民間企業メトレアがインド空軍の給油訓練契約を獲得(Alert 5) ― 民間企業が軍の支援任務にあたり、ビジネスとして成立するということはこれからのヒントとなる事例でしょう。日本でも進出する企業が出てこないものでしょうか
Airwolfhound from Hertfordshire, UK, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons
民間の空中給油(AAR)サービスのプロバイダーMetreaメトレアは3月31日、インド空軍(IAF)と空中給油訓練の契約を締結したと発表した。 契約に基づき、メトレアはインド中部のインド空軍アグラ基地を拠点にKC-135空中給油機を提供する。この重要な契約は、IAFのAAR訓練能力を大幅に拡大し、それによって全体的な作戦即応性を向上させることになる。
今回の進展はメトリアが2024年7月にフランス空軍のC-135FRとKC-135RGタンカーを取得したことに続くものである。この買収により、メトレアは既存の4機のKC-135Rに14機を加え、合計18機を保有することになった。メトレアは、C-/KC-135航空機を所有し、運航している唯一の民間企業である。
メトレアはまた、アメリカ空軍との間で特筆すべきマイルストーンも達成した。歴史上初めて、メトレアはRESOLUTE HUNTER演習を支援するため、米空軍のRC-135およびE-3航空機に空中給油を提供した。 メトリア・ストラテジック・モビリティ(MSM)は、2023年6月23日から29日の間に4回の空中給油支援ミッションを実施した。これらのミッションでは、合計13回のブームコンタクトと約90,000ポンドの燃料を補給し、RC-135とE-3のクルーに空中給油訓練を提供し、演習への参加を拡大することができた。民間による空中給油を受けた最初の米空軍機となったのはオファット空軍基地第55飛行隊に配属されたRC-135リベット・ジョイントで、ティンカー空軍基地の第552航空統制飛行隊に配属されたE-3セントリーがそれに続いた。
これに先立ち、メトレアは2023年4月17日、フロリダ沖で米海軍のP-8ポセイドン機に史上初の民間ブーム空中給油を実施するという歴史的快挙を成し遂げた。この訓練では、2機のP-8ポセイドンが4時間にわたって給油を受け、海軍の最前線部隊の即応態勢と訓練が大幅に強化された。米海軍と海兵隊の部隊が、訓練と支援のために定期的に民間の空中給油サービスを利用していることが注目に値する。
メトリア・ストラテジック・モビリティは、2021年後半からNAVAIRとの契約を通じて米海軍と強力なパートナーシップを維持しており、93%という驚異的な任務信頼率を達成している。
メトレアはまた、2025年3月にドイツ空軍のトルネードおよびユーロファイター部隊に専門的な空中給油訓練を提供することが決まった。 ドイツ領空内で実施される3週間のプログラムは、トルネードのブーム・ドローグ・アダプター(BDA)空中給油技術に集中し、将来の国内訓練サービスにとって重要な概念実証となる。この構想は、8ヶ月前に実施された「Pacific Skies」ミッションの成功に基づくもので、2機のメトレア所有のKC-135タンカーが、ドイツ空軍のユーロファイター3機の日本からハワイへの無着陸飛行を支援していた。この10時間31分のミッションで49.5トンの燃料を輸送し、メトリアの卓越した長距離空中給油能力を実証した。
メトリア・ストラテジック・モビリティは、KC-135R航空機を保有・運航する唯一の企業であり、軍事訓練や作戦にシームレスで安全かつ専門的な空対空給油サービスを提供している。メトリアのタンカーは、主翼搭載型多地点給油システム(MPRS)ポッド2つを装備し、プローブを装備した海軍、海兵隊、およびパートナー国の航空機への給油を可能にするほか、海軍のP-8や米空軍機などのレセプタクルを装備した受信機への給油を可能にする空中給油ブームも装備している。
インド空軍との新たな契約は、民間空中給油サービスに対する需要の高まりを強調するものであり、メトリアがこの重要な分野で果たす役割と世界的な影響力の拡大を強調している。
メトリア・ストラテジック・モビリティの責任者ジェームス・"スリム"・モーガンは、「メトリアはインド空軍と協力できることを光栄に思います。当社の契約は、AAR訓練能力を迅速に拡大し、IAFの即応性を向上させる広範な訓練、演習、移動の機会を促進する」と述べた。■
Metrea secures Indian Air Force refuelling training contract
Posted on April 1, 2025 by alert5
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