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2022年10月21日金曜日

ロシア機が英スパイ機にミサイルを「誤射」していた。9月、黒海上空で。

 

 

Russian Su-27 Released Missile During Intercept Of British RC-135 Spy Plane

Crown Copyright

 

 

この事件を受け英空軍のRC-135は、黒海上空の任務にタイフーン戦闘機で護衛されるようになった

 

国防省は、ロシアのSu-27フランカーが英国空軍のRC-135Wリベットジョイント電子偵察機と遭遇し、ミサイルを「発射」したと明らかにした。この事件は、ロシア軍とNATOの間で緊張が高まる黒海上空で発生し、過去には英軍艦が接近遭遇したこともある。しかし、ミサイルが誤って発射されたかどうかにかかわらず、致命的なエスカレーションにつながった可能性は考えられる。いずれにせよ、英空軍のRC-135は、この事件の結果、黒海上空を飛行する際にタイフーン戦闘機に護衛されることになった。

 

 

NATOの同盟国との演習から戻り、イギリスのワディントン空軍に着陸する第51飛行隊のRC-135Wリベット・ジョイント(シリアルZZ664)。9月29日に黒海で発生した事件の関係機と思われる。Crown Copyright


ベン・ウォレス国防大臣は本日、下院で9月29日に黒海上空の国際空域で発生した事件の詳細を説明した。しかし、この事件の多くは依然不明である。「発射された」という言葉は、ミサイルがレールからきれいに発射されたのか、それとも何らかの方法で発射され、誘導も動力もないまま落下したのか、わからないことを意味する。

ウォレスは、この事件で「非武装のRAF RC-135 Rivet Joint」は、イギリスのワディントン空軍基地から飛行し、ロシアのSu-27の2機と合計約90分間「相互作用」したと説明した。国際空域でのこの種の飛行ではごく普通の手順だ。しかし、うちの1機が「リベットジョイント付近で目視範囲を越えてミサイルを発射した」。

 この最後の点の表現も少し不思議で、大臣が目視範囲を超えたミサイルの発射を説明しているのか、それともRC-135Wとの関係で目視範囲を超えたミサイルが発射されたのか、あるいはその両方なのかが不明だ。

 

 

RC-135W リベットジョイントに関する英国空軍の公式ファクトシート。Crown Copyright


英国防相は、RC-135Wとその乗員がどの程度危険にさらされていたのかについても、明らかにできないが、「潜在的に危険な交戦」と烙印を押している。同時に、「意図的なエスカレーション」とは考えられないと述べており、他の可能性を軽視しているようだ。

 米空軍が飛ばすリベット・ジョイントは、極めて強力な電子・信号情報収集プラットフォームだ。レーダーなどの各種信号発信機の種類や位置などの情報を吸い上げ、敵対国や潜在的な敵対国の防空、指揮統制などの能力を詳細に示す電子戦闘指令を構築するのに役立つような装備が施されている。また、通信傍受も行う。そのため、黒海やクリミア半島などにおけるロシア活動を監視する重要な役割を担っている。

 ミサイルの種類は明らかにされていない。もしロシア機がSu-27(より近代的なフランカーではなく)であれば、旧式の空対空兵器、主にセミアクティブ・レーダーまたは赤外線誘導による中・長距離型のR-27(AA-10アラモ)ファミリー、および赤外線シーカーによる短距離型のR-73(AA-11アーチャー)だけであることはほぼ間違いない。

 

 

2014年6月、バルト海上空の国際空域で、RAFタイフーンから離れるロシアのSu-27フランカーがバンクする。このロシアの戦闘機は、レーダーと赤外線誘導のR-27とヒートシーキングのR-73空対空ミサイルを搭載している。Crown Copyright

しかし、このミサイルが実際にモーターを作動させたかどうかはわからない。しかし、モーターと弾頭を搭載していたことはほぼ間違いないだろう。もしそうであれば、たとえ意図せず発射されたとしても、これらの兵器はRC-135Wを空から打ち落としていた可能性がある。

 ロシアが英国に説明したのは、この最後の一線だ。

 ウォレス国防相によると、ロシアはミサイル発射を「技術的な不具合」と説明した。前代未聞ではないが、これまでの偶発的なミサイル発射の事件は、技術的な問題ではなく、パイロットのエラーによるものである傾向がある。

 英国防相は次のように述べた。「こちらの分析では故障だった」。

 現段階では、RC-135W乗員がどのようにミサイルの発射を知らせたのか、あるいはその時気づいていたのかどうかもわからない。

 RC-135Wは任務を終え、無事に基地に帰還した。    Flightradar24のデータによると、問題のリベットジョイントはシリアル番号ZZ664で、ミッション時間は10時間30分であった。

 ウォレスは、「懸念は、ロシア国防大臣(セルゲイ・ショイグ)とモスクワの国防参謀長に直接伝えた」と述べた。さらに、「書簡の中で、該当機が非武装で、国際空域を飛行し、事前通知した飛行経路をたどっていたとを明らかにした。ロシア政府から回答があるまで、パトロールを中断することが賢明であると考えた」。

 「10月10日のロシア国防相の回答では、事故の状況について調査を行ったとし、Su-27戦闘機の技術的な不具合であったと述べている。また、事件は国際空域で起きたことを認めている」。

 英国国防省がこの事故について報告した後、RC-135Wによる定期パトロールは、タイフーン戦闘機による護衛付きで再開すると決定された。リベットジョイントと一緒にこの戦闘機がいることは、ここ数日、フライトトラッキングサイトで注目され始めていた。

 ウォレスはまた、この事件に関する情報がイギリスの同盟国と共有されていると認めたが、どのような対策をとったかは不明だ。

 「我々はロシアが今回の事件が国際空域で発生したと認めたことを歓迎し、英国は2019年以降、黒海上の国際空域でRAF リベットジョイントによる定期的なミッションを行っており、今後もそうする」。

 英国防相は、ロシアの軍事活動に関しても警戒の言葉を発し、同国軍が 「ルールは適用されない」と判断するのは 「認められない」と指摘した。

 ミサイル発射が偶発的なものであったことにモスクワとロシアが(少なくとも公の場では)同意しているようだが、Su-27は特に黒海上空で大胆かつ時に危険な迎撃している。

 2020年、Su-27は米空軍のB-52Hに接近し、「ドカーン」または「ヘッドバット」と呼ばれる作戦を、やはり国際空域で実行した。この事件のビデオクリップには、信じられないほどの至近距離でB-52の機首の真正面で、フランカーが同じような操縦をしている様子が映っている。言うまでもなく、国防総省はロシアの行動を非常に厳しく見ている。

 最近では、イギリスも黒海でロシア軍とやりあっていた。昨年6月、英国防省は、黒海を航行中の英国海軍45型駆逐艦「ディフェンダー」に、ロシア軍と国内治安部隊が攻撃的行動を取ったとするロシアの主張を全面否定した。

 ロシア国防省の当初の報道では、ロシア国境警備隊の艦艇とSu-24フェンサー戦闘機が英艦に威嚇射撃を行い、後者が英軍艦の進路上に高爆発性爆弾4個を投下したとされた。後に公開された映像では、ロシア船が発砲しているが、その時ディフェンダーは相当離れたところにいた。

 2014年にロシアがクリミア半島を併合したことをきっかけに、この地域は緊張状態にあった。イギリスは、クリミアに対するロシアの主張を認めていない。2月にクレムリンがウクライナに本格侵攻して以来、クリミアの戦略的重要性は増すばかりだ。実際、リベットジョイントの事故に巻き込まれたSu-27はクリミアで運用されていた可能性が高い。クリミアにはサキなど空軍基地があり、8月に爆発が起き少なくとも10機のロシア海軍機が損傷または破壊された。

 今回の事件は、ロシア軍とNATO同盟国との間でエスカレートする可能性が極めて高く、ウクライナ戦争が続く限りそうなり続ける事実を、劇的に思い起こさせてくれた。今回のミサイル誤作動は、重大な誤算や判断ミスの可能性を高める。

 事件の詳細を英国防省に問い合わせたが、安全保障上の理由で、国防相のコメント以上の情報はないと言われた。詳細が判明した場合には、記事を更新する。■

 

 

Russian Su-27 Released Missile During Intercept Of British RC-135 Spy Plane

 

BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED OCT 20, 2022 12:20 PM

THE WAR ZONE



2016年1月29日金曜日

★黒海上空で米軍偵察機がロシア戦闘機に迎撃される(またもや)



また一触即発になりかねない事態が発生しています。米ロ、NATO対ロシアの危険な遭遇が軍事対立にならないよう祈るばかりですが、かつては米ソの時代は抑制していたのに現在のロシアは全く行動様式が変わってきたようですね。同じことは中国についても言えるはずで、普段から衝突回避のメカニズムを作っておくことが必要ですね。

Pentagon: Russian Fighter Conducted ‘Unsafe’ Intercept of U.S. Recon Plane Over Black Sea

By: Sam LaGrone
January 28, 2016 3:49 PM
A U.S. Air Force Boeing RC-135U Combat Sent aircraft in 2004. US Air Force Photo
A U.S. Air Force Boeing RC-135U Combat Sent aircraft in 2004. US Air Force Photo
Russian Sukhoi Su-27 Flanker Righter
Russian Sukhoi Su-27 Flanker Fighter

PENTAGON — ロシア戦闘機一機が単独で飛行中の米空軍偵察機を黒海上空で迎撃したとペンタゴン報道官がUSNI Newsに1月28日知らせてきた。

  1. スホイSu-27フランカーが「黒海上空の国際空域を通常空路上で飛行していた」RC-135Uコンバットセントに迎撃をかけたと国防総省は声明文を発表している。
  2. 声明文では米軍機は「特定の事態を監視していた」とある。
  3. ロシア戦闘機は近くまで接近し、そのエンジン推力が米軍電子監視機の「操縦性を乱した」と国防関係者が The Washington Free Beacon に明らかにしている。
  4. 報道では別の国防関係者がコンバットセント機は海岸線から30マイル地点を飛行中で迎撃時点でいかなるロシア領土とは離れた地点だったと明らかにしている。
  5. ペンタゴン関係者は発言を慎重にしており、今回の迎撃が米ロ間で同日にビデオ会議が実施された理由ではないとしている。ロシア国防相関係者と国際安全保障問題担当国防次官補代理エリッサ・ストロキンおよび統合参謀本部戦略立案制作担当ケネス・F・マッケンジー中将がシリアでの米ロそれぞれの空爆作戦で衝突回避策を両国間で交換された覚書に従い討議している。
  6. ただしUSNI Newsが話を聞いた関係者はこの会議中にフランカー迎撃事件が発生したのか確認できていない。.
  7. RC-135Uはレーダー発信信号を補足し対抗手段の開発に利用するのが役目で今回の迎撃はNATOとロシア間の事件として最新の出来事になった。ロシアがクリミア半島をウクライナから併合した2014年から一連の事件が発生しており、ペンタゴンは危険性を憂慮している。
  8. ペンタゴンはRC-135各型がバルト海、黒海、太平洋それぞれのロシア支配下の空域ギリギリを飛行する際に迎撃を受けていることを「大人げない」かつ「挑発的」としている。
  9. 2014年にはロシアのスホイSu-24フェンサー一機が米駆逐艦USSドナルド・クック(DDG-75)上空を数回通過飛行した。同艦は黒海で任務にあたっていた。
  10. 昨年末にはカナダのフリゲート艦HMCSトロントがフェンサー編隊のいやがらせをやはり黒海で受けている。.
  11. ロシア関係者からは米偵察飛行の回数が2014年から急増していることへ不満が出ている。
  12. 「米軍RC-135偵察機はほぼ毎日飛行をしている。2014年は延べ140回のフライトが見られたが、2013年は22回しかなかった」とロシア空軍司令官ヴィクトル・ボンダレフ上級大将が述べている。■