ソリューションを実現することを目的としています!」

2025年12月、ピート・ヘグセス国防長官(左から2番目)の訪問に際し、レッドストーン兵器廠でペイトリオット地対空ミサイル発射機の前に立つ陸軍フランク・ロザノ少将(右端)。DoW/米海軍一等兵曹アレクサンダー・クビツァ

契約公告は、100万ドルという単価目標を4つの構成要素グループに分割し、陸軍は各グループのコストを25万ドル以下に抑えることを目指している。これらは、低コスト迎撃用オールアップラウンド(AUR)および火器管制、低コストロケットモーター、低コストシーカー、そして火器管制および飛行誘導の実装である。陸軍はまた、異なる供給元から調達される可能性のあるこれら「各分野で最良の」要素すべての中核的な統合業者となる候補企業に関する情報も求めている。

完成したミサイル(AUR)および関連する射撃管制システム要素に関しては、陸軍はこれらを既存のM903トレーラー型発射機に統合し、同軍の新しい統合戦闘指揮システム(IBCS)ネットワークを活用することを目指している。M903はすでに、MSE型を含む新型PAC-3シリーズ迎撃機や、旧式PAC-2にも対応可能である。

ノースロップ・グラマンのIBCSは、当初からモジュール式かつオープンシステムのアプローチで設計されており、時間の経過とともに新しいシステムや機能を容易に統合できるようにしている。


「政府は、AMD迎撃ミサイルに必要な厳格な運動学的・力学的要件を満たし、MOSA AMD迎撃ミサイルの一部として統合可能なコンポーネントレベルの固体ロケットモーター(SRM)を求めている」と、契約通知には記載されている。「政府は、競合環境や通信環境が劣悪な状況(例:能動的電子戦、悪天候、起伏の激しい地形など)において、指定された脅威群に対するAMD任務を支援するため、脅威の捕捉、追跡、および終末誘導が可能なコンポーネントレベルのシーカーを求めている。」

「政府は、IBCS(統合戦闘指揮システム)に交戦オプションを提供し、発射後の迎撃機の飛行および通信メッセージの管理を行うことができる、コンポーネントレベルの射撃管制および飛行誘導システムを求めている」と、契約通知は付け加えている。

通知によれば、全体として、これらの新しい低コスト迎撃機は、「空気呼吸式脅威(ABT)、巡航ミサイル、近距離弾道ミサイル(CRBM)、および短距離弾道ミサイル(SRBM)に対する統合火力・航空・ミサイル防衛(IFAD)任務の補完的役割を果たす」ことを目的としている。SRBMは通常、最大射程が620マイル未満の弾道ミサイルと定義される。米軍はまた、最大186マイル以内の標的を攻撃可能な弾道脅威を分類するためにCRBMという用語を使用している。

ペイトリオットシステムは現在、上記の脅威すべてに対処する能力を有しているが、その能力にはコストが伴う。陸軍の最新の2027会計年度予算案によると、PAC-3 MSE迎撃ミサイル1発あたりの単価は約530万ドルに上昇している。これは、同ミサイル1発あたりの過去の平均価格である約400万ドルから値上がりしたものである。また、これらは製造に数年を要する高度な兵器であり、この点については後ほど改めて触れる。

2024年、陸軍は計画を取り下げたことを発表した。ペイトリオット用の新型迎撃ミサイル(旧称:Lower-Tier Future Interceptor:LTFI)に関する計画であり、その主な理由は予想されるコストの高さであった。

「したがって、現時点で陸軍は、いわゆる『ローワー・ティア・フューチャー・インターセプター』の計画を推進しないことを決定しました」と、当時のロザノ准将は、その年の米国陸軍協会(AUSA)年次総会会場から『ディフェンス・ニュース』のジェン・ジャドソンとの生インタビューで述べた。「それは非常に高額な事業になる予定でした。……その系統やクラスの迎撃機は非常に高性能だが、同時に非常に高価でもある。」

その後、LTFIの後継となる何らかの計画が進行中であるという兆候が見られていた。「今年、我々はより長射程かつ高高度に対応する新たな迎撃機プログラムを開始する」 下層迎撃機(LTFI)の製品マネージャーを務める陸軍中佐スティーブン・モーベスは、昨年12月に同軍のレッドストーン兵器廠で行われた実物展示会において、ピート・ヘグセス国防長官にこう語った。この場にはメディア関係者も同席していた。

『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙によると「我々は、知的財産権(IP)を自社で保有できる迎撃機をゼロから開発し、その後で委託製造先を探すことができるかどうかを見極めたい」と、ダン・ドリスコル陸軍長官も今月初め語っていた。

ドリスコル長官は当時、陸軍が目指す総コストは25万ドルと示唆したと報じられている。前述の通り、これは合計100万ドル以下の迎撃システムを構成する4つの各要素のコスト目標であることが現在判明している。

低高度の空気呼吸式脅威から短距離弾道ミサイル(SRBM)に至るまであらゆる対象に対処可能でありながら、100万ドル未満の対空迎撃システムを導入する目標は、依然として野心的なものである。また、これは低コスト弾薬の調達拡大を目指す国防総省全体の取り組みとも合致している。これには、既存の主要防衛請負業者をはるかに超えた新たな非伝統的な産業パートナーの活用や、オープンアーキテクチャへのアプローチも含まれる。ドリスコル長官が陸軍によるIP所有権に言及したことは、これらの取り組みのもう一つの重要な側面を浮き彫りにしている。それはベンダーロックインの防止が目的で、AURやサブコンポーネントについて新たな競争入札を容易に実施できるようにするものである。

繰り返すが、この新しい低コスト迎撃機は、ペイトリオットシステムの既存の選択肢を補完するものである。同時に、すべての脅威に対してPAC-3 MSEが必要というわけではない。したがって、前述の通り、比較的手頃な価格の新たな選択肢を加えることは、迎撃のコスト効率の面でメリットをもたらすだろう。特に1機あたりの価格が数万~数十万ドル長距離自爆ドローンといった低層脅威を撃墜するために本システムを使用する際のコストは、過去10年間において主要な議論の的となってきた。また、イランとの最近の紛争で浮き彫りになったように現実的な脅威であり、ますます拡散している短距離弾道ミサイルの飛行終末段階に対する重要な防衛層もペイトリオットが提供している。したがって、低コストで低性能な終末段階弾道ミサイル防衛を提供できる能力は、今後ますます価値を高めることになるだろう。

PAC-3 MSEのような既存型に比べて比較的安価でありながら、十分な能力を備えたペイトリオットの新型迎撃ミサイルは、特に大量生産が迅速に行えれば、備蓄管理やサプライチェーンの面で有益となる可能性がある。最近のイランとの紛争近年のその他の中東危機、そして同盟国やパートナー国(特にウクライナ)への支援は、十分な数の対ミサイル迎撃弾やその他の重要弾薬が米国の在庫に残るよう確保するための新たな措置が必要であることを浮き彫りにした。

国防総省は、米国の兵器庫には現在および将来の不測の事態に対処するのに十分な備蓄が依然としてあると主張しているが、米国当局者は公然と、高い消費率による潜在的な影響や、これらの兵器を供給する産業基盤の多様化の重要性に注意喚起している。防空兵器やその他の弾薬を大量備蓄しておく必要性、そして数年単位の時間軸ではなく迅速に補充する能力は、太平洋における中国との対決のような将来の高強度紛争において、さらに顕著になるだろう。

ペイトリオットに関しては、全体的な能力という、別個ながら直接関連する問題がある。陸軍のペイトリオット部隊は、既存の需要を満たすことさえ不十分なままであり、中国人民解放軍(PLA)との将来の紛争で必要とされる要件を満たすことなど到底できない。

陸軍は、ペイトリオット部隊の総規模を拡大するとともに、新型レーダーやその他の機能の追加を通じシステムの能力向上に取り組んでいる。また、国防総省はPAC-3 MSEの主要請負業者であるロッキード・マーティンと、同迎撃ミサイルの生産拡大に関する合意に達している。現在、陸軍はペイトリオットシステム向けに新たなコンテナ型発射機の導入も検討しており、無人トラックによる運搬も可能となる見込みだ。

しかし、これらの開発の多くは、完全に実現するまでにまだ数年を要すると見られ、独自のサプライチェーン上の制約にも左右される。海軍は現在、PAC-3 MSEをMk 41垂直発射システム(VLS)に統合する作業を進めており、海上配備の兵器体系に貴重な新型対空迎撃ミサイルを追加する一方で、需要をさらに増大させている。イランとの最近の紛争における同システムの多用などを含め、ペイトリオットを巡る米国の需要が全体的に高まっていることは、二次的な影響を世界中の他の顧客に及ぼしている。

総じて言えば、ペイトリオットシステム向けの新たな低コスト迎撃ミサイルは、陸軍の兵器体系で今以上に不可欠となる可能性は低いにせよ、重要な追加要素となり得る。同時に、陸軍が、厳しい要件を満たしつつ、それでも100万ドル未満のコストに抑えられるミサイルを見出す目標を達成できるかどうかは、まだ未知数である。

【更新】米国東部標準時午後6時11分 –

昨日、陸軍のフランク・ロザノ少将がLinkedInに投稿した内容には、下図のレンダリング画像が含まれていた。これは、ウクライナのFire Point社が開発中のFP-7弾道ミサイルのレンダリングであることが判明した。Fire Pointによると、同社は現在、FP-7.xと呼ばれる対空迎撃ミサイル版も開発中であり、その詳細が最近公開された。その基本設計は、S-400地対空ミサイルシステムで使用されているロシア製48N6を基にしているとの報告がある。FP-7.xが、ペイトリオットシステム向けの新型迎撃機として米陸軍の要件に適合するかは不明である。■

ロザノ少将は、今週末にLinkedInで低コスト迎撃ミサイル開発に関する投稿を行い、その中にFire Point社のFP-7であることが判明したこのレンダリング画像を掲載した。米陸軍

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフは2017年初頭から『The War Zone』チームの一員である。それ以前は『War Is Boring』の副編集長を務め、その署名記事は『Small Arms Review』、『Small Arms Defense Journal』、『Reuters』、『We Are the Mighty』、『Task & Purpose』など、他の出版物にも掲載されている。

‘Cheap’ Patriot Interceptor Costing Under $1 Million Now Being Sought By Army

The Army knows it needs a more affordable and producible Patriot option as enemies seek overmatch through cheap drones and throngs of ballistic missiles.

Joseph Trevithick

Published May 18, 2026 2:20 PM EDT

https://www.twz.com/land/cheap-patriot-interceptor-costing-under-1-million-now-being-sought-by-army