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リトアニアがカリニングラードのロシア飛び地への貨物搬送を規制する理由とは

スウォーキーギャップは、リトアニアとポーランド国境に続く、ベラルーシとロシアのカリーニングラード間の回廊。   リ トアニアは土曜日、EU制裁対象のロシア製品の通過禁止措置をとり、ロシアの飛び地であるカリーニングラード州を切り離した。  同州のアントン・アリカノフ知事によると、この禁止措置で、同州に入る全商品の半分が遮断され、大半は鉄道を経由して運ばれるという。また、カリーニングラード州で唯一のロシアからの石油パイプラインも遮断される。  この動きは、4月に行われたロシア公認の航空会社21社に対するEUの飛行禁止措置の上に行われ、同様にカリーニングラードへの物資輸送を阻止するものだ。同領域への輸送方法は、国際海域を通る海路のみとなった。  これに対してロシアは、リトアニアが「深刻な」不特定の結果に直面することになるだろうと述べている。  リトアニアはNATO加盟国であるため、ロシアが直接軍事行動を起こせば、条約第5条が発動され、同盟国全体がロシアと戦争状態になる。バイデン米大統領は一般教書演説で、NATOの領土を「隅々まで」守ることを誓った。3月にはリトアニアへの駐留を強化し、駐留軍を約1,000人にまで増やした。 カリーニングラード州はどこにあるのか? 南はポーランド、東と北はリトアニアに挟まれたバルト海沿岸に、山のくぼみのように孤立した港町、カリーニングラードがその名の由来である。 なぜカリーニングラード州はロシアの一部なのか? カリーニングラード州は、ロシア領だ。首都モスクワから約680マイル離れた飛び地である。  第二次世界大戦終結後、ポツダム会談でソ連はカリーニングラード領の支配権を得た。1991年のソ連崩壊後もロシア連邦に属し、周囲には新たに独立した国々が生まれ、西側と密接な関係を持つようになった。ポーランドとリトアニアがNATOに加盟した。 なぜカリーニングラードは重要なのか? カリーニングラードは、バルト海で唯一、年間を通した不凍結港であり、ロシア海軍の重要な拠点である。北極海を通る北方航路で北欧を一周する必要がないため、戦略的に重要な位置にある。。  カリーニングラードは、ロシアがNATOの戦線の背後に海軍の艦艇を駐留させていることも意味する。  リトアニアによると、ロシアは艦隊とともに、核兵器も領土内に駐留させている。ロシアは3月、「わが国に対す

制裁措置はロシアに対する経済戦争だ。冷戦時を思わすその効果でロシアの軍民両部門は今後苦しむことになりそう

  Russian military drilling with artillery. Image Credit: Creative Commons.   対ロシア技術戦争の行方 ロシアがウクライナ侵攻を開始した直後、米国はじめ各国は、モスクワに対して史上最も積極的な技術的制裁を開始した。  ある意味で、冷戦時代にロシアの技術を締め上げた努力に類似している。冷戦時代、ソ連を国際的な技術開発から切り離すことが、米国の大戦略の中心だった。ソ連を孤立させるのが、米国による封じ込め政策で一貫した要素の1つだった。   冷戦型制裁で崩れるチップの信頼性 トルーマン政権やアイゼンハワー政権は、ロシアを技術から切り離せば、ソ連の経済力、ひいては軍事力に長期的な悪影響を与えられれるとの結論した。今回の制裁措置は、ロシアの科学技術発展を長期的に阻害するねらいがある。  ウクライナで捕獲・破壊されたロシア製兵器を分析した結果、ロシア製兵器は西側コンピューターチップに強く依存している実態が明らかになった。自立した国で最も自立した産業であっても、統合と相互依存は避けられない。ロシアの軍事力への影響は重要だが、それは本筋ではない。  ロシアは戦場で失った分を新規生産で補うことは不可能だろう。そのためロシアの戦車製造が遅れても決定的な要素ではないだろう。もっと重要なのは、ロシアの技術的な競争力に出てくる長期的な影響だ。影響は、軍事分野より、民生分野に強く出てくるはずだ。ロシアの航空業界は制裁を受け、今後数カ月はスペアパーツが不足し、メンテナンスに時間がかかるため、大きく打撃を受ける可能性がある。   中国が助けてくれるかも もし中国が、西側諸国との関係を犠牲にしてまでもロシアを支援すると決意すれば、ロシアの技術的な問題の一部を解決できるだろう。しかし、中国は西側制裁の標的になることに強く敏感さを示してきた。中国のテクノロジー企業は世界経済と深く結びついており、世界市場から切り離されては困る。  中国政府と技術部門の民間企業間の関係は複雑だ。中国政府がロシアを支援したくても、業界を強制的に動かせるかは明らかではない。ロシアと世界の二者択一なら、中国は世界を選んでもおかしくない。最後に、中国はロシアのテクノロジー企業をハッキングし、ロシアの状況を利用することを躊躇していない。   ロシアは深みには