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2022年9月14日水曜日

ヴァージニア級SSNブロックVは史上最強の攻撃型潜水艦になる

 

Image of Virginia-class Submarine features. Image Credit: Creative Commons.

「オー!キャリー・ミー・バック・トゥ・オール・ヴァージニー」は、南北戦争中に南軍兵士がよく歌った歌である。言うまでもなく、南部連合はとうの昔に滅び、ヴァージニア州は連邦に復帰し久しい。ヴァージニアの名は、波の下で米国の権益を守るヴァージニア級原子力攻撃型潜水艦(SSN)に誇らしげに冠せられている。本稿では、ヴァージニア級(SSN-774)の最新ブロックVを取り上げる。

ヴァージニア級の由来

米海軍の公式情報ページでは、攻撃型潜水艦の任務と目的を次のように定義している。「攻撃型潜水艦は、敵潜水艦および水上艦の探索と破壊、トマホーク巡航ミサイルと特殊作戦部隊(SOF)による陸上への戦力投射、情報・監視・偵察(ISR)任務の遂行、戦闘群作戦支援、水雷戦に従事するよう設計されています」。

ヴァージニアは、米海軍の最新世代のSSNだ。以前には、1976年から1996年にかけて就役したロサンゼルス級62隻、1997年から2005年に就役したシーウルフ級3隻がある。先月発表された米国議会調査局の報告書によると、海軍は1998年度にヴァージニア級調達を開始し、2022年度までに合計36隻を調達した。ヴァージニア級は2011年度以降、年2隻のペースで調達されている。

ヴァージニア級は当初、大型で高価なシーウルフの安価な代替艦として構想され、冷戦時代にソ連の最新型潜水艦に対抗する設計とされた。ソ連崩壊により、シーウルフ級は絶滅危惧種になった。冷戦後、敵対する潜水艦はほとんど中止されるか、少なくとも大幅に遅れることになり、ハイテクを駆使したアメリカ艦は使命を失ったかのように見えた。そのため、シーウルフ型潜水艦29隻のうち26隻がキャンセルされた。

一方、小型でコストの安いヴァージニア級は、新技術を駆使し、世界をリードするSSNとなった。

ブロックVの登場

ヴァージニア級の最初の4ブロックは、生産効率とコスト削減に重点を置いた。ブロックIIIでは建造技術の向上が図られ、ブロックIVでは稼働率向上が図られた。しかし、新しいブロックVは、より目に見える強化がなされ、この艦の殺傷力の高めている。

H.I.サットンが2021年7月にNaval Newsに寄稿していた。「最新のブロックVヴァージニア級潜水艦は搭載ミサイル数を大幅に増加させるだろう。事実上、巡航ミサイル潜水艦(SSGN)になる。しかし、柔軟な対艦、対潜、情報、特殊部隊のプラットフォームが失われることはないだろう」「ヴァージニア級潜水艦はすでに重武装されている。各艦はトマホーク巡航ミサイルのような魚雷サイズの武器を最大37本搭載できる。うち12本は、ヴァージニア・ペイロード・チューブと呼ばれる2つの垂直発射システム(VLS)に搭載される。新しいブロックV(5)バッチでは、VLSに28個のスロットが追加される。これは魚雷サイズ兵装の76%増加である」。

トマホーク巡航ミサイルといえば、ブロックVでは、従来の陸上攻撃モードに加え、対艦能力であるブロックVaサブバリアントが追加される。この新しいトマホークが、対艦ミサイルのハープーンと比較して、どのような効果を発揮するかはまだ分からない。いずれにせよ、ブロックVミサイルは、最初のヴァージニア・ブロックVが潜水艦艦隊に加わる前に運用開始される。

ヴァージニアには通常の魚雷室が残され、最新版のアドバンスト・ケイパビリティ系列の大型魚雷を搭載する。ブロックVではハマーヘッド機雷を搭載するようだ、これは、旧型Mk.47潜水艦発射式移動機雷にかわるもので、密かに海底に配備される。海軍によると、ハマーヘッドは水中ドローンによって運搬され、有人または無人の潜水艦を「探知、分類、撃破」するという。

サットンは、潜水艦はおそらく新しい極超音速兵器を搭載すると付け加え、極超音速ミサイルを搭載する最初の潜水艦になる可能性が高いと指摘している。ロシアや中国が極超音速ミサイルを開発し、それを心配する声が後を絶たないことを考えれば、米国が完全に遅れをとっているわけではないことを、少しは安心させようというのだろう。

最後にはなったが、前述の兵器パッケージに加えて、ブロックVヴァージニアは米海軍史上最も重武装な攻撃型潜水艦となり、大型垂直配列の側面ソナーで探知能力が大幅に向上する期待がある。艦の側面に配置された6つの超近代的軽量広開口アレイがさらに加わる。

中国が潜水艦戦力整備を続けていることを考えれば、ブロックVヴァージニア級SSNはすぐにでも必要だ。■

Meet the Block V Virginia-Class Submarine: The Navy's Best Sub Ever? - 19FortyFive

ByChristian OrrPublished1 min ago

 

Christian D. Orr is a former Air Force Security Forces officer, Federal law enforcement officer, and private military contractor (with assignments worked in Iraq, the United Arab Emirates, Kosovo, Japan, Germany, and the Pentagon). Chris holds a B.A. in International Relations from the University of Southern California (USC) and an M.A. in Intelligence Studies (concentration in Terrorism Studies) from American Military University (AMU). He has also been published in The Daily Torch and The Journal of Intelligence and Cyber Security. Last but not least, he is a Companion of the Order of the Naval Order of the United States (NOUS). In his spare time, he enjoys shooting, dining out, cigars, Irish and British pubs, travel, USC Trojans college football, and Washington DC professional sports


2019年12月30日月曜日

最新ヴァージニア級で攻撃型原潜の作戦内容はこう変わる

Navy Block V Submarine Deal Brings New Attack Mission Ops

By Kris Osborn - Warrior Maven

量の火力を敵目標付近から投入する、脅威環境で「情報」活動を秘密裏に行う、水中から攻撃・偵察用無人機を発進させる...これが米海軍がヴァージニア級攻撃潜水艦ブロックVに期待する内容だ。
9隻が建造されると潜水艦による攻撃戦略や作戦構想に変化が生まれる。総額220億ドルのブロックV建造では全長80フィートの兵装部分が艦体に追加されトマホークミサイルが従来の12発から40発へと大幅に攻撃力を増強する。
「ブロックVヴァージニア級のヴァージニアペイロードモジュールは潜水艦戦力で画期的な進歩となる」と潜水艦部門の計画主管デイヴィッド・ゴーギンス少将が述べている。「新設計で艦隊は米国の海中優越性を維持できる」
海軍はブロックV各艦は「音響面で優越性を実現する設計変更」を搭載と伝えている。
「ブロックVには開発中の装備を搭載し、USSサウスダコタが1号艦となる」とクリストファー・ハンソン大佐(ヴァージニア級計画主任)が2019年4月に海軍連盟主催のシンポジウムで述べていた。
新規建造艦の技術的詳細は保安上の理由で不明だが、USSサウスダコタは各種新技術が導入され今までにない性能の攻撃型潜水艦になるとハンソン大佐は述べていた。同艦は供用を開始しており、テスト艦として新技術の実証に使われる。新技術はブロックVに加え2024年から始まるブロックVIにも応用される。やはり詳細は不明ながらUSSサウスダコタにはエンジン静粛化技術が導入され、偵察用の高性能アンテナ、低視認性船体塗装を採用と海軍技術陣は説明している。
ヴァージニア級の各ブロックではその時点での新規技術が都度導入されてきた。例としてブロックIIIでヴァージニアペイロードモジュールが導入されており、攻撃力が大幅に強化され、トマホーク6本単位の発射管が追加された。またブロックIIIで新型大型開口艦首(LAB)「馬蹄形」ソナーが採用された。
LABソナーは正確かつ有効距離が従来型より伸びる。またパッシブ、アクティブ双方の性能が向上した。パッシブは基本的に追跡用または「聴音」用で敵の動きを掴むのが目的だ。また音波を発しないため自艦の位置を隠すこともできる。ただし、「ピン」音を発出するアクティブ型の機能は有しない。潜水艦内では返ってくる音波を解析して敵艦の形状、速力、距離を把握する。ある意味でソナーはレーダーに似ているが、ソナーは音響信号、レーダーは電子信号を使う点が異なる。
このコンセプトがブロックVで拡大され、「アップグレード可能」艦になったが、ヴァージニア級が登場した15年以上前に予測されていた。2005年の技術論文ではヴァージニア級をモジュラー方式建造とし、オープンアーキテクチャ方式の利点を享受すべきとある。ヴァージニア級は将来のアップグレードを前提に建造されてきた。
論文は音響迅速COTS挿入(ARCI)に触れ、「ヴァージニア級、SSGN(オハイオ級艦を誘導ミサイル潜水艦に改装したもの)、今後登場する級に共通のモジュラー方式とする」構想とある。ARCIはその後十数年間に渡り成功をおさめており、最近の論文では対機雷ミッション対応が強調されている。
技術面工学面から見ればモジュラー化で各艦のハードウェア、ソフトウェアが対応可能になる。例として攻撃型潜水艦では魚雷とトマホークを運用するが、あと10年もすれば新型潜水艦発射兵器が当然ながら登場するだろう。
ブロックVではブロックIIIが採用した「フライ・バイ・ワイヤ」航法制御が搭載され、従来の機械式油圧制御装置は不要となった。操艦はジョイスティックとデジタル海図で行い、コンピュータ自動化で任意の場所に艦を移動させる。つまりコンピュータで深度速度を制御し、人員は指揮統制に集中する。
ソフトウェアでのアップグレードと急進歩するAIの活用で、ミッションの限界が広がり攻撃型潜水艦によるISR活動の可能性が増える。リアルタイムのアナリティクスとセンサー入力からこれまで人員で処理してきた機能をコンピュータがこなす。これにより攻撃型潜水艦の操艦はスピードアップし、深度速力や進路を迅速に変更でき、攻撃を受けた際の対応がすばやくなる。
潜水時の指揮統制でも無人装備の投入が増える。米海軍は新型UUVの整備を急いでおり、機雷の排除、低リスク前方偵察、補給品配送、「人員の介入を前提とした」火力の運用までを想定している。無人海洋システム主管のピート・スモール大佐によれば開発中のオーカXLUUVつまり超大型無人水中機では魚雷発射も想定している。
新型ヴァージニア級攻撃型潜水艦は特殊作戦ミッションに最適化されており、ブロックIIIで導入された「ロックアウトトランク」装備がブロックVでは最初から艦の一部となり大型化している。ロックアウトトランクとは海水を注入し特殊部隊を発進させ、隊員はこれまでより容易かつ静かに海中に展開できる
特殊作戦対応や偵察活動の機能が充実したため海軍は攻撃型潜水艦に「スパイ」として情報収集監視偵察ミッションを充実させ敵沿岸部近くの浅海部でにも忍び込ませ、敵潜水艦・水上艦や沿岸部の探知を行わせる戦略に切り替える。.
水中での航法精度があがり、探知能力が向上した中でコンピューターによる自動化と人工知能が加わることで、沿海部での行動が静粛かつ迅速に行えるようになり、敵の機雷や小舟艇などの脅威に対応できる。
ここまで接近して浅海域でも行動できる利点が生まれると「対地攻撃」ミッションの余地が増えると海軍は見ており、ISRの効果を活かし、対潜・対水上艦戦を展開できるという。
「これまでは『一匹狼』が前提だった潜水艦は今やネットワーク活用戦で鍵となる存在として世界的に認知されており、『水中優位性』を実現し、シーパワー21(海軍が以前提唱した攻撃構想で情報面での優越性を強調していた)で不可欠な要素になる」と2005年に海軍大学校論文が考察していた。■
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Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army - Acquisition, Logistics& Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.

2019年2月1日金曜日

ヴァージニア級最新艦の特徴とは、着実な技術進歩が戦略思考の先見性を実現する



Meet the Navy's Deadliest 'Stealth' Submarine to Ever Sail 最高レベルの戦力となった「ステルス」潜水艦が就航



USSサウスダコタの命名式が2018年10月14日にジェネラル・ダイナミクスのエレクトリックボート事業部のあるコネチカット州グロートンで行われた。
米海軍で「静粛化」装備、新兵装、次世代ソナー、高性能海中戦技術を搭載して新型潜水艦部隊が導入されつつある。今後は大規模対地攻撃、特殊部隊の「極秘投入」、偵察監視活動を探知されずに実施できる。
USSサウスダコタは最新のヴァージニア級攻撃潜水艦で2019年に公試を行い就航する。
「ヴァージニア級第5ブロック艦では設計変更が最初から盛り込まれています」と海軍海洋システムズ本部報道官ウィリアム・カウチがWarrior Mavenに説明してくれた。
改良点の多くは試作段階でテスト中だがUSSサウスダコタが就役するまでに制式化される。
同艦に盛り込む技術は関係者が「建造史上最も静か」と呼び2020年代初め稼働を目指す。
保安上の理由で技術内容は不明だが、関係者の話を総合する機関室の静粛化、新型大型垂直アレイ、追加「静粛化」塗料を船体に施したこと等のようだ。
米潜水艦部隊は「音響超越性」で敵の支配海域で探知されずに攻撃ミッションあるいは探知できる。しかも敵能力を超えた距離からこれができる。現在の海中戦闘戦略構想は技術進歩に助けられ攻撃型潜水艦で偵察行動を極秘に行う装備が実現している。
攻撃型潜水艦に海中偵察任務を攻撃任務より重視する傾向の源が1997年に国家研究評議会が発表した「2035年の潜水艦像」に見られるのは興味深い。
「情報収集:戦術情報や国家情報収集を長期間継続する事で秘密裏の監視活動が戦闘開始前、開始後に必要だ」とあり、すでに戦略思考が生まれており、裏付けとなる技術の実現を待っていたことがわかる。
「極秘投入」も同論文が提唱しており、探知性が大幅に減るのを前提としていた。潜水艦で敵沿岸に近づき監視活動、偵察あるいは攻撃をしたり、『秘密裏に」部隊を投入できる。
「陸上部隊を各種編成、規模、戦力の組み合わせでこっそり投入する有利なタイミングを決定し、必要に応じ現地で監視偵察が可能となる」と同論文は指摘していた。
USSサウスダコタに採用された新型塗装の技術情報は当然ながらお伝えできない。これまでゴムタイヤでソナー音を吸収すると言われてきた。またプロペラは低速でも十分な推力を実現しながらカビテーション発生を最小限にし、特徴のある音響効果を水中で産まない工夫がされている。
音響センサー技術で海底地形を把握し、敵艦の速力距離を測定し、接近する敵兵器を探知する。レーダーで返ってくる電磁信号を使い状況を把握するのと似ている。海中音響技術は「パッシブ」が大半であり、入ってくる音を聞くことで把握を目指しながら自分の居場所をわざわざ教える信号は送らない。
海中での高速の高周波双方向通信は困難だが潜水艦では極低周波で海中の各深度でも交信可能と海軍技術開発部門の経験者がWarrior Mavenに数年前に語ってくれた。
戦闘力の大幅向上
ブロックVのヴァージニア級攻撃潜水艦では84フィートを挿入し攻撃力の大幅増加をめざす。
ヴァージニア・ペイロードモジュール(VPM)は2020年代までに実用化し、トマホークミサイルをこれまでの12発から40発に増加させる。
VPM搭載艦は84フィートの追加部分を挿入しヴァージニアペイロードチューブ四門(VPTs)で各7発のトマホークを運用し、合計で40発発射できる。
VPMではトマホーク以外に新型ペイロード、新型ミサイル、あるいは大型無人水中機を運用できると海軍は説明。
VPMを搭載する理由は明白だ。2020年代に入ると四隻残るオハイオ級誘導ミサイル潜水艦が退役をはじめ各154発のトマホーク発射能力が姿を消すからだ。
2002年から2008年にかけ米海軍はオハイオ級ミサイル原潜の初期建造艦を通常型ミサイル運用専用とした。USSオハイオ、ミシガン、フロリダ、ジョージアの各艦だ。SSGNとしてG(誘導ミサイル)を加えた呼称とした。
新造艦で新技術が導入されるが就役済み艦でも応用されそうだ。
「新装備は今後建造する艦に導入されますが、既存艦にも後付装備されるでしょう」(カウチ)■


Kris Osborn of Warrior Maven previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army - Acquisition, Logistics& Technology. Osborn has also worked as an anchor and an-air military specialist at national TV networks. He has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.

ブロック建造方式で基本設計をの艦を長期間建造しながら技術の進歩を取り入れ戦力を順次拡大する米国のアプローチは調達数がそもそも多いから可能なのですが、初期建造艦と後期艦で能力が大幅に異なるのが特徴です。逆に言えば最初の設計から拡張性を前提にしているのでしょう。アーレイ・バーク級は70隻以上、ヴァージニア級は40隻あまりの建造ですからね。日本ではそうりゅう級12隻というのが最多でしょうか。米海軍ではそれだけにスタート時の設計が重要で今後出てくるFFG-X等の姿が注目されます。

2018年3月22日木曜日

最新鋭攻撃型潜水艦コロラド就役、ヴァージニア級はさらに進化を続ける

ヴァージニア級はハンターキラーでありながら攻撃力を大幅につけた潜水艦なのですね。ブロック方式で進化できるのは大量建造を前提にしているからでしょうが息の長い整備計画です。中国ロシアの動きをにらみながら水中優越性を今後も維持するのは大変ですが、これが崩れると力のバランスも崩れるので官民あげてがんばっているということでしょうか。海軍長官が沿海域でも威力を発揮すると発言していますがよほどの自信があるのでしょう。ただ、東シナ海から中国沿海部にかけて活躍するには原子力潜水艦では扱いにくいと思っています。米海軍でも通常型潜水艦を復活すべきかの議論は平行線のままですが、米国も日本の潜水艦技術には注目しているはずで、日米共通の通常潜水艦部隊が生まれるといいですね。


Attack Submarine Colorado to Commission Saturday

March 16, 2018 2:37 PM

Nuclear attack boat Colorado (SSN-788) sits pierside on March 17, 2018. US Navy Photo


子力推進攻撃潜水艦USSコロラド(SSN-788) がコネチカット州ニューロンドン潜水艦基地で3月17日に就役式典を迎える。

建造は2012年開始されヴァージニア級高速攻撃潜水艦の第15号艦、ヴァージニア級のブロックIII仕様艦としては5番目となる。コロラドはコロラド州の艦名を冠する四番目の米海軍艦艇となる。

「USSコロラドは驚異の技術革新そのもので産官連携の力を示しています」と海軍長官リチャード・V・スペンサーRichard V. Spencerが報道資料で述べる。「今日の世界に必要とされる海中機材は広大な海域のみならず沿海域も含む広範な分野で優位性を示す必要があり、コロラドはわが国の権益をこれから数十年にわたり防護する艦になると自信を持っています」

 Lt. Anthony Matus uses an Xbox controller to maneuver the photonic mast aboard the USS Colorado (SSN-788). (Navy photo)
Lt. Anthony Matus uses an Xbox controller to maneuver the photonic mast aboard the USS Colorado (SSN-788). (Navy photo)


ブロックⅢでは艦首部分を再設計し大口径(87インチ)ヴァージニアペイロード発射管二本を装着し一本でトマホーク巡航ミサイル6発を運用する。対象は2008年から2013年度予算の計8隻だ。さらに3隻が建造される。

ヴァージニアペイロード発射管により建造は簡略化され調達費用が下がりながら従来の小型垂直発射管(12本)よりペイロード運用の柔軟性が高まる。ブロックIとIIの各艦が垂直発射方式を採用していた。

Artist’s conception of the redesigned Block III Virginia-class bow.



その他ブロックIIIの改良点ではこれまで空気で支えていたソナー半球を水支持型の大型開口艦首(LAB)アレイに変えたことで建造費用保守管理費用を低減させたながらパッシブ防御力が高まったと海軍は説明。

ブロックIV建造も始まっており、設計改良で各部品の稼働期間が延びる。このためブロックIV各艦の供用期間が長くなる。供用期間中に三回補修を受けて15回の展開が可能となるという。現行の実績は4:14になっている。

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海軍はジェネラルダイナミクス・エレクトリックボートに696.2百万ドルでブロックV一号艦の建造材料調達をさせるべく契約を改編するとは票。ブロックVは全長を伸ばしヴァージニアペイロードモジュール発射管4基を搭載し、トマホーク対地攻撃ミサイルを発射する。ヴァージニアペイロードモジュールはヴァージニアペイロード発射管と類似し、実証済み設計を応用することで費用とリスクを低減させる。■