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2026年6月22日月曜日

これでは勝てない―F-47単価3億ドル、超高性能だがごく少数の装備しか生産しない防衛産業に慣れきった米国はイラン戦争の消耗戦・低価格装備の群れから本気で教訓を学ばねばならない

NGAD Fighter

NGAD戦闘機のモックアップ。画像提供:クリエイティブ・コモンズ。

F-47は1機3億ドル、B-21は7億ドル以上――戦争を勝ち取るのは精巧な装備より数と弾薬量だとイラン戦争が示している

The F-47 Will Cost $300 Million Each and the B-21 Over $700 Million — but the Iran War Showed Mass and Munitions Win Wars, Not Exquisite Planes


米国はF-47やB-21レイダーといった精巧な少数の機体に数十億ドルを注ぎ込んでいる。しかし、イラン戦争とウクライナ戦争が教訓を明らかにしている。プラットフォームが戦争の勝敗を決定づける要因にならなくなった。重要なのはネットワーク――ドローン、弾薬、産業基盤――で、まさにその点で米国は遅れをとっている

https://www.19fortyfive.com/2026/06/the-f-47-will-cost-300-million-each-and-the-b-21-over-700-million-but-the-iran-war-showed-mass-and-munitions-win-wars-not-exquisite-planes/



ラン戦争が証明した:F-47とB-21レイダーでは米国の空軍力を救えない – 1世紀以上にわたり、軍事力はプラットフォームによって測られてきた。戦艦が海上の覇権を決定し、戦車が陸上戦を支配し、空母が海を越えて戦力を投射した。各国の空軍は、個々のシステムにおける技術的優位性が戦争の勝敗を決定すると信じ、より高度な戦闘機や爆撃機の開発を競い合ってきた。

その時代は終わった。

イラン戦争とウクライナ戦争双方から得られる大きな教訓は、戦闘機が時代遅れになったとか、爆撃機が役目を終えたということではない。また、ドローンが有人機を完全に置き換えたということでもない。むしろ、これらの紛争ははるかに重要な事実を明らかにしている。個々のプラットフォームはもはや戦争の中心に位置していないということだ。

今、重要なのはネットワークだ。

ドローン、ミサイル、有人機、電子戦(EW)、サイバー能力、センサー、そして産業生産を首尾一貫した全体として最も効果的に統合できる軍が勝利する。長期にわたる消耗戦を通じネットワークを維持できる側が勝つ。 損失を補充できず、弾薬を大量製造できず、システムを十分に迅速に適応させられない側は、個々のプラットフォームがどれほど先進的であっても敗北する。

イランはこの現実を理解していた。中国もまた、理解しつつある。しかし、米国は依然として旧来の思考様式に囚われたままであり、現代の戦争に実際に必要とされる産業・技術のエコシステムを軽視し、ごく少数の「極上の」航空機に巨額資金を注ぎ込んでいる。

B-21やF-47のような「極上の」システムに対する米国の信頼

F-22 ラプターF-35 ライトニング IIB-2 スピリット長距離ステルス爆撃機と後継機であるB-21レイダー。大々的に宣伝されているF-47、第6世代の次世代制空権確保(NGAD)戦闘機。これらは、ワシントンが「超大国」の「超」を体現するものだと信じているシステムである。高価な「高高度終末段階防衛(THAAD)」発射装置や、それ以上に高価なシステムなど、洗練された防空システムに対するワシントンの執着についても同様だ。そして、米国が戦争遂行のために依存するようになった高価なシステムは、それだけではない。

ビジネスと産業の課題:F-47とB-21の問題点

しかし、非対称かつ産業規模の消耗戦が繰り広げられる時代において、次世代の高価なシステムを少数保有するだけでは、イランや中国といったライバルが戦闘において米軍に仕掛けてくる攻撃を阻止するには不十分だ。大量生産され、手頃な価格で、使い捨て可能かつ交換可能な兵器システムこそが、こうした戦争を戦う手段となる。

米空軍が開発中のシステムは、F-47とB-21レイダーの2つである。一方、F-47のコストは一機3億ドルと見込まれており、米空軍は今後20年間で200機から300機の導入を計画している。さらに、F-47がイランのような敵対勢力に前回のテヘランとの激戦においてF-35の機群が達成した以上の、望ましい戦略的効果をもたらすという証拠はほとんどない。

B-21レイダーは、工学的な観点からは優れた機体ではあるものの、依然として問題を抱えている。B-2スピリット長距離ステルス爆撃機の後継機として1機あたりのコストは7億~7億3000万ドルと見込まれている。空軍は少なくとも100機の導入を希望している。実際に国防総省は真に作戦実行可能とするためには300機近くが必要であると評価している。

真のボトルネックは産業生産能力だ

国防総省の計画担当者は、視程外(BVR)で戦闘を行い、敵の防空網をステルスで突破する能力が不可欠であるため、こうした精巧なプラットフォームが必要だと想定している。

だがこれらの評価はいずれも誤りである。最近のイラン戦争を例に考えてみよう。確かに、ウクライナ戦争と同様に、BVR戦が空戦の大部分を占めた。しかし、BVR戦を成功させるためには、精密誘導型スタンドオフ弾薬が大量に必要となる。

問題は、米国がステルス機や爆撃機が足りないので、将来の戦争では高価かつ複雑な新システムを必要としているという点にあるのではない。真の問題は、F-47やB-21レイダーが想定する戦争に必要な遠距離攻撃兵器を、米国の防衛産業基盤が完全に量産できていないことにある。

にもかかわらず、米国の老朽化した防衛産業基盤を真に強化するためのプログラムよりも、こうした空想的な戦闘機や爆撃機のプロジェクトにはるかに多くの資金が投入されているのが現状だ。

米国の計画には、新しい戦争のあり方におけるもう一つの要素が完全に欠けている。ドローンだ。無人システムは、これらすべての現代の戦場における決定的な特徴である。米国には、次々と投入されるドローンが必要であるだけでなく、有人機が「忠実なるウィングマン」ドローン編隊を展開・管理する能力も求められている。

確かに、F-47やB-21は有人・無人連携(MUMT)のために開発されている。しかし、米国はすでにF-22やF-35といった先進的な戦闘機を保有している。2つの新たな無駄遣いプロジェクトの代わりに、すでに持っているものを強化すべきだ!

間違った戦争用の間違った軍隊

イランはミサイルとドローンの群れで米国を打ち負かした。米国は、100日余りの戦闘で主要兵器システムの重要な備蓄を使い果たし、その枯渇も一因となって停戦を要請せざるを得なくなった。

B-21やF-47など必要ない。必要なのはドローン、ミサイル、極超音速兵器、そして低コストの防空システムだ。

しかし、国防総省は新型プラットフォームへの執着を断ち切れないようだ。そして、米国の防衛関連企業は、納税者の血税から法外な利益を得られる限り、国防総省や議会に「奇跡の兵器」という幻想を売りつけている。

しかし現実世界では、イランのような中規模大国が米国を翻弄している。なぜなら、米軍は間違った世紀で間違った戦争を戦う想定をしているからだ。■

著者について:ブランドン・J・ワイチャート

ブランドン・J・ワイチャートは、19FortyFive.comの国家安全保障担当シニアエディターである。また、Substack上の『The Weichert Brief』の運営も担当している。ワイチャートは、Rumbleで『National Security Talk』のホストも務めている。著書には4冊のベストセラー国家安全保障関連書籍があり、最新作は『A Disaster of Our Own Making: How the West Lost Ukraine』(エンカウンター・ブックス)である。Twitter/Xで@WeTheBrandonをフォローしよう。


GMがミサイル生産に参入か。米国の防衛産業の生産強化への努力は本物だ。では日本は?TOYOTAが防衛産業日本各参入する日が来る??

 

ミシガン州デトロイトにあるジェネラル・モーターズ(GM)本社。GMは2003年に防衛事業を分社化したが、その後、同事業を再編した。(Shutterstock/Jonathan Weiss)

ジェネラル・モーターズがミサイル事業に参入?

Is General Motors Entering the Missile Business?

https://nationalinterest.org/blog/buzz/general-motors-entering-missile-business-ps-062026

ジェネラル・モーターズはミサイル部品の製造でロッキード・マーティンと提携するようだ

国最大の自動車メーカーと世界最大の防衛請負業者が提携交渉を行っている。『ウォール・ストリート・ジャーナル』によると、ジェネラル・モーターズは、ロッキード・マーティンが「兵器生産を強化する」のに役立つ「汎用部品」の供給業者になる可能性が出てきた。

それぞれの業界を代表する両企業の間では、まだ合意には至っておらず、「提携の枠組み」は今後変更される可能性もある。とはいえ、ジェネラル・モーターズの軍事部門GMディフェンスとロッキード・マーティンの提携の目的は、主に先進的なミサイルを中心とした兵器システムの生産量を3倍、あるいは4倍に増やすことにあるとみられる。

GMディフェンスの本社はワシントンD.C.にあり、ロッキード・マーティンの本社は近隣のメリーランド州ベセスダにある。

GMとロッキード・マーティンの提携でミサイル生産が増加する可能性

ロシアのミサイルやドローンからウクライナを守る武器をワシントンが供給した結果、米国の防空兵器の備蓄は大幅に減少している。イランでの紛争により、これらの備蓄はさらに減少しており、ロッキード・マーティンをはじめとする防衛企業は、兵器の補充に数年、あるいはそれ以上の時間がかかる可能性があると警告している。

ロッキード・マーティンは米国の主要同盟国やパートナー国に対し、ペイトリオットPAC-3迎撃ミサイルの納期を保証できないと警告した。この警告は、同社がすでにPAC-3ミサイルの年間生産量を、2025年の年間約650基から2030年までに年間2,000基へと増産するために巨額の投資を行うと発表していたにもかかわらず出されたものである。

4月、米国政府はロッキード・マーティンに、米軍の備蓄を補充するPAC-3の生産・納入契約として47億6000万ドルの契約を交付した。しかし、ミサイルの製造に2年以上かかる可能性があるという点が、主要な問題となったままだ。

同じく4月、トランプ政権は「アーセナル・オブ・フリーダム」プログラムを開始し、米国の防衛産業基盤の積極的な再構築を呼びかけた。この取り組みの目的は、単にミサイルの生産量を増やすことだけでなく、米軍の再武装を可能にするサプライヤーや請負業者のネットワークを構築することにある。ピート・ヘグセス国防長官が主導するこの取り組みでは、官僚的な手続きを排除して、迅速なイノベーションと製造を促進することを目指している。

およそ1世紀にわたり米国の産業力の屋台骨を支え、第二次世界大戦中に戦車や航空機を用いてナチス・ドイツを打ち負かす一助となった米国の自動車産業は、「「アーセナル・オブ・フリーダム」プロジェクトで中心となることはほぼ確実だった。ジェネラル・モーターズ(GM)は、自動車に関連する広大なサプライチェーン網を統括しており、米国の防衛ニーズにも理にかなった存在である。

ジェネラル・モーターズは以前から防衛分野に注力していた

20年以上前の2003年、歴史的にGMと無関係だったジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズが、デトロイトの自動車メーカーであるGMの「GMディフェンス」事業を11億ドルで買収し、これにより自動車製造大手の同社による防衛事業は事実上終焉を迎えた。

2017年、ジェネラル・モーターズは軍事分野に再参入し、「GMディフェンス」部門を再発足させた。過去9年間、GMディフェンスとジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズは積極的に提携し、米陸軍の「オプション有人戦闘車両(OMFV)」を含む主要な防衛プロジェクトで協力してきた。

同社で最新の事業部門でありながら、最も急成長している事業部門でもあるGMディフェンスが、再び米軍向け車両を製造する可能性があると推測されてきた。今や、同社は航空宇宙・防衛企業ロッキード・マーティンを支援し、同社向けに重要部品を製造することも可能になった。

「この瞬間が特に重要である理由は、国が必要としているのが優れた技術だけではないからだ。製造能力、規模拡大能力、そして確実な納入能力も必要とされている」と、GMディフェンスはCNBCの記者との電話会見で述べた。「これこそがGMが貢献できる点だ。当社全体として、先進的なエンジニアリング、デジタル開発、サプライチェーン管理、そして大規模製造における豊富な経験を持っている。」

ロッキード・マーティンは、GMディフェンスが具体的にどのようなプロジェクトに関与する可能性があるかについて明らかにしていないが、同社幹部は、これが成長につながる可能性があると述べた。

「我々は共に、重要な3分野にわたる機会を模索していく。生産体制の整備と拡張可能な製造環境の構築、サプライチェーンの強化とレジリエンス(回復力)を高める方法の特定、そして効率の向上と納期短縮に寄与する先進的な製造・設計手法の適用だ」と、ロッキード・マーティンの最高執行責任者(COO)フランク・セント・ジョンは説明した。

セント・ジョンは記者団に対し、同社はすでに20カ所の施設や供給拠点に90億ドル以上を投資しており、こうした取り組みは2030年まで継続されると語った。同様に、GMも研究開発に最大70億ドルを投資している。

「製造業に深いルーツを持つ2社が手を組み、防衛産業基盤のスピード、規模、レジリエンスの拡大に貢献することで、米国はより強くなる」。「だからこそ、ロッキード・マーティンとGMは今回の提携を発表するのだ」■

著者について:ピーター・スシウ

ピーター・スシウ 寄稿し、ジャーナリズムのキャリア30年以上にわたり、数十の新聞、雑誌、ウェブサイトに記事を寄せてきた。彼は定期的に軍事装備、銃器の歴史、サイバーセキュリティ、政治、国際情勢について執筆している。ピーターはまた、 寄稿ライターとして『フォーブス』および 『クリアランス・ジョブズ』にも執筆している。ミシガン州を拠点としている。Twitterでは @PeterSuciuをフォローできる。


2026年6月20日土曜日

イラン和平で米国とイスラエルがなぜ対立するのか

 

米国とイスラエルがイラン和平で対立する理由


Why the US and Israel Diverged on Iran Peace


https://nationalinterest.org/blog/middle-east-watch/why-the-us-and-israel-diverged-on-iran-peace


イラン戦争の終結は1973年のヨム・キプール戦争終結時と酷似している

東の列強がこれまで決して十分に学べなかったように、歴史がまったく同じ形で繰り返されることはない。ヨム・キプール戦争を終結させた10月の停戦と、2025年から2026年にかけてのイラン・イスラエル・米国間の大紛争に今まさに降りかかかろうとしている不安定な休戦との間には、53年の歳月が流れている。とはいえ、米国とイスラエルの「特別な関係」という独特な力学を研究してきた者にとっては、この二つの結末は不気味なほど似通っており、ワシントンの友好関係がどれほど誠実なものであっても、極小文字で書かれた注釈が常に付き物であることを思い起こさせる。

まずはその仕組みから見てみよう。1973年10月、スエズ運河の西岸でイスラエル軍戦車がエジプト第3軍を包囲し、ゴルダ・メイア首相率いるイスラエル政府が決定的な軍事的打撃を与えようとしていたその時、ニクソン政権は、後の米国の外交手法において繰り返し見られることになる行動をとった。すなわち、敵を完全な敗北から救い出し、その結果を外交上の勝利と呼んだのである。ヘンリー・キッシンジャー――彼自身が「建設的曖昧性」と呼んだかもしれないもの、あるいは批判者たちが「息をのむ冷笑主義」と呼んだものの最高の実践者――は、停戦を仲介し、エジプトのアンワル・サダト大統領の壊滅寸前の軍隊を救い、この地域において不可欠な仲介者という羨望の的となる役割をワシントンにもたらした。

イスラエルは、望んだからではなく、他に選択肢がなかったためこれを受け入れた。イスラエル軍に補給を行っていた米国の空輸作戦、「オペレーション・ニッケル・グラス」は、同時に依存関係も生み出していた。弾薬を供給する側は、受益者の作戦に対して拒否権を行使できるようになりやすい。

50年後の話だ。2025年6月、12日間にわたるイスラエルと米国の空爆(イランの核施設および軍事インフラを標的としたもの)の後、ドナルド・トランプ大統領は、エルサレムが完全合意する前から、ソーシャルメディア上で、彼らしい派手な演出を交えて、公に停戦を発表していた。イランの核開発計画を弱体化させるという中核的な目標を達成したワシントンは、満足していた。まだ攻撃すべき独自の標的リストを抱えていたイスラエルには、事実上「もう十分だ」と伝えた 。ベンヤミン・ネタニヤフ首相率いる政府は、明らかな不本意さを見せつつもこれに従った。2026年2月に紛争が再燃し、4月にパキスタンの仲介で再び停戦が最終的に成立した際も、同様の対応をとることになる。

このパターンは極めて一貫しており、もはや教義と言っても過言ではない。米国が介入し、米国が戦闘の終結時期を決定し、名目上のパートナーであるイスラエルは、その「特別な関係」には階層構造があり、それがまさに勝利の瞬間に最も鮮明に現れることに気づくのである。

1973年と2025~2026年の違いは現実のものであり、無視すべきではない。1973年、イスラエルは攻撃を受け、米国はその敗北を防ぐために武器を緊急供給した。2025~2026年には、イスラエルと米国が先制攻撃を仕掛けた。これは、両政府が20年近くの間、様々な形で検討してきた、イラン核施設に対する共同作戦であった。敵対勢力の性質も異なる。サダト政権下のエジプトは、ソ連と結託し、通常戦を主とする軍隊を擁する国家だった。一方、10月7日以降の事態で弱体化したイラン・イスラム共和国は、地域覇権国であり、その代理勢力はイスラエルによって過去数年にわたり体系的に解体されていた。

しかし、米イスラエル関係の根底構造は、頑なまで変わっていない。どちらの場合も、ワシントンは敵だけでなく同盟国も管理しなければならないという、居心地の悪い立場に立たされた。どちらの場合も、米国は、危機の最中には見事に一致していたイスラエルの戦略的目標と米国のそれが、終局が視野に入ってきた瞬間に乖離し始めることに気づいている。

キッシンジャーは、感情に流されない物事の見方で、1973年にこのことを完全に理解していた。彼は、イスラエルの戦場での勝利を「結論」としてではなく、交渉の「切り札」として利用したかったのだ。エジプト第3軍が壊滅すれば、それは一世代にわたってアラブ世論を硬化させる屈辱となっていただろう。一方、米国の介入により救われたエジプトは、モスクワから引き離され、ワシントンの影響圏に引き込まれる可能性があった。イスラエルの勝利は、アラブ世界への米国の外交の扉を開いたのである。

トランプの計算――彼らしく明示的には語られなかったが、現実味に欠けているわけではない――も、同様の論理に基づいていた。2025年にイランの核施設を攻撃した後、彼はイランを屈服させることは望んだが、破壊までは望まなかった。同様に、2026年、最高指導者アリ・ハメネイの殺害後もイスラム共和国が崩壊しないことが明らかになると、トランプは、最終的に合意に署名し、ホルムズ海峡を再開し、大統領が歴史的な合意を宣言できるようにするイランを望んでいた。イラン政権の打倒を依然として目指すイスラエルの「最大主義的」な作戦は、まさにワシントンが戦争で防ごうとしていたような混乱――権力の空白、地域的な事態の拡大、核開発計画が正体不明の勢力の手に渡ること――を招く危険性をはらんでいた。

それゆえ、両紛争を通じて、そして50年以上にわたり繰り返されてきたパターンはこうだ。米国は戦略的傘を提供し、地域への関与に伴うコストを負担し、そして自らの国益に沿って結果を形作ることを主張する。その国益は、両政府がいくらそうではないふりをしたくても、イスラエルの国益と同一にならない。

ヨム・キプール戦争の余波は、後知恵で振り返れば、逆説的に平和への扉を開いた条件付きのイスラエルの勝利として記憶されている。1979年のキャンプ・デービッド合意は、この地域の近代史で最も重要な外交的成果であると言えるが、それは1973年以降のキッシンジャーのシャトル外交によって耕された土壌から直接生まれたものである。エジプトはソ連の勢力圏から離脱し、イスラエルと個別和平を締結し、イスラエルの存亡を脅かしていたアラブ連合は修復不可能なまで崩壊した。

しかし、1973年後半のイスラエルにとって、こうした事態はまったく予見できなかった。目に見えていたのは、壊滅的な事態を招きかけた情報失敗による衝撃、2,700人近くの兵士の死、根底から揺さぶられた社会、そして、後見人であり武器供給国である米国でさえ、決定的な最後の数時間でイスラエルを「手綱で縛り付けていた」という、不安を煽るが決して非合理とは言えない感覚だった。

2025年から2026年にかけての紛争の余波も、同様に曖昧な結果をもたらす可能性が高い。一部の米情報機関の評価によれば、イランの核開発計画は数ヶ月遅れを余儀なくされており、空爆が主張どおりの効果を発揮したのであれば、その遅れはさらに長引く可能性がある。イラン政権は首脳部一掃を狙った空爆を生き延び、モジュタバ・ハメネイを最高指導者に任命し、抵抗を続けている。ホルムズ海峡での混乱は、世界のエナジー市場に波及効果をもたらした。そして、ガザ、レバノン、そして今やイランと、複数の戦線で戦ってきたイスラエルは疲弊しきっている。

2026年の停戦交渉が、仲介者らによって発表された脆弱な了解覚書で明らかにしたのは、根本問題が未解決のままであるということだ。すなわち、イランの核開発計画、弾道ミサイルの備蓄、軍事力の再建である。1973年以降、銃声は止んだが、根底にある紛争は終結したわけではなく、多大な人的・経済的犠牲を払って、単に次の政権や次の危機へと先送りされたに過ぎない。

米国内の議論の両陣営のオブザーバーは、それぞれが好む教訓を引き出すだろう。米国とイスラエルの関係を感傷的な視点で見る傾向にある人々は、パートナーシップ――1973年の空輸作戦、2025年の共同空爆、両紛争を通じて提供された外交的支援――を強調するだろう。もっと現実主義的な見方をする人々は、歴史的記録が紛れもなく示している事実に注目するだろう。すなわち、米国とイスラエルの目的が食い違うとき、譲歩を求められるのはイスラエルの方であるということだ。

これは必ずしも裏切りではなく、不可解なことでもない。世界的な責務を管理し、エナジー市場を安定させ、同盟構造を維持し、国内政治を乗り切らなければならない大国は、存亡がかかっており、時間軸も異なる小規模な同盟国に、自国の外交政策を単純に委託することはできないのだ。キッシンジャーはこれを理解していた。たとえ公の場では私的な発言よりも婉曲に表現していたとしても。取引主義を掲げ、キャタピラーD9のような繊細さとは程遠いやり方で外交の雑木林を切り開くトランプも、彼なりの表現で同じ計算を下している。

イスラエルの課題――1973年以来、イスラエルの戦略家や政治家たちが真剣に議論し続けてきた課題――は、不可欠な支援を提供し、その制約から逃れられない後見人を、いかに位置づけるかということである。実績を直視する意思のあるイスラエルの指導層にとって、答えは明らかだ。すなわち、この特別な関係は現実のものだが限界があるということだ。米国の力はイスラエルを最悪の危険から救うことはできても、イスラエルが自らの条件であらゆる戦いを完結させることを許してくれるとは期待できない; そして、米国が仲介した停戦の翌朝には、イスラエルは抑止力を再構築し、同盟関係を再編成し、停戦が防ぐことはできず、単に先送りしたに過ぎない次の戦いに備えなければならないということだ。

1973年10月のヨム・キプール戦争の停戦を迎えた中東は、長期にわたる移行期に向けて再編を進めていた。その過程で、最終的にはイスラエルとエジプトの間に冷淡ながらも持続的な平和が生まれ、イデオロギー的勢力としての汎アラブ主義は空洞化し、やがてイランが同地域で主要な破壊的勢力として台頭することとなった。2026年の停戦が、同様に長く苦しい移行期を始動させるのではないか、と疑問を抱くのは空想ではない。その移行期の終着点はまだ誰にも見通せないが、選挙戦の最中にネタニヤフやトランプの双方が掲げた過激な構想とは、おそらく大きく異なるものになるだろう。

その間、イスラエルは1948年以来繰り返し直面してきた状況に置かれている。すなわち、軍事的には強大でありながら、外交的には依存を余儀なくされ、自国の生存に不可欠だと感じるものと、不可欠な同盟国が許容する範囲との間に広がる巨大な隔たりを、どう乗り越えるかという課題に直面しているのだ。銃声が静まった翌朝は、エルサレムにとって常に「清算」の朝となる――何が達成され、何が未達成のまま残され、そしてワシントンが課した条件に対して、数年後にどのような代償を払うことになるのか、と。

53年が経過した今も、1973年の教訓は変わっていない。ただ、より大きな代償を払い、より多くの人々に知らしめられる形で、改めて確認されたに過ぎない。■

著者について:レオン・ハダル

レオン・ハダル博士は、『ザ・ナショナル・インタレスト』の寄稿編集者であり、外交政策研究所(FPRI)の元シニアフェロー、およびカト研究所の元外交政策研究フェローである。ワシントンD.C.のアメリカン大学およびメリーランド大学カレッジパーク校で、国際関係論、中東政治、コミュニケーション学を教えた。『ハアレツ』(イスラエル)のコラムニスト兼ブロガーであり、シンガポールの『ザ・ビジネス・タイムズ』のワシントン特派員を務めるほか、『エルサレム・ポスト』の元国連支局長でもある。


2026年6月15日月曜日

宇宙ベースの航空機監視体制を軌道上の衛星群で実現しようとするペンタゴンの計画にスペースXが参画―空中早期警戒機はもう無用だと言っていたのはこの計画だが、簡単に実現するものなのでしょうか

 


The U.S. Space Force has awarded SpaceX a $4.16B deal to help accelerate work on what could be a game-changing space-based air moving-target indicator (AMTI) sensor network.DARPA

軌道上から航空機を追跡する国防総省計画が40億ドルのスペースX契約で加速

Pentagon’s Plans To Track Aircraft From Orbit Accelerated With New $4B SpaceX Deal


世界の空域監視が衛星ネットワークで実現すれば、早期警戒管制機(AEW&C)の存在意義が薄れる可能性が生まれる

https://www.twz.com/space/pentagons-plans-to-track-aircraft-from-orbit-accelerated-with-new-4b-spacex-deal

宇宙軍は、宇宙ベースの空中移動目標探知(AMTI)センサーネットワークの開発を加速させるため、スペースXに41億6000万ドルの契約を授与した。同軍は、2028年までに「初期運用能力」を軌道上で確保することを目指しており、これは当局者が過去に提示していたスケジュールより数年早い

AMTI衛星コンステレーションの計画は、E-7ウェッジテイル空中早期警戒管制機(AWACS)の購入中止に向けた昨年の一連の動きと直接結びついていたが、議会が介入した結果、国防総省はこれを完全に断念している。空軍は、老朽化したE-3セントリー空中早期警戒管制システム(AWACS)機の後継機としてE-7導入を再開しているものの、最終的な目標は、すべてではないにせよ、大部分のAMTI任務を最終的に宇宙へ移行させることにある。

E-7ウェッジテイルはAMTI能力の重要な提供源となっている。オーストラリア国防省

「敵対勢力が高度なアクセス拒否・領域拒否(A2/AD)システムを開発する中、移動目標を追跡する従来型の軍用機による手法は、課題に直面している」と、宇宙軍は本日、SpaceXとの新たな契約に関するプレスリリースで述べた。「従来の航空機によるセンシングを補完するため、多層的で高い回復力を備えた追跡アーキテクチャの必要性は明らかである。SB-AMTIは、宇宙から空中目標を検知・追跡する持続的かつ世界規模の能力を確立することで、宇宙軍が統合軍に提供する能力を強化することを目指している。」

宇宙軍は、宇宙ベース空中移動目標指示装置(SB-AMTI)プログラムに関するSpaceXとの41億6000万ドルの契約を、「競争的その他取引権限(OTA)契約」と説明している。この合意は、宇宙ベースのセンシング・ターゲティング担当ポートフォリオ調達執行官(PAE SBST)の事務所を通じて成立した。

宇宙軍の発表によると、「今回の初期契約により、2028年までに衛星コンステレーションが配備され、作戦上の死角を排除する初期能力が統合軍に提供される見込みである。」

これまで、米国当局者は宇宙ベースのAMTIが2030年代中に現実のものとなると述べてきた。地上移動目標探知機(GMTI)の任務を軌道上に移行させるための作業も進行中である。

軌道上でのAMTIセンサーのプロトタイプ試験は、少なくとも1年間にわたりすでに進行中であるが、作業は厳重な機密扱いとされている。米空軍および宇宙軍(いずれも米国空軍省の管轄下)に加え、国家偵察局(NRO)も関与している。NROは極秘に包まれている組織であり、米国の主要なリモートセンシング情報機関として機能する米軍組織である。

「宇宙空間で展開されている能力は、予想をはるかに上回っている」と、当時の空軍少将クリストファー・ニーミは、今年初めの公聴会でE-7に関する計画についての質問への回答の一環として述べた。彼は公の場でこれ以上の詳細を明かすことを控えた。その後中将に昇進したニーミは、現在、空軍参謀次長(部隊近代化担当)兼空軍最高近代化責任者を務めている。

報道によれば、SpaceXもこの事業に深く関与している。これは、宇宙産業のあらゆる側面において同社が世界的にますます支配的になっていることを裏付けるもので、これについては後ほど改めて触れる。

前述の通り、軌道上に機能的で持続的かつ分散型のAMTI(およびGMTI)センサーネットワークを構築することは、ゲームチェンジャーとなる可能性を秘めている。TWZが2024年に、主に宇宙ベースのGMTI能力の将来性について論じた記事では、次のように述べられている。「大規模かつ分散化されたコンステレーションであれば、地球の広大な範囲を同時に監視することが可能となり、コンステレーションの規模によっては、少なくとも持続的かつシームレスな監視が可能になる。これにより、敵対勢力が関心のある活動を隠蔽することは、不可能ではないにせよ、極めて困難になる。再訪間隔を極めて短くする、あるいは再訪間隔を完全に排除することで、低軌道から特定地点を継続的に『ストリーミング』監視する可能性さえ開かれる。これは、地上の動きをリアルタイムで追跡する持続的なGMTI監視で不可欠であり、その精度は実際に兵器をそれらの軌跡へと誘導できるほど高くなるだろう。航空機による追跡も、限定的な範囲ながら機能の一つとなり得る。E-3 セントリー空中早期警戒管制機(AWACS)も、少なくとも一部は宇宙ベースの能力によって置き換えられることになり、E-7 ウェッジテイルも同様である。」

米空軍のE-3 セントリーAWACS機。USAF

「これは別の種類のシステムとなる可能性も十分にある。おそらく、広範囲の光学/赤外線撮像で追跡機能を提供する特殊な能力を備えたものだろう。現時点では分からない。

「いずれにせよ、はい、宇宙からのパノプティック、あるいはそれに近い範囲の標的捕捉と監視の可能性について議論している。

「より高度な連携能力、特に機械学習や人工知能(AI)技術によって可能になる能力は、関心ある標的や異常を、かつてないほど迅速に見つけるのに役立つだろう。これはまた、より自律的な情報収集、任務の割り当て・再割り当て、およびその他の能力への扉を開くことにもなり得る。シームレスなカバレッジが必要な関心領域では、人間の調整やオペレーターによる直接的な指示を必要とせず、自動的に行うために、追加の衛星を必要な軌道へ再配置することが可能になるだろう。」

ここで説明されている衛星コンステレーションが、米軍の能力を根本的に変えることは容易に想像できる。それは単に世界中の標的を検知・追跡するだけでなく、極めて長距離であっても、キルチェーンを完結させて標的を攻撃する能力に至るまでである。これは、あらゆる種類の関連能力がますますネットワーク化されていく将来のネットセントリック戦争において、極めて大きな意味を持つ。将来的には、戦術機への装備方法、特に機載レーダーの必要性にも影響を及ぼす可能性がある。たとえ大気圏内の支援センサーネットワークが関連データを提供できない場合でも、ミサイル誘導のために機載レーダーを使用する必要性は少なくとも低減されるだろう。

ひとつの監視地点に配置された航空機に依存する場合とは異なり、膨大な数の衛星で構成される宇宙ベースのセンサーネットワークは、攻撃に対して極めて高い耐性を発揮するだけでなく、技術的な故障やその他の要因による消耗に対しても強靭である。

とはいえ、宇宙ベースのAMTI能力の実現に関しては、たとえ軌道上のGMTIネットワークの構築と比較しただけでも、米当局者は潜在的な課題があると率直に認めている。

L3Harris

「GMTI(地上移動目標探知能力)とAMTI(空中移動目標探知能力)は、たった1文字の違いしかないため、一見すると非常に似ているように思えますが、実際にはかなり異なるのです と、米宇宙軍の最高責任者である宇宙作戦部長チャンス・サルツマン大将は、2025年12月に開催された会議の合間に行われた記者会見で述べた。『Breaking Defense』によると。「AMTIを実現するため必要な要件は、GMTIを実現するために必要な要件とは異なる」

「地上の物体は空中の物体よりも動きが遅いため、追跡精度のレベルも異なる」と彼は付け加えた。

「情報コミュニティや実戦部隊が必要とする[AMTI]データは、多様な現象を扱うという課題を提示しており、これにはNROの収集装置の自動調整、低遅延のデータ転送、そしてNROの有する比類なき宇宙通信および地上アーキテクチャ能力による迅速なデータ融合が必要となる」と、NROの広報担当者は今年初め、『Breaking Defense』に対し語った

ここで注目すべきは、センサー搭載衛星は全体像の一部に過ぎないという点だ。収集データを必要な場所へ届けるためには、堅牢で耐障害性があり、安全な通信ネットワークが不可欠となる。これは別の分野だが、SpaceXはすでにStarlinkおよびStarshieldネットワークで中心的な役割を果たしているレーザー通信中継も、もう一つの重要な支援能力となる見込みがある。

本日の発表において、宇宙軍は、今後SB-AMTI(戦略的宇宙監視・脅威情報)の取り組みを支援する企業がSpaceXだけにとどまらないこと、そしてより広範な「ベンダープール」を確立したことを明確に強調した。

「マルチベンダー体制を活用することで、確立された産業界の能力を最大限に活用し、この不可欠な能力を迅速かつ大規模に配備するために、最良の技術を継続的に評価・導入していきます」と、宇宙軍SBST担当代理PAEのライアン・フレイジャー大佐は声明で述べた。「単一のプロバイダーに依存しません。代わりに、従来型および非従来型のベンダーからなる極めて多様なプールと提携し、各社がSB-AMTIアーキテクチャを支援するための能力をもたらすことで、将来にわたって統合軍が強力かつ競争力のある産業基盤にアクセスできるよう確保します。」

同時に、本誌が過去に指摘したように、市場におけるスペースXの支配力は、同社に明確な優位性をもたらしている。これは、このアーキテクチャ全体を宇宙に展開するという追加の要件にも及ぶ。少なくとも現時点では、要求される頻度で、かつ予算の制約内で、ここまで信頼性の高い宇宙アクセスを米軍に提供できる能力を持つ企業は他にない。SB-AMTIは早くも予算上の優先事項となっており、宇宙軍は2027会計年度の予算要求において、システムの追加要素を調達するために70億ドル以上の追加資金を求めている。

これらはすべて、「ゴールデン・ドーム」ミサイル防衛イニシアティブがどのように展開していくかにも、顕著に影響を及ぼす要因となる。すでに、少なくとも初期段階の能力配備を加速させるため、PAE SBSTの傘下にあるプログラムを含む既存の取り組みを活用するという話も出ている。

また、空軍がE-7プログラムを再開したこと、そして従来の空中AMTI能力が当面の間、米軍の作戦において重要な要素であり続ける見込みであることも改めて指摘しておくべきだろう。

とはいえ、SpaceXとの大規模な新契約は、宇宙軍が宇宙ベースのAMTIセンサーネットワーク計画を推進しており、初期運用能力を今後2年以内に整備できることを期待していることを明確に示している。■

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフは2017年初頭から『The War Zone』チームの一員である。それ以前は『War Is Boring』の副編集長を務め、その署名記事は『Small Arms Review』、『Small Arms Defense Journal』、『Reuters』、『We Are the Mighty』、『Task & Purpose』など、他の出版物にも掲載されている。


A satellite network to track aircraft could offer unprecedented ability to surveil the skies globally and make AEW&C aircraft redundant.

Joseph Trevithick

Published May 29, 2026 6:37 PM EDT