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2018年1月10日水曜日

ロサンジェルス級攻撃型潜水艦はいまだに十分な戦力を有する

ロサンジェルス級の量産は米国にとって非常によい投資だったと思います。ヴァージニア級はさらに能力が高いと思われますが、ロシア等の潜水艦技術の進展に対抗できる状態を長く続けるのが肝要ですね。


The Navy's Los Angeles–Class Submarine Is Old (But It Can Take on Any Sub on the Planet) 米海軍ロサンジェルス級は老兵になったがどの艦にも勝てる実力を保持している

January 5, 2018


ロサンジェルス級原子力攻撃潜水艦は冷戦時の米潜水艦として最大の成功をおさめた艦であった。米国は62隻建造し、これを上回るのは第二次大戦中のゲイト―級だけだ。高速かつ強力な武装を搭載した同級は徐々にヴァージニア級攻撃潜水艦に交替されつつある。
ロサンジェルス級は688級とも呼ばれ原設計は1970年代初めだ。一号艦USSロサンジェルス(SSN-688)は1976年建造された。冷戦を背景に年間3隻から5隻のペースで建造が進んだが現在のヴァージニア級は年間2隻だ。建造は20年間に及び、各型が生まれ推進方式、艦首艦尾ソナー、船体素材が改良を受けその時点の最新技術が導入された。
全長360フィート(約110メートル)潜航時排水量6,927トンのロサンジェルス級は先代スタージョン級より全長で20パーセント、排水量が50パーセント大きい。最高速度も増加し、スタージョン級は潜航時26ノットだったがロサンジェルス級は37ノットを出したといわれる。
初期建造はHY-80鋼と艦首ソナーアレイにガラス繊維強化プラスチックを使った。公式発表の最大深度は650フィート(約200メートル)だった。実用深度が950フィート(約290メートル)との情報もある。緊急時の最大深度は1,475フィート(約450メートル)と伝えられている。
涙的型船体を最初に導入したのはスキップジャック級で潜航舵をセイルにつけていた。ロサンジェルス級最終建造23隻では艦首に移して強化セールで北極海での浮上に備えた。ソ連のタイフーン級弾道ミサイル潜水艦が北極海運用を想定したことへの対抗だったらしい。
「世界の戦闘艦艇」によれば各艦にジェネラルエレクトリックS6G加圧水原子炉一基を搭載し蒸気タービンから35千馬力を生み7枚ブレイドのプロペラを回転させる。最終型数隻ではポンプジェットが採用された。緊急時の推進力用にディーゼル発電機とバッテリーも備える。
センサー装備の中心はBQQ-5ソナーで建造年次に従いBQQ-5A(V)1、BQQ-5Cから最終的に BQQ-5Dに変化した。後者はシーウルフ級にも搭載される。側面探知にはAN/BQG-5広開口アレイを使い、パッシブソナー探知にも使う。えい航式ソナーアレイの最新型がTB-29細線えい航アレイだ。艦尾の潜舵でえい航アレイを扱い、同時に7基構造の音響対抗装置も運用する。
武装533ミリ魚雷発射管4本が全艦に共通する。発射管は艦首がソナーアレイを収容するため艦体中央に配置した。発射管から合計26本を運用し、冷戦最高潮のころはMk.48ホーミング魚雷、トマホーク巡航ミサイル、ハープーン対艦ミサイル、CAPTOR機雷を運用していた。最終建造23隻には垂直発射管12基でトマホークミサイルを運用し、この方式はヴァージニア級に継承されトマホークミサイル20本の発射が可能になった。
従来からの海中、水上、打撃戦に加えロサンジェルス級では特殊作戦の支援が可能だった。一部艦はドライドックシェルターを搭載し水中要員移動機で12名のSEAL隊員を展開できた他、ゴム小舟艇4基も搭載した。この任務はオハイオ級巡航ミサイル潜水艦、シーウルフ級に継承され、後者ではUSSジミー・カーターが著名だ。
潜水艦任務の一つとして情報収集が長く実行されているが、1990年代から米潜水艦部隊は米陸軍用語の「戦場情報準備」として地上戦の実施前に情報収集を行っている。海中に対戦相手がないままの米潜水艦は敵国の沿岸ちかくに滞留し電子情報収集や監視活動を行う。ロサンジェルス級はこの任務の最前線に立ち、USSアナポリスには写真撮影用のマストを通常の潜望鏡の代わりにつけていた。
62隻のロサンジェルス級建造は1976年から1996年にかけて続いた。全艦が同時に稼働したことはない。一部初期建造艦は1995年から退役し、核燃料交換の高額費用を回避したが、その時点でも建造は続いていた。現時点で38隻が現役だ。シーウルフ級がわずか三隻で建造中止となったのは建造費の高騰と1990年代の「平和の配当」としてだった。このため688級の後継艦はヴァージニア級になり、現在も建造中だ。■
Kyle Mizokami is a defense and national security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.

This first appeared in 2016.

2017年10月23日月曜日

北朝鮮攻撃に待機する米潜水艦部隊の持つ意味とは...


これが抑止力の好例でしょう。北朝鮮も今春シリアが巡航ミサイルで攻撃されたのを恐ろしく見ていたはずです。潜水艦の場合はどこにいついるのかわからないため、今回ツーソンをあえてさらけ出した米海軍の意図は近海にもっと多くの潜水艦がいる(いない)かもしれないと北朝鮮をおびえさせることにあるのでしょうね。空と海で北朝鮮軍は米軍等にまとも戦える戦力ではないのでいったん作戦が始まれば北朝鮮は一度も主導権を握れずに壊滅する可能性があります。



The U.S. Navy Could Attack North Korea from Stealth Submarines (With Almost No Warning)

米海軍は無警告で北朝鮮をステルス潜水艦から攻撃可能だ

October 12, 2017


  1. 北朝鮮との対決に備え米国は兵力増強を続けている。.
  2. 米空軍のB-1Bランサー戦略爆撃機が航空自衛隊および韓国空軍と演習をする中、海中から発射できる巡航ミサイルを搭載した米海軍原子力潜水艦が遊弋している。潜水艦の存在は通常は秘匿情報だが、米海軍は今回ロサンジェルス(SSN-688)級攻撃潜水艦USSツーソン(SSN-770)をあえて10月7日に韓国鎮海Chinhae 基地に寄港させている。
  3. ツーソンの寄港は北朝鮮へのメッセージでもある。平壌は米軍動向を常時監視しているが、米軍が高精度長距離攻撃能力を拡充させていることを意味する。北朝鮮との緊張が高まる中、同艦は米国が韓国を見捨てることはないとのメッセージでもある。
  4. ツーソンはシーウルフ級(三隻で建造終了)や新鋭ヴァージニア級(15隻が就役中)とは同等ではないが、米海軍が就役中のSSN原子力潜水艦52隻の中で大きな存在だ。ツーソンは688級の通算59号艦であり、改ロサンジェルス級20番目の艦だ。今では最新鋭とはいいがたいが、ツーソン他688級各艦は艦体の働き馬だ。
  5. 改ロサンジェルス級はヴァージニア級と同様に垂直発射管12本にトマホークミサイルを搭載する。潜水艦はもっともステルス性が高い装備であり、接近してから巡航ミサイルをいきなり発射できる。そのため攻撃潜水艦は敵にミサイル発射地点を悟らせない。
  6. 北朝鮮に関して言えば、ツーソンが朝鮮半島沖合に展開することで平壌に対するけん制となり北朝鮮の行動を辞せさせる効果があるのだ。■
Dave Majumdar is the defense editor for the National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.