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2024年1月26日金曜日

英独共同開発のチャレンジャー3主力戦車の全貌が明らかになった---2027年にIOC獲得を目指す

 ウクライナ戦で主力戦車の効用が疑問視されていますが、いますぐ戦車が表舞台から消えるわけではありません。英独共同でチャレンジャー戦車の性能向上が進んでいることが明らかになりました。Breaking Defenseの記事からのご紹介です。



Images of the British Army’s first Challenger 3 main battle tank prototype were released for the first time by RBSL today. (RBSL)




「チャレンジャー3は、NATOで最強の戦車となり、ネットワーク対応のデジタル主力戦車として、一歩先の能力を提供する」


独の合弁会社ラインメタル・BAEシステムズ・ランド(RBSL)は、英国テルフォードの生産施設で新型車両の製造を完了し、チャレンジャー3主力戦車(MBT)プロトタイプの画像を公開した。

 プロトタイプの初公開画像は、本日ロンドンで開催されたIQPC国際装甲車会議で公開され、車両はまもなく試験を開始する。来年のシステム適格性審査に先立ち、英国とドイツで合計18カ月の試験が計画されている。試作車は8台開発される。

 「チャレンジャー3プログラムは、NATOで最高の戦車を提供し......ネットワークに対応したデジタル主力戦車を提供し、兵士に段階的に変化する能力を提供し、21世紀の抑止力を[2040年に予定されている]使用停止日まで確保します」と、RBSLの戦略・未来ビジネスディレクターであるローリー・ブリーンは述べた。「プロトタイプは......今後数週間で試験を開始する予定だ」。

 乗組員なしの状態で行われるトライアルの主な目的は、「(その後の)乗組員によるトライアルのためにシステムが安全であることを確認すること」だとブリーンは付け加えた。

 イギリス陸軍の現役主力戦車チャレンジャー2からチャレンジャー3規格にプロトタイプをアップグレードするため行われたエンジニアリング活動についても詳しく説明した。

 「プロトタイプで行うことは、むき出しのシャーシを使い、LRU(Line Replaceable Units)の約50%を交換することです」。

 プロトタイプに搭載され、8億ポンド(10億ドル)規模のチャレンジャー3計画の一環として148両の量産戦車に搭載される予定の新アイテムには、ラインメタル製120mm滑腔砲、デジタル化砲塔、昼夜照準用照準器、ラファエルのトロフィー・アクティブ・プロテクション・システム、モジュール式装甲システムなどがある。

 機動性の向上には、第3世代のハイドロ・ガス・サスペンション・システムと、より強力なエンジンも含まれる。

 チャレンジャー3開発は、「防御力、火力、機動性という鉄のトライアングルの進歩を示すものだ」(ブリーン)。

 英国国防省の要請があれば、RBSLはゼロから新型車両を製造することも可能だという。現在の計画では、同社はチャレンジャー2のアップグレードのみを請負っている。

 英国陸軍のチャレンジャー2の整備性と運用準備性は、英国政界で論争の的になっており、英国が2023年にウクライナに主力戦車を供与することを受けて、これまで以上に関連性が高まっている。

 英国国防参謀総長のロバート・マクゴーワン中将(財務・軍事能力担当)は、ロンドンがウクライナに14両の旧式車両を寄贈する決定を下したことで、英国陸軍の主力戦車の「運用資産」が3分の1近く減少したこととの指摘を否定した。中将は2023年2月、実際の割合は「それほど高くない」と議員団に述べたが、整備性の問題については言及を避けた。

 英陸軍は当時、「(チャレンジャーの)アップグレードプロセスに投入される戦車は、活発に使用されている」と述べた。

 チャレンジャー2戦車に対する議員の懸念にもかかわらず、最近のマイルストーンは、チャレンジャー3の開発が良い方向に進んでいることを示唆している。

 ブリーンは、性能実証試験、新型対戦車弾薬のCDR、トロフィー能動防御システムの試験と検証はすべて順調に進んでいると述べた。

 チャレンジャー3の初期運用能力は2027年を目標としている。■


Revealed: First look at UK’s Challenger 3 main battle tank prototype


By   TIM MARTIN

on January 22, 2024 at 3:39 PM



2022年6月15日水曜日

ラインメタル自社開発の新型主力戦車パンサーに注目。独仏共同開発の次期MBTはどうなる。

 KF41_PANTHER

Rheinmetall

ドイツのラインメタルが発表した「KF51パンサー」は独仏の新主力戦車計画を混乱させる可能性を秘める。

クライナ戦が激化し、戦車戦が再び注目が集まる中、ラインメタルは本日、130mm口径主砲を搭載した最新主力戦車「KF51パンサー」を発表した。ドイツ陸軍で広く使用されているレオパード2の後継機種を目指す設計だが、好戦的なロシアの脅威に対抗するべく装甲部隊の再編成を進めるその他ヨーロッパ諸国の関心を引く可能性がある。

KF51パンサーは、第二次世界大戦中のナチスドイツの伝説的戦車を思い起こさせる名前で、本日パリで開催されたユーロサトリ陸上防衛展で、ラインメタルのアーミン・パッパガー Armin Papperger CEOにより発表された。

これまで同社は、この新型MBTとその仕様について、ほとんど情報を公開してこなかった。重量は約65トンと伝えられる。これは、最新2A7V型で70トン強のレオパルド2より軽い。同じ1,475馬力ディーゼルエンジンを搭載するため、パンサーは現行車両より機動性が向上しているはずだ。パンサーは、現在の西側MBTの多く、特にアメリカ製のM1エイブラムスの後期バージョンより軽く、戦闘時総重量は70トンを超える。設計者がハイブリッドパワープラントなど、現代的な推進装置を選択しなかったことのは驚きであるが、開発・生産は迅速かつ容易になるはずだ。

新型MBTは、レオパルド2の120mm主砲から130mm口径滑腔砲になり、火力も増強された。これは、戦車兵装の大口径化への関心を反映したもので、砲そのものはラインメタルが以前から開発してきたものだ。パッパーガーCEOによると、130mm砲はレオパード2の砲より「50%以上効果が高い」し、「はるかに長い射程距離を実現する」という。運動エナジー式サボタージュ弾とプログラム可能爆発弾の両方を発射する。

その他武装としては、12.7mm同軸機関銃とオプションの遠隔操作式ウェポン・ステーションがある。また、対空機関砲については今のところ言及されていないので、おそらく局地防空用のHERO 120滞空弾、ドローン、未公表のミサイル用の発射装置も用意されるだろう。

防御に関して、情報は皆無に近いが、ラインメタルは、乗員はレオパルド2よりも保護され、アクティブ、リアクティブ、パッシブの各防御技術の恩恵を受けると明言している。ラインメタルのストライクシールド・アクティブプロテクション・システムは、対戦車兵器や自爆ドローンなどの脅威からの防御として装備される。APS-Gen3として知られていたストライクシールドは、この種のシステムで初めて、独立機関による厳しい安全性評価に合格している。友軍や罪のない傍観者に大きなリスクをもたらすのではという顧客の不安を和らげるのに役立つはずだ。

レオパルド2の乗員は4名だが、パンサーは主砲給弾に自動装填を導入し、3名(車長、砲手、運転手)に絞られた。また、必要に応じ4人目の乗員を加えることも可能で、例えばスペシャリストや小隊長などを追加できる。

乗員が戦場でより効果的に活動できるようデジタル・ネットワーク機能を備え、各乗員はすべてのセンサー、武器、パワーパック、その他のサブシステムのデータにアクセスでき、必要に応じ呼び出すことができるようになる。各乗員が他の乗員からタスクを引き継ぐことができるため、同戦車は将来的に無人砲塔を搭載するのにも適しており、おそらく完全無人化バージョンもあり得る、とラインメタルは述べている。

KF51パンサーのアーティストコンセプト。 Rheinmetall

また、NGVA(NATO Generic Vehicle Architecture)と呼ぶオープンアーキテクチャーシステムにより、センサーや兵器の迅速な統合が可能となり、他のプラットフォームと相互運用性が向上するため、全体的な効率性も向上する。

パンサーがフランスでデビューしたのは皮肉といわざるをえない。このMBTがフランスとドイツ両国の戦車部隊の将来に影響を与える可能性があるからだ。

仏独両政府は、MGCS(Main Ground Combat System)のもと、開発費約16億ドルを投じ、フランスのルクレールやドイツのレオパード2に代わる新型MBTを開発中だ。MGCSは、フランスのNexterとドイツの陸上システム産業のもう一つの巨人Krauss-Maffei Wegmann(KMW)の共同事業体KNDSを構築してる。ラインメタルもMGCSに参加する。ドイツメディアの報道によれば、同社はKNDSでの同社の地位に不満を持っているようだ。

そう考えると、パンサーは、MGCSの進む道への不満に対するラインメタルの回答である可能性が高く、独自に打って出ただけでなく、新型MBTを急速開発したことに意義がある。ドイツ政府とあわせ、東欧の治安情勢がここに来て悪化しているため、戦車隊の再構築を検討中のその他国にもシグナルとなる。

ラインメタルがMGCSと同等の火力を持つMBTを迅速に市場に投入できれば、国内受注と輸出顧客の関心を確保できるかもしれない。レオパルド2は、特にヨーロッパで成功を収めており、ラインメタルはそれを生かすことができるはずだ。アジア太平洋地域も、MBTで可能性のある市場だ。興味深いことに、ラインメタルは、少なくとも当初はドイツ市場を主ターゲットしそうだ。そうなれば、独仏共同のMGCSは明らかに弱体化する。

2018年にドイツ、米第7陸軍訓練司令部のグラーフェンヴェール訓練場で開催された「ストロングヨーロッパタンクチャレンジ」を前に点検中のフランス軍ルクレールとドイツ軍レオパルド2A6。U.S. Army

もうひとつの主要防衛プロジェクトである、やはりフランスとドイツが主役の「未来型戦闘航空システム(FCAS)」が苦戦していることが注目される。最近の報道によると、有人戦闘機が中心の航空戦力システムの整備が遅れているようだ。ダッソーCEOであるエリック・トラピエÉric Trappierによれば、2040年就航と予想されていた同機が実用化されるのは2050年になるという。一方、ドイツはF-35Aステルス戦闘機の購入計画を発表し、この動きにフランス政府関係者は落胆している。

ドイツ陸軍のレオパード2後継機が登場するタイミングは、運に恵まれているようだ。ウクライナ紛争に対応するため、ベルリンは軍の近代化に乗り出し、2022年度予算から1120億ドル超の「特別基金」が新装備購入のために計上されている。同時に、ドイツのオラフ・ショルツ首相は、NATOの意向に沿って、国防費を国内総生産の2%に引き上げるという公約を強調した。

 

NATO前方展開強化戦闘群の一員として1000人以上のドイツ兵が駐留するリトアニアのアドリアン・ローンのキャンプで、ギタナス・ナウセダ・リトアニア大統領(左から3番目)と共に兵士と話すドイツのオラフ・ショルツ首相。Photo by Michael Kappeler/picture alliance via Getty Images

ウクライナで戦車戦が目立つため、新型MBTを購入することが議題に上る可能性がある。ここでパンサーは、2035年から就役する予定だったMGCSに対して優位に立つはずだ。MGCSプログラムの技術実証機として、ルクレールとレオパルド2のコンポーネントを組み合わせた「強化型主戦闘車」が2018年に公開されたものの、その後は進展は鈍い。

一方、ドイツ以外では、ロシア国境に近い国々も、モスクワの侵略を思いとどまらせるために、特に陸上戦力の強化を検討している。ドイツのメディアでは、少なくとも東欧の1カ国が新型MBTに関心を示していると報じた。同地域の数カ国、特にNATO加盟国にとって、新型装甲車両の必要性は緊急性を帯びている。ポーランドが一時MGCSを購入する可能性が示唆されていたが、米国製のM1A2SEPv3エイブラムス戦車250両を選択し、余剰のソ連時代のT-72をウクライナに納入した後、エイブラムス納入を加速させることを検討中だ。

ウクライナ戦争では、各国が自国の余剰戦車をキーウに提供したため、ヨーロッパ各地で戦車の譲渡や納入が相次いでいる。ドイツは中古MBTをウクライナに引き渡すのが著しく遅くなったが、欧州の他地域で戦車部隊の再編成が進んでおり、戦車の補充が必要になる可能性がある。例えば、チェコ共和国はウクライナに寄贈したT-72の代わりにドイツから余剰レオパルド2A4戦車15両を受け取っており、これに続いてレオパルド2A7+戦車50両を追加発注する可能性がある。この機会に他の国も新型戦車を購入する可能性があり、パンサーは候補のひとつとなる。

ウクライナ紛争を契機に、戦車全般の将来像が改めて議論されるようになった。重装甲が大きな役割を果たす一方で、MBTの各種兵器で脆弱性も浮き彫りになってきた。KF51パンサーは、ある意味で、そうした現実をさまざまな角度から解決するものにも思われる。全体として、現行MBTより軽量で機敏、大型主砲を搭載し、待機監視と滞空弾による攻撃能力を備える必要がある。

KF51パンサーは、非常に興味深い時期に登場し、最終的に、ドイツなど各国のMBT部隊の未来を形作る可能性がある。■

 

New KF51 Panther Tank Packs Big 130mm Gun Aimed At Aging Leopard 2

BYTHOMAS NEWDICKJUN 13, 2022 1:00 PM

THE WAR ZONE