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2025年4月21日月曜日

米陸軍の新主力戦車エイブラムスXはたった1つの任務のため作られた(19fortyfive)

 AbramsX. Image Credit: YouTube Screenshot.

YouTubeのスクリーンショット。


陸軍は、ジェネラル・ダイナミクスの未来的コンセプト「AbramsX」でM1A2エイブラムスの大幅なアップデートを計画している。ミッションはシンプルで、地球上で最も支配的な戦車の座を守ることだ。

-エイブラムスXは、無人砲塔、強力なXM360 120ミリ砲、ハイブリッド・エンジン、先進的なアクティブ・プロテクション・システムを備え、戦車の重量を10トン削減する

-しかし、陸軍の好みは分かれそうだ。司令官は軽量化より装甲を重くすることを好むかもしれないし、ドローン発射能力に疑問を呈するかもしれないし、自動装填装置に抵抗があるかもしれない

-陸軍は、エイブラムスが将来の戦場で優位を保ち、その耐用年数を2050年以降も延ばせるよう、実績のある技術と新たな技術革新のバランスを取りながら、厳しい決断を迫られている


エイブラムスXで2050年以降もM1戦車の優位性を維持する

米陸軍はM1A2エイブラムス戦車の大幅更新を望んでおり、ジェネラル・ダイナミクスが発表したモックアップがその方法かもしれない。 2022年に発表されたAbramsXは、現設計が50年前の同戦車の完全なアップデートだとして宣伝されている。このアップデートによって、エイブラムズは2050年以降も活躍し続けることができる。

 エイブラムスXは間違いなく設計者が意図した会話のきっかけになるものだが、最終的な戦車は陸軍が望む姿と異なる可能性がある。


エイブラムスX:歴史

 エイブラムスXは、防衛請負会社のジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ(GDLS)が2022年の米陸軍協会会議で発表した。

 GDLSは1970年代後半にM1エイブラムスを開発し、1990年代にかけて数千両の戦車の生産を監督した。同社はまた、オリジナルのM1からM1A1、M1A2、そして今日のM1A2SEPv3規格まで、さまざまなバリエーションを生産してきた。

 陸軍もGDLSも、一から新しい戦車を設計する代わりにM1を近代化することで得られるものは多い。まったく新しい戦車は、少なくとも10年はかかるだろうし、コストも数十億に上り、ミサイル防衛を除けば陸軍で最も高価なプロジェクトとなる。M1のアップデートは、GDLSが戦車の特定要素を大幅刷新する一方で、他の側面はそのまま残すことを可能にする。これによって時間と費用が節約され、最新の戦車がより早く戦場に投入されることになる。

 エイブラムスXは、新型のXM360 120ミリ砲を搭載し、旧型のM256と同じ口径で軽量化されている。30ミリのXM813自動砲は、車長のM2 50口径機関砲と装填手の7.62ミリ機関砲の両方を置き換える。自動装填手が人間の装填手に取って代わり、乗員を3人に減らす。 乗員は車体内に移され、新砲塔は完全に無人化される。 スモークディスチャージャー、トロフィー・アクティブ・プロテクション・システムなどが砲塔に直接組み込まれている。ハイブリッド・エンジン・システムにより、戦車はバッテリー駆動が可能となり、エンジンを停止したままセンサーに電力を供給できる。 新型戦車の重量はM1A2SEPv3より10トン軽くなる。


火力と武器

火力は、陸軍の希望がGDLSの提供するものと異なる可能性がある重要な分野の一つだ。新型のXM360は健全だが、陸軍は、徹甲弾にとって重要な考慮事項である、わずかな速度向上のために、もう少し長い銃身を望むかもしれない。

 また、将来の戦車装甲を確実に撃破するために、陸軍は140ミリXM291のようなさらに大型で強力な砲を望むかもしれない。30ミリ自動砲は、戦車乗員が主砲の代わりに小口径武器で軽装甲車両と交戦できるようにする、良い選択であるが、陸軍は敵歩兵に対処するために遠隔操作の50口径機関砲を保持したいと思うかもしれない。


エイブラムスXの防御

プロテクションもまた、陸軍と業界の意見が分かれるカテゴリーかもしれない。 陸軍は、M1が数十年の間に徐々に重量が増加したこと(58トンから最新のプラットフォームの70トンまで)には必ずしも満足していないが、重い戦車には慣れている。

 M1A2SEPv3からエイブラムスXへの10トンの減量は、パッシブ・プロテクション(鋼鉄、セラミック、劣化ウランなどの物理的なプレート)、アクティブ・プロテクション(トロフィー・システム用の迎撃弾の増量)、重量増に対応するためのパワーパックのアップグレードの組み合わせに費やされる。


ドローン付き戦車

ドローン内蔵能力は、陸軍が手に入れたくないかもしれないもう一つのオプションだ。エイブラムスXは、ジャベリン対戦車ミサイルの弾頭を搭載したスイッチブレード300を4発搭載する。見通し外の攻撃能力は地上部隊にとって有用だが、陸軍は、独自の車両を運用する別個の部隊に滞空弾を集中させることを望むかもしれない。

 3人の戦車クルーは、命令に従うこと、直接射撃で敵の標的に交戦すること、ドローンや攻撃ヘリを避け、大砲をかわすこと、敵の歩兵や対戦車兵器を見張ることなど、やることがたくさんある。とはいえ、スイッチブレード300はこうした脅威の多くに答えることができ、乗員はオプションとしてこの弾薬があれば喜ぶかもしれない。陸軍が決めることだ。


自動装填砲に関する質問

最後に、陸軍は自動装填主砲を望まないかもしれない。自動装填装置は車両重量を減らし、人間による装填装置よりも場所を取らず、長期的に見ればコストも低い。ドイツ軍、フランス軍、日本軍、韓国軍、中国軍、ロシア軍がすべて自動装填装置を使用しており、その実用性が証明されているにもかかわらず、陸軍は自動装填装置に抵抗してきた。

 過去、米陸軍はオートローダーの信頼性に懸念を表明してきた。機械的な装填手と異なり、人間による装填手は常に機能する。さらに4人目の乗員は、乗員一人ひとりのメンテナンス負担を軽減し、警備のための余分な兵士を提供する。


次に何が起こるか?

米陸軍は、信頼できるエイブラムス・プラットフォームに新技術を搭載し、21世紀半ばまでの供用と有効性を確保する機会を得た。米陸軍は、コスト対能力を慎重に検討し、ドローンが装甲車にとってどれほどの脅威となるかを量り、現代の戦場における戦車の役割に関するその他の本質的な問題を熟考しなければならないだろう。

 エイブラムスが就役し40年以上経った今、陸軍が新たな戦車を設計する必要がなく、新たなアップグレードを発注する余裕があるのは、エイブラムスのオリジナル設計の優秀さあってのことだ。■


AbramsX: The Army’s New Main Battle Tank Built for Just 1 Mission

By

Kyle Mizokami

https://www.19fortyfive.com/2025/04/abramsx-the-armys-new-main-battle-tank-built-for-just-1-mission/?_gl=1*1t15237*_ga*MjA2MzgxODgyMS4xNzQ1MTgzNTkw*_up*MQ..


著者について カイル・ミゾカミ

19FortyFiveの寄稿編集者であるカイル・ミゾカミは、サンフランシスコを拠点とする防衛・国家安全保障ライターである。 Popular Mechanics』、『Esquire』、『The National Interest』、『Car and Driver』、『Men's Health』などに寄稿。 ブログ「Japan Security Watch」「Asia Security Watch」「War Is Boring」の創設者兼編集者。



2024年9月10日火曜日

オランダ、主力戦車部隊の復活を決定―プーチンの誤算はNATOの抑止力増強に走らせたことだ

   

Dutch Ministry of Defense



オランダは軍の再編成の中で、常設の戦車大隊を復活させる


ランダ政府は本日、2011年に物議を醸した戦車大隊の撤廃方針を覆し戦車大隊を再導入する計画を発表した。この動きは、主にロシアによるウクライナへの全面侵攻への対応として、オランダ軍への追加投資の一環であり、対潜水艦戦フリゲート艦、さらにF-35ステルス戦闘機(6機)、NH90ヘリコプターも含む。

 本日発表された最新のオランダ国防白書では、総額約266億ドルの追加投資が必要である理由は、「ヨーロッパが長きにわたる平和を享受してきた後、オランダは武力紛争を防ぐため敵対勢力の抑止に積極的に貢献しなければならないから」とある。

 白書では、中東における緊張の高まりや、国際的なルールを自国に有利なように変えようとする中国の取り組みが指摘されているが、何よりもウクライナにおけるロシアの戦争が予算の増加と、戦車を含む新たな装備の導入を後押ししている。


 「ウクライナにおけるロシアの抑制なき侵略行為は、NATO同盟に対する攻撃がもはや想像の域を超えたことを示しています」と、白書にはルベン・ブレケルマン国防相の言葉を引用して記載されている。「そのような攻撃は、オランダの安全保障と繁栄に大きな影響を及ぼすだろう。そのため、同盟国とともに、そのような攻撃を防ぐためにあらゆる努力をしなければならない」。

 オランダ軍の強化で重要な部分を占めるのは、戦車大隊であり、ドイツ製のレオパルト2を装備し、年間3億5000万ドルの費用がかかる見込みであると、NRC Handelsblad紙が報じている。この大隊は、白書が「陸上作戦のためのより強力な戦闘能力」の必要性を述べていることに対応する。

 また、オランダ国防省は、新たな装備に加え、人員面での必要性を満たすことを目指しており、直面する脅威に応じて人員を増減できる「拡張可能な軍隊」の創設を掲げている。これは、常設かつ拡張可能な部隊として本格的な軍人として配備される予備役の増員によって一部が達成される。冷戦時代の徴兵制モデルへの回帰は、当面の間は想定されていない。


1990年代にボスニア・ヘルツェゴビナでNATO主導の平和執行ミッション(IFOR)に参加した際の実射演習中のオランダ軍のレオパルト2A4戦車。オランダ国防省


 冷戦の最盛期にオランダ陸軍(Koninklijke Landmacht)は1,000両近い戦車を運用していた。最も近代的な戦車はレオパルト2で、1980年代に445両が取得され、オランダは最初の輸出顧客となった。その後、段階的にアップグレードされた。

 予算削減による防衛費の削減と、この種の装甲部隊はもはや必要ないという考えが相まって、オランダの戦車大隊の最後の2つが解散し、2011年5月にはオランダのレオパルト2A6が最後の発砲を行った。この時点で、オランダ軍の最前線におけるレオパルト2の数は約60両にまで減少していた。余剰となったレオパルト2はオーストリア、カナダ、フィンランド、ノルウェー、ポルトガルに譲渡された。


 冷戦後に戦車の重要性を再考したのはオランダだけではない。

 オランダ陸軍は歩兵戦闘車や自走砲を保有していたものの、戦車を完全に廃止した唯一のNATO加盟国だ。 主にコスト面を理由に、戦車ならではの機動性、火力、防御力を必要とする高速側面攻撃や、敵の拠点や要塞に対する突破攻撃の時代は終わったという認識に基づいて、この決定がなされた。

 残った20両あまりのレオパルト2は保管されることになったが、2014年のロシアによるクリミア併合を主な理由として、オランダは戦車の撤廃自体に疑問を抱くようになった。

 2015年には、小型戦車部隊を再編成することが発表されましたが、予算は依然として厳しい状況であったため、これはドイツとオランダの共同イニシアティブとして実施されることになりました。

 オランダのレオパルト2A6戦車18両が保管庫から出され、ドイツに移送された。そこで、当時最新の2A7規格にアップグレードされ、ベルリンからリースバックされ、ドイツ陸軍のPanzerbataillon 414に統合されました。オランダ兵約100名が加わり、ドイツ・オランダ混成部隊となり、オランダの戦車運用への復帰要求を、形ばかりとはいえ満たすことになった。同時に、ドイツ軍の機甲部隊の規模も拡大した。


 運用レベルでは、この二国間戦車大隊はドイツ軍の指揮下にあり、ドイツの兵舎を拠点としているが、NATOの大規模な攻勢においてはオランダ軍を支援することが期待されている。

 現時点では、総数、種類、スケジュールは完全に明確になっていないが、オランダ軍は独自の戦車を手に入れることを期待している。しかし、標準的なNATO戦車大隊は少なくとも44両の戦車から構成されており、さらに訓練用と後方支援予備として8両が加わる。

 NRC Handelsblad紙によると、すでにレオパルト2の採用が決定しているという。これらは、メーカーのクラウス・マッファイ・ヴェグマン(KMW)社による最新生産モデルである2A8標準型である可能性が高いと思われる。 

 オランダはすでに、NATOによるレオパルト2A8の共同調達計画に関与しており、この戦車はチェコ共和国、ドイツ、ノルウェーでも採用されています。レオパルト2A8は、エンジンとトランスミッション、120mm主砲をレオパルト2A7Vと共有しているが、イスラエル製ラファエル・トロフィー最新型アクティブ・スタンドオフ防護システムを含む新しい防御機能を備えている。

「軍隊が政治的な優先事項の最下位に位置づけられていた時代は、確実に終わった」と、オランダの新聞『de Volkskrant』は本日、白書を受けて宣言した。

 また、オランダ政府が国防予算の拡大に尽力していることは、欧州諸国がNATOの軍事支出目標を達成していないという米国を含むNATO加盟国からの批判を和らげる可能性もある。

 デ・フォルクスクラント紙によると、今夏のNATOの評価では、オランダ軍には「質的にも量的にも重大な欠陥」があり、「数十年にわたる予算不足の後、追加投資が必要である」と指摘されている。すべての解決策を実現するには、オランダは財源と人的資源の双方で負担を増やす必要がある。

 オランダの防衛態勢を強化している、あるいは強化する予定のその他の動きとしては、今年初めに発表された、オランダ空軍のF-35Aが核攻撃の役割を完全に担うという発表が挙げられる。同国は、今年初めに米国から提供された熱核爆弾B61-12の搭載が完全に認証された後、このミッションで共用攻撃戦闘機を運用すると宣言した最初の国となった。


 将来的には、オランダは通常兵器による長距離攻撃能力をさらに拡大する予定だ。オランダは次世代潜水艦に通常兵器を搭載したトマホーク巡航ミサイルを、またF-35にはAGM-158B 統合空対地スタンドオフミサイル(JASSM-ER)を、そしてオランダ陸軍にはイスラエル製の多連装ロケットランチャーPULS(Precise and Universal Launch System)を導入する。

 また、水中戦能力が軽視されていた後、新型潜水艦への投資も重要なものとなっている。オランダはフランスから4隻の新型通常動力型潜水艦を購入し、冷戦時代のワルラス級潜水艦を更新し、長距離攻撃を含む新たな国防体制に貢献する。


 新しい白書では、NATOの規定に従い、オランダの国防費は国内総生産(GDP)の少なくとも2%を占めることが保証されている。また、戦車部隊の再編により、オランダ陸軍はヨーロッパでの大規模な陸上戦闘に備える体制が整うとともに、ウクライナでの戦争がヨーロッパの他の地域の国防政策に影響を与え続けていることから、ロシアに対する抑止力としての役割も果たすことになる。■


Dutch Decide To Bring Back Main Battle Tanks

After more than a decade, the Netherlands has announced plans to reinstate a permanent tank battalion, as it continues to rebuild its armed forces.

Thomas Newdick

Posted on Sep 5, 2024 1:12 PM EDT


https://www.twz.com/land/dutch-decide-to-bring-back-main-battle-tanks


2022年5月9日月曜日

ウクライナ戦を見て、戦車全廃方針を打ち出した米海兵隊が決断に安堵している。ただし、必要なら陸軍戦車に頼るという考えでいいのか疑問。

台湾は太平洋で戦車が活躍できる唯一の場所と、海兵隊中将のカーステン・ヘックル中将は言う。(Photo by Ceng Shou Yi/NurPhoto via Getty Images)

兵隊の内部改革を進める中将は、戦車部隊を放棄する海兵隊方針を評価している。

海兵隊の戦闘開発・統合担当副司令官カーステン・ヘックル中将 Lt. General Karsten Hecklは水曜日、インド太平洋地域に戦車は「必要ない」と述べた。「インド太平洋のどこで戦車が活躍できるでしょうか?台湾?なるほど、でも他にありますか」

海兵隊の戦闘開発・統合担当副司令官であるヘックルは、海兵隊総監デイヴィッド・バーガー大将Gen. David Bergeによる議論を呼んだ「フォースデザイン2030」計画作成を補佐した。2020年3月に策定された同計画は、過去20年間アフガニスタンやイラクで陸上部隊として投入されてきた海兵隊を、海軍戦闘の原点に立ち返る再編成にしようとする。

広大な太平洋で中国に対抗するためだ。離島から離島へ飛び移る小型かつ高機動の部隊を配備し、センサーが多く配備された沿岸地帯で、容易に発見されたり標的にされず活動させる。しかし、「フォースデザイン2030」への最大の批判は、海兵隊戦車部隊の全廃だ。

しかしヘックル中将は、国際戦略研究センター(CSIS)と米海軍協会が開催したパネルで、ウクライナを見ればバーガーの決断は正しいと語った。

ロシア軍戦車数百両がウクライナ軍に抹殺されたり、鹵獲されている。更に多数が、ロシアの兵站の不備からガス欠になった。

ヘックル中将は言う。「戦車は、ロシアのウクライナ侵攻に見られるように、燃料を大量に消費するのです。イラクやアフガニスタンで、道路を走る燃料トラックが簡単に標的になることを学びました。イラクやアフガニスタンでは、大きな脆弱性となったのです」。

つまり、燃料を大量に消費し、簡単に見つかる戦車に頼らなくてもいいということが、前方展開し、軽く機敏な「スタンドイン」部隊のコンセプトを機能させると、ヘックル中将は言う。特に、中国の作戦を挫くために、太平洋の広大な地域を少部隊で、厳しい環境下で活動する場合は。

その代わり、海兵隊の戦車計画は陸軍の支援に依存する前提だ。

バーガー大将は、戦力設計2030の最初の版で、「戦車の能力は、過去の戦争における長く名誉ある歴史にもかかわらず、将来の最優先課題には作戦上適さないと結論づけるに足る十分な証拠がある」と書いている。「大型地上装甲車両は引き続き米陸軍が提供するものとする」。

海兵隊の戦車計画は陸軍を送り込むこと。(Photo by PATRIK STOLLARZ/AFP via Getty Images)

バーガー大将は、海兵隊が戦車を使用してきたのは、「脅威と環境に関する異なる仮定に基づいて設計された」能力の一部であると指摘する。

戦車含むこの能力は、海兵隊が「過剰に投資した」ものと、バーガー大将は書いている。

水曜日の講演でヘックル中将は、「全盛期でさえ、海兵隊戦車部隊は陸軍の後塵を拝していた」と指摘した。

そして、将来、海兵隊が統合軍での役割を検討する際により良い選択肢となる。

バーガー大将は、「統合軍の中で、海兵隊はどう位置づけられるのか、真剣に考えた」とヘックル中将は言う。「戦車はその一部ではないという大将の意見に心から同意します」。

陸軍がそのためにある、と彼は主張する。

歩兵将校と話すと、市街戦では戦車が必要という向きがいます。なるほど。壁に穴をあけるわけですか?」。

さらに、海兵隊が独自に開発した車両もある。8x8輪の水陸両用戦闘車両で、不運な水陸両用強襲車(AAV)の後継として設計された。老朽化したAAVは、2020年7月30日に海兵隊員8名と海軍水兵1名が死亡した事故をきっかけに、海中での運用が禁止されている。

「ACVはもっと、もっと生存力があります」とヘックル中将。「30ミリ砲を搭載したMod30型を作る可能性を検討中で、これで壁に穴を開けられます」

これで、「都市戦に使える長距離精密射撃と相まって、計算が変わるかもしれない」とヘックル中将は言う。

しかし、海兵隊の戦車廃止をめぐる議論は終わっていない。海兵隊が必要とする装甲支援を陸軍が常時提供できるかわからない。

また、戦場での戦車の役割も定まっていない。ロシアの戦車問題の実態は、戦後の徹底的検証で明らかになるであろう。

ロシアの戦車数百両が使えないのは、調整不足、兵站の不備、対策の老朽化、訓練・整備の欠如が主因なのか。

肩撃ちのジャベリンのような狭いキルゾーン、無人機、ウクライナに渡された多数の対装甲システムを利用したウクライナ防衛隊の技術が、ロシア戦車をウクライナで悪条件にしたのだろうか?

あるいは何らかの組み合わせか?

海兵隊が重装甲を捨てる決断をしたこととウクライナの事実をあわせ探る。続報をまってほしい。■


Russian Armor Losses Validate Marines' Decision To Dump Their Tanks Says General


the Marine Corps should find itself in need of support from tanks, their plan has a familiar ring. Send in the Army.

BY

HOWARD ALTMAN

MAY 6, 2022 5:39 PM

THE WAR ZONE


2017年7月31日月曜日

★★米陸軍の考える次期主力戦車の姿


米陸軍は将来の戦闘を市街地戦が中心と見ており、取り回しの良い小型戦車を望んでいるようですが、結局あれもこれもと装備性能を追加すると重量級車両にあなってしまうのですね。エイブラムズが70トン超ですか、日本の10式は44トンということですから相当の差がありますね。艦艇や航空機と同様に今後の装備では発電容量がカギになるということでしょうか。

Vitaly V. Kuzmin - http://www.vitalykuzmin.net/?q=node/604

Milley’s Future Tank: Railguns, Robotics & Ultra-Light Armor ミリ―参謀総長の考える将来の戦車はレイルガン、ロボット工学、超軽量装甲を搭載


上写真 ロシアの新型T-14アルマータ戦車。モスクワの軍事パレードで。
NATIONAL PRESS CLUB: 戦車は時代遅れになるどころかこれからも必要だ。米国は1980年代からM1エイブラムズを稼働中だがどんな戦車が必要で、どれだけの時間の猶予がるのか。本日当地で陸軍参謀総長段階的改良でなく一気に技術革新を狙うと述べているが、新型戦車開発は長時間がかかると言いたいのだろう。
Sydney J. Freedberg Jr. photoマーク・ミリー大将
  1. 「機械化車両もかつての騎兵隊や恐竜と同じ道をたどるのか。そうは思わない。ただし自信が持てないのでこの問いを続ける」
  2. 「現在の戦車は堅牢かつ優秀だ」とM1を評した。「だが機械科歩兵部隊や戦車の基本となる新型地上車両プラットフォームが必要だ。今後25年ほどは各種車両に相当の役目が期待される」
  3. 「どんな技術が導入されるのか」とミリー大将は続けた。「まずアクティブ防御装備として電子ジャマー装置やミニミサイルで対戦車兵器を遮る。乗員数も自動砲塔の採用で減らす」となるとロシアの新型T-14アルマータと同じ発想だ。ミリー大将は米陸軍は同戦車をくわしく研究中という。「技術研究の中心は素材で、装甲そのものだ。大幅軽量化しても同じ装甲性能を実現する素材があれば画期的な技術突破口になる」
http://www.raytheon.com/capabilities/products/aps/レイセオンのQuick Kill アクティブ防御技術
  1. 「研究開発課題は他にもたくさんある」とミリー大将は述べた。たしかにそうだが陸軍や業界関係者と話すと「突破口」になる技術革新があと少しで実現すると見る向きは皆無だ。装甲材料で中程度の改良は研究中だが装甲重量を画期的に軽減する根本的な革新は見あたらない。
  2. すべての車両で重量が増える傾向だ。M1戦車が登場した1980年の重量は60トンで当時のソ連対戦車砲のほとんどに十分だったが、その後70トン近くに増えている。歩兵戦闘車両M2ブラッドレイは25トンだったが今や40トンで、BAEからは45トン型提案もある。ブラッドレイ後継車両の地上戦闘車両構想は84トンまで大型化したが予算不足の陸軍がキャンセルした。
M1エイブラムス戦車、イラクにて
  1. 陸軍は軽量車両に目を向けているが、記者が話した専門家は軽装甲を信用していない。かわりに以前なら異端といわれたトレードオフを検討している。たとえば空挺部隊用に空中投下可能な軽量戦車、あるいはブラッドレイ後継車両に現行の半分の歩兵搭載能力を与えることだ。
  2. 小型化すれば軽量化も実現し狭い市街地での取り回し性能も手に入る。ミリー大将含む陸軍上層部は将来の戦闘は市街地が舞台にすることが増えると見ているのでこれは重要な性能になる。モスルは究極の将来の小規模戦闘の姿と受け止められた。2004年のファルージャ、2008年のサドルシティでは戦車で奪回に成功したが歩兵部隊と特殊部隊との密接な連携がカギだったとミリー大将は述べた。
Army photoレーザーを搭載したストライカー。5キロワットで無人機を撃墜するのが目的だが大出力なら車両を走行不能にできる
  1. ミリー参謀総長は軽量防御を最上位の優先事項に上げるが、同時に二つの技術で装甲車両を革命的に変えるとする。一つがレイルガン含む電動兵器で電磁石で固体金属のかたまりを超音速に加速する。もう一つはレーザーで光速でエネルギーを放射する。「運動エネルギーに火薬を使う弾薬は5世紀にわたり使われている」とミリーは指摘するが、火力に別の選択肢も着実に実現しつつある。
ロッキードのATHENAレーザーで走行不能になった車両
  1. 今のところレーザー、レイルガンはともに防御兵器としての開発が主で無人機や巡航ミサイルを迅速かつ安価に撃墜する方法として注目されている。空軍特殊作戦軍団は150キロワット級レーザー砲をAC-130ガンシップに搭載し音をたてずに敵地上の車両の重要部品を焼きつぶそうとしている。今は大型機にしか搭載できない攻撃用レーザーが将来の大型地上車両に搭載される日が遠いとは限らない。
  2. もう一つの画期的な技術革新としてミリー大将があげるのが「ロボット工学の革命」だ。地上は空中や海より航行制御が困難とミリー大将は指摘したうえで、地上ロボットの登場は無人機や無人艇より遅れるが、「ゆくゆくは広範囲にロボットの導入が実現するはず」と述べた。小型で消耗品扱いの偵察ロボットが中心で、センサーまたは兵器を積み、歩兵隊の先陣を進む。ミリーは未来の戦車は運用人員を減らすため自動化を大幅に採用すると見るが選択的に完全無人自律運用にすることも視野に入るという。
  3. 「今後開発する各車両では無人有人運用の切り替えが当然となり指揮官はスイッチ一つでロボット車両にすることが可能となるでしょう」
  4. 将来の戦闘ロボット開発にはまだ多くの検討が必要だ。人工知能で戦車運用を任せられるほど発達すれば、戦闘はAIにさせて乗員は安全な本国に残れば生命の危険はなくなる。戦車内部に人間が不要となれはAIに目標を捕捉させて攻撃を任せられるのか。ペンタゴンの現在の方針では「絶対不可」であるが、ロボットが人間から「発射」命令(あるいは思考)を待つ間にそこまで慎重な態度を取らない敵勢力が先に攻撃するかもしれない。陸軍には検討すべき課題が山積しているが、国家の検討課題でもある。■