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PLAN部隊はアラスカ沖に本当に展開したのか。12カイリ領海内に侵入しなくてもEEZを航行したとすれば、米国も警戒心を高めることに。航行の自由作戦への意趣返しなのか。

  アーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦USSバリー(DDG 52)が南シナ海で航行の自由作戦を展開した。 US Navy/Samuel Hardgrove / AFP - Getty Images     中国艦艇がアラスカまで遠征し、米領海に侵入していなくてもEEZ内を航行したのであれば、米国は警戒せざるを得ない。   米 中間の緊張の高まりを象徴するがごとく、人民解放軍艦艇がアラスカ付近に進出し、米国が南シナ海で展開する航行の自由作戦に対抗してきた。   中国艦艇はアラスカ沖に出現したのか   中国艦艇がアラスカ沖公海に展開したと伝えたのは中国政府が背後に控える環球時報だ。   「米国防総省とつながるウェブサイトが人民解放軍(PLA)の艦艇部隊がアラスカ付近の公海を航行したと伝えた」と同紙記事にある。   ただし、環球時報ではさらに「その報告が正しければ」とあり、実際に発生したのか断定していない。にもかかわらず、同紙はこれを報じ、あたかも真実のように論じ、中国軍関係者が今回のパトロールを話題にするのを伝えている。   052D型駆逐艦 Military Watch   PLA遠征訓練が常態化するのか   「記事が真実なら、中国艦艇の活動で遠洋訓練が通常となりPLA海軍は迅速展開能力を手に入れることになる。中国側アナリストは米軍が孤高の自由作戦と称する中国近辺での挑発行為への対抗策となると解説している」(環球時報)   同紙によれば情報の元は米沿岸警備隊第17管区だとある。PLA海軍艦艇四隻があらわれ、誘導ミサイル巡洋艦1、誘導ミサイル駆逐艦1、情報収集艦、補給艦各1だったという。   055 型駆逐艦南昌 Wikipedia   この中国任務部隊は「米国の排他的経済水域内の公海を航行し、アラスカアリューシャン列島沖を8月29日から30日にかけて航行した」とある。   中国艦はアラスカ領海12マイル以内に入っていないとの報道がある。   海洋法では   ただし、中国艦が200マイルの排他的経済水域(EEZ)内を航行したとすれば、海洋法がクローズアップされる。   海洋法ではEEZは対象国の沿岸から数百マイル先の商業活動を優先するべく設定されている。したがって他国がそこで通商や漁業等の商業活動を展開する場合には対象国の事前許可が必要だ。ただし、海洋法では単純な航行

米中の軍事緊張が高まる中で米海軍が台湾海峡通過航行を敢行した

日本ではあくまでも米中両国は「貿易戦争」をしているのであって、経済問題で対立しているとの報道にとどまっていますが、米国(おそらく中国でも)では軍事対立への道、すなわち新冷戦として現状を捉えているのですね。またもや日本は空気が読めない対応に終止してしまうのでしょうか。 US Navy warships just rocked the Taiwan Strait in rare move, turning up the pressure on China米海軍艦艇が台湾海峡で波を立て中国に圧力をかけた Ryan Pickrell https://www.businessinsider.com/two-us-navy-warships-sail-through-taiwan-strait-2018-10 US Navy guided-missile destroyers and guided-missile cruisers U.S. Navy photo by Lt.j.g. Caleb Swigart 米海軍が10月22日中国の玄関口で威力を誇示すべく艦艇二隻に台湾海峡を通過させた 海峡を通過した駆逐艦USSカーティス・ウィルバー、巡洋艦USSアンティータムに中国艦船が追尾した あたかも両国で緊張が高まる中での事件のため、国際法の枠内とはいえ中国が怒りをおぼえることになりそうだ 米 海軍艦艇二隻が台湾海峡を通過したと台湾国防省が月曜日発表した。 アーレイ・バーク級駆逐艦USSカーティス・ウィルバー、タイコンデロガ級巡洋艦USSアンティータムの二隻が台湾海峡を同日に航行したと米太平洋艦隊もBusiness Insiderに認めた。米海軍では7月にもUSSマスティン、USSベンフォールドの駆逐艦二隻を航行させていた。 今回は「国際法に準拠した通常の台湾海峡航行」と太平洋艦隊広報官レイチェル・マクマー少尉がBusiness Insiderに語り、ミッションの目的は「自由かつ開かれたインド太平洋」の維持が米国の国是と示す点にあるとし、「米海軍は国際法の許す範囲で今後もいかなる地点で飛行・航行・作戦を展開する」と述べた。 今回の背景に米中両国の軍が緊張を高めていることがあり、貿易から領土主張に至るまで両国の対立が強まってい

F-35B搭載のUSSエセックスが沈黙のまま太平洋へ出動したのは中国へのメッセージ

The US Navy just quietly sent an F-35 aircraft carrier to the Pacific — and it signals a big change米海軍が沈黙のままF-35搭載空母を太平洋へ出動させたのは大きな変化のあらわれか Alex Lockie http://www.businessinsider.com/us-navy-quietly-sends-f-35-aircraft-carrier-to-pacific-china-south-sea-2018-7 USSアメリカ艦上で兵装満載のまま短距離離艦を始めるF-35B。 Lockheed Martin 米海軍が小型空母USSエセックスを西太平洋に出動させた。米海兵隊所属のF-35B共用打撃戦闘機を搭載している。この事実は公表していない。 米国はF-35展開を通常は大々的に宣伝するが、今回は沈黙を保っているのは大きな変更を意味するのだろう。 米国には西太平洋に主要敵対国数か国があり、その動きへの対抗上今回は作戦運用を広報活動より優先したのだろう。 米 海軍がF-35配備の動きを宣伝してきた従来の慣行を破りジャンプジェット空母USSエセックスを西太平洋に同機満載し秘密のうちに派遣した。厄介な敵対国対策で米国の対応方法に変化が生まれることを示唆しているようだ。 USSワスプが今年先に米海兵隊所属F-35B部隊を搭載する初の小型空母になった際にはメディア報道があった。だがエセックスの出港では変化がみられ、海軍当局は出港後に事実発表したとUSNI Newsが報じた。 大小問わず空母含む主力艦を米海軍は世界各地に派遣しているが今回のような形の出動は以前に一回あったのみだ。 F-35は史上最高額の兵器システムとなったが費用の膨張や遅延で繰り返し批判を受けてきた。海兵隊運用のF-35Bは垂直着陸と短距離離陸が可能で、強襲揚陸艦で運用できる。AV-8Bに後退して対地対空攻撃ミッションを実施する。海軍用のF-35Cには拘束フックがついており空母着艦ができる 当然ながら米軍は最新ジェット機を見せつけることに熱心であり、ステルスと高性能センサー制御により航空戦を革命的に変えると豪語している。ただしこの広報活動を今

8月10日、米海軍がミスチーフ礁で再び航行の自由作戦を実施

中国の既成事実作りを許してきたのはオバマ政権の失策でしょう。時間は取り戻せませんが国際法を盾にする西側世界(既存勢力)と自国の主張を根拠とする中国等(挑戦勢力)のせめぎあいが展開されているといってよいでしょう。 USS John S. McCain Conducts South China Sea Freedom of Navigation Operation Past Mischief Reef; 3rd South China Sea FONOp This Year USSジョン・S・マケインが南シナ海で航行の自由作戦をミスチーフ礁で実施し、今年三回目の南シナ海FONOpとなった By: Sam LaGrone August 10, 2017 12:23 PM • Updated: August 10, 2017 1:28 PM https://news.usni.org/2017/08/10/uss-john-s-mccain-conducts-south-china-sea-freedom-navigation-operation-past-mischief-reef-3rd-south-china-sea-fonop-year 写真 USSジョン・S・マケイン(DDG-56) June 17, 2017. US Navy Photo 米海軍の誘導ミサイル駆逐艦が中国がフィリピン沖に構築した人工島の12カイリ以内を10日航行したと国防関係者がUSNI Newsに明らかにした。USSジョン・S・マケイン(DDG-56)がミスチーフ礁上に中国が構築した施設付近を航行した。 今回のFONOp航行の自由作戦は今回で三回目で国防長官と米太平洋軍がトランプ政権に今年初めに進言していた。 ペンタゴン関係者はUSNI Newsに今回の作戦実施の事実関係を確認していないが、声明文を発表し航行の自由作戦は米国の標準行動の一環だと述べている。 「アジア太平洋地区で活動中の米軍は通常行動に南シナ海も範囲に収めている。作戦行動はすべて国際法に則り国際法の許す限り米国はいかなる場所でも航行、飛行、運用を実施する」と海兵中佐クリストファー・ローガンが発表。「FONOpsは通常の形で実施し今後も続ける。作戦成果のまとめはFONOps

つまらない今年のシャングリラ対話

今回のシャングリラ対話は時事問題に傾き、スケールが小さくなっている気がしますがいかがでしょう。中国も参加しているようですが、西側の意見に反論もあったのでは。本来の開かれたフォーラムという位置づけが現実問題の前に見えなくなっているようですね。 Global allies call for continued US patrols in South China Sea 同盟各国が南シナ海における米パトロールの継続を求めている By: Mike Yeo, June 4, 2017 (Photo Credit: Roslan Rahman/AFP via Getty Images) http://www.defensenews.com/articles/mattis-shangri-la-dialogue SINGAPORE — 恒例のシャングリラ対話、アジア安全保障サミットの講演者から米海軍による南シナ海での航行の自由作戦継続を求める声が相次いだ中、各国参加者の心中では南シナ海の対立問題で懸念が広がっている。 政策スピーチではオーストラリア、日本の国防トップがそれぞれ米軍が国際法により認められた空間で今後も作戦を継続するとの米国防長官ジム・マティスの発言を支持すると述べた。 主催は国際戦略研究所(IISS)(Asia)で政府、非政府両部門の国防安全保障専門家が世界各地から集まり、アジア地域内で最大のサミットとなった。 マティス長官は米軍が「国際法が許す場面すべてで飛行、航行、作戦を今後も継続し、決意のともに南シナ海以遠での作戦プレゼンスを示していく」と述べ、「該当地域内の作戦は共有する権益とともに国際法が認める自由を今後も守っていこうとうするわれわれの決意であり意欲のあらわれだ」とした。 これに同調したのが日本の防衛相稲田朋美で航行の自由作戦を行う米海軍への支持をあらためて表明し、「開かれた自由で平和な国際海上航行の秩序を守ろうとする米国の決意のあらわれ」と評した。 稲田大臣はスピーチで東シナ海、南シナ海双方で領有権をめぐる緊張が続くことに光を当てたが、国名はあげず、「ある国の公船が定期的に日本領海を侵しており」一方で「南シナ海に置いて軍事目的に使うべく拠点整備を続けている」と述べた。 稲田大臣の次に

★南シナ海航行の自由作戦で人工島6カイリ以内を通航した米海軍艦船と中国の反応

中国としては既成事実の積み重ねで逃げ切るつもりでしょうが、法による支配と相いれないとんでも主張であることは明確なのです。問題は北朝鮮他に目を取られる間に時間が経過することなのですが、今回の航行の自由作戦は意味が違うようです。中国といい朝鮮といい本当に面倒な隣国に日本は恵まれていますね。 USS デューイ(DDG-105)が南シナ海を航行している。 May 6, 2017. US Navy Photo   U.S. Warship Came Within 6 Miles of Chinese Artificial Island in Toughest Challenge Yet to Beijing South China Sea Claims 米艦が中国人工島から6カイリ以内を通航し、中国領有権主張に最大級の抗議を示した   By: Sam LaGrone May 25, 2017 1:04 PM • Updated: May 25, 2017 3:25 PM https://news.usni.org/2017/05/25/u-s-warship-came-beijing-south-china-sea-claims 米海軍駆逐艦が中国が造成した南シナ海内人工島から6カイリ地点を5月25日に航行し、中国主張へこれまでで最大の抗議活動となっていたと判明した。 同日現地時間午前7時にUSSデューイ(DDG-105)がスプラトリー島しょミスチーフ礁から6カイリ地点を航行したと米関係筋複数がUSNI Newsに認めた。 同艦は国際法で認める無害通航を行い、軍艦の権利として事前通告なしで他国領海を通航できる。 同艦はミスチーフ礁から12カイリ内を90分にわたりジグザグ航行した。乗員は艦外訓練も行ったと米関係者が伝えている。 ただし航行中は中国フリゲ―ト艦が追尾し、無線で 20回にわたり 人民解放軍施設付近からの退去を求めてきた。 人民解放軍報道官は25日に中国海軍フリゲート艦部隊がデューイを「警告し遠ざけた」と伝えている。 今回はトランプ政権で初の航行の自由作戦(FON op)として中国の南シナ海領有主張に挑戦した形になった。USSデカター(DDG-73)がパラセル諸島でFO

★中国は米航行の自由作戦をこんな風に見ている 人民解放軍新聞の論調

うーん、宇宙の反対側から見た論旨のようですね。これでは話し合いになりません。本当にこのように世界を見て意見をまとめているとしたら、今後がすごく心配です。(本ブログは中国政府の意見を代弁するつもりはありません。あくまでも議論のために両者の意見を比較するべきだと考えます。) PLA Daily: U.S. warships abusing FON operations in South China Sea Source: Xinhua Editor: Zhang Tao 2016-05-12 16:23 0 http://english.chinamil.com.cn/news-channels/2016-05/12/content_7051903.htm BEIJING, May 12 (Xinhua) -- 米国が軍艦を中国領の島しょ付近へ派遣したことを人民解放軍日報が強く非難し、いわゆる航行の自由(FON)作戦とは国際法の根本精神を無視するものと表現している。 国連海洋法(UNCLOS)ではFONの原則を掲げてると当時にそれぞれの国家の主権と航行の自由は整合性をとるべきものともしており、他国が海域に侵入する、あるいは海上航路を設定する際には事前許可を求める国があることを紹介している。 にもかかわらず米国がこのような整合性を無視するのは自国の優位性維持に不利だと考えているるためと同紙は解説している。「米国は今日に至るまでUNCLOSを批准しておらず、同国の艦船の運用に制約となるいかなる条件も受け入れようとしていない」(同紙) 新聞記事ではいかなる国の領海内も軍艦が無害通航する自由はUNCLOSでも保障していないと特記して米国は軍事活動を任意に実施する自由を主張していると非難。 米国は自国軍は世界平和の維持という善意の存在だと主張し、FON問題を常に持ち出すが、FONは南シナ海では論点にならないと同紙は主張。 それどころかFON作戦は地域の安定に悪影響を及ぼす状況を生んでいると同紙は述べている。「実のところFONとは米国が地域内問題に介入するための手段にすぎず、地域内を取りまとめて自国の海洋優越性を維持するために使っているのだ」 米国が追い求めるFONは国際社会の方向と違っている。なぜならFO

米海軍の航行の自由作戦を非難する中国の自己矛盾

一方で国際法を順守し、他方で国際法と異なる解釈を堂々と主張する中国の論理構造はどうなっているのでしょうか。中国は既成事実を積み上げれば自分の勝ちと考えているのでしょうか。習金平主席の提唱する中国の夢が中華思想そのもので全部中国のものと勘違いしているとすれば大変な代償が待っているのに認識していないのでしょうか。しかし無害通航では相手国の領海であることを認めてしまうのですが。 China Upset Over ‘Unprofessional’ U.S. South China Sea Freedom of Navigation Operation By: Sam LaGrone January 31, 2016 11:48 AM • Updated: February 1, 2016 10:52 AM http://news.usni.org/2016/01/31/china-upset-over-unprofessional-u-s-south-china-sea-freedom-of-navigation-operation USS Curtis Wilbur (DDG-54) in 2012. US Navy Photo 中国から米海軍による1月末の航行の自由作戦を非難する声明が複数出ている。パラセル諸島のうちトライトン島を実効支配する中国の眼前で米誘導ミサイル駆逐艦が12カイリ以内を通航したためだ。 USSカーティス・ウィルバー(DDG-54) が通過直後に中国国営通信は外務省と国防省の声明を伝えている。. ウィルバーによるFON作戦は「大人げなく無責任....米国の行為は中国法に違反し、平和、安全保障と秩序を乱した」と国防省報道官 楊宇軍 Yang Yujunは1月30日に発言している。” 「これまで米側から艦船航空機の安全通行を保障する方策の提案があったが、繰り返し中国の領海領空に自国艦船・航空機を送り込み、中国の抗議を無視し、両国の海軍空軍部隊の一触即発状況を招いているのは米国だ」 外務省報道官 華春瑩 Hua Chunying は声明文で「米軍艦は中国法に違反し、中国領海に許可なく侵入した。中国は同艦を終始監視し音声により警告を発した」としている。 ペンタゴンからはUSNI Newsに1