スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

6月, 2013の投稿を表示しています

ロッキードの考える次期米海軍向け無人艦載機Uclass像

U.S. Navy Is Cautious On Carrier-Launched UAV By Graham Warwick Source: Aviation Week & Space Technology aviationweek.com June 24, 2013 Graham Warwick Washington 米海軍が無人機運用で慎重なのには理由がある。 ジェネラルダイナミックス / マクダネルダグラス A-12の失敗、 ロッキード・マーティン F-35Cの遅延を経て、海軍は計画が実現することを第一にしており、そのため初の空母運用無人機では中庸な性能にとどめ、リスクを最小限にしようとしている。 無人戦闘航空機システム実証 Unmanned Combat Air System Demonstration (UCAS-D)  に続く無人空母発進空中偵察打撃機構想 Unmanned Carrier-Launched Airborne Surveillance and Strike (Uclass) は端的に言えば運用能力を徐々に向上させる技術開発である。 当初海軍はUclass提案各社に予算を提供する予定だった。 ボーイング 、 ジェネラルアトミックスエアロノーティカルシステムズ General Atomics Aeronautical Systems (GA-ASI)、ロッキード・マーティン、 ノースロップ・グラマン の各社で初期設計審査 preliminary design reviews (PDR) までは各社案が残る。これにより海軍は各機の性能とリスクの理解を深めたうえで次の技術開発echnology development (TD) 段階に進む。 「ま だマイルストーンAも達成していませんが、海軍は性能開発要求文書capabilities development document [CDD]を発出しており、通常はこれがマイルストーンBの内容なのですがね」(ロッキードのスカンクワークスでUclass開発責任者を務めるボブ・ル ズォウスキ Bob Ruszkowski, Uclass capture manager for Lockheed Martin Skunk Works. ) 「海軍はCDD

注目が集まる海洋パトロール機需要

Prime, Subcontractors Eye Maritime Patrol Market By Amy Butler Source: Aviation Week & Space Technology aviationweek.com June 24, 2013 Amy Butler Le Bourget 経済情勢を反映し国防予算削減が続く中で例外的に成長が期待される分野がある。海洋監視パトロールであり、これまでとは違う業界地図が生まれるかもしれない。 航空宇宙業界ではこの分野の仕事を得ようと各種の方法論がとられており、国防アナリストの試算では今後10年間で800億ドルの市場になる。自国予算が干上がる中で、海外に活路を見出そうとしているのが米国、欧州、中東の各社だ。 海 上交通路、海賊対策、そして対潜作戦、演習の実施が多くの国で課題になっている。そこで機体・装備品のメーカー各社は広範な需要を生むこの市場に参入を 図っている。ただし市場はシンガポールや台湾のような高度な顧客からブルネイのように小国で限られた資源しかない国まで多岐にわたる。 そ こで浮上してきたのが二つの方法論だ。機体メーカーは情報収集機材を搭載した機材の売り込みに力を入れており、同時に機材整備も売り込む。これとは別に搭 載機器メーカーはより柔軟な選択肢を提供して、顧客国の現有機材の活用を訴える。これにより、各国に財政的な利点が生まれ、インフラ整備の遅れ・技能不足 を補い、新型機投入よりメリットがあるとしている。 ヨーロッパでは タレス Thales と ダッソーエイビエーション Dassault Aviation がフランスのアトランティーク2海洋監視機の改修作業を開始しようというところだ。同機は現在マリで展開中の軍事作戦を支援に投入中。 タレスが提案しているのがアマスコス Amascos 洋上ミッションシステムで、技術は成熟しているという。2004年にトルコ沿岸警備隊・海軍とCASA C295輸送機に搭載する契約が結ばれている。これとは別にメルテム3 Meltem 3 としてタレスは アレニア・エアロマッキ Alenia Aermacchi ATR-72への搭載用に機材を供給している。 米国では レイ

一足先に受領するイスラエル向けF-35Iの概要とイスラエル空軍の期待

            Israel Will Be First Partner Nation To Fly F-35s By David Eshel Source: AWIN First aviationweek.com June 26, 2013 Credit: Lockheed Martin F-35統合打撃戦闘機購入契約こそ遅れたがイスラエルは導入を決定したほかの8カ国に先駆け同機運用を実施する。 「イスラエルが米国以外では初のF-35運用国になります」と ロッキード・マーティン でF-35総合調整・営業開発を担当するスティーブ・オブライエンSteve O’Bryan 副社長はパリ航空ショーで明らかにした。最初の飛行隊は2018年に初期作戦能力を獲得する予定。 . 「F-35導入各国向けにそれぞれ異なる機種となりますが、後日最新版にアップデートできます、ただし利用可能となった後で」とオブライエンは言うが、つまり各国用に製作して引き渡すということだ。 「各 国別に特定の性能を開発中で発注国の同意があればその内容をその他国にも公開できます。たとえばノルウェー向けの対艦ミサイル運用ソフトウェアはノル ウェー専用になっていますが、ノルウェーが該当ミサイルを海外販売しようとすれば公開可能となります。同じように高性能の電子戦装備、データリンクや個別 のソフトウェアをイスラエル空軍向けに開発していますが、現状ではイスラエル専用の仕様になっています」 イスラエルの要求機能は機体性能に完全統合され、ステルス特性を犠牲にせずに同国仕様にあわせてあるという。 イスラエル空軍パイロットがエグリン空軍基地でF-35A訓練を開始するのは2016年初頭の予定だ。一号機がイスラエル空軍に納入されるのは2017年になるという。 イ スラエル空軍向け19機は低率初期生産(LRIP)のロット8から10で生産する。同空軍の発注は5ヵ年で27.5億ドル。追加発注が2018年に次の 5ヵ年計画として期待される。本格生産に入れば生産量が増えて単価も85百万ドル(その時点のドル価値で)を下回る期待がある。 追 加発注の支払いをめぐり米政府と交渉が始まっている。イスラエルは米国から支払保証の合意を取り付け、一部はイスラエル向けに確保済みの海外

アジア軍拡が武器取引の「爆発」を誘発する

Asia Driving 'Explosion' In Global Arms Trade: Study By Reuters aviationweek.com June 25, 2013 アジア各国の軍備拡大がこのまま続けば2021年に米国の防衛支出を上回る勢いで、武器取引の「爆発状態」に火を注いでいるとの研究結果が出た。 全 世界の武器取引規模は2008年から2012年で30%増735億ドルで、経済不況にもかかわらず成長が続く背景に中国の輸出急増、インドはじめとする各 国の旺盛な需要、があり2020年までに倍増の勢いだ、と国防安全保障専門のコンサルタント機関 IHS Jane’s が発表した。 「予算は東に中心を移しており、世界の武器取引は競争状態になっている。これは世界最大の取引規模で爆発状態である」と同社幹部は国防調達案件合計34千事例を分析してまとめている。 米国が国防支出で最大の地位を保っていたが、予算削減ならびにアフガニスタン撤退で、2021年の世界シェアは30パーセントとなり、アジア合計の31%より低くなる。 アジア太平洋地区の国防支出は35%増加し5,010億ドルに今後8年間で成長する。一方、米国の国防支出は28%減4,720億ドルになる。 「西 側防衛大手メーカーには輸出か規模縮小かの選択しか残されていません。ただし、後者では自らの存続を絶つ可能性も出てきます。一方で東側の需要は諸刃の剣 で、米国の軍事的地位を危うくする結果を生むでしょう」(Guy Anderson, senior principal analyst at IHS Jane’s) 中国の軍事支増加に近隣諸国は警戒しており、日本はじめ無人島嶼をめぐる緊張を深めている。 日 本はインドや韓国と並び防衛装備メーカー各社が熱く期待する市場であり、 ロッキード・マーティン 、 ボーイング 、 BAEシステムズ の各社が戦闘機他装備品を 販売し、予算削減での本国業務の縮小を補完できないかと期待する。ただし、売り込みには対象国の防衛産業への投資が必要となることがある。たとえばイン ドはフランスの ダッソーエイビエーション と120億ドルで126機のラファール購入を取り決めたが、50%の工程はインド国内企業に与える希望だ。 中国の国

ロッキードが狙う海外市場はどこか

        Lockheed Aims To Conquer Markets Outside U.S. By Andrea Shalal-Esa/Reuters June 21, 2013 Credit: U.S. Army 米国最大の防衛装備メーカーかつ米政府向け最大のITサービス提供業者 ロッキード・マーティン が次に狙うのは中東やインドを始めとする海外市場だ。 同社の海外売上は2012年の総売上470億ドルの17%相当80億ドルだったが、目標は20%台に乗せること。 レイセオン の26%や ボーイング 国防部門の42%から大きく差を開けられている。 そこでロッキードは今後は海外市場で積極攻勢に出るという。米国の国防支出の拡大に期待できず、イラク・アフガニスタンの戦闘が幕をひこうとしている中、ロッキードを始めとする米国防衛装備メーカーは軒並み輸出や海外市場に注目している。 ロッキードの海外事業は70カ国に及び、その中でも英国、オーストラリア、カナダでは「本国並み」の事業になっている。同社がこれから事業を拡大しようとしているのは アラブ首長国連邦、サウジアラビア、日本、インド だ。 そ こで同社は米国で生産した製品を納入するだけのモデルから現地生産重視の姿勢を強めており、このことで他社との差別化を狙う。2月にはリヤドに現地本部を 立ち上げ、サウジアラビヤ航空と訓練施設の創設を検討している。またアラブ首長国連邦へはTHAAD(最終段階高高度地域防衛)ミサイルシステムの販売に 成功しており、航空機整備修理ビジネスでも一定の強さを維持している。 サウジアラビアもTHAADへ関心を示しており、ミサイル防衛庁から技術説明を受けている。 インドでは タタアドバンストシステムズ Tata Advanced Systems とC-130Jの機体製造で合弁事業を展開中だ。ロッキードは現地生産ベースを強固にして同機のインド向け営業を強める意向だ。 イタリアでは フィンメカニカ Finmeccanica 傘下の アレニア Alenia と提携し、F-35の最終組立をする。日本でも 三菱重工業 と同様の取り決めを交わしている。 軍用製品以外にも民生需要に同社は大きな成長機会を見出しており、英国、カナダ、オー

F-35関連 イタリアのFACOが一足先にオープン 10億ドルの賭けはどんな結果を出せるのか?

今 回はFACOが話題です。日本も愛知県の三菱重工(小牧)にFACOを作ると言われていますが、日本が予定している50機弱の規模ではとてもペイしないの ではないか。導入規模を増やすのか、近隣のF-35もMROで引き受けるのか(シンガポール? 韓国は明白に拒否しているので、高価になること承知で米国 かイタリアに頼むのでしょうか。経済減速を無視していますね。)先行するイタリアのFACOもどう見ても経済性を無視して国内産業基盤の強化だ、と強気の 発言をしてますが。ま、50年間も稼働させるという同機ですから今後はインフレを期待して累計で巨額な費用となってもいいと考えているのですかね。西側世 界の防衛基盤を揺るがしかねないのがF-35だ、というのが当方の主張です。     Italy Takes $1 Billion Risk With F-35 FACO By Amy Butler Source: Aviation Week & Space Technology June 17, 2013 Credit: Lockheed Martin Amy Butler Rome and Cameri AB, Italy 来月イタリアは最終組立・修理点検施設 final assembly and check-out facility (FACO) を正式にオープンする。 開所式は軍の視点ではイタリアの航空宇宙産業の技術力アップの大きな転機と見ているが、イタリア政界でF-35購入の是非が論争になっている中、トップ企業アレニア・アエロナウティカ Alenia Aeronautica は心中穏やかではない。 政 界で一貫性ある支援がない中、イタリア軍は前に進めようとがんばっており、イタリア向け機体の最終組立だけにとどまらず、オランダ向け55機の生産の提案 に加え、ロッキード・マーティンの大規模FACO(テキサス州フォートワース)の代替施設としても利用できないかと積極的だ。 カメリ空軍基地(ミラノ近郊) Cameri AB に同施設の建設はイタリア国防省が予算措置をしており、生産規模250機(イタリアの当初案は131機、オランダも当初案は85機だった)で採算分岐点を 越える、という目論見だ。ただ同機の単価上昇で甘い希望は消えた