米海軍
トランプ級原子力戦艦の建造で米海軍「最大の過ち」を正すと海軍トップが方針転換
海軍作戦部長は、原子力水上戦闘艦の導入を断念したことは、海軍で最悪の決定の一つだったと述べている
TWZ
ジョセフ・トレヴィシック
2026年5月14日 午後4時08分(米国東部夏時間)公開
冷戦終結後の米海軍が原子力推進水上戦闘艦建造をほぼ完全に放棄したことは、海軍で「最大の過ち」であると、海軍の最高責任者が述べた。海軍作戦部長ダリル・コードル海軍大将は本日、次期トランプ級戦艦が原子力推進となるという先日発表された決定への支持を表明する中で、このように述べた。また同提督は、イランに対する作戦に参加する通常動力艦艇への燃料補給に関して海軍が直面して課題についても明確に指摘した。この件についてはTWZが最近詳細に報じている。
本日コードル提督は、ハン・カオ海軍長官代行およびエリック・スミス海兵隊司令官と下院軍事委員会で証言した。公聴会での焦点は、海軍省の2027会計年度予算要求だった。海軍は、月曜日に公表された最新の長期建造計画でトランプ級戦艦は原子力推進を採用すると明らかにした。
「ここ数日、『トランプ』級戦艦が原子力推進となるというニュースで多くの議論や質問が寄せられていることは承知しています。ご存知の通り、ヴァージニア州には原子力艦艇建造の長い歴史があります。「現時点で具体的にどのような設計計画をお話しいただけますか?また、原子力推進が本システムの成功にどのように寄与するのでしょうか?」ヴァージニア州選出の共和党議員で元米海軍SEAL隊員でもあるジョン・マクガイア下院議員が、コードル提督に直接尋ねた。
トランプ級戦艦の模型。エリック・テグラー
「わが国は数十年前に原子力推進水上艦から手を引きましたが、それは海軍が犯した最大の過ちの一つでした。そして今、それを復活させようとしています」と、海軍作戦部長は答えた。「原子力空母との戦闘作戦を維持するためには、原子力推進の水上艦が必要です。」
海軍は原子力潜水艦の主要な運用者ではあるが、現在、原子力空母が唯一の原子力水上艦である。かつて海軍には、様々な種類の原子力水上戦闘艦が混在していた。る巡洋艦USS ロング・ビーチ、駆逐艦USS トラクストン(後に巡洋艦に再分類)、フリゲート艦USS ベインブリッジの3隻が含まれていた。また、カリフォーニア級巡洋艦2隻ヴァージニア級巡洋艦4隻も存在したが、後者は後に就役したヴァージニア級攻撃型原子力潜水艦と混同してはならない。これらの艦艇はすべて1960年代から1970年代にかけて就役したが通常動力艦より運用コストが高く複雑であったため、冷戦後の米軍全体にわたる戦力削減の一環として、1990年代に全艦退役した。
コードル大将が指摘したように、原子力推進の最大の利点は、事実上無制限の航続距離である。海軍用原子炉は、燃料補給を必要とせずに数十年にわたり稼働し続ける。高度化する一方の兵器やその他のシステムを搭載した現代の艦艇において、原子力推進は艦内発電能力の大幅な向上ももたらす。これには代償も伴う。現在、原子力水上戦闘艦を保有しているのは、世界中でロシアのみである。その艦はキーロフ級戦艦アドミラル・ナヒモフである。あらゆる種類の原子力水上艦艇に限定すれば、フランスの空母シャルル・ド・ゴールが唯一の例となる。ロシアには原子力砕氷船も数隻あるが、これらは国営原子力企業ロスアトムが運用している。
「航空・防衛・火力を持続的に提供可能な原子力戦艦をアラビア湾に配備できていたら、どのような光景になっていたか想像してみてほしい――ガソリンを必要とする艦艇をその周囲でローテーションさせながら」と、コードル作戦部長はマクガイア下院議員の質問への回答で続けた。「したがって、この要件を満たすためには、そのレベルの搭載能力を開発することが極めて重要だ。」
最近の作戦中にイランが中東の友好国に行った攻撃が、兵站網を著しく混乱させたことを海軍当局者は認めている。特に、これは同地域における通常動力艦への燃料供給方法に影響を及ぼした。詳細についてはこちらを参照されたい。
燃料供給への脅威は、今後の紛争において、特に広大な太平洋を舞台とした中国との大規模な戦闘において、海軍が考慮すべき要素となる。乗組員の糧食や航空燃料など、原子力艦と通常動力艦が依然として共通して抱える他の兵站上の要件も存在する。原子力推進を採用していても、整備やその他の要件により、艦艇が無期限に海上にとどまることはできない。
「可能な限りの手段を講じて、DDG(X)で取り組んだ技術を含む『引き継ぎ技術』を活用します」と、海軍の最高幹部はトランプ級について具体的に言及し、こう付け加えた。「同艦にはSPY-6レーダーが搭載される。また、ベースライン10のイージス戦闘システムを搭載する。当然ながら、フォード級のA1B型原子炉プラントおよびそれに付随する設計のすべてが流用される。本質的に新規となるのは船体そのものと、それに伴う装備類のみだ。さらに、指向性エナジー兵器や火力強化も新規要素となるだろう。」
コードル作戦部長は、今週初めの別の予算関連公聴会で、A1B原子炉の詳細を初めて明らかにした。トランプ級戦艦計画が、現在は中止されたDDG(X)次世代駆逐艦に関連して行われた先行作業を活用することは、以前から知られていた。
複数の種類のレーザー指向性エナジー兵器や電磁レールガンは、トランプ級戦艦に計画されている兵装パッケージの中核をなす。また、大型垂直発射システム(VLS)アレイ数基に、極超音速型を含む核および通常弾頭ミサイルが混在して搭載される予定であり、従来型の5インチ艦砲も2門装備される。
海軍は以前、現在BBGNとも呼ばれる戦艦の排水量が約35,000トンになると発表している。これは、アーレイ・バーク級駆逐艦の最新型フライトIIIの約3倍に相当する。トランプ級の全長は840~880フィート、全幅(船体の最も広い部分)は105~115フィートと予想されており、最高速度も30ノットを超える見込みだ。
注目すべきは、今日のコードル作戦部長のコメントが、彼が以前トランプ級における原子力推進の可能性について語っていた際の口調から、大きく変化している点だ。1月に開催された水上艦隊協会(SNA)の年次主要シンポジウムで記者団に対し、同大将はその実現可能性を著しく軽視しているように見えた。
「これは論理的な疑問だと思う。つまり、巨大な主力艦に多くの装備を搭載する。艦隊を指揮する大型艦としてだ」と彼は当時述べた。「原子力推進にするのが論理的だろうか?しかし、それには建造上の課題が伴い、本艦を早期に就役させるという目標の範囲を完全に逸脱する。つまり、原子力のみが実現できる持続性を得る代償として、その能力を実現するためには――結果として、戦艦の就役時期が、本艦の運用上の必要性を満たさない時期へとずれ込んでしまうのだ。」
つい先月もジョン・フェラン前海軍長官も、コストと複雑さ、過酷なスケジュール要求とバランスさせる必要性を理由に、トランプ級艦を原子力推進にする可能性は低いと述べていた。フェランは、その発言からわずか2日後に突如解任された。戦艦の計画、特にそれに関する意見の相違や、トランプ政権内部でのその他の摩擦が、解任の要因となったとの報道がある。
「彼はとても良い人物だ。彼を本当に気に入っていたが、必ずしも[ピート・ヘグセス]長官とは限らないが、他の数名とは対立があった」と、トランプ大統領は4月23日の記者会見でフェランについて語った。「非常に意欲的な人物だが、主に新造艦の建造や購入に関して、他の人々と対立があった。私は新造艦の建造に関して非常に積極的だ。」
現状では、海軍は依然として、トランプ級戦艦の発注を2028会計年度まで見込んでおらず、同艦の就役も2036会計年度以前は見込めないとしている。少なくとも1番艦の現在の推定単価は約170億ドルで、これは今後建造される4隻のフォード級空母の予想価格よりかなりの高額となる。
原子力推進の決定が発表される前から、本誌は同艦の計画について、その正確な運用上の有用性や、関連コストとリスクを含め、数多くの疑問を提起していた。今日のコードル大将による「プルスルー効果の活用」に関する発言はさておき、原子力推進艦は本質的に複雑かつ高コストで、能力向上に伴うトレードオフである。こうした艦艇を建造するには、専門的な労働力とサプライチェーンが必要となる。ハンティントン・インガルズ・インダストリーズ傘下のヴァージニア州のニューポート・ニューズ造船所は、現在、米国で唯一、原子力推進の水上艦フォード級空母を建造している造船所であるが、建造のすべてが遅延に見舞われている。
国内には原子力潜水艦を建造する造船所がさらに2か所あるが、いずれも海軍の要求を満たすために状況が逼迫している。米国の核抑止力三本柱で海洋戦力部分に空白が生じないよう、新型コロンビア級原子力弾道ミサイル潜水艦の建造スケジュールを厳守することが特に求められている。さらに現在、オーストラリア海軍へのヴァージニア級潜水艦の供給計画が進められており、コードル提督は本日、これを強く支持すると述べたが、これにより作業負荷はさらに増大するばかりである。
米国の海軍造船業界全体としては、アーレイ・バーク級駆逐艦のような通常動力型軍艦を量産し続ける需要も抱えている。冷戦終結以降、この産業は全体として懸念されるほど縮小しており、特に中国で見られる全く逆の傾向と比較すると顕著である。米国の造船所を再活性化させるための取り組み、およびその過程で海軍が直面し続けている課題は、本日の下院軍事委員会公聴会における主要な議論の焦点となった。
本日、コードル提督が原子力水上艦隊への支持を広く表明したことで、海軍がこの能力をトランプ級を超えて拡大することに興味を持つ可能性があるかという新たな疑問が生じている。海軍の過去の原子力水上戦闘艦の一部は、従来型の設計を基に開発された。同時に、そのような決定がなされても、新型戦艦が直面するのと同じ造船能力やその他課題に直面することになるだろう。
トランプ級に限って言えば、同艦の計画はさらに進化する可能性もあれば、あるいは完全に打ち切られる可能性さえある。現在提示されているスケジュールでは、戦艦建造計画は次期大統領政権の任期中も継続することになっており、その時点で新たな原子力水上艦隊の運命が劇的に変わる可能性がある。■
ジョセフ・トレヴィシック
副編集長
ジョセフは2017年初頭から『The War Zone』チームの一員である。それ以前は『War Is Boring』の副編集長を務め、その署名記事は『Small Arms Review』、『Small Arms Defense Journal』、『Reuters』、『We Are the Mighty』、『Task & Purpose』など、他の出版物にも掲載されている。
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Published May 14, 2026 4:08 PM EDT
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