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2018年11月1日木曜日

米海軍が開発をめざすロボット駆潜艇はASWの様相を一変する可能性


The Navy Could Secretly Be Looking for a New Way to Stalk Diesel Submarines 米海軍が密かに狙うディーゼル潜水艦の新対策とは

October 31, 2018  
海軍が実現をめざすロボット艇は4,500マイルを無人航走し危険地帯に侵入する。
中型無人水上艦艇Medium Unmanned Surface Vehicle の用途について海軍は口を閉ざす。だがFedBizOppsの連邦政府公式調達情報にある要求内容からDARPAと海軍がディーゼル潜水艦を探知追尾可能なロボット艇の実用化を狙っていることがわかる。
海軍水上システムズ本部(NAVSEA)による公告が出たFedBizOppsでは「海軍が目指す独自展開可能の中型無人水上艇(MUSVs)の要求水準を満たす技術提供を求む。MUSVsは全長12メートルから50メートル以内の艇と定義。NAVSEAは既存、有人または無人水上艦艇設計で無人水上艇に急速に転用できる技術要素を民間部門から広く募集する」とある。
海軍が求めるMUSVの主な性能は「航続距離、巡航速力、信頼性のいずれも従来を上回ること」としている。だがNAVSEAの公告一覧はさらに詳しく以下の性能を想定している。
- 航続距離4,500カイリを最小16ノットで実現すること
- 24から27ノット速力を維持すること
- 第四海上荒天条件(波高4から8フィート)でも搭載ペイロードの運用を安定して行えること
- 第五海上荒天条件(波高8から13フィート)に耐えられること
- 人員による保守整備なしで60から90日海上活動を行えること
- 40フィート海上輸送コンテナー一個および20フィートコンテナー一個を搭載する事が可能なこと。興味深いことにNAVSEA公告ではMUSVの目的に一切触れていない。「最低条件は各コンテナーから180度視界があることとし、望ましいのは270度視界とする」とあり、海上輸送コンテナーとは何らかのセンサーを意味するとわかる。海軍は同時に各種通信アンテナの搭載場所も必要としており、米海軍及びNATOで標準装備の戦術データ共有装置も含むとする。
-「艇に防御装備は不要」と海軍は述べている。「カメラ複数で艇へ乗り込もうとする試みを遠隔地人員に知らせること」ともあり、ここから艇が戦闘状況に投入される事態を想定していることがわかる。
-.海上衝突回避国際規則COLREGSに準拠し自律操艦が可能なこと。COLREGSは相互に航行する複数の船舶でどちらに優先権があるかなどを規定している。
MUSVの要求性能はDARPAによるACTUVロボット潜水艦ハンターと酷似している。ACTUVは現在は海軍研究所でシーハンター計画として稼働中だ。
シーハンターは全長132フィートで速力27ノットだが後続距離10,000マイルはMUSVを上回る。曳航式ソナーアレイを搭載したシーハンターは自律長距離長期間運行可能艦艇の実証プロジェクトでセンサーを搭載し、静かなディーゼル潜水艦の探知もめざしながら一旦探知した潜水艦を数日間にわたり追尾し味方の有人潜水艦が現れるまで現場に残る構想だ。
本誌からMUSVとシーハンターの類似性を尋ねたところNAVSEA広報官アラン・バリボーは「FBO公告は市場調査の目的のみで発表されたもの。米政府は民間業界に情報開示を求めることはよくある。お尋ねの両事業を比較するのは時期尚早だ」と回答してきた。
いずれにせよ、無人潜水艦ハンターの実現が迫っているようだ。潜水艦追尾を無人艇に任せれば有人艦艇、哨戒機に他の任務をさせられる。自律運用艦艇の実現で最大の障害はCOLREGSに準拠した人工知能だろう。というのは海上交通関係者はロボット艇が混雑した水路を無鉄砲に走り回るのは見たくないからだ。だがこれが解決できればこれまで忍耐力を必要としてきた対潜戦は退屈を感じないマシンには最適な任務になるだろう。■

Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter andFacebook .

2016年4月9日土曜日

★無人ASW艦シーハンターが海上公試へ



いきなり無人艦隊ができるわけではありませんが、重要な一歩になりますね。LCSとの組み合わせで海軍もダウンサイジングになっていくのでしょうか。どうせならもっと小型化して必要な場所に空輸投下して運用することはできないでしょうか。電動化が完成すれば、水中無人機も併せて海上に充電ステーションができれば燃料の問題が克服できます。(ステーションの防護が必要) 人工知能の導入でもっと高度な作戦も将来可能になるのでは。と夢がどんどん広がります。
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Unmanned Sub-Hunter To Begin Test Program

Christopher P. Cavas, Defense News11:59 a.m. EDT April 7, 2016
WASHINGTON ASW対潜水艦戦には忍耐と限界がいつも試される。乗組員はどこまで耐えられるのか。いつまで追跡の主導権を握れるか。原子力潜水艦でない場合は海中でいつまで機関を運転できるか。
  1. そこで無人艦が登場する。燃料という制約条件こそあるが乗員関連の制約はない。小型無人水上艇や水中艇はこれまでも存在しているが、米海軍はこれまでと一線を画した対潜戦連続追跡無人艦Anti-Submarine Warfare Continuous Trail Unmanned Vessel (ACTUV)(排水量145トン、全長132フィート)を開発した。最長三か月洋上で潜水艦探知をめざす。
  2. ACTUVは『アクティブ』と発音し、「高水準の自律運用を実現する」と開発にあたったDARPAのスコット・リトルフィールドが報道陣に語っている。「たんなる遠隔操縦ボートとは次元が違う」
  3. 操縦操艦はコンピュータ制御だが人員が絶えず監視して必要なら操艦を引き継ぐとリトルフィールドは説明した。この方式はスパース監視制御と呼ばれる。
  4. 開発はDARPA国防高等研究プロジェクト庁が当たり、主契約企業はレイドス、建造はヴィガー造船所(オレゴン州ポートランド)が行った。特殊用途の小舟艇の建造が得意な施設だ。
  5. ACTUVは1月に進水し、シーハンターの名称がつきポートランドで公試を行っていたが、本日正式に就役し、今後サンディエゴへ回航されDARPAと海軍研究所(ONR)が二年間かけて構想の有効性とともに各種センサーを試す。
  6. シーハンターは燃料40トンを搭載する。これまでの公試での最高速度は27ノットだったとリトルフィールドは述べているが、海上の状態や燃料の残量で速度は変わる。想定する運用上の海面状況はわずかな波高の第五段階から六段階で波は最高半フィートで風速21ノットとしているが、第七段階(荒天かつ波高20フィート)でも生き残れる。
  7. 船体には複合材が多用され形状はポリネシアの戦闘カヌーのように長細く、両弦に平行してついたフロートが船体を支える。
The Sea Hunter was launched by crane at Vigor Shipyards,シーハンターはクレーンによりオレゴン州ポートランドのヴィガー造船所で2016年1月に進水した。(Photo: DARPA)
  1. シーハンターは武器を搭載せずセンサーで潜水艦を探知追跡する。沿海戦闘艦LCSとの共同運用する構想でLCSのASW装備の一部となるとリトルフィールドは説明。
  2. 試験期間中は取り外し式の乗員操作部をに一名が乗り込み、「安全とバックアップ支援にあたる」とリトルフィールドは説明した。「信頼性の問題が証明されるまで継続して待機する」
  3. DARPA事業としてシーハンターも海軍の作戦用艦艇の試作型の位置づけではないが、そうなる可能性はある。リトルフィールドも「経済的で大量に調達できるものを作る」のが目標だという。
  4. 一号目ということでシーハンターはやや高めの価格がついている。「建造費は22百万ドルから23百万ドルの間になりそうです。量産化すれば20百万ドルになるでしょう。安くはないですが、有人艦艇よりは低価格になります」とリトルフィールドは述べている。一日当たりの運用コストは15千ドルから20千ドルだという。
  5. ただしこのコストには事業経費としての技術開発、設計、ソフトウェア関連は含まれていない。■
A small, removable pilot house is fitted on the Sea小型取り外し可能な操作員用の収納スペースがシーハンターに搭載され海上公試に臨む。(Photo: DARPA)