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2018年5月20日日曜日

V-280ティルトローター新型機のテストを順調に進めるベル

 

Bell V-280 Valor Conducts First Cruise Mode Test Flight as Program Advances ベルV-280ヴァラーが初の巡航モードテストを実施。テストは順調に進展中


May 16 2018
By Tom Demerly


のV-280ヴァラー軽量ティルトローター機がティルトローターによる水平飛行を初めて実施した。速力は190ノット(約350キロ)に達した。

V-280は中型戦術ティルトローター機として米陸軍が目指す共用多用途技術実証機 (JMR-TD) での採択を目指す。JMR-TDは陸軍がその先にねらう次世代垂直離着陸機(FVL)に繋がり、現行の回転翼機5機種の後継機となる。V-280ヴァラーはJMR-中型攻撃多用途ヘリコプターとしてUH-60ブラックホークとAH-64アパッチ攻撃ヘリの後継機として提案されている。

ベルV-280は最大速度280ノット(約520キロ)といわれ、「V-280」の名称はそこから来ている。UH-60の最高速度が192ノットなので相当早くなり、海面上最大速度が305ノット(560キロ)のMV-22オスプレイに相当する。

V-280は14名までの武装兵を搭乗員4名(飛行要員2名、銃手・ロードマスター2名)で運ぶほか、攻撃ヘリの機能も実現し、各種兵装を搭載する。高温高地飛行条件「ハイアンドホット」は回転翼機には厳しい環境だがV-280はこの条件に最適化されている。

外観上はV-22オスプレイに似るが、V-280のエンジンは固定式でティルトローターの重心が移動する。このためV-280はエンジン単発でも運航可能だ。だがV-22ではエンジンナセル左右が垂直飛行から水平飛行への切り替え時に回転する仕組みで各エンジンは完全に独立しながら、複雑なギアボックスで連結されているので片方のエンジンで飛行可能となる。
V-280の主翼は一枚構造の複合材になっているのがユニークな点だ (Photo: Bell Helicopters)

V-280でもう一つ特徴的なのは主翼でカーボンファイバー複合材一体構造になっていることだ。この複合材には大型セルカーボンコア技術が利用され、V-22の主翼よりコストで3割も下がっている。一枚構造のため片方のエンジンだけでも双発ティルトローター機として十分に機能出来る。

このベルV-280ヴァラーの競合相手がシコースキー-ボーイングSB-1デファイアントで、反転回転ローター二枚と「プッシャー」型のテイルローターを持つ、従来型のヘリコプター形状に近い機体構造であると言える。

V-280はフライトテストで先行し、飛行時間は27時間に達し、地上でのローター回転は計90時間に達している。同機は地上タキシーとホバリング能力を既に実証しており、低高度機体取り扱い性の津推して360度ペダル回転や前進・後退での取り回しを行っている。

V-280の次の段階は最大速度による飛行で90日以内に実施する。ベルの執行副社長ジェフリー・シュロッサーは今夏中に要求性能の確認を大部分終えるとの見通しをAviation Weekに述べている。

同機テストで興味深いのはエアロL-39ジェット機がチェイス機で随行していることで、V-280の飛行速度が順次引き上げられているための措置だ。■

2017年9月1日金曜日

★★次世代ティルトローター機V-280も姿を現す 初飛行まじかか



なるほどオスプレイと比べると新型機は機構が相当簡略化されそれだけ無理がないということですか。しかしオスプレイでティルトローター機にケチをつけられるとこの機体が採用されたときに面倒ですね。オスプレイでは湖南なんな課題がありますが確実に信頼度を上げていってもらいたいものです。しかしデイヴィッドは情報源に恵まれていますね。


 

Here Are The First Images Of The First Bell V-280 Valor Next-Generation Tilt-Rotor Aircraft Prototype

ベルV-280ヴァラー次世代ティルトローター機の試作型初号機が姿を表した


N280BH がアマリロでエンジンテストに臨もうとしている。

 Aug 30 2017 -

 

  1. ベルV-280ヴァラーは第3世代ティルトローター機でベルヘリコプターが米陸軍向け次世代垂直離着陸機の候補として開発中の機体だ。初の実証用機材が初飛行の準備に入っている。
  2. V-280ヴァラーは米陸軍の共用多用途技術実証機(JMR-TD)としてシコースキーUH-60ブラックホーク、ボーイングAH-64アパッチの後継機となる次世代垂直離着陸機(FVL)の前段階と位置づける機体だ。
  3. V-280は乗員4名(うち2名がパイロット)で最大14名の兵員を輸送する。巡航速度は280ノットで(ここからV-280の名称がついた)、最高速度300ノット、航続距離2,100カイリで先頭有効半径は500から800カイリとなる。ただし陸軍の要求性能は高高度ホバリング(高度6千フィート、温度華氏95度)および最低230ノットで2,100カイリの飛行距離だ。
  4. 三重に冗長性を持たせたフライトバイワイヤ飛行制御システムと最新鋭エイビオニクスを備えた試作機は数か月以内に初飛行する模様だ。8月30日時点で機体は100パーセント完成しているようでN280BHの登録番号を付けベルヘリコプターのアマリロ機体組立施設に姿を現した。早ければ9月の初飛行前にエンジンテストをしているのだろう。
  5. T64-GE-419にギヤボックスを組み合わせ左右ナセルに搭載した姿がわれわれの友人スティーブ・ダグラス撮影の画像で見られる。興味を引くのはV-22のエンジンはギヤボックスとともに回転するが、V-280ではギヤボックスだけ回転する構造になっていることだ。ベルによれば「出力シャフトは駆動系にらせん状傾斜したギヤボックスを介して接続し、動力を固定ギヤボックスとプロップローターのギヤボックスに伝達し、後者が巨大な球状ベアリング上で回転する。ベアリングを動かすのは変換アクチュエータ機構だ」という。ヴァラーのギヤボックスが傾斜していることでオスプレイのティルトローター用複雑な油圧機械式機構を大幅に簡略化している。
  6. 米陸軍は汎用ヘリコプター、攻撃ヘリコプターとして採用を期待する。このため別途V-280と呼称される機体がロケット弾、ミサイル他小型UAVを機体前後に搭載するはずで、ローターの影響を考えなくてもよいのでレイアウトは自由だ。
  7. ベルヘリコプターのアマリロ施設では日本向けV-22オスプレイの一号機も最近目視されたばかりだ。■

2016年6月15日水曜日

★★米海兵隊が進めるオスプレイ改良、武装化、空中給油能力、さらにC型の開発



海兵隊はオスプレイの最大のユーザーですが、独自に発展を考えているようです。C型というのは海軍仕様のCODにつく名称だと思っていましたが、先に海兵隊が取ってしまったのでしょうか。今後変更もあるかもしれませんね。

The U.S. Marines Want to Turn the MV-22 Osprey into a Lethal Flying Tank

June 13, 2016

米海兵隊はMV-22オスプレイにレーザー誘導方式2.75インチロケット弾、ミサイル、重機関銃を搭載する武装案を検討中だ。実現すれば同機のミッションは従来の補給・輸送に戦闘任務も追加される。

MV-22の武装化

  1. 「NSWC(海軍水上戦センター)のダルグレン施設で前方発射式ロケット弾、ミサイル、固定機関銃、機首装着銃に加え30mm砲、投下式ロケット弾、誘導爆弾をV-22で運用する可能性を探っています。この結果から海兵隊はMV-22Bオスプレイの武装化の決断を下します」とサラ・バーンズ大尉がScout Warrior へ書面で連絡してくれた。
  2. オスプレイ武装化で小火器、ミサイル、ロケット弾から防御性が高まり、輸送任務中のリスクが減る。さらに精密誘導兵器は海兵隊の兵力展開時に敵制圧能力となる。
  3. 武装オスプレイの登場でティルトローター機中心の戦術案の効果が上がる。同機のスピードとホバリング能力を活用し移動式迫撃砲や軽車両を運搬し、前線の海兵隊員を支援する構想で、奇襲攻撃も想定する。
  4. V-22武装化の第一歩は目標捕捉FLIR装備の選択、デジタル相互運用性、機体生存装備の選択だ。新型兵装の搭載は早ければ2019年からとバーンズ大尉は述べた。
  5. またバーンズ大尉は「強襲支援」はMV-22の主要任務として変更はないと述べている。「地上及び空中ミッションの指揮官の選択肢を広げ、即座に効果が出る防御手段となります。兵装の選択次第ですが、将来のティルトローター機は防御からガンシップ、警戒監視まで各種の能力を発揮するでしょう」
  6. レーザー誘導式ハイラ2.75インチロケット弾はフィン折り畳み式でアパッチ攻撃ヘリコプターに導入済みだがオスプレイで精密攻撃能力が実現する。レーザーを利用した2.75インチロケット弾発射方式は高性能精密破壊兵器システムAPKWSと呼ばれる。
  7. ベル=ボーイングは機体横にパイロンを付け各種兵器共通運用を図る。 「当社はベル社と共同でロケット弾をAPKWS構想の一部として機体に装着してみました。2.75インチロケット弾、レーザー誘導兵器やグリフィンミサイルです。レーザー照準の実験で効果を確認しています」とベル=ボーイングの業務開発部長リック・レマスターがScout Warriorに語ってくれた。また海兵隊はMV-22に50口径あるいは7.62mm 銃の搭載も考えているという。

新型オスプレイが2030年に登場

  1. 海兵隊ではさらに新型オスプレイMV-22Cを2030年代中頃の稼働開始想定で現在企画段階にある。海兵隊は新型オスプレイの構想としてティルトローター技術を元に性能をさらに引き上げると説明している。詳細はまだ不明だが、おそらく改良型センサーやデジタル航法で他機との接続を実現し、飛行速度やホバリング性能はさらに引き上げ、ペイロードが増え、次世代エイビオニクスを搭載し、機体防御装備としてミサイルや小火器対応をするだろう。
  2. 詳細はまだ不明だが、海兵隊関係者からScout WarriorにC型はこれから登場する次世代航空技術を搭載するとわかった。
  3. 「性能向上策で海兵隊に高性能中型強襲支援機が手に入ります」と海兵隊広報官ポール・グリーンバーグ少佐がScout Warriorに伝えている。
  4. オスプレイは水平飛行で280ノットが出せ、通常の回転翼機より戦闘半径が大きいことがまず特徴としてあげられる。
  5. ティルトローターの特徴でヘリコプターモードのホバリングで接近偵察をし、垂直着陸で兵員、装備、物資の輸送した後で航空機モードで固定翼機並みのスピードで飛行できる。一回の燃料補給で飛行できる半径は450カイリと海兵隊は説明している。
  6. 「2007年の供用開始以降MV-22は過酷環境で運用中です。イラクやリビアの砂漠からアフガニスタンやネパールの山地、揚陸強襲艦にも搭載されています。2007年1月から2015年8月まで海兵隊MV-22の総飛行時間は178千時間に上り各種戦闘作戦を支援してきました」(グリーンバーグ少佐)
  7. MV-22はこれまで290機がメーカーのベル=ボーイングから引き渡されており、最終的に360機になる。

FVL新技術をオスプレイに流用

  1. グリーンバーグ少佐はさらにMV-22Cで陸軍が推進中の次世代垂直離着陸機FVLで開発する技術も導入すると述べた。
  2. 「MV-22Cは進行中の各軍共用多任務次世代垂直離着陸機で導入する新技術も利用するほか、開発中の技術開発成果も使うでしょう」
  3. 米陸軍は2030年までの供用開始をめざし高性能高速かつ高効率の中型ヘリコプターの実証機で二社に開発製造契約を交付している。狙いは航空機同様の高速飛行とヘリコプターのホバリング性能を同時に実現することだ。
  4. このため各種技術の応用が想定され、軽量機体構造で抗力を下げ、各種推進方式、燃料効率が高いエンジン、複合材料や新型センサー技術の採用、航法、目標捕捉能力の改良、デジタルコックピットまで幅広い。
  5. 要求内容には「高度高温」環境での運用能力もあり、華氏95度高度6,000ft.という通常型ヘリコプターでは運用が難しい環境での運用を求めている。大気密度が薄く、気圧が低くなるためヘリコプターの操縦と運用は困難になる。
  6. 陸軍の共用多用途技術実証事業はJMR TDと呼ばれ、ベルヘリコプター=テキストロン、シコルスキー=ボーイングの各チームが契約を交付され、2017年までに実証機を生産し、次の中型ヘリコプター開発につなげる。
  7. テキストロン傘下のベルヘリコプターはティルトローターのベルV-280ヴァラー、シコスルキー=ボーイングチームはSB>1ディファイアント同軸ローターブレイド機をそれぞれ製造中だ。同軸ローターブレイドは反対回転するブレイド二組と機体後部に取り付けた推進器を組み合わせ安定した高速飛行、ホバリング性能、操縦安定性を同時に実現する。ベルのV-280はティルトローター式でオスプレイとの共通点が見られる。
  8. 次世代垂直離着陸機で想定する任務には輸送、武装偵察、攻撃、人道援助、MEDEVAC(救急搬送)、対潜戦、対水上艦戦、陸上海上での捜索救難、特殊作戦支援、機雷掃海があると陸軍は説明している。
  9. 今後登場する技術分野には次世代センサー、航法技術、自律飛行、雲中透視、埃や異物が散乱する「低視認度環境」での飛行がある。

空中給油能力など既存型の改良進む

  1. 陸軍主導で開発する技術要素を海兵隊は新型オスプレイにも搭載する一方で既存MV-22でも技術改良を続ける。
  2. V-22空中給油システムVARSがその一つで、2018年供用開始とグリーンバーグ少佐は説明。
  3. 「VARSでF-35BライトニングII戦闘機におよそ4,000ポンドの給油が初期作戦能力として可能になります。2019年までに1万ポンドに拡大します。F-35Bの行動半径が延びるとともに目標上空で滞空時間を延長できます」
  4. またオスプレイからヘリコプターへ速度110ノットで、固定翼機には220ノットで空中給油できるようになるとレマスターは述べている。
  5. VARSの対象はCH-53E/K、F-18,AV-8Bハリヤーに加えV-22も含むとグリーンバーグ少佐は解説してくれた。
  6. 海兵隊ではオスプレイに高度ネットワーク技術の搭載も狙い、「デジタル相互運用性」“Digital Interoperability”略してDIと呼ぶ。このネットワークでオスプレイ乗員は後部に乗る海兵隊員含め戦術戦略情報を機内で入手できる。DIは第十五海兵遠征部隊が試用中で2017年中に供用開始する。■


本記事の著者クリス・オズボーンはScout Warriorの編集主幹。Scout.comで独自取材源で記事を執筆好ている。Scout Warrior は軍事関連記事を幅広く提供しており、兵装から次世代技術まで扱い、その他軍関連情報を公開している。オズボーンは現職の前にMilitary.comで服編集人をつとめていた。本記事はScout Warriorからの転載である。