BAEはユーロファイター・タイフーンの英国最終組み立てラインをどのようにして存続させようというのか(Breaking Defense)―4.5世代機としてまだ伸びしろがあるのか、GCAPが英国で生産されるか保障はない。
英国空軍のユーロファイター・タイフーンはNATOの防空任務を実施している(英国国防省) ウォートン施設で最後のタイフーン2機が2025年に引き渡されると、BAEは第6世代GCAP戦闘機の製造で頼みの綱となる労働力をつなぎとめるためにも、輸出市場で顧客を見つけ出ざるを得なくなる 今 週、カタール首長が英国を訪問するにあたり、ロンドンから北西に約250マイル離れたプレストン市の動向が注目されている。 なぜなら、プレストンには BAEシステムズ のウォートン施設があり、ユーロファイター・タイフーンの最終組み立てが行われているからだ。 そして、シェイク・タミーム・ビン・ハマド・アール・サーニーが今回の訪問で、第4世代ジェット戦闘機の新たな注文を発表するとの期待が高まっている。実現すれば、この地域の航空機産業の衰退に終止符を打つ可能性がある。 ウォートン工場では、カタールからの24機のジェット機に関する以前の注文分として、2025年末までにタイフーンの最終機を2機生産する予定である。しかし、その後、英国製のタイフーンの将来は不透明だ。 BAEシステムズの広報担当者は、英国の防衛大手である同社がワートン施設を閉鎖する計画はないと断言し、国際的な受注の可能性を指摘した。アナリストや同社幹部は、カタール、サウジアラビア、トルコが今後の受注の有力な候補であると述べている。 しかし、英国政府にワートンの生産ラインへの投資を懇願する書簡を議員に送ったことで、英国で大きな反響を巻き起こした労働組合の主要人物スティーブ・マグニスにとって、こうした「もしも」の可能性はさほど慰めにはならないようだ。同氏は、タイフーン・プログラムの将来のためだけでなく、英国の先進的な戦闘機生産の将来のためにも、ワートン・ラインへの投資を強く求めている。 「タイフーンの国内受注がなければ、航空機の製造と飛行に必要な技術が失われるため、GCAP(グローバル・コンバット・エア・プログラム)が実現しなくなる深刻な懸念があります」と、労働組合ユニテの航空宇宙・防衛執行委員会メンバーであるマクギネスは記している。 BAE社は、将来のプロジェクトに向けた研究開発努力を継続することで、一部業務だけでも継続できる。また、ウォートン工場で現在働いているスタッフを、タイフーン事業や同社が運営する他の航空戦闘プロジェクトに再...