少 なくとも2つの次世代戦闘機事業に国防総省予算が投入されているが、インターネット掲示板や世界の軍事施設、先端航空研究施設で、ひとつの疑問がよく見られる。 ドッグファイトの時代は本当に終わったのだろうか 。 アメリカ軍機による最後の空対空撃墜事例は、2017年にアメリカ海軍のF/A-18Eスーパーホーネットが、シリアのラッカ県でアメリカが支援するシリア民主軍を爆撃していたシリア軍のSu-22を撃墜した際だった。ドッグファイトといえるようなものではなかったが、アメリカ戦闘機による空対空戦は1999年のコソボでの連合軍作戦以来であった。米軍機が本格的な空中戦に見舞われたことは、1991年のイラク上空以降発生していない。30年以上前のドッグファイトから、ステルスが主流になりつつある今、国防総省が接近空対空戦闘を優先する考えから離れつつあるのは意外ではない。 技術トレンドが後押ししているのは否定しない。しかし、アメリカが空戦の将来を問うのは今回が初めてではない。多くの航空ファンや歴史家が覚えているように、かつても新技術の導入で空中戦がなくなると仮定したが、期待通りにいかなかった。(ベトナム戦争でのドッグファイトで何が本当に問題だったのか、より深い分析もある。) ベトナム戦争で撃墜されるアメリカ空軍のF-105Dサンダーチーフ(WikiMedia Commons) 20年以上にわたり世界中で対テロ作戦を展開してきた結果、アメリカの飛行士や上級指導者の大半は、敵対する空域にほとんど皆無、あるいはまったく敵戦力がない状態で、キャリアを費やしてきたという事実は否定できない。そのため、イラク、アフガニスタン、シリアなどでの作戦経験が、現在の視点を歪めていないか、と考えるのは自然なことだろう。 「ドッグファイトは死んだのか?」という問いは、シンプルながら、答えは複雑となる。しかし、アメリカの国防関係者の多くが、空戦はボクサー同士ではなくスナイパーのゲームになったと信じているようだが、筆者自身のパイロットとしての経験から、アメリカの固定翼機部隊では、空戦技量の訓練は今も変わらず非常に深刻な問題であるといえる。 アメリカの戦闘機パイロットは、あらゆる種類の戦いに勝つため訓練しているが、戦闘機パイロット文化の中では、ドッグファイトは明らかにアウトであるのは事実なようだ。...
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