ラベル 北朝鮮の防空体制 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 北朝鮮の防空体制 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2018年1月27日土曜日

北朝鮮防空体制は思ったより強力な可能性、米軍の航空優勢確保は簡単ではないかも

 


If Donald Trump Attacks North Korea: Beware of Kim's Air Defense Systemsトランプが朝鮮攻撃に踏み切れば、北の防空体制は要注意だ


April 14, 2017

ランプ政権が北朝鮮へ戦闘開始を選択すれば北朝鮮が予想以上に手ごわい相手だと思い知らされるだろう。
 金正恩率いる同国の防空体制は大方の予想以上に高度化している。さらに米軍の空爆への抵抗力を増やす方策をとっており、同国が朝鮮戦争の教訓を鮮明に覚えていることを示す。
「1950年から1953年にかけ米空軍、海軍が北朝鮮を徹底的に空爆したため、北は65年かけて再発防止を考え爆撃に耐える地下退避壕トンネル多数を掘った」とマイク・マクデヴィットRear Adm. Mike McDevitt退役海軍少将がThe National Interestに語っている。
 だが施設強度を上げる以外に平壌は一般の予想以上に防空体制を高度化している。防空装備の大部分は旧ソ連製だが、一部で驚くほど高性能の国産装備も展開している。
 「旧ソ連製SAMのS-75、S-125、S-200さらにクヴァドラットがありおおむね良好な状態を保っています。S-75は国産化していましたが、性能向上策を実施した可能性があります。さらに韓米呼称KN-06の国産新SAMは新鋭装備として恥じない内容です」とワシリ・カシンVasily Kashin総合欧州国際研究所(モスクワ高等経済学研究院)主任研究員はThe National Interestに語る。
 KN-06SAMの実際の製造数は不明だが、ロシア製S-300初期型に近い性能を有する驚くべき装備だ。「KN-06はフェイズドアレイレーダーがあり誘導システムで目標に向かい、初期型S-300Pと同等の有効射程があるでしょう」(カシン)
 カシンによれば韓国筋がKN-06のテストは成功したと伝えており、射程150キロと見られる。KN-06が無視されがちなのは西側が北朝鮮工業力を過小評価する傾向のためと言う。
 「世界は北朝鮮工業力を軽視していますが同国はコンピュータ処理工作機械、工業ロボット、光ファイバー、さらに半導体まで国産化に成功しており、一般車両、鉄道車両、家電製品も同様です。1970年代から80年代のソ連の実力に相当します」(カシン)
 北朝鮮の防空体制は旧式だが低高度では強力だ。「低高度ならライセンス生産及び国産MANPAD(携帯型防空装備)や23ミリから57ミリの対空砲各種が数千基使われるでしょう」(カシン)
 北朝鮮空軍は数こそ多いが装備は陳腐化している。米空軍力に辛うじて対抗できるのはミコヤンMiG-29フルクラムだけだ。「40機あることになっていますが実際に稼働可能機材が何機かわかりませんが存在するのは確かです」「パイロット訓練が年間20時間を超えることはありませんが」(カシン)
 北朝鮮の技術水準は初歩的だが、防空体制は統制が取れている。「旧ソ連のコンピューター対空指揮命令装置を使っています。レーダーは旧型が中心ですが一部でイラン製フェイズドアレイレーダー新型も導入しています」「防空部隊は地下豪を大幅に使い、破壊は容易ではないでしょう」(カシン)
うなると北朝鮮防空体制は思ったより手ごわそうだ。技術が古いとはいえ北朝鮮の価値観である主体思想でハードウェア国産化率は高い。「国産品が多数ありますが、技術は20年から40年遅れています」「とはいえ自分で作ってしまいます」(カシン)■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar

敵をまず良く知れ。第二次大戦前にも米国は日本の技術を侮っていましたね。その後犠牲を出して後悔しました。同じことを繰り返しているのではとの危惧があります。レトリックがうまい国なのでどうしても北朝鮮の言い分を無視しがちなのですが、軍事技術については冷静に見ていく必要があります。開戦48時間で北朝鮮など壊滅できるなどと簡単に言うなど言葉だけが踊る評論家が問題でしょうね。

2017年8月22日火曜日

ますます劣勢になる北朝鮮の通常兵力が核兵器依存につながる



F-35の配備でますます劣勢を自覚する北朝鮮が自暴自棄になり日韓両国にむけて先制攻撃をする可能性が増えないか心配です。逆に言えば北朝鮮に退路はもうないのですが。

Aerospace Daily & Defense Report

F-35 Is Newest Thorn In North Korea’s Side

F-35は北朝鮮から見れば最新の棘だ

Aug 16, 2017James Drew | Aerospace Daily & Defense Report

ロッキード・マーティンF-35の日韓両国配備は北朝鮮の通常兵器での劣勢拡大を明らかにする効果がある: U.S. Marine Corps

  1. 米海兵隊は自らを「槍の先頭」と自慢するが東アジアでは「グリーンナイツ」の海兵戦闘攻撃第121飛行隊(VMFA-121)は氷山の頂点以上の存在で、実戦投入可能なロッキード・マーティンF-35最初の十数機を配備した飛行隊として今後数十年にわたり同地域に駐留することになりそうだ。
  2. 2020年代初頭には北朝鮮は米最新第五世代戦闘機100機超と対峙することになり、うち42機が日本、40機が韓国所属でここに米空軍・海兵隊・海軍の前方配備機材が加わる。
  3. 中国・ロシアの支援がなければ北朝鮮に共用打撃戦闘機部隊に対応する可能性は皆無となる。制空し、ミサイルを地上で捕捉破壊し、地上部隊の前進を支援するのが同部隊の任務となる。北朝鮮には旧ソ連製および自国開発レーダーや地対空ミサイルがあるが、ステルス機を事実上止められない。
  4. Randコーポレーションのセキュリティ専門家によればステルス機投入で北朝鮮の「通常兵器の著しい不利性」があらわになるという。だからこそ北朝鮮は核兵器とミサイル開発に躍起となっているのだ。
  5. 北朝鮮に核濃縮工場が三か所あるといわれ、核弾頭30ないし60個があるはずだ。大陸間弾道ミサイル三種類を同時開発中でこのうち二段式火星-14型を7月に二回発射した。
  6. 北朝鮮は核兵器を西側軍侵攻を食い止める究極の手段と見ており、連合軍が先制攻撃の兆候を見せれば一気に短距離ミサイルで韓国や日本国内の軍事施設や主要都市を攻撃するだろう。
  7. 「あちら側は通常兵器で相当不利と認識しており、特に航空兵力不足を痛感しています」とRandの上席国防政策研究員J・D・ウィリアムズは解説する。「現指導体制の狙いを見れば通常兵力で格差が広がる一方の中で一気に穴を核で埋めようとするのは明白です」
  8. 北朝鮮は核兵器、弾道ミサイルの他に特殊作戦集団の整備に注力しており、高性能機材や防空装備の調達は後回しにしている。朝鮮人民軍空軍には中国製ソ連製の旧式戦闘機多数があり、対空ミサイルの中心はベトナム戦当時のSA-3、SA-5が近代的なS-200を一部配備している。最新対空ミサイルはKN-06で今年初めに実証している。
  9. これに対する韓国空軍はノースロップF-5、ボーイングF-15K、ロッキードF-16、KAIのFA-50を運用する。日本の航空自衛隊は三菱F-2、F-15があり最近通常離着陸型のF-35Aの受領をはじめたところだ。
  10. ウィリアムズによれば北朝鮮は通常兵力で劣勢になる状況を認識するからこそ連合軍部隊に大損害または壊滅的被害を与える手段に目を向けているのだ。「そこでF-35が新しく登場すると動きが加速します。ただしこの傾向は前からあり同機が直接刺激するわけではありません」
  11. Randで北東アジア軍事情勢を専門とするブルース・ベネットは通常兵力面で北朝鮮が格差を広げている状況は不安定を招く効果があるという。「新型機が配備されたとしましょう。あちら側の地対空防衛能力では対応できませんので、『地上にある間に攻撃しなくては』と思うようになるでしょう」というのだ。「そのためミサイルや核兵器またはその他兵器を使い主要航空基地を攻撃し脅威を取り除こうとするでしょう。両陣営に先制攻撃に向かう同機があるのです」
  12. 海兵隊はVMFA-121は岩国基地で実戦投入可能な状態にあり、韓国には三月にはじめて移動し、フォールイーグル演習に参加したと認めている。「F-35Bを岩国海兵隊航空基地に常駐させ日本で作戦投入可能にしておくことで第三海兵遠征部隊による米国の同盟国への責務の遂行の支援が可能となります。第五世代機のステルス、精密攻撃、多機能センサーの各性能が短距離離陸垂直着陸を活かした前線運用能力に加わり強力な戦闘爆撃機になります」
  13. 空軍のF-35Aも数か月で太平洋地区に移動する予定だ。空軍はすでに今年初めにヒルAFB(ユタ州)の第34戦闘飛行隊を太平洋に展開すると発表していた。同隊は4月に初の海外展開を英国で行い、さらにバルト海諸国にも共同訓練の形で進出した。
  14. 米国防総省は空軍向けF-35Aを計1,763機、Stovl型と空母運用型を合計693機海兵隊・海軍向けに調達する予定。F-35Aは誘導方式B61-12熱核爆弾が搭載可能。
  15. 日本は2011年12月にF-35導入を決定し、海外軍事販売制度を利用し42機調達する。うち38機は国内生産で名古屋の生産施設で製造が今年始まっている。
  16. 韓国向け引き渡しの開始は来年で、一号機(AW-1)の生産がフォートワース製造ラインで始まった。引渡しは2021年まで行われる。■
あ、この理屈では北朝鮮は核兵器を放棄すれば貧弱な通常兵力しか残らず西側の方位の前に弱体をさらすことになります。貧者の核として核兵器による国体護持をねらっているのが現在の北朝鮮ですので、核を使えないままにされれば国が消滅しかねないのです。


2017年4月15日土曜日

★北朝鮮の防空態勢を軽視出来ない理由



太平洋戦争開戦前、日本の技術力は無視軽視されており、驚くべきことに黄色人種に近代装備の展開は不可能とさえ言われていたのです。零戦を見て偏見を後悔した米軍ですが、今回北朝鮮と再び軍事衝突すれば同じ現象は起こるのでしょうか。日本国内にも同じ傾向が見られませんでしょうか。正確な情報収集と分析が必要です。しかし北朝鮮の軍事力情報についてはロシアに頼らざるをえないのが現状です。

The National Interest

If Donald Trump Attacks North Korea: Beware of Kim's Air Defense Systems 北朝鮮空爆時には北朝鮮防空網に要注意

April 14, 2017

  1. トランプ政権が北朝鮮介入に動けば、北朝鮮が予想より手強い敵だとわかるはずだ。
  2. 北朝鮮の防空体制は予想以上に進歩している。平壌には米軍の空爆に耐える態勢も整備している。民主主義人民共和国と自称する同国は朝鮮戦争時の教訓を守り、技術的には交戦状態のままだ。
  3. 「1950年から53年にかけて米空軍・海軍が北朝鮮を徹底的に空爆したのでNORKSは再発防止策を65年かけて考え強力な防空壕やトンネル多数を完成させている」とマイク。マクデヴィット退役海軍少将がThe National Interestに語っている
  4. だが平壌は高性能防空装備も整備している。たしかに全国的には旧ソ連装備が多いが、一部で国産高性能装備も実用化させている。
  5. 「旧ソ連時代のSAMでS-75、S-125、S-200やクヴァドラがあるが良好な状態になっていない」とワシリー・カシン(モスクワの高等経済研究所付属総合欧州国際研究所の主任研究員)は解説している。「S-75は国産化し性能を向上させた。2010年代に入りKN-06と韓国米国が呼ぶ国産SAMの配備が始まっています」
  6. KN-06SAM部隊の編成数は不明だが、北朝鮮製装備は意外に高性能でロシア製S-300初期型に匹敵する。カシンは「KN-06はフェイズドアレイレーダーを搭載しミサイル誘導装備はS-300P初期型に匹敵するが射程は伸びています」と述べている。
  7. アジア問題に詳しいカシンはKN-06の発射テストは成功しているとの韓国報道があり、射程は150キロ程度だという。いままでKN-06が軽視されてきたのは北朝鮮工業力を軽視する西側のアナリストのためだ。
  8. 「世界では北朝鮮の工業力を軽視する傾向がありますね」とカシンは言う。「わかっている範囲ではコンピュータつき工作機械や工業ロボット、光ファイバー、半導体やトラック、乗用車、鉄道車両、家電製品他で国産化しています。1970年代のソ連に匹敵する水準で特にイランの協力が大きな効果を生んでいる」
  9. 北朝鮮の低高度防空体制はかなり強固だ。ただし装備は老朽化している。「低空空域ならMANPAD(携帯型対空ミサイル)や対空火砲が23ミリから57ミリが数千門規模あります」(カシン)
  10. 空軍機材は多数あるが大部分が陳腐化している。米空軍力の脅威になりそうなのはミコヤンMiG-29フルクラム少数機だけだ。「MiG-29は40機あるはずだが、実際に何機が飛行可能状態にあるのか不明」とカシンは述べ、「パイロット養成が制約され年間飛行時間は20時間をこえていません」
  11. 旧式だが防空体制は統制が取れている。「旧式ソ連製コンピュータ応用対空指揮統制装備があります。レーダーは旧式が多いですが、一部に新型イラン製フェイズドアレイレーダーが導入されています。対空部隊は地下壕に入っており撃破は困難でしょう」
  12. そうなると北朝鮮防空網は多くの予想を裏切り意外に突破するのが困難そうだ。さらに技術は古いとしても北朝鮮の主体思想によりハードウェア多数を国産化している。「国産化を広範囲で行っていますが、技術は20年40年遅れています」(カシン)
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.