CMV-22の飛行停止措置は米海軍に"モーニングコール"となった(The War Zone)―C-2グレイハウンド退役が現実となり、オスプレイによるCOD任務がますます重要となっている米海軍の現状をお伝えします
USN
海軍はCMV-22Bで洋上の空母への不可欠な支援を提供できると自信を持っているが、稼働率と信頼性を向上させる必要があると認識している
米海軍の上級航空士官は、2023年に日本沖で起きた米空軍のCV-22Bの致命的な墜落事故を受けて、世界中の事実上すべてのオスプレイ・ティルトローターが3ヶ月間にわたって飛行禁止措置を受けたことは、海軍の所属部隊に深刻な波紋を投げかけたと言う。
海軍のCMV-22Bが休眠状態にあるため、老朽化したC-2グレイハウンド機を急増させて、世界中の米空母に不可欠な兵站支援を提供もののが、最後のC-2が来年に退役するため、CMV-22Bの準備と信頼性がさらに重要となってくる。
ダグラス・"V8"・ベリッシモ海軍大西洋航空部隊(AIRLANT)少将Rear Adm. Douglas “V8” Verissimoは、本誌も出席した海軍海空宇宙2025展示会のパネルディスカッションで、CMV-22BとC-2について語った。海軍は2021年にオスプレイの初期運用能力を宣言した。米海兵隊と空軍もそれぞれMV-22BとCV-22Bを運用中だ。 現在、海外でオスプレイを運用しているのは自衛隊だけである。
2023年のCV-22の墜落事故は、「C-2からCMV-22への移行を予期している私たちの多くにとって、間違いなく警鐘を鳴らすものでした」とベリッシモは率直に語った。「C-2の乗組員たちは、由緒ある古い機体とともに立ち上がり、仕事をこなしてくれた。空母への艦載機輸送(COD)を維持する要件が予想外に急増した」。
COD任務とそれを遂行する機体は、空母とその関連打撃群にロジスティクスと関連支援を提供する。これには、貨物や人員の輸送・回収、医療搬送などの任務が含まれる。CODは、一般的に、空母打撃群の作戦に不可欠な側面であり、インド太平洋地域の広い範囲における重大な危機の際には特に重要である。
「彼らはE-2飛行隊からC-2飛行隊に復帰し、任務を遂行するためのデット(分遣隊)の人員と能力を確保しました」とベリッシモは付け加えた。
C-2は、E-2ホークアイ空母艦載早期警戒管制機から派生したものだ。 両機の初期型は1960年代に初めて飛行した。新しく改良されたE-2Dアドバンスド・ホークアイは、空中給油機能を搭載した機体も含め、少なくとも2040年代までは海軍で飛行し続ける予定である。
手前がE-2Cホークアイ、奥がC-2Aグレイハウンド。 米海軍
「2023年の災難が教えてくれたことに、私はとても自信を持っている。 カール・チェビ中将と我々のチーム全体が、信頼性の観点、安全性の観点からシステムを理解し、乗員を熟練させる包括的な検討を行ってきたことに非常に自信を持っています」と同少将は続けた。
2023年の墜落事故後の飛行禁止措置は1年以上前に解除されたものの、米軍のオスプレイのオペレーターたちは、事故前の運用テンポに戻すため、非常に慎重かつ計画的なスケジュールに従っている。さまざまな飛行制限は依然として実施されたままだ。勧告多数を含む事故の最終的な包括的レビューが完了するのは、まだ数週間先のことである。 2024年6月時点でアメリカのV-22の飛行が全体的に「通常」のテンポに戻るのは今年の半ばになるだろうと予想されていた。
「私はこのプラットフォームに自信を持っている。分遣隊の編成にも自信があり、空母の航続距離と必要条件を維持できる」とベリッシモ少将は強調した。「実のところ、CMV-22を回収する能力は、空母に搭載するための多くの側面において、(C-2のような)テールフック機よりも制限が少ない。 だから、そこに良さがある」。
海軍は長い間、C-2からCMV-22への置き換えをゲームチェンジャーとして宣伝してきた。 オスプレイの垂直離着陸能力は、ターボプロップ並みの速度で巡航しながらも、打撃群のその他艦船にペイロードを直接運搬できること、陸上の滑走路に縛られないことなど、重要な利点をもたらす。C-2の場合、貨物や人員はまず空母に運び、それからヘリコプターで他の艦船に移動しなければならない。
米海軍3等兵曹デレク・ケリー
CMV-22BはC-2とは異なり、飛行中に燃料補給もできる。海軍のオスプレイは、グレイハウンドよりも燃料や貨物を含めた総重量が大きく、機体の下に吊り下げ重くて大きな荷物も運ぶことができるため、空母に着艦ができる。 F-35C統合打撃戦闘機用のF135エンジンの予備を洋上の空母に運ぶ必要があるため、大きな貨物を運ぶ能力はCMV-22Bにとって特に重要である。
オスプレイ固有の多用途性により、海軍は通信ノードとして機能するなど、他の任務を担う可能性も提起している。
同時にオスプレイは、2007年に海兵隊が最初の運用能力を宣言して以来、数々の致命的な墜落事故を含む運用実績があり、非常に物議を醸し続けている航空機でもある。その時点で、V-22はすでに非常に問題が多く、長引く開発プロセスで苦労していた。
オスプレイは昨年12月、空軍のCV-22が墜落し、幸いにも致命的な事故には至らなかったが、その後、すべてのオスプレイが再び地上待機措置となった。海兵隊は現在、最大の規模の同機運用者となっているが、MV-22Bの公式な墜落事故率は、運用している全機種の平均値内に収まっていると一貫して主張している。
海兵隊のMV-22Bオスプレイ群。 USMC
これを念頭に置きながら、そして彼の自信の表明にもかかわらず、「海軍が3機のCMV-22Bのうち2機を常に飛行甲板上に待機させておくため必要な即応態勢を支えるシステムを......研ぎ澄ます必要がある」とベリッシモ少将は今日述べた。「空母に必要となる搭載品を供給するために何が必要なのか......海軍の焦点を絞って共同プログラムを管理する必要がある」。
またAIRLANT司令官は発言に先立ち、残存するC-2艦隊が提供中のバックアップ能力について警告を発していた。2023年のCV-22の墜落以来、海軍は一貫して、2026年にグレイハウンドを完全退役させるという現在の計画に固執すると言ってきた。
その一方で、CMV-22Bが再び長期間の地上待機を余儀なくされることになれば、空母に洋上で物資を供給し続ける任務の空白を埋めるC-2にはもう期待できなくなる。■
CMV-22 Grounding Was “Wakeup Call” For Navy, Stakes Higher With C-2 Gone Next Year
The Navy says it is confident in the CMV-22B to provide critical support to carriers at sea, but that its readiness and reliability need to be improved.
Published Apr 8, 2025 7:53 PM EDT
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。