ユタ州ヒル空軍基地でタキシングするF-35A(2025年2月18日撮影) U.S. AIR FORCE / SENIOR AIRMAN NICHOLAS RUPIPER
ロッキード・マーティンは米F-35戦闘機に新ソフトウェアを今夏リリースすることを目指している。
ロッキード航空部門の責任者グレッグ・ウルマーは、「顧客の評価と、完全な戦闘能力を持つ納入品として承認されるかが重要だ」と語った。「完全な戦闘能力と呼べるものを得るために、当社は引き続き取り組みます」。
テクノロジー・リフレッシュ-3(TR-3)と呼ばれる新しいスイートは、ブロック4の改良に必要なソフトウェアとハードウェアのアップグレードで、当初は2023年4月に完成予定だったが、ソフトウェア開発で何度も延期され、ロッキードと国防総省は、完全版の納期をまだ確定していない。
ロッキードは、TR-3の能力を提供するために「98%完了」しているが、アップグレードで機密部分についてまだ作業が残っていると、ウルマーはAFA主催のシンポジウム会場で本誌に語った。
ソフトウェア開発はF-35プログラムで茨の道であり、ソフトウェアの不安定さが同機の性能に影響を及ぼしている。 国防総省はこうした問題や遅れのため、新型F-35の受け入れを1年間停止した。
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F-35のフルアップグレードパッケージは今年中に実現しないかもしれないとロッキードが見解を述べた。
ウルマーは、TR-3ソフトウェアは「非常に強力」で、初期のTR-2ソフトウェアより安定していると述べた。
ロッキードがTR-3の開発を終え、ブロック4の機能を展開し始めるにあたり、同社は「より多くのリソースを投入している」とウルマーは述べた。ロッキードが国防総省と交わした、TR-3の全機能を持たずに納入されたジェット機を対象に相殺された資金を回収する取引の一部である。
同社は、レイセオン、ノーストロップ・グラマン、BAEといった、このプログラムの主要下請け会社との協力関係を、デジタル・ツイン・モデルを共有することで改善し、ハードウェアを入手する前に問題を解決している、とウルマーは言う。
「ハードウェアを手に入れる前に行っている統合作業の量は、F-35の過去の経験から何倍も改善されています。経験から左から右へと発見を進めています」。
ロッキードがF-35の将来のアップグレードに取り組むなか、同社は新政権が購入計画を縮小するかどうか注視している。国防総省が今後5年間の予算の8%を別の構想に振り向ける計画であり、ホワイトハウス顧問のイーロン・マスクによるF-35批判と相まり、将来の受注に深刻な影響を及ぼす可能性が生まれている。
ロッキードの工場は年間156機を製造する体制にあり、購入総額が削減されれば、機体価格に影響するだろうとウルマーは言う:同社は海外注文でギャップを埋めようとするだろうが、それはタイミングとどのようなバリエーションに左右される、という。
欧州でのF-35の将来は、ドナルド・トランプ大統領の欧州大陸からの撤退や、米国依存を減らそうとする欧州諸国の努力から影響を受けるかもしれない。
ウルマーによれば、欧州諸国はF-35をまだ欲しがっている。その理由のひとつは、同盟国間の相互運用性と空の情報ハブとしての能力だ。
しかし、もし米国が欧州撤退を続け、同盟国との情報共有の量も変えていけば、F-35プログラムへの影響は未知数となる。
「それは政府に聞いてもらいたい質問です」(ウルマー)。■
F-35 to get new software this summer—but there’s no date yet for planned full upgrade
Lockheed is hoping to wring out problems this year as the new administration revisits purchase plan.
STAFF WRITER
MARCH 6, 2025
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